表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/110

2 番だからって何をしても良い訳ではない!

前回も言ったがこの世界に【番同士なら何をしても許される】などと言うルールは無い。



相手に余程の落ち度がない限り、例え番同士であってもそれは()()()()()だ。



どうしても別れたいなら、きちんと話し合いか裁判で賠償請求に応じなければならない。



当然だろう。

婚約や結婚に伴う家同士の契約…それまで彼女(彼)に注いで来た努力や愛情を踏み躙り、相手の為に掛けた時間と金銭…全て壊してしまうのだから。



――――――――――――――――――――――――

【王子と番の娘】


昔々、ある国の王太子が婚約者がいるにもかかわらず、番だという身分の低い娘と結婚する為に、婚約者に冤罪を被せて婚約破棄しようとして失敗した。



婚約者に対して、王太子と番の娘が払う賠償金はかなりの金額になったという。



もしこの婚約破棄が成功していても、番の娘に国母になれる様な能力は1つも無かった。

そもそも、いずれ国母になる為に元婚約者が幼い頃から努力して来た物を、つい最近まで平民だった娘に勤められる訳が無い。



王太子は王族の身分を失い、彼に渡される筈だった予算は全て元婚約者に賠償金として支払われる事になったそうだ。



その後、番の2人は働いても働いても稼いだお金はギリギリの生活費を除いて賠償金として取り上げられ、不孝な生涯を送った。



一方で元婚約者は番では無かったが、新たに王太子になった第2王子に王妃として寄り添い幸せに暮らしたという。


――――――――――――――――――――――――


という様な本が市井でも出回るくらい、『番と損害賠償金』の話しは有名だ。



因みにある国と(ぼか)してあるが、コレは我がポーラルタオ王国で何百年か前に実際に起こった事件を元に書かれた物だと、俺も公爵家に来てから知った。



何考えてたんだよその元王太子と番の娘(お花畑)は!?

というかコレ、まんま『乙ゲーざまぁ』じゃないか!



現王家はその第2王子の直系ではなく、その流れを組む家系だ。

直系が絶えた為、残っていた幾つかある分家から能力のある者を養子して、何とか王家を維持している。



現王家はその分家の養子か5代目。

阿保王子の所為で、危うくまた途絶えるところだったがまともな第2王子が居たので、この王家はまだ続く。



因みに俺の父上は王弟だが、娘しかいなかった母上はとこのところに婿入りした。

例の血筋を保つ為に維持されている分家の1つだ。



まぁ、それは置いといて…問題は今回の俺のケースだ。



2年前の第1王子派の婚約破棄騒動で、高位貴族令嬢数人が、他国へ嫁いだり婚約が再編された為(廃嫡された令息の元婚約者と次男以降の令息が婚約等)、現在俺と年齢の近い高位貴族令嬢が非常に少ない。

居ても血が近かったり、問題有りの者ばかり。



令息の方は逆に多過ぎて、貴族の3男以下の騎士や兵士など履いて捨てるくらいいる。

余程活躍しないと、貴族位を保つのも難しいだろう。

彼等は娘しかいない貴族家に婿入りする為に、水面下でし烈な争いをしているのだ。



当然、王位継承権の高い俺が、そこへ参戦する訳にはいかない。



それにもう殆どの令嬢に既に婚約者がいる為、メリーナに逃げられた俺に、次期公爵夫人になれる程の知識とマナーを持った相手が居ないという事態になってしまったのだ。

(メリーナは伯爵令嬢なのでギリギリライン)



居るとしたら、1世代後……

俺に幼女趣味は無い。



とにかくこの歳(18 歳)になって、新しい婚約者を探すのはかなり難しい。



せめて両家と相談して、円満に婚約を白紙に戻すならまだしも、【置き手紙1つで駆け落ち】とかマジで勘弁して欲しい。



このままでは俺が問題のある婚約者で、その為にメリーナが番と逃げたと思われてしまうじゃないか!



あゝ胃が痛い……

い…胃薬……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