第七百四十一話 ワクワク新学期(御神楽先輩画像有り)
下書きは余裕で書けたけど、画像アップがギリギリでした。
さて、今回は邪龍トドメ刺した後の伏線回収!
麻衣
「うん、いつかどこかで会えたらね」
<視点 ???>
・・・緊張するなあ。
高校一年、4月・・・
そう、入学して初めての部活・・・
ここは放課後の生物室。
初めてっていうか、今日は新入生部活登録日。
目の前には新入生歓迎用に、
ポテチをはじめとした大量のお菓子、
飲み物や紙コップもたくさん並べられてる。
あ、僕の名前?
えーと、名前は江戸川衛人、はじめまして。
ここは生物部。
主に学校内で飼育してる動物の世話とかが主な活動内容だって。
この生物室にも窓際に大きな水槽があって、
中には文化祭で売れ残った金魚なんかを引き取っている。
・・・水槽の底に長い管みたいなのが横たわってるけど、あの中にはうなぎもいるんだってね。
うなぎなんてどっから仕入れてきたんだろう?
あと、夏場には高原の動植物の観察という名目で、泊まり掛けの旅行もあるそうだ。
それは楽しそう。
あ、本題に入るね。
今日はその部活登録日なので、
入部希望の新入生が、僕を含めてたくさんここにいる。
生物部なんてマイナーな文化部に、そんな大勢来るはずないんだけど、入学前から噂は広まっていたから、そんな不思議な話でもない。
噂って何かって?
ああ、これから説明するね。
僕らの対面に並んでる上級生の中に、
嫌でも目立つ背の高い金髪女性がいる。
この学校、髪染め禁止だけど地毛ならもちろんオッケー。
その人こそ、学校の妖精とまで噂されてる北欧ハーフの三年生、御神楽ルカ先輩だ。
恐らく男女を問わず、入部希望の半数は御神楽先輩目当てに入ってきたのではなかろうか。
確かに僕が見ても美人だと思う。
別に何か期待しているわけでもないんだろうけど、僕ら新入生に三年生なんか何の接点もないからね。
先輩の姿を見たいとなったら、こうして同じ部活に入るしかないんだろう。
・・・半分くらいはすぐ辞めてっちゃうんじゃないかなあ?
「はあーい、時間になったんで、説明会始めるよおー!
新入生は全員そちらに並んでるかな?
僕が生物部の部長の今西ね、
二年生だよ。
三年生もいるけど、三年生は基本引退扱いなんだ。
活動は主に僕ら二年生と、君たち一年生だからね。」
え?
あの人、二年生なの?
白衣なんか着ちゃってるから先生かと思った!
顔も老けてない?
その後、さっき僕が説明したような、
部活動の内容の説明、今後のスケジュール、
いろいろな決まり事の話をして、
一人ずつ自己紹介という流れになったんだ。
この場に来ている三年生は五人だけ。
そのうちの一人が御神楽先輩。
当然、先輩の番になったら新入生全員静かになっちゃったよ。
「まだ進路を決めてないから・・・いつまでここに来れるか分からない。
でもなるべく顔は出すようにするからよろしくね、御神楽ルカよ。
下の名前では呼ばないでね、
男の子の名前みたいだから。」
そうなのかな?
ルカって名前結構女の子っぽいと思うんだけどなあ。
後で聞いたら、ヨーロッパじゃ男の子につける名前なんだって。
先輩に関しては、日本人のお父さんがつけた名前だとか。
そのお父さんは何年か前にお亡くなりになったそうだ。
それから二年生の紹介。
流石に二年生は三年生より多かった。
十人以上いるかな。
新入生は三十人近くいるけどね・・・。
まあ、今日この場だけで先輩たちの名前と顔を一致させるのは無理だよね。
御神楽先輩と部長さんの人だけは目立つから覚えられるけど。
ただ、その内の二年生の女子の先輩とは、一瞬目が合った気がする。
なんか僕を見て驚いるような?
気のせいだよね?
どこかで昔会ったとか?
そんな記憶はないと思うけど・・・。
あ、そしてその女性の先輩の自己紹介だ。
「・・・基本、幽霊部員の伊藤麻衣です。
たまには顔出すからその時はよろしくー。」
最初はおとなしそうな人かと思った。
そしてよく見ると結構可愛い顔な気がする。
でもたまにしか会えないんだとしたら・・・
すると、
その伊藤さんて先輩の自己紹介のあと、すぐ部長さんから反応があった。
「でも最近、伊藤、結構部活出てきてるよな?」
「え? い、いやあ、少しは部活とかも真面目にやろうかな、と?」
あ、なんだかんだで結構出入りしてるみたい?
それとその二年の先輩については、御神楽先輩からも一言あるようだ。
「・・・麻衣ちゃん、去年の秋ごろから社交的になった、
体もロリロリ体型から思春期お盛んボディに変身しつつある・・・。
先輩を差し置いて、一足先に大人の階段登るなんて、置いてけぼりの私とても悲しい。」
「ちょっ!?
