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第六百七十四話 賢王最後の戦い

新しいノートパソコン買った。

Windows11・・・。

仕方ないかも知れないけどWindows10で動いてたプログラムと互換性が・・・。

パーティーキャッスルとは今度こそお別れか。


<視点 ニムエ>



メリーさんとアスターナ様ご一行の対面は一区切りついたようだ。


おや?

魔王様の後ろに並んでる黒装束の女性がアスターナ様達に手を振っている。


アスターナ様達も気付かれたようだ、

幾分驚いたご様子だけど、丁寧にお辞儀をしているわね。


確かあの子は死霊術師だった筈。

なんでそんな冒険者とお知り合いなのかしら?


まあ、私が気にする必要はなさそうだ。

あとご挨拶が済んでないのは・・・



!!



私にも分かる!

この大広間に途轍もなく巨大な魔力が吹き荒れ始めた!!


魔王様!?

い、いえ、魔王様方も驚いたような反応ね、

で、ではいったい・・・


 「ついに待ちかねていたこの最後の時間とき。」

 「そしてそれは迎えたくなかった最後の瞬間とき。」


ま、満を持してのハイエルフとダークエルフのお二人!

では女王と比べても引けを取らないこの濃密な魔力の源はこのお二人だということ!?


確かにエルフ界の中でもトップクラスの方々なら、この魔力の大きさも頷ける。

け、けど、何故この場でこんな・・・



一方、カラドック様は全く動じもせずお二人を前にして・・・


 「アガサ、タバサ、

 君たちには本当に世話になったね、

 でも、これが、ここで、

 この場で私と雌雄を決しようということかな。」


え?

この人たちってそんなトゲトゲしい感じだった?

いえ、違うわよね?

これはあれよね?

術師としての優劣と尊厳を賭けた決着を求めようということに違いない!

そうに決まってる!


マルゴット女王も魔王様もこれには目が離せない。

あ、向こうのハイエルフの人も負けじと魔力高めてるわね。

まさかこの場に乱入するつもり?


 「オスカは出番じゃねーだろ」

あ、ダンとかいうリーダーの人に頭はたかれたわ。

あの人たちの関係も不思議だ。

すぐさまハイエルフの人は、お返しとばかりにリーダーの足を踏みつけているけども。


いえ、今はこちらに集中しないと!


 「今こそあらゆる因縁の決着を!」

 「全てのエルフの誇りに賭けて!」


話がどんどん大変なことになってゆく!?


 「・・・いいだろう、

 この賢王カラドック、

 二人の決意、プライド、執念、全て真正面から受け止めてみせよう!!」


う、嘘・・・

そ、そりゃもちろん、血生臭いことにはならないと思うけど、いったいこれから何をする気なの!?

まさか宮殿を氷漬けにしたり、水浸しになんてしないわよねっ!?



・・・あれ、

アガサ様もタバサ様も・・・


すたすたと普通に歩いて・・・いえ?


ダッシュしたっ!?

魔術士や神官のあの二人がまさか肉弾戦を!?



あ、あ!?

カラドック様は両腕を拡げてかかってこいとばかり・・・


いったい何が始まるの!?


 「粘膜の使用は禁止!

 それから互いの局部を使うのも厳禁だ!!

 その条件を守れるかっ!」



ん?

ねんまく?

きょくぶ?


 「笑止!

 そんなものに頼らずともカラドックなど陥落可能!!」

 「戯言!

 私たちの本気の魅力を前には賢王ですら精通前の少年の如し!!」


・・・えっと、



あの、

じょ、女王?


これ、このまま書き留めないとならないのでしょうか?


あの二人・・・


アガサ様は豊満なバストを自分の手で持ち上げて、思いっきりカラドック様の胸元に擦り付けてるのだけど。


そしてタバサ様は女性の私からみても惚れ惚れするような太ももを、カラドック様の足に絡めまくっているのだけど。




これ、何の勝負・・・。



カラドック様?

そのお二人の攻撃? の前に目を見開いてどこか遠いところに焦点を合わせて・・・


口は涼しげだけど目は笑ってないような気がする。


け、けれど、二つの拳を握りしめて、

お二人の体には指一本触れようとしてない!?


あ、あ、あ、二人の動きが激しく!!



え、嘘!

この宮殿でそんな痴態繰り広げていいの!?

ほら!!

アスターナ様なんか、マデリーン嬢のお目々を手のひらで塞いじゃったわ!!


どうしよう、

これ、ここに書いていいのかしら。

タバサ様は太ももどころか、下腹部までせがむような動きでカラドック様の腰にこすりつけてる。

あんなことしたら、下着ビショビショになるでしょ!


アガサ様はそれこそ、顔と顔をギリギリまで近づけて、あの距離だったらお二人の吐息も混ざり合ってるはず!

それどころかアガサ様は口をパックリ開けて、舌先をもグネグネ踊らせている!


けれども・・・


 「ぬ、ぬう、こ、ここまでやっても一切動じずとは・・・」

 「む、むう、こ、これほどまでに固い精神力を示すなんて・・・」



カラドック様、目も表情もギリギリっぽいんだけどね。


 「ふ、・・・ふふ、

 この程度で私は落ちはしないっ!

