【閑話】ある冒険者の話し 2
バターケの領民の方言は普通の広島弁です。
けして893言葉ではありません!
一部、過激なセリフがありますがご了承ください。
(オッハーナ領首館)
「ロイド!よう来てくれたの!」
「俺とヤっさんの仲じゃないか。
元A級が相手でも、必ず守ってみせるよ。」
「そう言ぅてくれると嬉しいのぉ。
このオッハーナ領で最強のロイドが居れば、怖いモンなしじゃ!」
「「「「ほうじゃ!ほうじゃ!ロイドが居ればオーガに金棒じゃけんのう!!」」」」
いや…皆んな、そんなに期待されても困るんだけど。
チート級の【索敵】と【地図アプリ】を使えば、不意打ちは防げると思うけど、俺そんなに強くないから。
「アレらが、こっちに向こぉとるっちゅう情報はほんまなんか?」
「間違いなぃんじゃ。昨日、ザッケンナーの領主館が襲われて、『義兄貴が怪我した。』いう連絡が入ったんじゃ!
『拐われたはずのメリーナが一緒におった。』って情報もあるけん、こっちも警戒しよう思うて。」
うわぁ最悪じゃないか、ザッケンナーの領主ってメリーナの親戚じゃなかった?
いくら見た目が893だからって、悪人じゃないの知ってるはずなのに襲わせるとか、もう平民落ちだけじゃ済まないな。
「ザッケンナーの人達大丈夫なんか?」
「たまたま近くの村に【勇者】様がおって、怪我は治してくれたんじゃけど、金目の物をようけ持って行かれたんじゃと。」
【番同士の駆け落ち】が【強盗行脚】になってかなりランクダウンしてるじゃねぇか!
しかも自分達は【正義の味方】で良い事をしているつもりらしい。
とりあえず【索敵】と【地図アプリ】を展開しておこう。
て…やべぇ〜もうこっちに向かってるじゃないか!
「ヤっさん…まずい、奴らマジでこっちに向こぉうとる!
この速度だと明後日にゃあ着きそうだ!
今のうちに女子供、年寄りを領主館に避難させた方がええぞ!」
「なんだと!?一大事じゃないか!
お前ら!戦の準備だ!!
ぬかるんじゃねぇぞ!!」
「「「「おぉー!!ワシらの力を思い知らせちゃる!!」」」」
おい!俺の話し聞いてた?
女子供、年寄りは避難しろって言っただろ!
漁師町で血の気が多い奴らが、多いのはわかっちゃいるけど、相手は元A級冒険者の稀人と盗賊団だ!
たいした治療師のいない、この田舎の漁村じゃ死人が出てもおかしくない!!
ここは一発、ガツンと言っとかないと!
「金目の物や食料を持って、領主館に避難しろってっとるじゃろ !!
何時もの隣りの領との漁場争いと訳が違うんじゃけんの!」
「「「「……………。」」」」
「ロ…ロイド、すまん… オマエのゆう通りじゃった。
相手は元A級冒険者… ちぃとでもオマエの役にたとうゆぅて思うとったんじゃが、足手纏いにしかならんのんじゃの。」
「俺も大声出して悪かった。
とにかく、アイツらが来る前に避難してくれ。
他の村落には冒険者ギルドから連絡して、避難指示を出してもらうけん。」
こうして、バターケの領民は七色真珠の儲けで建て替えたばかりのオッハーナ領主館に立て籠りをする事になった。
俺はアイツらが来るまでに、魔石に魔力を貯めて攻撃に備える。
俺のスキルでアイツらに対抗出来るのは、【光の盾】だけだ。
このスキルだけはレベル10……
既に冒険者ギルドから救援要請は出した。
だがおそらく、S級冒険者達は間に合わない。
彼らがこちらに着くまでの約半日…必ずここは守ってみせる!
因みに某有名893映画シリーズで使われていた広島弁はある一部地域の方言です。
そのまま使うとヤバ過ぎなので、若干マイルドにしてみました。
同じ県内でも地域によって方言が違います。
作者の実家付近はなんと、道を隔てた隣りの地域と方言が違いましたよ!
*ロイドがセリフ以外の広島弁を話さない理由。
地方出身者あるある。
地元以外で方言が通じないからです。
全部広島弁にすると、ほんとに何言ってるかわからない。




