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第六百九十五話 合同ミッション

もう残り少ないのにぶっくま、ありがとうございます!!

<視点 ケイジ>


いきなりというわけではないが、

オレ達の目の前にはダンジョンがある。


細かい話は必要あるまい。

一応状況だけ話しておこう。


ハーケルンの冒険者ギルドの管内には三つのダンジョンがある。

邪龍騒動の余波で起きたスタンピードを封鎖する為に、その全てのダンジョンは閉鎖された。


スタンピードそのものは収まっているとしても、

生き残った魔物が異常進化している可能性も無視できず、その確認が取れるまでは誰一人ダンジョンへの立ち入りを許されない。


・・・となると冒険者は干あがっちまうよな。


なので、これからその解決のためにオレ達が向かうというわけだ。


なお、この街の冒険者ギルドにとって、オレ達の来訪は全くの想定外。

一応「元」Sランクだしな。

それも一時的にの話だし。


冒険者ギルドのサブマスター、アルデヒトは、

そこでオレ達含むこの街の有力冒険者で、三つのダンジョン全てへの同時調査を提案した。


ただギルドマスター、キャスリオンは慎重派のようでその案を一蹴。

彼女は一つずつ着実に、間違ってもこれ以上の犠牲者を出さないように進めていこう、という話になったのである。


オレとしてはどちらでもいい。

早く冒険者の望みを叶えてやりたいという、アルデヒトと、

取り返しのつかない事態はもう沢山、というキャスリオン、

どちらも間違ってるとは言えないだろう。



・・・ただ、なんか、この二人ギスギスしてないか?


そんな印象なんだよな。


まあ、現場に赴くのはアルデヒトだけだ。

戦闘なら連携の不安とか生じるだろうが、

組織の中の問題というならオレらが気にする必要ないだろう。


 「うう〜ん・・・。」


お?

リィナは違う意見か?


 「いや、あたしも状況分かってないけど、

 なんか・・・そこまで単純じゃないような気がするんだよねえ・・・。」


ああ、


・・・どうせオレは単純だよ。


 「あ!

 違う違う!!

 今回のケイジは別に何も変じゃないから!!

 ああああ!

 また、シッポがうなだれて!!」


今回は・・・だもんな。



 「あ、あの・・・ケイジ様、大丈夫、ですか?」

 「ん? ああ、心配要らないよ。

 気にしてくれてありがとうな?」


 「あ、い、いえ、そんな!

 お礼を言われるようなことじゃ!?」


今話しかけてくれたのは、前回の話に出た「デイアフターデイ」の回復職だというベルリンダだ。

今回のダンジョン攻略直前での初顔合わせとなる。


てっきり基本職の僧侶かと思ったが、かつてのタバサや、「栄光の剣」のミコノさんと同じくプリーステスだそうだ。

そりゃ各所から引っ張りだことなるだろう。



ああ、話が逸れてしまったな。

閑話休題。


いま、オレたちがこれから入ろうとしているのは、

ハーケルンの三つのダンジョンの一つ、

グンガルゲットダンジョン。


攻略難度はC級というところか。

要は初心者には辛いが、中級冒険者推奨という位置付け。

最下層のダンジョンボスを倒すには最低でもBランクレベルが必要と言われてるそうだ。


ただしそれは通常時の話。

今回は中がどうなってるか分からない。

先も言ったが魔物が異常進化している可能性もあるのだ。


なお、前回、麻衣さんたちとローゼンベルクのダンジョンをクリアした時にはその心配は要らなかった。


スタンピード発生直後だったからな。

異常進化するほどの時間経過自体存在しなかったというわけだ。



 「・・・では改めて説明しよう。

 今回は複数のパーティーにて一つのダンジョンを徹底的に調査する。

 もちろん接敵すれば戦闘になる。

 その際、ドロップ品や素材は君たちのものだ。

 だがあくまでも調査ということを忘れないでくれ。

 そして、かつての状況より明らかに魔物の数が多い、或いは魔物のレベルが上がっているならば、対処の必要が出てくる。

 その判断はサブギルドマスターである私に任せてもらう形になる。

 よろしいか!?」


すでに全員、ギルド出発前にその説明は受けているからな。

誰も異論などあるまい。


なお付け加えると、オレとリィナ、それにアガサはドロップアイテム取得の権利を放棄している。

それらについては戦闘に一番近いところにいた他のパーティーに優先権を渡し、そいつらがそれを選んだら優先権は次のパーティーに移るという流れだ。


 「では役割を確認する!

 イブリンをリーダーとする『伝説の担い手』チームは、ダンジョン開放後の地上出入り口を監視!