 賢王はぶれぬ! 惑わぬ!! ぐらつかぬっ!!」


どこかで聞いたような気のするセリフ。

いつどこで聞いたのかも思い出せないけど。



数分後、

私の目の間には、


仁王、いえ、仁王って何だっけ、

オーガのように直立不動で立ち尽くすカラドック様と、


放心状態でその場に崩れ落ちる二人の姿しかなかった・・・。


 「・・・、ハア、ハア、またしても敗北、

 このアガサの全痴力を持ってしても・・・」


痴力ってなに?

ていうか、そんなに今みたいなやり取り冒険中やってたの?


 「・・・う、うう、決死の突撃も玉砕、

 カラドックはどれほどまでの精チン力を誇るのか・・・っ!」


だから精チン力ってなんなの?

それが凄いと何かいいことあるの?



 「ふ、ふふふ・・・、

 いや、君たちの魅力は最高だったよ、

 私も独り身なら決して耐えられなかっただろう。

 だから言うよ。

 このカラドックを一人の男と思ったら大間違いだっ!

 私の心は常に愛するラヴィニヤと共にある!!

 故にその絆は何者にも引き裂けないっ!!」



すごい・・・


私も一度でいいからそんな事を言ってくれる男の人に出会えないものか・・・。


しかもカラドック様は、権力も財力も武力に魔力も持ってて、さらに礼儀正しい気さくなイケオジ様なのだ!


この方を射止めた女性にも興味が湧いてしまう。

きっと私ごとき、比較にならない程の素晴らしい女性に違いない。


 「ね、ねえ、ケイジ?」

 「な、なんだ、リィナ?」


後ろでケイジ様たちの声が聞こえてきた。


 「た、単純に好奇心なんだけど、

 あそこまでやられて男の人って気持ちいいの?

 それとも無理矢理気持ちを抑えつけてるのって拷問みたいなものなの?」


それは私も興味ある。

今後のためにも聞いておきたい。


 「き、気持ちはいいだろうな、

 本音を言えば血の涙が出そうなほど羨ましくもある。

 ・・・けれどそれを耐えろと言われると滅茶苦茶キツい筈だ。

 さすがはカラドックだよな、と言わざるを得ない・・・!」


 「そ、そう、参考になったよ、

 ちょっとまた場所を変えて詳しく聞くかもしれないけど、

 特に血の涙が出そうなほど羨ましいってところ。」

 「リィナ!?」


うん、私も参考になった。

ご自分のカラダを張った正直なケイジ様に敬意を表したい。

是非この後五体満足でいて欲しい。


 

 「また一つ伝説を作りおったな・・・。」


あの、女王、

このエピソード・・・

後世まで語り継ぐんですか?


バルファリス様なんか両手で顔を覆って椅子に座り込んじゃってますよ?


一方、二人の攻撃を耐え切ったカラドック様は、そのお二人の方にゆっくりと近づいていた。


 「立てるかい?

 私も全力を尽くしたよ、

 いい勝負だった・・・。」


カラドック様、それ本気で言ってます?


 「うう、カラドック・・・行かないで。」

 「もう、会えないのは・・・寂しいっ。」


あっ


ついにあのお二人がいつもの独特の喋り方を放棄した?


それほどまでにカラドック様の本気は、お二人の心の砦を打ち砕いてしまったというのだろうか。


そして、いえ、

今までのがおふざけだったのか、

ふざけ半分本気だったのか、

いえ、それこそ、そんなことはどうでもいい話か。

今の最後の言葉こそが、あの方たちの本音なのだろう。



そのカラドック様は両腕を拡げて、優しくお二人の頭を包み込む・・・。


 「私だって寂しいよ・・・。

 君たちのような高い志を持ち、そして凄まじい能力を備え、己の道を邁進するような女性と離れ離れになるなんてね・・・。」


 「・・・うう」

 「くう・・・」


 「ただ覚えていてほしい。

 私だって一人では脆弱な存在なんだ。

 支えてくれる人がいるから自分を律していられる。

 二人とも、たまには甘えられるようなヤツを見つけ出せ。

 そんな人間と支えあえれば、それこそ君らは最強だ。」


 「カラドックの言葉を未来に向けて・・・」

 「いつかカラドックを超える人と・・・」


一応、そんな人、ぜったいにいないとだけは断言しておく。


 「しかしカラドックよ・・・」

おっと、ここでマルゴット女王も再びのご発言。


 「なんでしょうか、母上。」

 「いや、妾も小娘ではない、

 殿方には抑えきれぬ欲望があることくらい、重々に承知しておる。

 本当に大丈夫なのか?

 そなたも男、あの二人の全力の痴態の前に、そこまで耐え切れる者など・・・。」


そうよね、一瞬の出来事ならやせ我慢できるかもしれないけど、延々カラダのあちこちを異性の肉体にいんぐりもんぐり擦りねぶられ続けて、まともな理性を保ち続けられる人がどれほどいるのだろう。


 「・・・ふ、ならばタネを明かしましょう。

 この後、元の世界に戻ったならば、すかさず私は妻のベッドに突撃するつもりです。

 彼女を寝かせるつもりもありません。

 ですからその時まで、私は耐え忍べばいいだけなのです。

 恐らく次の日の昼近くまで、私は為政者として使い物にならないでしょうけどね。」


ぶっちゃけたわね、賢王様。

いえ、だとしても本当に凄いと思う。

ほら、ケイジ様もリィナ様も目をキラキラさせている。


アスターナご夫妻にいたっては、二人でウンウン頷きながら、体を密着させてるわ。

あそこのお二人も円満なご家庭なのだろう。




反応はひとによりけりだとは思います。

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