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9 異世界に行って来ました! 1-9

本当にしつこいなヤマさん。



そう言えば…刑事ドラマによく出て来るよなベテラン刑事の()()()()って……



仕方ない…とりあえず都内に向かう事にするか。

人混みに紛れるか、ターミナル駅構内を迷子のフリして引っ張り回すのも良いかもしれない♪



日本の(※1)サグラ◯ファミリア》は未だに工事を続けているみたいだしな。

向こうの工事が終わったと思ったら次はあちらと、開業以来ずっと改装、修復、増築を繰り返しているまさにダンジョン。



地元の人間でさえ長年通っていても、『自分が使っているルート以外は解らない』のだ。

暫く来てなければ確実に迷子になる。



今回、俺はそれを利用する事にした。

薫さんに借りた、秘密道具◯パット。

コレでダンジョンマップは完璧だ!



こうして俺は1時間近くかけてヤマさんを撒き、やっとの事で都内に向かった。

先に秋羽原の方に行こうと思ったが、俺を見失ったヤマさんはおそらく、オタクなのを知っているからそっちに向かうだろう。



という訳で先に首藤の勤め先、都内某所にある【首藤商事】に向かった。

もちろん中に入ったりはしない。

今の俺はあの男と無関係だからな……



あの男のブログやSNSを使って調べた結果、昼食はオフィス街にカフェに来る確率が高いみたいだ。

本人に会っていろいろ確認しないと……



因みに今は目立つとまずいので、髪は金髪から茶色に変えてサングラスをかけている。

服はジャケットとパンツに着替えた。



オフィス街で私服は目立つからな。

あの男がいつも使っているという席の近くに座り、借りて来たノートパソコンを開き、コーヒーを注文した。



向こうでは紅茶が主流でコーヒーはあまり出回っていないので専門店が少ない。

俺の母国、北にあるポーラルタオ王国ではかなり希少品。

流石の公爵家でも王家からの下賜で年に1度手に入るか入らないくらいだ。



こっちにいる間にしっかり飲んで帰ろう。

そうだ♪お土産はコーヒーにしよう。

こういう状況時のお土産は消え物が1番良いらしい。



暫くすると周囲のオフィスから、続々と人が集まって来た。

さて…あの男は来るかな?



50分後……



昼休憩も終わるというのに来ないじゃないか!

今日は他の店に行ってるのか?

暫く待っていたが、首藤が来ない……



嘘だろ?普通来るもんじゃないの⁇

現実は厳しい……



そろそろ店員さんの目とコーヒーの飲み過ぎで胃が悪くなって来たんだが……



諦めて店を出ようと思っていたら、ようやく首藤が他の社員と一緒にやって来た。

どうやら仕事の関係で昼休憩をずらしたらしい。



社長の息子は特別扱いか……

とりあえず確認出来て良かった。



確認さえ出来れば、後はこっちの物だ。

あの男の頭で20代でマーケティング部の係長とか、絶対にお飾りだろ!?



となったら、俺が帰国(?)する時に連れて行ってもいいよな?



もちろん、魔法とこっちの御使様の力を借りて行う、《神隠し》だ。

俺がやった証拠なんて残らない。



首藤にこっそり【マーキング(※2)】の魔法を掛け、お土産用のコーヒー豆を買って店を出た。


―――――――――――――――――――――


※1


何処の駅だか解った人は地元民かマニアですね。


※2


GPS的な魔法。











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