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第七百三十四話 それってどこかで聞いたお話では?

昨夜、夢の中にエリナちゃん、リアルフェイスで出て来ました。


ちょっとホラー展開です。

エリナちゃんは誰か政治家の秘書のような仕事しており、悪の組織がその政治家を利用しようとしていたようです。


夢なので何故かはわかりませんが、

悪の組織はエリナちゃんの体というか眉毛を操って、

寝ているエリナちゃんの眉毛をニョキニョキ伸ばして、政治家から悪の組織に電話を繋げようと・・・


その眉毛が寄生獣のミギーみたいに電話の番号を入力。


その眉毛が伸び続ける間、夢を見ている私のお腹にも痛みが。


目覚ましが鳴って起床。

<視点 キャスリオン>


そしてみるみるうちにアマリスから強大な・・・

それこそアガサに匹敵するかのような巨大な魔力が立ち昇る・・・


なんと禍々しい・・・。

確かにこれはヒューマンやエルフの魔力ではありませんっ!


アマリス、あなた・・・まさか

人間じゃ・・・



 「あっはあ、何年ぶりかなあ!?

 この姿を取り戻すの!!

 あっ、誤解しないでくださいねえ!!

 確かに今まで人化スキルを使っていましたけどお!

 あたしのカラダに魔石なんかありませんからねぇ!?

 きっと亜人の一種なんでしょうけどお!

 あたしのステータスウインドウに、妖魔と記されていようとも!!

 あたしは魔物なんかじゃありませんからねえ!!

 そこだけははっきりさせておいてくださいねえ!!」


妖魔っ!?

なのに魔石がない!?

全ての魔物には体内に魔石があるはずです。

亜人の一種!?

なのに人化していた!?

疑問は後から後から湧いてきます。


ですが今ここで考えなければならないことは。



如何にしてアマリスを封じ込めるか。


そして、ああ、

人化を解いたというアマリス。


その言葉通りと言っていいのでしょうか、

彼女の美しい体がどんどん人間のものからそれ以外の何かに変化してゆきます。



その透き通るような肌だったものは、むしろ光沢が生まれ、まるで陶器のように。

所々鱗状に硬質化しているようにも見えます。



白く細い指先には鋭利な爪が鋭く伸びる。


恐らくこの状態で先程アルデヒトを襲ったならば、間違いなくアルデヒトの頸動脈に届いて彼は即死していたでしょうに。


またその蠱惑的な唇の中に、明らかに肉食動物を思い起こさせる獰猛な牙!



そして何よりも!!


アマリスの瞳が・・・

瞳があり得ないほどの変化を!!


今まで彼女の瞳はダークグリーン。

それが



それがどんどん明るさを増し、

さらには瞳の透明度がなくなり、

まるで宝石の翡翠のような・・・



あ、受けた衝撃は私以上だったのかもしれません。

片手で喉脇を押さえていたアルデヒトは、部屋の隅の方でペタンと尻餅をついてしまいました。


無理もないのでしょう、

彼は人の姿をした「何か」に、ずっと愛を囁いていたのでしょうから。


アルデヒト、

・・・それはそれとして、早く服を着なさい。

いつまでそんなみっともないものをぶらぶらさせてるつもりです?

まあ、私もさすがにそんな小娘じゃあありませんから、そんな事で落ち着きを失ったりはしませんけども。


一方、もはやアマリスはアルデヒトのことなど眼中にないのでしょう。

先程本人が高らかに主張した通り、本当にご機嫌のようですね。

そのおかげなのか、アマリスの舌の回りも良くはなっているみたいです。


 「ああ、そうだあ、キャスリオン様ぁ、

 あたしの目的がお知りになりたいんでしたっけえ?

 その内の一つなら教えてあげますねえ?

 あたし達の種族って本当に希少なんですよぉ、

 それこそ血の繋がった母親以外には、街中で偶然出くわすことなんて有り得ないくらいにねぇ、

 ですから間違ってもこれ以上同胞を減らさないようにって、人間側が魔物についてどれだけ情報を手に入れてるか知る事は、とっても大事なんですよねぇ。」


あっ、



な、なるほど、

冒険者ギルドなら人間が討伐すべき魔物の情報は速やかに共有されますからね。

ギルドの受付嬢ならいち早くそれらの情報を知る事が出来ると。

そして、それらを仲間に共有できれば・・・


と言う事は、つまり逆に、今私達が知ったこの話は、何が何でも他のギルドにも知らせねばなりません。

この場で私に何があったとしても、

ケイジ様達だけでも生き延びて、他の人達に・・・


他の人達に・・・


あれ?