ルカ先輩、新入生の子たちの前でセクハラ発言やめてください!!」
なんか楽しそうだな・・・。
伊藤さんて女の先輩は、遠慮なくルカ先輩って名前で呼んでるし。
いつも、そんなノリなんだろうな。
お陰で僕ら新入生の方も緊張が解けたかも?
その後も自己紹介は続き、
当然の成り行きで新入生に、
そして僕の番となった。
うわ、何しゃべろう?
とりあえず元気よく行くか。
生まれつき低血圧なんで大声出すの苦手なんだけどね。
「・・・◯◯中学出身、江戸川です!
と、家でコウモリ飼ってます!!
そんな感じで生き物の世話は好きです!」
うん、ツカミはいい感じだと思う。
コウモリ飼ってる家庭なんてそんなないしね。
生物部に入る動機としても変な話でもない。
現にみんなから注目を浴びてるぞ。
あれ?
急に風が・・・。
あっ、手に持ってた入部願いの用紙が前に飛んでった!?
でも何で窓閉め切ってるはずなのに風が?
あ、さっきの伊藤先輩だっけ、
その人が屈んで床に落ちた入部願いの紙を拾ってくれ・・・
「飛んできたよ、一度返すね・・・
ほうほう、江戸川・・・衛人くんでいいのかな?」
「あっ、ありがとうございます、
はい、名前はそうです!」
返してもらっても、どうせこの後、入部願いは部長さんに渡すことになるんだけどね。
伊藤先輩は僕に紙を返したらすぐに自分の場所に戻るかと思ったのだけど、
なぜか僕の顔を見つめている。
・・・な、何かあるのかな?
「江戸川君は家でコウモリ飼ってるの?」
あ、もしかしてこの先輩もコウモリ大好き?
だったら嬉しいな。
「は、はい、すっごい可愛いんですよ、
先輩もコウモリお好きですか?」
「ううん、嫌い。」
えっ!?
そ、そんな・・・
と思ったけど、先輩は違う違うとでもいうように、
顔の前で両手をヒラヒラ横に振る。
「あ、ごめんね、前に三回くらいコウモリの大群に血を吸われかけただけだからさ。
人を襲わないコウモリなら嫌いじゃないよ。」
ええっ!?
日本に血を吸うコウモリなんていないはずだけどな?
それも大群で!?
更に三回も!?
そ、それはトラウマレベルになるのかもしれないけど、
この人って・・・
あれ、でも先輩はまだ僕の顔を覗き込んでる。
まるで何かを確かめるかのように・・・
あ、先輩がニッコリ笑った?
「うん、そうかそうか、
江戸川衛人くんだね、
普通の黒い瞳で良かったよ、
まさか年下だったとはね。
名前と名字も逆・・・あ、何でもないや。
コウモリのことはまた今度話そうねー。」
ようやく先輩は元いた場所に帰っていった。
でもなんか変なこと言ってたな?
普通の黒い瞳?
何を当たり前のこと、言ってたんだろう。
そういえば、先輩の目は深い緑色みたいで珍しいとは思ったけど、それと僕の瞳には何の関係もないよね?
それに年下だった?
名前と名字が逆?
何の話?
どこかで僕の話を聞いたとか?
でも生物部に入るなんて誰にも言ってないはずだけど。
まあいいか・・・。
その後も新入生の紹介は続いていた。
僕のクラスの子達もいるけど、正直まだ名前と顔も一致していない。
あそこで固まっている三人組の女の子たちは前からの知り合いなのかな。
この場で一かたまりになってるだけに少々目立っていた。
別にだからどうだってわけでもないけどね。
「蓮田ぁでーす・・・。」
「津門川といいます・・・くすすすす。」
「よぐ・・・いえ、薬外巣なのですわ、
喋り方はこんな感じでいいでございますの?」
最初の二人は普通の名前だけど、三人目の子は聞いたことない名字だよね?
喋り方もなんかおかしいし。
あれ、なんだろう?
なんか周りに変な空気が漂ってるのだけど。
それは上級生の人たちも同様に思ったのかもしれない。
御神楽先輩が伊藤先輩に耳打ちしている。
「麻衣ちゃん・・・あの子たち外なる世界の?」
「なんかとんでもない子たち来ちゃったみたいですね・・・。
もしかしてこの世界、第三勢力なんて存在するんですかね?」
うん、
僕には何を言ってるかは聞こえなかったけども。
これからの三年間、楽しい学校生活が送れればいいな。
麻衣ちゃん編はこれで終わりです。
いぬ
「もう、最後だと思って好き放題してませんか、この作者?」
うりぃ
「次回作とかもなんも考えとらんぞ、
ネタぶっこむだけぶっこんでケツ拭くつもりなんか一ミリもないんやろな。」
麻衣
「え・・・最後なのにあたしの出番とセリフこれだけ?」
良かったですね、麻衣ちゃん、
これから一大ロマンスのよかーん!!
麻衣
「え、え・・・え、そ、それはっ」
そしてラストは当然メリーさん。
一話で終わるか二話必要か・・・。
ではまた一週間後に。