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第六百五十五話 ぼっち妖魔は追及する

ひゃー!!

評価とぶっくま、きましたわー!!

どうもありがとうございますう!!

<視点 麻衣>


いよいよここがあたしの旅の終着点。


リーリトモードはすでに解除しているとはいえ、変にあたしの心は落ち着いている。


その理由は、

あたしにこの世界から離れる覚悟ができたから、ということだろうか?

そこまで割り切れたつもりはないんだけど。


それとも昨夜、心の整理がつく出来事があったからだろうか。

・・・意外とあたしって女の子してたのかな。


別にあたしが男っぽいと思ったことはないのだけど、単に感情が薄い分、他の一般的な女の子とは行動原理が違うと思い込んでいた。


けれどちゃんと感情を働かせるような事態になれば、あたしも普通の女の子に過ぎなかったというお話なのかもしれない。


まあ、いいでしょう。

最後に会うのは冒険者ギルドの皆様。


ギルドマスターに成られたエステハンさん、

一人娘のチョコちゃん。

目の細いケーニッヒさん、

あとマジックアイテムの巾着袋を渡すことになっているラミィさん・・・。

彼女にはお話ししなきゃいけないのを忘れないようにね。


それとギルド職員じゃないけどベルナさんも来てくれる筈だ。

ついでに、ここまであたしを運んでくれた怪鳥・・・じゃなくて会長ラプラスさん。

女神様には直接念話した方がいいのか、それともラプラスさん経由な方がいいのか、どちらなのだろうか。


・・・念話での挨拶を「直接」って言っていいのかな・・・。


いいや、とりあえずそれは後回し!


まあ、特に・・・あ、

ちょっとだけエステハンさんに会うのは怖いかもしれない。

冒険者ギルドのお仕事を増やしてしまったからね。

その時にはチョコちゃんを盾にさせてもらおう。


・・・それと忘れちゃいけない。

ここまであたしを守ってくれた大事なパートナー。

あの子達との別れも済ませないとなのだ。


それで・・・この世界とはおさらばかな。





 「おはようございまーす!!」


あたしは西部劇のような入り口の扉を開ける。

すでにシルクハット姿のラプラスさんは到着していた。

・・・今更だけど屋内で帽子かぶってるのはどうなの?


まあ、もちろんあたしの世界のマナーなど、こちらの世界には関係ないと言われればそれまで。


 「おはようございます、麻衣様。

 ・・・なにやらまたご活躍なさった様子ですな。」


ラプラスさん、目が笑ってないんですけど。

でもまあ、あの口調は「自分には関係ないから好きにやってください」みたいな呆れのニュアンスも感じられる。


問題はこちらの方々だ。


 「よぉ、お嬢ちゃん・・・。

 朝から元気だな。」


ぎゃあああああああああああああ。

マジでエステハンさんの顔が怖くなっているうううううううっ!!


ケーニッヒさんの目も細いまま薄く歪んでいるし、カウンターの手前のベルナさんはもう自分は関係ないとばかりに距離を置いている!


 「お、おはようございます、エステハンさん、あ、あの、お話はベルナさん達から聞かれてると思うのですけど・・・。」


 「ああ、聞いているぞ。

 ただせっかくなんで嬢ちゃんから直接話も聞きたくてな、

 どうだ、

 熱いお茶を飲ませてやろう、

 ちょっと裏まで来てもらおうか。」


いやあああああああああああああああああっ!!

元の世界に帰る前にあたしの命が尽きるうううううっ!!


 「ギルドマスター!!

 伊藤様を怖がらせないで下さいっ!!

 本来なら冒険者のランクアップ対象にもなる立派な功績じゃないですか!!

 後のことは私たちの仕事ですよ!

 伊藤様を恨むのは筋違いもいいとこです!!」


チョコちゃん、あなたは天使か!

あ、いえ、マジもんじゃない方の意味で。


 「う、うむ、わ、分かっているとも、分かっているけどな、

 隠しエリア発見はともかく、裏ボスの存在判明と、そいつとは友好にコミュニケーション取れるって言われても・・・

 ギルドマスターなりたてのオレにどうしろと・・・。」


どうせあたしはこの後、いなくなる。

なら無責任と言われようと言いたいことだけ言えばいいと思う。


 「ギルドマスターのお仕事にあたしが口を挟める筋合いはないですけど、それこそエステハンさん一人でなんとかする必要ないんじゃないですか?

 キリオブールとか大きい街のギルドの人と相談したっていいと思いますし。」


 「あ、ああ、そ、そうだよな、うん、それはその通りだ・・・。」


と言うわけでこの件は解決。

え?

何もしてない?

いいの!

解決したって言ったらいいの!



