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第五百十五話 処刑始まる

前日までに7割ほど仕上げ、

本日の午前中に書き切る。

・・・お昼ご飯食べて最終校了。


もはや気分は夏休み最終日。


今回手こずった部分。

カラドックの嫁さんの名前ど忘れした・・・。

何だったっけ、どこかで名前書いてるからそこ探せば・・・。


ラヴィニヤ

「ひっどぉ〜い!

作者さん、ひっどぉいですよぅ〜、

ラヴィニヤ、ぷんぷんしちゃいますよお〜!?」


ああ、ラヴィニヤ天ね・・・いえ、癒し系でしたよね。

うん、そこは忘れてないから。


<視点 カラドック>


いよいよだ。

短いようで長かった私たちの冒険。


最初は勇者を倒せだの、救えだのから始まって、明らかになったのは魔人や邪龍の存在。

ついでに魔王まで生まれたとあってはこの先どうなるかと思われたが、

そっちについてはまさかのミュラが転生者として魔王に就任。

となれば、この世界のみんなには悪いけどそれ程脅威には感じない。

半ズボン姿もよく似合ってるし。

・・・おい、睨まないでくれよ、ミュラ。

私は君のことはそんなに嫌いじゃないんだ。


まあケイジにしてみれば、ミュラは途轍もない脅威の存在かもしれないが、私はそこまで野暮ではない。

惚れた女のハートくらい自分で守れ。


何はともあれ、このままメリーさんが邪龍にとどめを刺せば全て終わる。

当初の目的であった、ケイジのグリフィス王国内での地位についても心配は要らないだろう。

母う・・・じゃなかった、マルゴット女王に任せれば問題はない。


まだケイジとその父親には一悶着あるかもしれないが・・・。

そう言えばケイジの父親はアルツァーという名前だと聞いた。


アルツァー・・・

まだ私もその方には会ったことはないが、

やはり私の世界のアーサー伯父さんと繋がりがある存在なのだろうか。


アーサー伯父さんには子供は・・・いなかったが。


後は・・・え?

「深淵」については、だって?

