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第六百三十八話 ぼっち妖魔は◯魔に襲われる

タイトル伏字にした意味はあまりないです。

<視点 麻衣>


ラージスケルトンの横薙ぎ攻撃の前にラミィさんがアースウォール起動!


そんなものが役に立つのかと思っていたら、

なんとラミィさんは自らの足元に壁を作り出したのだ!


あ、

これは邪龍の分体と戦った時にケイジさんやリィナさんが使った戦法に近いよ!


ラミィさんはせりあがる土壁をエレベーターのように利用したのである。


あっという間にラミィさんの体は、攻撃の為に身を低くしたラージスケルトンの頭上に!


ラージスケルトンがアースウォールの壁を砕くより早く、

ラミィさんは土壁を飛び跳ねて無防備の頭頂部に槍を一突き!!


おお、頭蓋骨におっきな穴が空いた!


ラージスケルトンもダメージを感じてるのか、つんのめるように膝をついたよ!!



ブラックファングの皆さんからも感嘆の声が上がる。


とはいえ、今のラミィさんの槍に、タバサさんみたいな光属性付与してたのなら、今の一撃で勝負ついたと思うんだけどね。

ここに光属性持ってる人はいないから仕方ないといえば仕方ない。



 「すげぇな、ラミィっち。

 あんなふうに術と攻撃を組み合わせて使えんのかよ・・・。

 こんなん見させてもらえただけでついてきた価値があるよ・・・。」


ラミィっち?

あたしの時もそうだったけど、ベルナさんて人のことを独特の呼び方するよね。


 「ふっふーん!

 ベルナさんも風魔法のエアライド身につけたんでしょー?

 なら同じようなことは出来るはずよー?」


あー、原理は同じなのかもね。

でも難しいと思うよ。


 「・・・いや、そうなんだろうけど、まず詠唱破棄できないとな、

 それに戦闘中に狙った場所にエアライドの足場作るはのかなり難しい気がする。」


あー確かに勝手に動いてくれるアースウォールの方が便利かも?

いや、でもエアライドは他人の目に見えないから、奇想天外な動きをしたいならエアライドの方が面白いと思う。


おっと、まだ戦闘中だったね!



ラージスケルトンがなかなか立てない今がチャンス!

何しろ今回の「この子に七つのお祝いに」では、老化系の状態異常ばかり発動していた。

うん、相手がヨボヨボのおじいちゃんだと思うと、ちょっとかわいそうな気もするけど。


気を取り直して!

今回はうちの子に花を持たせてもらいましょうか!


今回のパーティーに光属性持ちはいない?

ええ、そうですね、

パーティーメンバーの中にはいませんね。


ですけどね!

 「行きます! 聖獣召喚、ふくちゃん!」


 「「「うわ、召喚術!?

 しかも金色の光!?」」」


はいはい、

真っ白なカラダにさらに明るい輝きを灯したふくちゃんですよ。


聖獣に進化しているふくちゃんは、そのボディそのものが光属性なのだ。


その一撃の威力はラミィさんの突きには敵わないだろうけども、上空からの連続攻撃にラージスケルトンのカラダは見るも無惨に粉砕されてゆく。



 「うーん、あたし前もラージスケルトンと戦ったけど、明らかに今回のヤツは動きも鈍ってるわー。

 やっぱり麻衣の状態異常攻撃の効果が凄いのよ。」


まあ、そうなのかもしれませんね。

うん、もう腕の関節も砕けてラージスケルトンは剣も握れないね。

そこであたしは振り返る。


 「あ、ブラックファングの皆さんも今のうちに攻撃参加しては?

 その方が経験値とかも貰えますよね?」


 「あ、ああ、そ、そうだな、ならお言葉に甘えて・・・。」


三人とも危なげなく攻撃してたよ。

カリプソさんのファイアーランスが一番効果あったかな?

