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第四百四十四話 異世界最強の援軍

また下書きが・・・。

<視点 カラドック>


 「麻衣さん!

 間違いないのか!?

 ワイバーンじゃなくてドラゴン!?」


ケイジの声にも焦りが見える。

以前、私たちが加入する前、四人がかりでなんとかドラゴンを一匹仕留めたそうだが、

その時もギリギリだったらしい。


もちろん今や私と麻衣さん、ヨルさんの戦力がプラスされ、なおかつ全員レベルもクラスも上昇しているわけだが、

周りを全て囲まれてしまうのなら・・・


しかもここは上空。

取るべき戦術も限定されてしまう。


 「ま、間違いないです、

 こないだ遭遇したワイバーンの群れなんかとは、大きさも接近スピードも圧迫感も脅威度も比較になりません・・・。」




やむを得まい。

かくなる上は・・・


 「あ! ま、待ってください!?

 先頭の銀色のドラゴンの背中に誰かが乗ってる!?」


 「な、なんだと!?

 ぎ、銀色の体表って、シ、シルバードラゴンかよ!?

 いや、そ、それより人が乗ってるって!?」


すぐさまケイジが確認に向かう。

だが、さすがにそれは私も状況が読めないぞ?

邪龍側に人型の魔物がいるのか?


 「一人じゃないです!!

 他のドラゴンの背中にも何人か、

 ・・・あ、と、とても巨大な・・・

 圧倒的な威圧感がある、あれ、

 き、金色のドラゴンまで・・・

 で、でもその背中に・・・」


 「ま、まさか噂に伝えられているゴールドドラゴンまでいるってのか・・・」


ケイジの声には絶望の色しか見えない。

そこまで聞くとどう考えても絶望的な状況の筈だ。


あれ?

・・・だが麻衣さんの表情は明るくなった?


 「もうすぐ皆さんにも見えてくると思います!!

 あれは・・・

 あたし達の知っている人達です!!」


なんだって!?

そんな・・・ドラゴンの群れを率いて来れる人物なんて



 「あ! あいつら!?」

 「見えたか、ケイジ!!」


 「先頭は・・・シルバードラゴンに乗っている奴は・・・

 竜人!!

 名を・・・ゾルケトフと言ったか!!」


 「竜人だって!?

 じゃ、じゃあ、あのドラゴンの群れは・・・」


 「魔王様ですよおおおおおおおっ!!」


私達が騒いでる間にドラゴンの群れは空馬車を取り囲む。

けれど麻衣さんは敵意を感じていないようだ。


なるほど、

見知った顔が何人もドラゴンの背中に騎乗しているぞ?

ほぼ全員、げっそりした顔をしているように見えるのは気のせいかな?


そして、群れの中で最も大きい、

まさしくドラゴンの王とでも言える神々しい金色の体躯に跨るのは・・・


おっ、

私の視線に気付いたのか、こっちを睨んでいるね。

私は敵意を持たれるような事は・・・

いや、何回か軍を率いて戦ったけど、別に後を引き摺るようなもんじゃないと思うんだけどなあ。


とりあえず声を掛けてみるか。

 「やあ、ミュラ、

 こんなところで会えるとはね?

 もしかして共闘しにきてくれたのかい?」


ちょっと見ない間に大きくなったな。

今じゃ小学生くらいの体格になっている。

やはり成長スピードも尋常ではないようだ。

下半身は半ズボンじゃないか?

似合ってはいるけど、ゴールドドラゴンの背中に乗るのにそれでいいのだろうか?

まあ、ブーツは重厚な革でしつらえているけども。


 「ふん、それを言い出したのはカラドックの方だろう?

 見ての通り、僕の力でドラゴンを集めて来た。

 この場は任せてもらおう。

 ・・・もちろん君らが邪龍討伐に失敗して、

 奴が地上に出てくれば、このまま僕らの軍勢が相手する。」


これは心強い。

しかし、確かに向こうの世界でもミュラは数々の動物を操っていたが・・・

まさか、こちらの世界でドラゴンまでコントロールできるなんて・・・


つくづく敵にしなくて良かったと思える。


 「あれ、おかしいな?

 ミュラ君からあたし達の方にちょっと敵意が・・・。」


ああ、視線の先にケイジがいるな。

そこは正々堂々勝負してもらおう。

もちろん邪龍のあとにね。


 「まぁ、細かい話は後だよ。

 どうやら地上の汚物と向こうから近づいてくるゴミどもが邪龍の先兵のようだね。

 ゾルケトフ!

