表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/110

2 公爵side

【王都領主邸、公爵side】



()()が発覚したのは先日行われた、()()()()()()()()の【祝福】と同時に行われた【鑑定】だった。



【鑑定】というのは数年前に、同盟国のユイナーダ王国で開発された技術で、【爵位簒奪】を防ぐ為に今年から導入された物だ。



まさかそれに()()()()()()()()()()が最初に、引っかかるとは思わなかった。



第2王子の側近候補として、長年努力してきた私の息子が、()()()()()など(にわか)には信じられなかった。



しかも、()()()()()()公爵家警備隊隊長ガルフの息子だと?



ガルフは真面目な男だ。

とても、そんな事をするような男ではない。



()()が産まれ当時、ガルフは私の仕事の都合で護衛の為、自分の息子が産まれたにも関わらず私と王都に居た。



奥は偶々、妊娠に気づいたのが領地に帰っている時で、同時期に妊娠していたガルフの妻マリエッタを急遽乳母として雇い、念の為領地に残る事になったのだ。



という事は、子供を入れ替える事が可能なのはガルフの妻マリエッタだけだ。

しかし彼女は数年前に病死していて確かめようがない。



そう思って、今度はガルフの息子カイトを【鑑定】した結果、()()()()でガルフの息子ではなかった。



彼は大柄で、同年齢の子供達より身長も抜きん出ていた。

しかしそれも今回の【鑑定】で、実は息子達より2歳も上だった事が判明した。



彼は以前から横柄で、他の使用人の子供達に嫌われていた。

息子に対する態度とは、全く違っていた為ガルフには悪いが成人を期に、息子の従者から外そうとした矢先に、この結果だ。



【鑑定】の結果、()()()()()()は『マリエッタの()()()()()()』だった。

しかも彼は最悪な事に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、今まで過ごして来ていたのだ!




とても許される事ではない!!




私は急いで領地にある、マリエッタの姉夫婦が住んでるメルカ村に、部下を向かわせた。




ところが、既に()()()()()()()()()()は村に居らず、彼女達に虐げられていた為どうやら成人を期に村を出たらしい事がわかった。




部下の報告に拠ればあろう事か、彼は教会のくだらないしきたりの所為で、【最初の祝福】さえ受けられず、その後の成人の儀である【祝福】も受けられなかったというのだ。

しかも、その時の担当者がとんでもない人物だった。

(だがコレは、第二王子派の私には好都合。)




何という事だ。




『【最初の祝福】を受けていない』という事は『彼の出生が届けられていない』という事だ。




村にいる時は必要なかっただろうが、外に出ればそういう訳にはいかない。

届けが無ければろくな仕事にも着けないだろう。




もう少し早くこの事に気付いていれば……




部下達によって、マリエッタの姉夫婦とその3人の子供は捕らて一先ず牢に入れている。

詳しく取り調べた後、処分するつもりだ。

この件でガルフは警備隊隊長の座を降りる事になった。

長年真面目に勤めてくれていただけに、実に惜しい事だが仕方がない。

()()()ガルフと共に家を出る事になった。




ガルフの他の子供達も何も知らなかったとはいえ、そのままという訳にはいかず、この国に居ても事件の事は多くの者に知られているので生活出来ないだろう。




そこで私はユイナーダ王国にいる義弟ベルツリー侯爵を頼る事にした。




ベルツリー侯爵は私の頼みを快く引き受けてくれ、ガルフの子供達はユイナーダ王国へと旅だって行った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