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第五百四十話 自己紹介(3D画像祭り)

連休もらったので撮影しまくりました。


その間、下書きは一文字も進んでいません。

アガサの胸に光沢つけたり、タバサの下着を変えたりとか、

写真の角度撮り直ししたりとか、めっちゃ時間かかりました。

<視点 ケイジ>


挿絵(By みてみん)


 「はじめまして。」


オレたちの会話の第一声は聖女のほうだった。


 「ミシェルネと申します。

 皆様にはお忙しいところ、わたしの求めに応じてくださいまして、大変感謝しております。」


喋り方はゆったりしたスピードで、舌っ足らずに感じるところは年相応に思う。

けれど確かに言葉選びはしっかりしている印象だ。


 「そしてこちらが金枝教の司教、テリトルト様です。

 わたしのいきなりのわがままにも拘らず、ここまで着いてきてくれたお人好しの司教様です。」


それは笑うところなのか。

・・・いや、見ればその司教、苦笑いを浮かべながらオレたちに会釈する。

これ、間違いなくこの場を和ませようとするトークの一環だ。

見ればこちらもカラドックが目を見開きながら笑みを浮かべている。

カラドックもオレと同じ判断をしたのだろう。


しかし初対面の・・・これだけの年上の人間を前にしながらそんな配慮もできるのか。

これは女王が警戒するのも頷ける。


 「そんなわけで連れてこられました司教のテリトルトです。

 お察しの通り、聖女様には振り回されておりますが、この度の勇者様方との会見は、金枝教側でも最上級の価値を見出しております。

 私は聖女様の補佐役となりますが、よろしくお願いします。」


司教ともなれば、

しかもネミア本国の司教ともなれば結構なエリートの筈だ。

まあ、数十年に一度現れるか否かという聖女に付くのは当たり前なのだろう。


 「そして。」


その聖女が振り返る。

その視線の先にいるのは騎士服の若い女性だ。

 「わたしの専属護衛を務めてくれている、トライバル王国の侯爵令嬢、ツェルちゃんです。」


挿絵(By みてみん)


護衛騎士の女性が半歩前に出て一礼する。

お?

珍しい礼の形だな。

まるでオレの前世で中国拳法の使い手が取るみたいな・・・


いや、それよりも・・・


ツェルちゃん?

ここで崩してきた?

トライバル王国って言えば結構大きい国だぞ。

そこの侯爵令嬢をちゃん付け?


あああ、やっぱりその護衛騎士も困った顔しているぞ?


挿絵(By みてみん)


 「ご紹介に預かりました・・・ツェルヘルミア・オリオンバートと申しますわ。

 ・・・ミシェルネ様、その呼び方は二人っきりの時だけにしてくださいとあれほど・・・。」


オリオンバート家か。

名前だけは聞いたことがある。

どういう経緯で、聖女とはいえ他国の人間の護衛となったのだろうか。

・・・それにしても美人だよな。

スタイルも良さそうだ。


隣のリィナから殺気がこちらに向いてくるほどの・・・。


 「いいじゃないですか、

 ツェルちゃんはツェルちゃんです。

 さて、勇者様方の皆様もご紹介してくださると嬉しいです。」


挿絵(By みてみん)


あ、ああ、そうだよな。

じゃ、ここは立場上オレからいくか・・・ん?



そこでオレは立ち上がりかけた時に何か違和感を感じた。

・・・前方にいる二人の女性から。


だがここは流れを切るわけにも行くまい。


 「歓迎いたします、聖女様。

 冒険者パーティー『蒼い狼』のリーダー、ケイジと・・・申し、ま・・・す。」


喋っているうちに何か背筋が寒くなっていくのが分かる。

だがその原因はなんだ?


こんな時に頼りになるのは麻衣さん。

ふっと横目で麻衣さんを覗くと、彼女もオレと同様の違和感を感じているようだが、その正体はわからない様子だ。


そこで視線を前方に戻すと・・・



あれ?


気のせい、じゃないよな?


なんか、

聖女と、


護衛騎士から



汚いものでも見る目でこっちを見られている気がするんだが・・・。


挿絵(By みてみん)


 「「・・・・・・。」」



え、どゆこと?

まさか、この二人って獣人差別主義者?

それは幾分ショックなんだが・・・。


侯爵令嬢の方は仕方ないにしても、こんな小さな聖女にまで・・・。


 「あ、あの何か・・・。」


オレが不穏な空気の元を問うても、まともな答えは返ってこない。


 「いえ、・・・ケイジ様ですね、

 お次をお願いします。」


ちょ、よろしくとも言ってくれないのかよ!?

冷たすぎる。

麻衣さんの言ってた厄介ごとってこれか?


この異常な空気ははリィナもわかったろう。

これはただ事でないとリィナも緊張する。


 「あ、えっと、勇者の称号が付いちゃったリィナ、です。

 よ、よろしくお願いします。」


そこでオレの思考能力は木っ端微塵に砕け散った。


聖女たちはリィナに向けてもキツい視線を送るのかと思ったのだが。



 「・・・か、かわいいいぃいいっ!!

 ツェルちゃん、ツェルちゃん、見てください!!

 あ、あの人がリィナちゃんですって!!

 すっごい可愛いですよおおおっ!!」


挿絵(By みてみん)





なんなの、オレとの扱いの差。


リィナも獣人なんだけど。



君ら獣人差別主義者じゃないの?


じゃ、じゃあなんでオレだけ?