ケイジ様?


い、いえ、ケイジ様だけでなく、リィナ様も?


あ、いつの間にかアガサもやって来ましたね。

まあ、廊下の先に控えていたアガサも、あれだけ膨大な魔力が発生すれば、この場にやって来ざるを得ないでしょう。


それはいいのです。

いいのですけど、みなさん?


その気の抜けた顔は?


 「はて? あの陶器みたいな鱗状の皮膚。」

 「うん? 妖魔なのに魔石がない?」

 「あれ? まさか翡翠色の瞳って。」


アガサ?

ケイジ様にリィナ様も、随分呑気な声が出てませんか?

いま目の前で起きている現象が、どれほどの脅威なのか理解されていないわけじゃないでしょう?

なのに、三人一遍にそんな顔つきされたら、まるで私だけがおかしいみたいじゃありませんか。


そんな事はないとして、

まさかケイジ様達は妖魔という存在の危険性を認識出来ていないのでしょうか。

アマリスが亜人なのか妖魔なのかは置いておくにしても、これだけの魔力を持っているならば、それこそ冒険者Aランクとて油断できません。


下手をするとこちらが全滅する危険さえあるというのに。



 「うふふふふ、あはははは!

 あー、気分最っ高っ!!

 見て見てぇ!?

 これがあたしの真の姿!!

 世間にその存在を認知さえされていない原初の妖魔!!

 そして光栄に思って下さいねぇ!!

 そのあたし自ら皆さんの命を閉じてあげますからあ!!」


あっ、こっちは元のシリアスなままでした!

良かった、

私が変なわけじゃなかったですよね。


・・・い、いえ、良くはないです。

今は何とかこの事態をどうにかしないと!


それにしても原初の妖魔っ?

なんですか、それはっ!?

彼女の攻撃手段が全く予測出来ないではないですかっ!!


爪!?

牙!?

魔法!?

それとも状態異常攻撃!?


 「さあ!

 誰から死にますかあ!?

 この妖魔『アマリリス』が・・・が!?」




え、あ、

あれ?



ケイジ様が、

リィナ様が・・・

しかもあろうことかアガサまでもが、

ニコニコ笑いながら友好的にアマリスに近づいて・・・?


 「え?

 ちょ、なに、アンタら・・・っ!?」


 「そうかそうかあ、アマリスさんは妖魔だったのかあ、全然気付かなかったよ。」

 「へえ、やっぱり瞳は翡翠色なんだあ?

 それとあれ?

 自分の感情は他の人間と比べて薄いのかな?」

 「こんな近くにこれだけの魔力持ちがいたとは、まさに灯台下暗し!

 是非に今後も互いに魔力を研鑽!!」




え、あ、あの?


な、なんですか、この流れ?

さっきまで凄い殺伐とした緊迫な空気で満たされてましたよね、この部屋?


 「え、ちょ、ちょっとお!?

 なんでそんな久しぶりの友達見つけたみたいに寄ってきてんの、あんた達いいいい!?

 ええい、触るなあああああああっ!!」



 「あっ、コラ! ケイジっ!!

 なに、裸の女の子に近寄ってガン見してんのさっ!!

 お前はあっち向いてろっ!!」

 「グボっ!?」


あ、リィナ様の肘がケイジ様の顔面を。

ここだけ殺伐とした空間は残ってました!





でもこれ、話は解決しそうってことでいいんですかね?

あれだけ決死の覚悟を決めて臨んだわけですが、こんなぐだぐだな終わり方でいいんでしょうか?


あんまりぐだぐだ過ぎるのも何ですから、

一応少し端折りましょうかね。


その後、ケイジ様とリィナ様から、

もう、元の世界にお帰りになられた勇者パーティーのお一人、伊藤麻衣様と言う方の説明がなされました。


そのお話はまた次回に。

え、と、

このまま・・・続けちゃっていいんですよね?



とゆーわけで、


アマリスさん、エマリスさんの「リス」がヒントです。

そして、前回の後書きに書きかけたのは

アマリスさんの家族構成です。


ケイジの前世の家族構成と似てると書いたのは、いわゆるミスディレクションというやつですね。


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