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第四百六十六話 ぼっち妖魔は我が道を行く

大変申し訳ありませんでした!


Googleドキュメント不具合の後、

自宅帰って極度の偏頭痛に襲われて・・・


胃の中のもの全てブチ撒けてしまいました。


その後も寒気が治まらずにいましたが、翌日復活。

多分アップ予定の物語の中身はこんな感じだったかと思います。


ではお待たせしました!!

続きをどうぞ!!


<視点 麻衣>


ああ、やってしまった・・・!

だって仕方ないじゃないか・・・。

他に一切、あたし達があの村に手助けに行ける手段なんてなかったのだから。


よく考えれば当たり前だったんだけどね。

いくらラミィさんだとて、カタンダ村までひとっ跳びで辿り着けるわけもない。

あたし自身、ラミィさんの住処からカタンダ村まで、半日ほどかかった記憶がある。

もちろん、途中で警戒しながら進んだり、ホーンラビットやスライムとかと戦っていたのだから、単純に比べるものでないけども。


そして今はそんな反省をしている余裕どころか、

周りの状況すらあたしの目には映らない。

ラミィさんとは念話だけで済むはずなのに、

めちゃくちゃ大声で怒鳴ってしまったのだ。



でも、カタンダ村のみんなの命が掛かっているこの状況。

何を置いてもラミィさんをとっとと村に向かわせなければならない。

だからというわけでもないが、

まだあたしの大声は続いている。


 「ラミィさん、そ、そうだ!

 浮遊とか何か・・・移動時間短縮できるようなスキル取れません!?

 そうしたらもっと早く村に!!」


 『えー、でもそれ取ったら、人化スキルがまた遠ざかっちゃうじゃなーい?

 それって人間が言うところの本末転倒って話よねー?』


うう・・・ダメか。

もちろん、ここで優先すべきは村のみんなの命だけど、ラミィさんの優先順位はそっちじゃないし・・・。

ていうか、ラミィさんにそんな言葉教えたの誰だ。


 「麻衣さん、トラブル発生かい!?」


あたしが騒いだせいでカラドックさんに心配された。

そりゃあ、あれだけ慌てふためいていたら声をかけられても仕方ない。


 「あ、す、すみません、みっともないところを・・・。

 ちょっと予想外の事態で・・・。」


自信たっぷりにひねり出したアイデアがボコボコの穴だらけの作戦だったのだ。

情けなさすぎて穴があったら入りたい。

いや、穴繋がりでないから。


 「聞いた感じだと、目的の村まであのラミアの到着に予想以上の時間がかかりそうってことかい?」


やっぱりバレるよね・・・。

さすがというか、何というか・・・。


 「そ、そうなんです・・・。

 も、もうどうしたら・・・いいのかと。」

 「なら一つ手があるぞ!!」

 

なんですと!?


 「カラドックさん! そ、それっていったい!?」


 「あのラミアは地形変化呪文を持っているんだろう!?」


え? 地形変化呪文?

あ、さっきのアースクリエイト!?


 「そ、そうですね!

 でもそれで?」


カラドックさんは懐から何かを取り出そうとしている。

普通のコイン?

銀貨かな?

普通にありふれた銀貨のコインのようだけど、

こんなところで買い物なんか・・・


そしたらカラドックさんは、適当な岩場の一つを選んでその上からコインを転がした。

コロコロコロと転がった後、そのコインはチャリンと横に倒れたけども。


・・・あ!

もしかして今のって!!


 「ラミアの彼女に指示を出すんだ!

 アースクリエイトで彼女自身の足元の土を高く盛り上げろと!!

 とても高く!!

 そして目的の村まで一直線の下り坂を作るように!!」



すっげええええええええええええ!!

さっすがカラドックさんだああああああああああああああああああああああああああ!!


完璧な手である!

あたしはさっそくラミィさんにそれを伝える。

もちろん、念話だけで済むのだけど、

今みたいにカラドックさんがフォローしてくれる前提なら、声に出してしまって良かったのだろう!


 「ラミィさん!

 アースクリエイトを使ってください!!

 自分の足元に!!

 そのままカラダを高く持ち上げて、

 そしてカタンダ村まで一気に降りれる下り坂を作るんです!!

 それなら出来ますか!?」


 『あー、それなら大丈夫かも!

 やってみるわねー?』


 「あ、そうだ!!

 そのまま降りると横に滑って墜落するかもしれないんで、坂道には窪みを作るといいと思います!」


よし、今度こそバッチリだ!

あたしの気遣いも付け加えてあげよう!

そばでカラドックさんも頷いてくれている。


 『よぉぉぉし!

 アースクリエイトオォォォっ!!』


お、・・・おおお?

実はさっきっから、あたしはラミィさん視点にした遠隔透視を実行中なのだ。

そして予定通り、ラミィさんごと地面が盛り上がっていくので、あたしの視点も高くなってゆく。

あくまで遠隔透視だから、

あたしのカラダに浮遊感は一切感じない。

条件反射なのかお尻がむず痒いけどね。

そんな事を考えていたら・・・


 『きゃあああああああ!!

 麻衣! 麻衣ってば!! 高い高い高い!!