 突入チームが入った後に抜け出てこようとする魔物の駆除!」


 「任されよ、

 一匹たりとも逃しはせん!」


なるほど、

騎士職のイブリンなら防衛戦には打って付け。

それに地上での戦いなら、唯一不安材料である高齢からの体力不足にも悩むことはないだろう。


 「『苛烈なる戦乙女』チームは地下一階にて警戒監視!

 ダンジョン内の探索は必要なし!

 戦闘についても困難を感じた時は撤退も可能!

 むしろ異常事態が起きた時の地上部隊への伝達を優先すること!」


このパーティーは全員女性なんだよな。

しかし、

アルデヒトの説明に頷いたのは全員ではない。


 「チームのリーダーはゼフィ、アンタだ。

 あたしの抜けた穴を頼むよ。」

 「任せな、テラシア、

 ウチらの看板はテラシアだけじゃないって見せてやるよ。」


どうやらバスタードソードを振るうテラシアという女性はかなり好戦的なようだ。

パーティー全体の評価では、オレ達についていけないとのギルドの判断に、

自分だけでも行かせて欲しいと捩じ込んだとのこと。


まあ、前日オレとやり合った限りでは、

そこそこの強さのようだしな。

キャスリオンも納得したようだ。

後を任されたゼフィという女性は弓使い。


まあ、遠距離攻撃ならオレの独壇場だし、障害物の多いダンジョンにはそこまで頭数も要らんしな。


 「チーム『銀の閃光』は、トラップ発見及びその解除、そしてポーター役を頼むことになる。

 戦闘の必要はない。

 接敵した際には自らの身体を守ることに集中せよ!」


 「あいよ!!」


こいつらはホビットや獣人、もちろん普通のヒューマン含むシーフ中心のパーティーだそうだ。

本来なら魔物の探知にも優れたパーティーだそうなんだが。


 「いや、さすがに鼻の利くケイジさんと耳の鋭いリィナさんには敵わないっすよ!」


だよな。

こいつらのメンバーには視力のいい、猫獣人もいるのだが、

あいにくなことにオレは「イーグルアイ」というユニークスキルも持っている。


魔力感知ならアガサも得意だしな。

というわけで、


 「『蒼い狼』の三人は探知と戦闘をメインに!

 その他のものは彼らの戦闘の補助に徹すること!」


てなわけだ。


 「続いてBランクパーティー『デイアフターデイ』!

 君たちは『蒼い狼』の撃ち漏らしを優先して叩け!!

 回復職の二人は自らのパーティーだけでなく、その場の全ての人間の怪我人に対処して欲しい!」


 「は、はい!

 お任せください!!」


こいつらのパーティーリーダーは茶髪のイケメン、ガラダスという男だが、返事をしたのはチェリーブロンドの髪を垂らすプリーステス、ベルリンダ。

後もう一人の回復職は騎士のようだ。

いつもニコニコしてるような印象のデカい男だな。

騎士職で回復術が使えるのは羨ましい。

武器はウォーハンマー?

もしかしたら神殿騎士かもしれないな。


 「そして君たちは特例だ、

 『苛烈なる戦乙女』のテラシア、バレッサ!

 ・・・決して無理はするなよ・・・。」


 「ああ・・・Sランク冒険者様の手は煩わせねーさ・・・。」

 「はい!

 アガサさんの側で勉強させてもらいます!!」


赤い髪のテラシアは負けず嫌いのようだな。

一人でも最前線で腕を振るいたいということなんだろう。

まあ、気持ちは分からないでもない。 


そして、もう一人の魔術士はバレッサというエルフ。

一応、エルフは魔術の得意な種族なんだが、

彼女の実力はエルフの中では一般レベルらしい。

もちろん普通のヒューマンに比べれば、優れた術師と言えるんだろうが、さすがにアガサと並べるとな。


そこで彼女は最高峰のダークエルフの実力を見てみたいと、向学心の顕われとして無理矢理ついてきたのだ。


 「では全員、準備はいいか!!

 これより封鎖していたグンガルゲットダンジョンの入り口をぶち破るぞおお!」


 「「「「「おおおおおお!」」」」」


うりぃ

「もう長期確定やないか・・・」


いや、でもホントにこれが最後のエピソードで・・・


いぬ

「キャスリオンさんとアルデヒトさんと、アマリスさんの話も結末どうすんすか?

また何も考えてないんすよね?」


いえ、それは描いてるうちに思いつくかな、なんて・・・


うりぃ「おまえ、ホンマええ加減にせえよ!?」


あ、でも伏線ははめといたから。



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