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8 異世界に行って来ました! 1-8

遅くなりました。

刑事さん達と別れた後、俺は予定通り前世の実家の様子を見に行った。

この時間なら父さんはまだ仕事か……

母さんはもしかしたら…家にいるかもしれない。



少し離れた場所から実家を覗いて見た。



母さんは庭で花壇の手入れをしていた。

花壇は俺の好きな赤い花でいっぱいだった。



(やつ)れたな… 」



「うちの人もたまに様子を見に行っているよ。

やっぱり犯人が見つかっていないのが、大きいと思う。」



くそ〜あのストーカー野郎、絶対許さん!

見つけ出して自分の罪を思い知らせてやる!!



暫く母さんの様子を見た後、俺は薫さんと寺に自分の墓を見に向かった。

まさか、自分で自分の墓を見に行く事になるとは思わなかった……



その日の夜、神社に刑事の犬井さんが恋人の作ったスイーツを持ってやって来た。



「『行くなら手土産の一つも持って行かないと… 』と言って手早く作って持たせてくれました。」



と言っていた。

中身はアイスブロッククッキーだ、気の利く恋人だなぁ♪



犬井さんはモフ神系の関係者の人だ。

何と本来の姿は狼系の獣人にそっくりだった。



なるほど…この姿では向こうの世界の方が暮らしやすいだろう。



彼の希望は『①恋人と一緒に向こうに移住し、事情を知っている俺の元に就職したい。

②恋人はパティシエなので向こうで店を持たせてやりたい。

③落ち着いたら恋人と結婚をしたい。』だそうだ。



俺としても、事情を知っている彼が来てくれるのは願ったり叶ったりだ。

前世の俺を殺した犯人に関する、情報提供をしてくれるならなおOK。



それに彼の恋人が作る他のスイーツも食べてみたい。

甘過ぎないのがいい♪



その後遅くまでいろいろ細かい打ち合わせをして、その日は解散した。



翌日の昼前、犬井さんから犯人のストーカーの現在の居場所と職業等の資料が届いた。

本来ならマズい事だから正規のルートではなく、御使い様を通してだ。

通称《モフ神便》便利だな。



この資料によると俺を殺した犯人…【首藤 カツミ】は現在実家を出て都内で一人暮らし。

一流企業である総合商社【首藤商事】に社長である親のコネで入社。



なるほど首藤商事の三男だったのか……

と言っても愛人の子供で父親は認知しているが、他の家族とは上手くいってなく、荒れていたが三年くらい前に急に真面目になった。



俺を殺したのがバレたらマズいから、大人しくしているのか。



今のところは真面目に働いているようだが、いつ本性を出すか解らないな……



あれだけ大きな企業だ、コイツの悪行の所為で倒産したら大変な事になるしどうするか?

証拠も無いって言うしなぁ。


(考え中…… )



!!



そうだ!行方不明(神隠し)になってもらおう!!

異世界(向こう)なら俺のやりたい放題だ。



もちろん、俺にした事への謝罪文は書いてもらう。

二度とこっちには帰さないから実質、遺書だな……



向こうで本人に書かせて、後で届けても良い訳だし♪

コレなら()()()()されても大丈夫だ!



伊達に刑事ドラマは見てなかったぞ!!

モフ神便便利だな♪



そうと決まれば明日早速、コイツの身辺を探りに行くか♪



ついでに秋羽原にも寄って行くかな?



何て気楽に考えていたのだが、翌日1人で駅に向かったら、何故かまたあのヤマさんって刑事が俺を見張っている。



犬井さんは居ないから、単独行動だろう。

こういう時、ドラマだと【休暇中】とか【謹慎中】だよな。



さて…困ったな。

撒いて逃げるのは簡単だけど、それやるとますますしつこくなりそうたし、マジで困った。


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