 怖い怖い怖い怖いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!』


ま、まあ、そりゃあね?

そのくらい高くしないとカタンダ村まで坂道作れないだろうし。

とはいえ、ちゃんと窪みも出来てるようだから、横に落っこちる心配はないだろう。


 『きゃっ!?

 あっ、動くっじゃなくて落っこちる!!

 止まんない止まんない!!

 速い速い速いいいいいいいいい!!』


あっ、確かに速すぎるね!

これだとカタンダ村着く前に坂道終わっちゃうよ!?

 「ラミィさん!

 坂道の傾斜をもっと緩やかに!!」


 『あ!

 そっ、そっか!

 えーい!! もっと盛り上がれええええ!!』


おお、どうやらまだ修正可能だったようだ。

坂道の傾斜が緩やかになってゆき、

ラミィさんの移動スピードにもゆとりが出て来たように思う。


・・・しかし、

ふううう、うるさかった・・・。

まだ、本番まで程遠いというのに、しょっぱなからこれでは・・・


ところがラミィさんもホントしつこい。

騒ぎはこれだけで収まらなかったのだ。

 

 

 『ぎぃやあああああああああっ!!

 痛い痛い痛い! 熱い熱い熱いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!』


あっ、今度は摩擦だね。

下は土か石かわかんないけど、そのままだとお肌がガリガリ削られていくもんね。


 「あー、それはどうしようもないですよねー?」


せっかく滑らかな鱗があるのだから役に立たないのかな?


 「ま、麻衣さん、その後は大丈夫なの?

 まだ何か、ありそうな感じだけど・・・。」


カラドックさんも心配症だよね。

まあ、だからこそあたしも助けられているわけだけど。


 『麻衣ーっ!!

 お尻いいい! お尻があああ!!

 尻尾がああああああああああああああっ!!

 はげるーーーーー!

 擦り切れちゃううううううううううううっ!!』


うるさいなあ、

いま、カラドックさんにそれを喋るとこなのだから邪魔しないでほしい。

それにしてもラミィさんてお尻あったっけ?


 「いまラミィさん、

 坂道の摩擦でお尻が痛いとか泣き喚いているところですね。」


 「・・・ま、麻衣さん、なんでそんなとても冷静に・・・。

 い、いや、それならあのラミアの人、

 水魔法とか使えないのかな?」


うむ! それだあっ!!


 「うわああああああ!

 さっすがカラドックさんだあああああ!!

 完全なアイデアですよおおおおお!!」


あたしは今後こその完璧なアイデアに感動し、ここぞとばかりにカラドックさんに抱きついた!


そう!

とても自然な流れである!



 「い、いや、最初に言うべきだったよっ、て、麻衣さん?」


せっかくなのでサービスとして発展途上のあたしの二つの胸も擦り付けておく。

ええ、ただのサービスですとも。



・・・む、殺気っ!!


 「どさくさ紛れに何してるですかあああああああああ!?

 そんなに麻衣ちやん人生を終わらしたいんですかあああああああああっ!!」


ヨルさんが血の涙を流しながら三又の槍をあたしに突き刺そうとした。

ふふふ、

タバサさんの保護シールドがあるからそう簡単には貫けませんよ?


ただこのままにも出来ないので、残念ながらカラドックさんから離れざるを得ないな。


 「だからヨルさん、あたしにカラドックさんを狙うつもりはないんですって。

 ただの感謝と感動を伝えたかっただけですよ!」


とりあえずヨルさんの事はすぐにカラドックさんに任せてしまおう。

カラドックさんにツノでも撫でて貰えれば、他に何も考えられなくなってしまうに違いない。


 『ね・・・! ねえ麻衣ったらぁっ!

 あ、あたし、もう、もう、ダメ・・・

 死んじゃう・・・っ』


あっと、忘れてた。


 「ラミィさーん、生きてますかー?

 水魔法ウォーター使ってくださーい!」


 『あっ! そっ、そうね!? さっすが麻衣、頭いいっ!!

 それっ! ウォーター!! すぷらーしゅっ!!』


よし、視える視える。

ラミィさんの足元に大量の水が湧いた。

これでスプラッシュマウンテンのように安全にカタンダ村まで着けるだろう。

ラミィさん、あたしのアイデアだと思い込んだみたいだけど、別に思いついたのカラドックさんだと真相を教えなくたっていいよね。

うん、もっと大事なことは他にあるのだ。


このままあたしを尊敬していてもらおう。


ていうか、ラミィさん土魔法と水魔法が得意って自分で言ってたんだから、自分の持ち技忘れちゃダメでしょ!


カラドック

「気のせいかな、麻衣さんから黒いオーラが・・・?」



麻衣

「き、気のせいですよ!

作者さんが本来の物語忘れちゃっただけで、

ホントのストーリーだと純真無垢なあたしの姿が描かれている筈だったんですっ!!」


ゴッドアリア

「え、そ、それ、あたいの時も麻衣はあんな感じじゃなかったか?」


麻衣

「なっ!? ゴッドアリアさんはキリオブールの街を守ってなきゃダメでしょうっ!?」


ゴッドアリア

「あっ、そ、そうか! うっかりしてたっ!!」

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