5 異世界に行って来ました!1-5
ネイサン視点に戻ります。
早朝…公明に叩き起こされ、朝の修行に付き合わされた。
修行が終わってから朝食を食べた。
「あゝ〜美味しい〜♪
久しぶりの本物の日本食だ〜♡」
向こうでも、おっさんと協力してなんとか《日本食もどき》を作って食べているが、やはり本物とは違う。
白いご飯に味噌汁。
アジの開きと甘い厚焼き玉子。
そして…稲荷神社の境内で採れた梅で作った梅干し。
最高だ♪
そんな俺を呆れて見ている公明。
去年、結婚したばかりの奥さんは
「外国の方なのにお箸の持ち方が上手なんですね!」
と感心している。
まぁ、中身は元日本人だからな。
きちんと正座して公明の奥さんに、深夜に迷惑をかけた事を詫びる。
「すみませんでした。
夜中に突然お邪魔して、改めてご挨拶させていただきます。
ジョナサン・スミスです。
日本の文化を学びに来ました。
愛称はネイサンと言います。
暫くの間、宜しくお願いします。」
すると奥さんの方も丁寧に座り直して挨拶を返してくれた。
「あら?ご丁寧にありがとうございます。
私はこの神社の祭神の娘で薫と申します。
昨日は大変でしたわね。
コンビニ強盗に巻き込まれるなんて…… 」
驚いた事に公明の奥さんは鈴木稲荷神社のご祭神の娘さんだった。
まさか、友達が人外の嫁を貰っていたとは驚きだ。
だからこそ、昨日のとんでもない状況を理解してくれたのだろうが……
一通り挨拶を済ませた後、俺は奥さん…薫さんの案内で、ショッピングモールに行く事にした。
境内を車で出ると、刑事らしき2人組の車が尾行して来た。
よく見ると、助手席に乗っているのは俺に難癖をつけていた警察官だった。
という事はあの警察官は刑事課だったのか。
朝からご苦労様……
犯人と無関係な俺を見張っていても、何も出て来ないぞ!
開店して直ぐ中古ショップに行って、事前に薫さんに調べて貰った例の乙女ゲーム 【聖女の♡〜】シリーズで発売されている物を片っ端から購入。
いくつか無かった物もあったが、本屋で新刊を探す事にした。
それでも無ければ、ネットで探す!
とにかく手に入れて持って帰らないと……
他にもこのゲーム会社が作った作品は何故か、あの世界に関係がある物が多い。
そういうのも集めて行くとかなりの数だ。
他にも、異世界チートに繋がりそうな専門的な本も幅広く集めて行かないと!
俺達が本やゲームを買い漁っている間、刑事さん達がどうしてたかって?
マニアックな商品が並ぶ中、美形2人組の俺達も目立っていたけど、場違いな場所にいるおっさん2人は更に目立っていた。
さて、お次は本屋で残りの巻を買ってから、お昼を食べて帰るかな?
久しぶりにジャンクフードでも食べるか♪
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※1
作者は神社の修行の事はわからないので、適当です。