シーフのアミネさんのショートソードでは脛の骨を、削るので精一杯だったみたいだけど。


 「アミネちゃんはシーフなんだから、攻撃よりもラージスケルトンの骨の一部でも奪い取ってくればいいのよー。」


 「え、あ、そ、そうなんだ、

 そんな戦い方もあるのね・・・。」


既に知識もラミィさんの方が中堅冒険者より詳しくなっている。


・・・この後どこまで頼もしい存在になるのだろうか、ラミィさん。



あ、ふくちゃん、六羽に分裂。

ラージスケルトンの背後に回って首の辺りを集中連続攻撃か。


ああ、完全に首の骨が砕けたね。


ラージスケルトンの頭がボキンと落ちて床に転がる。

その目からは光が消えていた。



はい、今回も危なげなく勝利しましたよ。


後は地下11階から下!




いえ、ここでちょっくら休憩いたしますか。


 「・・・改めて破格の実力だよな、ラミィさん・・・。

 いや、もちろん麻衣さんも凄いんだけど・・・。」


剣士のリカルドさんが半分放心状態だ。

まあ、あたしは大して活躍してませんけどね。


 「あ、今回、ラージスケルトンの魔石は無事だから、ベルナさんたちで回収するといいわよー。

 麻衣もそれで構わないんでしょ?」


 「ええ、もちろんです。

 取れるものは取っちゃってください。

 さすがに魔石はダナンさん達への贈り物には使えませんし。」


色めき立つベルナさんとブラックファングの皆さん。

魔物を倒すには魔石を砕くのがもちろん確実だけど、HPをゼロにすれば当然活動停止する。


不死体にHPってどういうことよ、とも思うのだけど、スルースキルを身につけたあたしには通じないのだ。


なお、ラージスケルトンの魔石は胸の奥、本来あるべき心臓よりも胸の真ん中の位置にあった。

・・・肉に埋もれているわけでもないのに、どうやって固定されているのか、少し気になったけども・・・。

え?

胸骨の後ろ側に埋まってる?

あ、な、ならそれでいいです・・・。




さて、ここまでは順調だ。




ただ一つ、ここであたしは、自分自身に一つ問題を抱えてることに気づいてしまった。


いや、実を言うと朝から気にはしてたのだ。

なんとかそれこそスルーできるかなあとも思っていたのだが、そんなに現実は甘くない。


今の時刻はお昼を過ぎた頃だろう。


ならば・・・


 「皆さん、よろしければここで小休止しませんか?

 小腹が空いたのならお昼にしても・・・。」


もちろん異論は出なかった。

ここまでほぼノンストップで来てたしね。

トイレとかも必要だろう。


ラミィさんが、ダストシュート的なボス部屋備え付けトイレの周りにアースウォールを立ててくれる。


いえ、あたしが必要としているのは食事でもトイレでもないのだ。

ラミィさんの気配りは大事ですけどね!!

なんならサイレンスもかけときますよ!!


 「それで、実を言うと、あたし昨夜あんまり寝てなくて、出来ればここで一時間ほど仮眠させてくれればな、と思うのですけど・・・。」


宴会続きだったしね。

そう言えばどうして昨夜はあまり眠れなかったんだっけかな?


 「もちろんあたしらは構わんぜ?

 でも一時間で大丈夫なの、まーちゃん?」


 「ええ、ちょうど今から一時間ということで、

 食事はあたしの分は結構ですので・・・。」


意識したら急激に眠気が襲ってきた。

タバサさんがいたらディスペルで眠気なんか吹き飛ばしてくれたんだろうけどね。


あたしは巾着袋から松明を取り出す。

この松明が燃え尽きる時間はかっきり一時間。

便利なアイテムがあったものだ。




そしてあたしはラミィさんがアースウォールで作ってくれた簡易ベッドルームに潜り込む。

一人用だけど、今後もここで寝たい人がいたら有効活用できるだろう。


・・・うん、

もうそれ以上考え事は面倒だ。


このメンツなら危ないことも起こるまい。

起きたら最後のダンジョン探索を・・・




zzz・・・


襲われたのは睡魔です!


なんで眠いんだったっけ・・・?


次回はいよいよ最後のダンジョンボスです。

情報だとスケルトンナイトとリビングメイルだそうですけど。


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