おかしい。

確かにリィナは可愛いぞ。

それに比べたら確かにオレは可愛くないのだろう。

・・・別にそんな評価はしてほしくもないけれど。



けれどダブルエルフの時は、

オレたち二人のコンビが織り成す無意識の掛け合いに、二人は心を射抜かれていた筈だ。


何故ここまでの差が起きる。


後ろの侯爵令嬢もおかしい。

オレへの態度もそうだったが、聖女と同じくやはりリィナを見て何か異様な興奮をしている。


動じてないのは金枝教の司教だけ・・・。


 「・・・ゴホン、聖女様。」


 「あっ、ごめんなさい、ついこうふん致しました。

 リィナちゃん、よろしくお願いします。

 是非わたしと仲良くしてくださると嬉しいです。」


司教の一言で我に返ったのか、

聖女の反応がまともに・・・いや、まだおかしいよな?

年上のリィナにいきなりちゃん付けだし・・・

あ、それは護衛騎士の女性に対しても同じだったか。

まるで会見というより、ここへは友達を探しにきたかのような・・・


まあ、険悪なムードになるよりかは遥かにマシなんだが。


 「あ、えっと、うん、あたしも仲良くしたい、かな。」


戸惑いながらもリィナは嬉しそうに反応する。

まあ、わからなくもない。

リィナだって本来寂しがりやだ。

まともな友人もいない。

それに確かに聖女の外見は可愛いと言えるだろう。


そんな女の子に真正面から仲良くしたいと言われれば、顔も綻ぶだろう。


それより


 「聞いた!?

 聞きました、ツェルちゃん!?

 リィナちゃん、やっぱりいい子ですよ!!」


このノリはなんなんだ・・・。



そう言えば女王も、

聖女はプライベートな用件でここに来たと言ってたよな。

そして聖女は誰よりもリィナに会いたいとかも・・・。

まさか本当に友達作りに来ただけなのだろうか。



続いて紹介はカラドックに移る。

 「異世界からやってきましたカラドックと申します。

 そう長いことこの世界には留まってはいられないのですが、聖女様に出会えて光栄です。」


たった今、あれだけの騒ぎを目の前にして一切動じないのか、カラドック。

これもヤツのスルースキルの真髄。


さて、今度の聖女の反応は?



 「まあ、あなたが異世界の賢王、カラドック様なのですね?

 わたしなどがこの世界の代表などとおこがましいことは言えませんが、

 聖女の称号を抱いたものとして、厚くお礼を申し上げます。」


挿絵(By みてみん)


・・・完璧じゃねーか。

オレへの殺意剥き出しの態度でもないし、リィナへの熱狂的な振る舞いでもない、

まさに聖女らしい立派なセリフだ。


ホントに12歳なのか!?

いや、確かに外見はそうなんだが・・・。




本来、順番では次は麻衣さんなんだが、

オレはある思いつきで、麻衣さんは最後にしてもらおうと考えた。

視線と手振りで麻衣さんを制し、

タバサの方へと・・・。


もちろん相手が聖女とあって、タバサのテンションはマックスだ。

 「我が名はハイエルフの大僧正タバサなり!

 宗派は違えど聖女の称号を得たミシェルネ様にお会いできて光栄の至り!」


挿絵(By みてみん)


うん、聖女様の目は輝いている。

普通の女の子の反応だと思う。


 「ええ、聞いています!

 お城に結界を敷いたり、

 邪龍の滅びのブレスをも防いでみせたとか!

 わたしは聖女といえども術法は苦手なので憧れちゃいます!」


挿絵(By みてみん)



ふーん、

術法が苦手なのか。

確か麻衣さんによると、前回の邪龍討伐時の聖女は様々な術法を駆使していたそうだからな。

まあ、年齢のせいもあるかもしれないが、聖女と言っても人それぞれなのだろうか。


続いてアガサの番にと。

お?

アガサも負けじと存在感をアピールか。

まるで貴族のような礼を取ったな。

 「私はダークエルフの魔導士アガサ。

 聖女ミシェルネ様にはご機嫌麗しく。

 タバサと同じく、これを機にミシェルネ様とは是非に友好の儀を結びたく存じます。」


挿絵(By みてみん)


おい、いつもと喋り方違くねーか?

いや、でも様になってるよな。

もしかして今からヒューマン社会に溶け込むべく意識変えてるのか?


さて、

聖女の反応はタバサの時と・・・あれ?


静か?


なんで?

今度は何?


でもオレの時みたいな殺気を含んだ感じじゃないよな?

逆に全ての感情が抜け落ちたみたいな・・・

これは?



 「・・・ツェルちゃん。」

 「なんですか、ミシェルネ様・・・。」


挿絵(By みてみん)


 「おおきいね・・・。」

 「え? ああ、

 ・・・ええ、そ、そうですね。」


 「ツェルちゃんより大きい?」

 「そ、そうですね、私、より・・・。」


おい、待て、なんの話始めてる。


 「わたし、もうちょっと大きくなったら、あの人くらいになる?」


 「・・・それは・・・。」

 「なんで黙るの、ツェルちゃん・・・。」


挿絵(By みてみん)


オレたちは何の光景を見せられているんだ。



 「・・・ゴホン、聖女様。」


 「あっ、ごめんなさい!

 アガサさんですよね!!

 攻撃魔法も生産魔法も素晴らしい術だと思いますよ!

 タバサさんもそうですが、あなたたちが揃えば、飢饉に瀕した土地も邪悪に侵された土地も救えると思います!

 わたしの方こそよろしくお願いいたします!」



なんか確かに聖女らしいんだが、

ところどころ・・・

いや、年齢を考えればこの反応はおかしくない?

・・・のか?


そして大変だな、向こうの司教。

聖女の暴走を抑えるためだけにここきているのだろうか。


 

リィナちゃんへのツェルとミシェルネの反応は、ほぼ同じ理由によるものですが、


ケイジへの殺意は別々の理由によるものです。

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