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第七百十七話 報告

すいません。

熱は治りましたがまだ喉が、

ぐぇほっ、ぐぇほっ!


下書き全く進まず、

殴り書き状態です。


<視点 キャスリオン>



えっと、

どこから話しましょうか。


先に結論から参りますか。

全員無事にダンジョン調査から戻って来れました。


素晴らしいことです。

まだあと残りの二つのダンジョン調査が必要ではありますが、幸先のいい出だしと言っていいでしょう。



・・・けれどですね。



いえ、贅沢を言うつもりはありません。

ありませんけど、どうしてこう想定外の話ばかり膨らんでいくのでしょうね。



ここからは見聞きした通りに話を進めましょう。


まず、無事にダンジョン調査から生還した報告を私はギルド長室で聞きました。

すぐにロビーへ降りてゆくと、

ケイジ様達を冒険者の方々が歓声を上げて包んでおりました。


報告の第一声は、立場上アルデヒトから私へのものとなります。

それに何の不自然さもありません。


ところがあろうことか、その段階で、受付にいるべきはずのアマリスが、

「さすがアルデヒトさんです!」とその腕に指を乗せているのは誰が見ても違和感を覚えるものでしょう。


そもそもアルデヒトは今回、戦闘に参加もしない筈なのに。


ああ、ケイジ様とアガサも目の動きで不審そうな・・・

そして何かを納得したかのような表情ですね。


そりゃちょっと注意力のある方なら気づいてしまうものでしょう。


・・・ただ、あれ?

リィナ様の反応は少し異なりますね。

むしろアマリスのあけすけな態度に、やや理解出来ないような、そんな反応。


いえ、

その話はどうでもいいですね。



とりあえず詳細な話を聞くべく、

アルデヒトはもちろん、ケイジ様、リィナ様、アガサ、そして「デイアフターデイ」のリーダー、ガラダス様をギルド長室へと招きます。


おや?


あの緑色の髪を振り乱す小さな女の子は・・・

待ってください、

内在する魔力量がとんでもないのですが・・・。



 「その説明もする。

 とりあえずギルド内にある宿泊施設を貸してもらえないだろうか。

 ストライドたち『銀の閃光』メンバーで彼女のお世話をする約束をしているんだ。」


そ、それは問題ないですけども・・・。





 「ええっと、

 ダンジョン最下部のエリアボスが異常進化個体・・・

 ケイジ様が連れてきていた妖精をアガサの魔術で巨大化させてそれを撃破・・・

 その対価にストライドさんたちの精気が必要・・・

 『デイアフターデイ』のレックス様が聖騎士にクラスアップ、

 同じくファリアさんが舞踏戦士にクラスアップ、

 さらにはベルリンダ様にユニークスキルが発現して、トロールハイマジシャンのストーンシャワーを完璧に防ぎ切った・・・?」


 「キャスリオン様が戸惑われるのは無理もありません。

 オレだってこう説明していながらすっごい無茶苦茶な話だと思いながら報告してます。」



ガラダス様ですら呆れたような笑い声をあげていますものね。

 「はは、すごいよね、

 あの三人、いや、正確に言うとランドラードもなんだけど、あのスタンピード以降、成長具合が半端ないと思っていたけどここまでなんてね。

 パーティーリーダーである僕も驚いているくらいだよ。」


それらが事実ならもはや躊躇う余地はありません。

『デイアフターデイ』はAランク昇格間違いなしです。


 「その話について。」


おや?

ケイジ様が神妙な顔をして挙手されました。


 「どうぞ、ご発言を。」

 「ありがとう、『デイアフターデイ』の活躍と実力において、オレ達もそれは賞賛に値すると思っている。

 ギルドの方でAランクに昇格させるというなら、オレ達にも異議はない。

 ただ、彼らの事について、

 オレ達はある一つの事実を伝えたい。」


そこでケイジ様はとんでもない話をしていただきました。



それはケイジ様方が戦った邪龍が、

過去の冒険者の遺体を弄んでいたこと。

その中には今「デイアフターデイ」のメンバーを彷彿とさせるような遺体がいくつもあったとか。


 「えっ?