勘弁して欲しい。

いくら私が国王とはいえ、異世界の出来事にこれ以上巻き込まないでくれ。

私だって人間なんだぞ。

早く元の世界に戻って、息子のウェールズや愛しのラヴィニヤに会いたいんだ。


ていうか、

麻衣さんやケイジの雰囲気からして、「深淵」とやらを気にしようとする気が起きないんだよなあ。

一応、先ほど私が深淵とやらを警戒すべきだと思ったのは間違いないんだけども。


・・・それより、切実なのはヨルさんのことかな。

いい加減、これ以上先延ばしには出来ない。

何らかのカタチでケリを付けなければならないだろう。

出来ればヨルさんが、実は気移りし易い性格で、何かのきっかけで私から一切興味を失ってくれると楽なんだけどね。

少しだけその線を、期待していいかな。

これは扱いを間違えるととんでもないことになるのだけどね。


いつかの・・・魔族執事シグとのやり取りを見て思うに、ヨルさんは敵味方をはっきり区別つける。

一度ひとたび私への熱が冷めれば一気に態度が変わる可能性があるんだよね。


その時、ふと麻衣さんと目線があった。


すぐに互いに邪龍とメリーさんの方へと視線を戻したけども、


「気をつけて下さい、

女の子の態度の急変には、

お熱が一気に冷めるタイプと、

ヤンデレ化して殺意に変わるタイプといるんですからね?」


今の一瞬で、そんな事を言われたような気がする。

相変わらず麻衣さんは恐ろしい事を平気で言う。

多分私の気のせいなのだろうが。



それでは目の前の現実に意識を戻そう。

メリーさんは邪龍の反撃手段を悉く潰している。

あのローゼンベルクでの暴発具合からして、

怒涛の勢いで一気に邪龍を葬り去るのかと思ったが、

実際にはメリーさんは、殺戮する対象に罪の意識を植え付けてから処刑するのが本来のスタイルなのだそうだ。


そう言えば鬼人を相手にした時もそうだったか。

なるほど、殺されていった者たちの恨みの声を届けるということなのだろう。

それがあのメリーさんという人形の生態。

存在する意義。


誰が何の目的でそんなものを作ったのか興味はあるが、

その制作者も自分の作った人形が、まさか異世界で、しかもこんな形で活躍するとは夢にも思わなかっただろうね。


まさに

邪龍が手に入れた不老不死とやらの手段を、

真っ向から否定する為に現れたようなものだ。


天敵と言ってもいいだろう。


後はメリーさんがそのセオリーに従って、

一つずつ邪龍の攻撃手段を潰してゆき、

それらが何も無くなった時が邪龍の最期だ。




 「さて、次はないのかしら?」


不気味なほどメリーさんは冷静に見える。

あのローゼンベルクでの激情も、私の子孫だという黒髪の女の子への思いも全て彼女は飲み込んで、今やあの黒ずんだ光と歪みを見せるアラベスク文様の鎌に注がれているのだろう。


そう言えば、例の黒髪の子は私の妻のラヴィニヤに顔が似てるらしいって、メリーさん言ってたよね。

・・・うむ、邪龍滅ぶべし!

私もこの先一切容赦しないと誓おう!!



 『ぬ、ぬおおおおおおっ・・・』


一方、その邪龍の心の裡は私たちにはよく分からない。

人間のような顔がついているわけじゃないしね。

体をぶるぶる震わせているようにも見えるが、

それは恐怖なのか、それともここまで一方的にやり込められたことによる憤怒故なのか。


まだ体の前面から生えてる触手は健在とはいえ、流石に邪龍もメリーさんに触手が追いつけないのはもう理解したろう。



 「もう手札が尽きたのなら・・・」

 

メリーさんが両手に構えた鎌を振り上げる。

・・・けどいくら巨大な鎌とはいえ、

あれでは邪龍の体表を裂くくらいしか出来ないよね?


まさか道路工事のツルハシみたいに何度も何度も邪龍に打ち付ければ奴の体の奥までダメージを届かせられるとは思うけど、流石にそんなやり方じゃ・・・


 「殺してあげる・・・ゆっくりとね。」


無表情で、

無感情の筈のメリーさんの言葉が不自然なほど優しく聞こえてしまう。


思わず次の言葉は

「だから安心してお眠りなさい?」と続くのかと錯覚してしまいそうだ。

まるで怖い夢を見た子供に言い聞かせるかのように。



そう、錯覚だと思った。

次の瞬間にはメリーさんは豹変するのだろう。

あのアラベスク文様の死神の鎌で一気に邪龍の頭を切り裂くのか、


そう思っていたのだけど、

さっきの言葉をメリーさんは本当に裏切らなかった。


彼女は、

優しく、

とてもゆっくりと、その鎌を下ろしたのだ。




 『ギィヤァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!』


耳を塞ぎたくなるほどの大絶叫!!


見た目には何てこともないゆっくりとした動きだったのに、

私のこの位置からは正確に見えない邪龍の頭頂部を、あのメリーさんの鎌が切り裂いたのだろう。


まるで外科医が鋭いメスで、患者のカラダを切り開くかのように。


・・・もちろんそこに麻酔なんかはないんだけどね。


むしろその痛みは最大限に増幅されているようだ。

邪龍は激痛のためか、狂ったように暴れ始めたので、私たちも全員距離を取らざるを得ない。

勿論ヨルさんが放った大地の牙があるから、邪龍はあの位置から一歩もこっちに近寄ることは出来ないんだけどね。


 「以前、屍鬼グールに光属性剣技を叩き込まれた瞬間見たことありますけど、この巨体の化け物から聞こえる悲鳴って、聞いてるあたし達にも精神ダメージ入りそうなほど不快ですよね。」


さすがの麻衣さんでもそう思うよね。

見れば周りのドラゴンたちも引いているじゃないか・・・。


想像でしかないが、

私の感覚では、抵抗出来ない人間の頭に直接焼き鏝や火箸をあてられ・・・

いや、そのまま頭を無理矢理ほじくられるイメージか。


うん、そんな死に方はしたくないな・・・。





ケイジ

「待て、カラドック、今の最後の言葉、何かのフラグにならないよなっ?」


カラドック

「えっ!? ちょ、ちょっと待った、ケイジ!

恐ろしい事を言わないでくれ!!」


麻衣

「あれ? あたしの脳内に声が?

え? え? カラドックさんが生きてるうちは造物主さまや天使くんは何もしない?

え? え? なに、今の!?」



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