 対空戦の指揮を委ねる!

 地上はこちらに任せろ!!」


 「了解しとぁ、魔王様ぁ!

 護衛のものを除くぃ、全て我に従うぇ!!」



竜人ゾルケトフの右腕が上がり、

ドラゴンの大群が二手に分かれる。


ミュラの周りに残っているのは、

黄金宮殿で見覚えのある冒険者パーティー。


 「おや、ダンと言ったか、君らも来たのか、

 義理堅いことだね、

 それにしてもよく全員、ドラゴンに騎乗できたな。」


 「お・・・おお、ま、報酬は貰えることになってるからな。

 あと、オレらは護衛役というより、雑用やらお前らとの折衝役よぉ。

 いくらAランクパーティーとは言え、邪龍とまともに戦える戦力なんかねぇよ。

 このドラゴンにしたって魔王様の命令でオレらを乗せてるだけで、

 オレらがコントロールしてるわけじゃねぁからな。」


なるほど、

それはわかったが、随分と表情が死んでないか?


 「あのダンって人、もう恐怖心がマヒしちゃってるようですね。

 ・・・どれだけ非常識な目に遭って来たんでしょうかね・・・。」


まあ、ドラゴンに乗って空運ばれる経験なんて普通あり得ないだろうしね。


 「それより前方だ!

 凄いことになってるぞ!!」


ケイジの一喝で前を見ると確かに壮観だ。

空を斬り裂いてやってきた邪龍の空戦部隊を竜人ゾルケトフが率いるドラゴンたちが迎え撃つ。


途端に耳を塞ぎたくなるようなけたたましい叫び声の合唱!

けれどすぐに状況は変化する!

一匹、また一匹と邪龍側の化け物が落ちてゆく。

この世界、最強の生物と言われるドラゴンの軍勢だ。

それがこれだけ集まっているんだ、

復活したての邪龍の眷属どもに敵う筈もない。


 「ていうか、本来、ドラゴンはヒューマン・魔王とは別に第三の勢力となり得る生物。」

 「それを魔王が味方に引き入れる能力を持っているのは、人類にとっては最大の脅威。」


そうだな。

アガサやタバサの言う通りだと思う。

確か魔族の街で、魔王は「物理戦闘特化」か「魔術戦闘特化」かどちらかが生まれると聞いた覚えがある。


ミュラのことだからてっきり魔術特化型かと思っていたが、

確かに前世でもミュラの脅威は周りの動物を操る事だった。

であるからには、今生の魔王は今まで存在すらしていなかった「テイム特化」だということなのか。


 「おい、カラドック。」


そのミュラから声がかかる。

 「なんだい、ミュラ。」

 「地上のゴミはお前らを狙っているんだろう?

 なら、このまま君らは彼らの餌役をやってくれないか?

 敵がばらけていては始末も面倒だ。」


考えるのはミュラも一緒だね。

 「わかった。

 ではラプラスさん、このままこの高度を維持して待機。

 ケイジは獣騎士スキルで挑発を。」


 「畏まりました。

 しかしとんでもない状況ですね・・・。

 先程からマスターへ実況中継しておりますが、あちらではオデムがドラゴンの大群を見たかったと駄々をこねているようです。」


ああ、本来はスライムの姿だという女の子(?)か。

ドラゴンを見せてあげたい気はするけども、さすがにこの状況は危なすぎるね。


 「挑発か、

 この距離で効果あるかな?

 一応、挑発スキルは獣騎士じゃなく、騎士スキルで覚えるもんなんだがな。

 まぁ、やるだけやってみよう。」


挑発スキルは本来、敵のヘイトを稼ぐだけのスキルなんだが、

獣騎士は咆哮系のスキルに効果が高いようだからね。

敵へのスタン効果も、味方へのバフ効果も今は必要ないけども、

今回は挑発目的でやってもらおう。


 「あ・・・あの。」


ん?

麻衣さん?


 「どうしたんだい、麻衣さん?」


 「・・・あたしたちに危険はなさそうなんですけど、

 さっきっから、どんどん何か巨大で滅茶苦茶なエネルギーが高まりつつあるような・・・。」


なんだって?


いや・・・言われてみればこの精霊の騒ぎは・・・。




次回


めがふr・・・いえ、なんでもないです。

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