 僕らが数百年前も同じパーティーを組んでいたかもしれないっ・・・て?」


 「おそらく、としか言えないけどな。

 今はもういないが巫女職に就いていた麻衣さんが、他にも邪龍にトドメを刺した槍使いの姿を視ていたようだ。

 あんた達が急成長したのはスタンピードを乗り越えたというよりも、

 邪龍を倒したことで魂・・・いや、違うかもな、何か力の一部のようなものを解放されたからと考えた方がスッキリする気がする。」


何と言う事でしょうか。

そんな奇跡のようなお話があるなんて。


あ、ガラダス様が手を顔に当て天井を向いてしまわれました。



 「はあ・・・そんな話ベルリンダにしてみろ。

 また彼女が泣き出してしまいそうだよ・・・。」




ケイジ様のお話では、

ベルリンダ様と同じ術を使った方が、その時代の聖女であったとか。

そんな人が・・・私たちの街に、このギルドに・・・。


 「ケイジ殿、ではベルリンダ殿は今また聖女として・・・?」


アルデヒトの疑問はもっともな話です。

ですが、今この時代に聖女が生まれる意味は・・・。


あ、ケイジ様が視線を下げて・・・


 「悪いがオレにはそこから先は何の見当もつかない。

 一つ、言えるのは、この時代にすでに聖女は存在している。

 果たして一つの時代に同時に二人の聖女は成り立つものだろうか?」




あ、そう言えばつい最近、金枝教がたった12歳の小さな女の子を聖女認定したのだとか。

ならベルリンダ様は聖女とは違うのでしょうかね。


 「私の鑑定にもベルリンダ殿に聖女の称号は在らず、ただ『解放されし者』とだけ。」



アガサの鑑定によれば、他の三人にも同じ称号が付いていたようです。

それすなわち、先程のケイジ様の発言を裏付ける形となるわけです。


ただまあ。


 「それが明らかになったところで、何がどうなると言う話でもないんだろうけどな。」


 「そうだね、僕らが結果的に過去の邪龍の進撃を食い止めたと言ってもいいのかもしれないけど、何の記憶も持ってないんじゃ、それを誇ることもできないし、尻尾を巻いて逃げ出したといわれても、その汚名を返上したいとも思えないからね。」


さすがに前時代からはあまりに多くの時間が経ってますものね・・・。


ただギルドマスターとしては。


 「それでは、大変申し訳ないのですが、

確認しようもない話では、この街のギルドマスターとして何の認定もできません。

 出来るのはあなた方『デイアフターデイ』をAランク認定することだけになりますが。」


 「ああ、ええ、謹んでお受けいたしますよ。」


ケイジ様やリィナ様も笑顔で拍手していただいてます。


この件はこれでいいでしょう。

それと・・・


 「あ、す、すまん、あと一件だけ。」


おや、ケイジ様はまだ何か?


 「冒険者の出自を聞くのはマナー違反だとは思うが、ガラダスは貴族の生まれなのか?

 あの場でレックス達のクラスチェンジしてみせたよな?」


なんですって?

確かにガラダス様の挙動には貴族らしさが見えます。

ただ・・・いえ、貴族とてクラスチェンジが出来るとは限りませんよ。

基本的に他人のクラスを変えられるのは何らかの管理職クラスにある者だけ。


ならば・・・


 「ああ、別に秘密にはしてないけど、大っぴらにすることでもないからね。

 ギルドカードにも姓は登録しなかったんだ。

 フルネームはガラダス・ウインザー。

 僕はこの国のウインザー公爵家の四男さ。」



はあああああああああああああああああああっ!?


公爵家の四男の人がなんでこんなところで冒険者やってるんですかあああああああああああっ!?


そんな人をダンジョンの調査に遣わせたなんてしれたら・・・


 「ギルドマスター落ち着いて。

 僕が明かさなかったんだから貴女に落ち度も責もありませんよ。

 あ、あともうAランク認定は覆りませんよね?」


ああああああああああ、もしかして私またやっちゃった!?

Aランクの冒険者なら拒否不可能の指名依頼もあり得るし、

この街の危機が訪れた時にAランクパーティーがいるならば指名依頼出さざるを得ないし、

そこで依頼出さなかったら他の冒険者の皆さんに示しもつかないし!


 「そこまではさすがに思わなかった、

 大変失礼したな、ガラダス殿。」

 「嫌だなあ、君だってグリフィス公国のマルゴット女王陛下の甥っ子だろう。

 お互い様じゃあないか?」



ああああああ、そう言えばそうでしたよねっ!?

あ、でもケイジ様は既に邪龍討伐で名を上げられた後ですものね。

しかも元々国外のお人だし!!


冒険者ギルドは政治権力には一切干渉しない、されないが基本スタンスなんですけど、私たち本当にこのままやっていけるのでしょうか!?



というわけで後は今の話を消化するのみです。


この後ケイジ達にある方からお呼び出しが。


最後まで書けるかなあ・・・。

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