婚約者候補が来た 2
☆前話【婚約者候補が来た 1】加筆修正しました。
もうし訳ありませんが、そちらからお読みください。
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北の果てにある北海国から、俺の婚約者候補が来た。
黒柴の四つ目で写真で見る限りは可愛い…とは思う。
が、いつまでも犬の姿で案内させた部屋から出て来ない。
せっかく用意した料理だって冷めてしまうし、無視して我々だけ食事をする訳にも行かない。
それに彼女のお付きの者達にも迷惑だろ。
「ここに来る今までずっと、あの様なご様子なのですか?」
辺境伯家から彼女と一緒に来ている者達に、少しキツい態度で質問した。
この忙しい時期に散々寄り道しながらやって来て、あの態度!!
とても許せるものではない!
「は…はい……。
申し訳ありません。
私共も、説得はしているのですが何分…… 」
ナノハナ姫一行の副代表である、真っ白な毛並みを持つ(おそらく紀州犬系)30代くらいのやる気の無さそうな文官の男は、明らかに仕方なく謝罪と言い訳を繰り返すばかりで、話にならない。
それほど嫌なら、最初からこちらに来るのを断れば良かったじゃないか!
お腹も空いたし、仕方がないので『今日は、疲れているだろうから…… 』という事にして別室で食事を取ってもらう事にした。
「申し訳ないが、明日から暫く時間を取る事は出来ない。
まだ正式なご挨拶も出来ていないので、落ち着くまでご用意した部屋でお過ごしください。」
ようは、『忙しいから暫く相手は出来ない。挨拶すらしてないのに屋敷を彷徨かれちゃ困るんだよ!部屋から出て来るな!!』という事だ!
散々待たせて置いて、挨拶一つ出来ない様な相手なんて、タマキのおっさんやキシュウ辺境伯には悪いが、早々にお引き取り願いたい。
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そのころ【ナノハナ姫一行】は困り果てていた。
母国では姫の黒毛は不人気だった為に、人目に付かない様に変装してこっそり領都にしょっちゅう出掛けていた。
どうやら誰かを探しているらしいが、相手の姿も分からず、
危険だからと馬車から移動する時は籐籠のキャリーに入って貰っていたら町や村に着く度に脱走。
その度に案内人のタマキ、ナノハナ姫の幼馴染みで専属護衛騎士サンガ、彼の妹で侍女のベニザクラとキザクラ姉妹が探し回る。
という事を繰り返していた。
一方…一行の副代表の文官上がりの男は、実はナノハナ姫にあまり好意的ではなかった。
それなのに何故この男が副代表の地位にいるかというと、先代がキシュウ辺境伯がもっとも信頼していた家臣だったからである。
表向きはナノハナ姫を立てていたが、出来ればチェイテス公爵家にサッサと押し付けて辺境伯領に帰りたいのが本音だった。
「姫様、いいかげんにソファーの下から出てお夕食食べましょう!」
「姫様?姫様が出て来てくれないと、皆んなご飯『お預け』なんですよ!」
「副代表はもう食べちゃったけどね…… 」
因みにサンガ、ベニザクラ、キザクラの順。
3人はナノハナ姫の幼馴染みで、侍女の2人は乳姉妹でもある。
彼らに言われ、ナノハナ姫はようやくソファーの下から出て来た。




