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乙女ゲームのおさらい

そもそもこの世界は、最近忘れがちだが乙女ゲーム【聖女シリーズ】の世界だ。



中でも俺が巻き込まれたのは、一番売れ行きが悪かった【聖女と6人の騎士】。



前の【聖女の♡異世界学園世界 1】と【聖女の♡異世界学園世界 2】の売れ行きが良かったからと言って、3匹目のドジョウを狙って大コケした駄作。



まず、ヒロインの聖女アリスがあざと過ぎる。

ゲームでそれなのに、実際にこの世界に現れた聖女アリスはそれに輪をかけて最悪の超ビッチ電波女だった!



そもそもコイツが小遣い稼ぎの為に、俺の【最初の祝福】という、実質【戸籍登録】をしなかった事がシナリオ崩壊の発端。



更に同じ頃、ユイナーダ王国でもある人の行動がきっかけで、大元のゲームシナリオが崩壊し始めていた。



その後、ドミノ倒しにシナリオ崩壊が進んでいた事に気づかず、聖女アリスはゲームシナリオ以上に活躍した。



逆ハーレムどころか、学院中の顔のいい高位貴族や金持ち、能力の高い連中に媚びを売って顰蹙(ひんしゅく)を買っていた。(後日、レイリアル殿下から聞いた話。)



この乙女ゲームが不人気だった理由のひとつが攻略対象が7人もいて面倒くさかった事。




1人目…ブレッド


前騎士団長子息。殿下の学園内での護衛も兼ねていた。

脳筋、考え無し。

一番始めに攻略されて、側近仲間にアリスを紹介した。


2人目…フィリップ


前宰相子息。

マリウスの乳兄弟で、彼を妄信している。

本来なら、主人とアリスが近づくのを阻止しなければならない立場なのに、一緒に攻略された。

殿下の復権を画策する腹黒眼鏡。



3人目…モーダ


平民出身でアリスに出会う前は、一応真面目にヘンドラー商会の仕事も手伝っていた。

商会長の娘シャーリーの元婚約者でお調子者のチャラ男。


婚約破棄騒動の所為で後ろ盾の商会を追い出されてお金が無くなり、現在は詐欺をしてクーデターの資金を稼いでいるらしい。



4人目…ジェーニオ


俺の元婚約者だったお嬢様の元婚約者

自称魔術の天才。

魔法研究にしか興味が無かった為、女性に免疫が無く簡単に攻略された。


父親は魔導教会会長で伯爵だったが、婚約破棄騒動の所為で男爵に格下げされ、プライドの高かった彼の家族は領地に引きこもってしまった。



5人目…クレデンテ


聖女アリスの幼馴染み。

アリスが聖女認定された時から、彼女を信仰の対象として来た。

アリスの影響で、本来の信仰とは違う考えを持ってしまった。


父親は、ポーラルタオ王国元教区長。

婚約破棄騒動の所為で解任。

現在は辺境地にある小さな教会の神父をしている。



6人目…メインヒーロー()()()第一王子マリウス(廃嫡・幽閉中)。



7人目…隠し攻略対象のレイリアル殿下。



多すぎるだろ!!

しかもレイリアル殿下を攻略する為には、6人を逆ハーしてからじゃないとダメとか……



どんだけビッチ仕様な乙女ゲームなんだよ!!

制作に文句言いたい!!



て…居たなユイナーダ王国に!

とりあえず、あの人を呼び出してみよう。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


《ウチニーク商会》



「ほう、なるほど……

コレは珍しい物ですな。

昆虫入りの魔石など初めて拝見しました。」



モーダがウチニーク商会に持ち込んだのは、色とりどりの魔石の中に小さな虫が封じ込められた物だ。



前世の世界にあった、琥珀に虫が入っている物の魔石版といったところか?



もちろんいくらここが異世界でも、自然にこんな物が出来る訳が無い。

おそらく魔術師のジェーニオが作った物だろう。



普通に加工品として売っても、売り方によればけっこう良い商売になると思うけどなぁ。



おそらく安い屑魔石を合成して中に虫を仕込んでいるのだろうが、その合成する技術が画期的だ!



今までの技術では、どうしても継ぎ目の部分がわかってしまっていたが、アレはまったく継ぎ目がわからない。



もったいない……

なんとかアイツらが事を起こす前に、ジェーニオはこっちに確保したいな。



後、前騎士団長の為にもブラッドの身柄も……



「あれがモーダか……

一応、身綺麗にはして来ているが、だいぶ苦労しているみたいだな?」


「仲間は彼以外、皆んな元貴族ですから気苦労が絶えないんじゃないですか?」



俺とハインツ伯爵(元責任者)は、この商会の()()()()リサーがモーダと取引をしているのを狭い部屋から監視している。



どうやって監視しているかというと、【小型カメラ(録画録音機能付き)】をループタイに艤装してリサーに付けてもらっているのだ。



コレは元サイエンスのメンバーだったナカジマ氏に、アキトを通して急遽作ってもらった物だ。



なので受信距離が非常に短く、商会長室に無理矢理作った2畳分程の場所に、俺・ハインツ伯爵・アキト・ナカジマ氏の4人がさながら満員電車の様な状態になっている。



しかも全員けっこういい体格をしているのでかなり狭い。



「これ別に、全員部屋に居なくても良いのでは?」



と、俺が言うと……



「コレの機能確認しなきゃいけないし…… 」



とナカジマ氏が答える、すると今度は



「あの乙女ゲームの責任者として呼ばれた訳だし、やっぱりきちんと見届けないと…… 」



とハインツ伯爵が答え……



「護衛として坊ちゃんの側にいるのは、当然だ。」



とアキトが答えた。



「今、護衛要らないと思うけど……



………… 。


………… 。


………… 。



「そ、そういえば、あの商会長の隣りの秘書役の人、坊ちゃんの知り合いだっけ?」



アキトの奴、誤魔化す様に話題変えて来たな……



「ああ…あの人は俺の知り合いの親戚で、確かタグチさんっていうんだ。

なんでも声真似が得意なんだとか…… 」



リサーの隣りにいるのは、一見普通の狐獣人に見えるが、俺の前世の親友公明(きみあき)の奥さん神孤の薫さんの遠縁にあたるタグチさんという神孤だ。



しかも空狐(くうこ)と呼ばれる最上位の天狐(てんこ)より一つ下に位置する位の狐なんだとか……



つまりかなり偉いお狐様 なのだ!



「その偉いお狐様が何故この世界に?」


「俺の前世の親友夫婦が、自分達の新婚旅行のついでに企画した異世界ツアーだって。」


「「「へぇ~。」」」






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