 「それと、後これはお願いというか、むしろ冒険者ギルドの人たちが良かったら、なんですけど・・・。」


 「な、なんだ、まだ何かあるのか?」


エステハンさん、また厄介ごとかみたいな目で見ないでほしいんだけどな。


あたしは召喚術を起動する。

呼び出すのはスネちゃんとふくちゃん。

二人ともこの後ちゃんとお別れしなきゃなんだよね。


・・・その時にはあたしはマジ泣きするかもしれない。


 「「「うわあああああああっ!」」」


軽く辺りがプチパニックになったけど、

スネちゃんたちは大人しくしているから怪我人が出るほどではない。


 「ああ、お、お嬢ちゃん、そいつらをどうするつもりだ!?」


うん、その事なんだよね。


 「エステハンさん、この子達、たぶんこの辺りに住んでる筈なんですよ。

 あたしはこの後、元の世界に戻ってしまうので、そうなるとスネちゃんもふくちゃんも、みんなにただの魔物扱いされるかもしれません。

 けれど、例のデュラはんさんじゃないですけど、人に襲いかかるわけでもないし、この村の守り神的な存在にしてもらえませんかね?」


 「な、なんだと?」


要は魔物として討伐対象にされては堪らない。

それに二人ともレベルアップとともに知能もかなり高くなっているのだ。

人とコミュニケーションも取れる。


それこそオックスダンジョンの門番にしたっていいレベルなのだ。


あ、ふくちゃんが光った?


 「あれ、ふくちゃん、それ光属性の魔力?

 もしかして治癒魔法、身につけちゃったの?」


 「ほう!」


 「「はあああっ?」」


一方、スネちゃんは額の角に魔力を集めている。

うわ、これ雷属性だ。

どこでそんな技覚えたんだ。


 「エ、エステハン殿、こ、これ、もう討伐対象にするならAランク認定しないと割が合わないかの!!

 そしてこの村にこの二匹を倒せる冒険者なんていないのかの!!」


うーん、そうなると森に返さなくてはならないのだけど。


 「だいじょーぶよー、

 なんならあたしとチョコで面倒見るわよ、

 ふくちゃんは手もかからないし、スネちゃんはもともとあたし達ラミアの眷属種族だし、言うことはだいたい聞くわよー。」


やはり最後までラミィさんは頼りになるな。

チョコちゃんも一瞬「え」って顔になったけど、ふくちゃんたちの愛らしさを確認したら、嬉しそうな顔になった。


さて、ここいらで。



あたしは腰元の巾着袋を解く。

まだ中に入ってるものもあるけど、別に大したものは・・・


おっと、

アガサさんとタバサさんのデフォルメ人形だけは持って帰るぞ。


それ以外はそのままラミィさんにあげて何も問題ない。


あ、そういえばウチ出の小槌はいつの間にか消えてなくなっていた。


まあそれがいいよね。


 「じゃあこれはラミィさんに、お約束の品です。」


嬉しそうにあたしから受け取るラミィさん。


 「うーふふー、これで契約完了ねー!

 食糧もいっぱい溜められるし、重宝するわよー!!」


ラミィさんもご機嫌だね。


さて・・・



それじゃあ、このタイミングで聞いておくとしましょうかね。



 「ラミィさん、答えられたらでいいんですけど、一つ質問していいですか?」


 「なんなのー、改まって?

 あたしで分かることなら答えるわよー?」


ラミィさん、あんまりタブーなさそうだから答えてくれるとは思うんだけどね。


事実なら結構、重い話になるかもしれない。



 「ラミィさん、もしかして、あたしがこの世界に来ること、最初から知ってました?」


「へ?」とラミアが豆鉄砲喰らったような顔になるラミィさん、いや、それまんまか。

ていうか、少し違うね。


 「いえ、すいません、こう言い直しましょうか、

 ラミィさんて・・・深淵アビス様の眷属なんですか?」


皆さま、お気づきだったでしょうか・・・


いえ、後付けじゃないんですよ・・・

ほんとうなんです。

あ、いえ、別に書かなくてもいいかな程度に思ってたので、淡白な書き方しかしてなかったのは確かなんですけど。


今後の予定


この後のラミィさんの告白でお話一つ。

そして、

お別れシーンでお話もう一つ・・・の予定。


そこでこの世界での麻衣ちゃんパートは完全に終わりです。


その後はカラドックのお話。


元の世界に戻ってからの麻衣ちゃんの話は明確に構想練ってます。

カラドックとメリーさんについては、

「こんな感じに」終わらせようかと頭の中でまとめ中です。


まだ纏まってないのがメリーさんやカラドックとケイジたちとのお別れシーンをどうするか・・・


つまり麻衣ちゃんのお話終わったらどうしたらいいか、まだ全然決まってないということ。

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