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第四百十六話 ヨルは頑張るですよぅ!

むっ?

ぶっくまが減ったり増えたり?

とりあえずありがとんですよぅ!!



<視点 ヨル>


さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!

いよいよラストフロアーですよぉぉぉっ!!


このフロアから下に何もない事は麻衣ちゃんの透視能力ではっきりしてるですよぉっ!!


 「ちなみに麻衣さん、このフロアの・・・ダンジョン最奥部のボスは何かわかる?」


 「あっ、はい・・・はい・・・

 うわぁぁぁあああ、おっ、おっきぃ・・・。」


おやぁ?

ここに来るまで、アイアンゴーレムやジャイアントスパイダーやら、サイクロプスとか巨大な魔物は散々撃破してきたですよぉ。

なのに、今更魔物の巨大さに驚くなんてことは、更にそれ以上の大きさの魔物がいるってことですかねぇ!?


 「こっ、これはあたしも初めて見る魔物ですっ!

 い、いえ、同系統の魔物でほんとにちっちゃい奴なら見た事ありますけど、

 サイズもレベルも威圧感も比べ物にならないほど・・・。」



 「いったいそいつはっ!?」


 「正確な種類は直接見ないと分かりませんけど・・・

 一言で言うなら・・・超巨大な亀!

 背中の甲羅はかなり硬そうです!!」


 「みんな、魔力の残り具合は!?」


これまでの探索で、みんなの実力と連携で踏破すること自体は、そんなに難しいダンジョンじゃないと理解してるですよぉ。


そして通常、ダンジョンを完全にクリアするためには、

もっと時間をかけて、それこそボス戦前にはゆっくり休んで魔力を回復させて臨むものですよねぇ?


けれど今回は、スタンピードをいかに早く抑え込むかの為のタイムアタックですよぉ。

しかもボスだけ倒せばいいショートカットもしてないんですよぉ?

さらにダンジョン内、全ての魔物の掃討作戦ともなれば、

タバサさんもアガサさんもリィナちゃんも、いい加減ガス欠寸前になるにきまってるですぅ・・・。




 「はぁ、はぁ・・・大丈夫、

 ボ、ボス戦のための魔力は貯蓄済み・・・。」

 「い、今の残り魔力は最大の二割ほど・・・、

 敵がボス一体なら余裕・・・!」


タバサさんもアガサさんも、負けず嫌いの頑張り屋さんですよぉ。

絶対に弱音を吐きませんですよねぇ?


 「あたしも天叢雲剣一発ならどうにかなるよ・・・、

 でも、その最後の一発で倒せるかどうかはわかんないからね?」

 「あたしはまだ少し余裕あります、

 敵が巨体を生かした攻撃してくるなら、また無重力結界作戦で行きますね。」


リィナちゃんと麻衣ちゃんはまだ冷静ですねぇ。

・・・ただヨルには、麻衣ちゃんが時々魔族のように見えるですよぉ。

それもヨル達とはまた別の種族・・・とでもいうんでしょうかねぇ?

今は凄い頼りになりますけどねぇ。


 「そうだね、まずは無重力からのピンボール作戦で行こう。

 前衛陣は頼むよ!」


まっかされましたっですよぉぉぉっ!!


ボス部屋は装飾が施された観音開きの二枚扉だったですよぉ。

あれぇ?

ケイジさんが恐る恐る開けても、そこには細い廊下だけ・・・。

アガサさんのライトネスの光が届き切れず、その先は真っ暗ですよぉ。


 「道はまっすぐで、罠もないようです。

 暗くてもこのまままっすぐ進めばすぐにボス部屋ですね。」


このフロアに降りてきてから、あんまり歩いた記憶がないですよぉ。

アガサさんの梱包魔法を使うまでもなく、モブ魔物も撃破しましたですものねぇ。

・・・ということは、このフロアの大部分のスペースは、ボス部屋のためにあてがわれているってことでしょうかねぇ?


 「あっ、ケイジさん、そこに扉が・・・。」

 「ああ、大丈夫だ、麻衣さん、オレは夜目も効くからな。

 ・・・元来た方の、漏れてくる光で十分見えるぞ。」

 「じゃ、じゃあ、扉の向こうの情報を伝えますね?

 でっかい亀は寝てるみたいです・・・。

 多分、この扉を開くと・・・。」


寝てるのはタバサさんの破邪呪文の効果でしょうねぇ。

それがなければ、たとえ待機状態でも興奮しまくってたと思いますですよぅ。


 「了解だ、みんな準備はいいか!?

 残り魔力が心許ないんなら速攻で片づけるぞ!!」


 「「「「「「おぅ!!」」」」」ですよぉっ!!




さぁっ!

扉が開きましたですよぉ!!

中は真っ暗・・・ってあれ?

ヨル達が部屋の中に入った瞬間、周りに光が灯ったですよぉ?

たいまつ・・・じゃないですねぇ?

油を浸したランプの炎ですかねぇ?

・・・それらが・・・この闘技場のような広い空間の周りに等間隔で・・・。



そしてその光に浮かび上がるかのような巨大な存在感・・・

この闘技場の中央に聳える小山のような魔物。

その二つの瞼が眠そうに開いたですよぉ・・・。



 「鑑定・・・エンペラーギガントトータス!!

 このダンジョンを守る最後の魔物です!!」



では・・・戦闘開始ですねぇぇぇぇっ!!


巨大リクガメがドラゴンのような雄叫びをあげましたですよぉ!!

・・・亀って鳴くんでしたっけぇぇl?


それはともかく、この大きさ、このレベルだとケイジさんの咆哮スキルは無効になるそうですぅぅ。

ベリアルの剣の衝撃波も能力不足で大した効果は望めませんですよぉ!


・・・ですけれどぉ。


 「はい! ゼロ・グラビティ!!

 みなさん、移動時の足の運びに注意してください!!」


麻衣ちゃんのスキルは、攻撃魔法ではなく、

フィールドに一定の効果を及ぼす術ですので、

敵にもヨル達にも平等に影響が出てしまいますですぅ!!


もっとも、ヨルたちは事前にこういう時のために練習できてましたけども、

初見の敵には対応できるはずもありませんですよぉ!!


そら、この巨大亀さんも・・・



ぶぉぉぉぉぉっ!?


 「「「って・・・ぎゃああああああっ!?」」」


亀さんがいきなり突っ込んできましたよぉぉぉ!!

まともにぶつかったらヨル達は全員即死レベルの大激突ですよぉぉ!


・・・けれど・・・



麻衣ちゃんの無重力魔法発動で・・・

亀さんは突然飛び上がる形でヨル達の頭上を飛び越えてったですよぉぉ!?


そのまま、バゴンバゴンバゴン、と壁から壁へ止まることなく・・・

い、いえ、元々そうなるようにする為の無重力作戦だったのはわかるんですけどもぉ・・・


今までみたいにこっちで動きを予めコントロールしたわけでないので、

この巨体がどこに飛び跳ねるか予測できず、ヨル達は逃げ回らないとならないのですうっ!!


 「い、一度解除しますねっ!!」


麻衣ちゃんが術を解いたですよぉ!

重力が戻ったんで、亀は大きな地響きを立ててひっくり返ってしまいましたぁ。

とはいえ、頭や手足は甲羅の中に引っ込めっぱなしですよぉ。


 「あ・・・あれだけガンガン壁にぶつかったのに、

 ダメージほとんどありませんよ?

 ただ・・・目は回しているっぽいんで、今がチャンスと言えばチャンスです!」


さすが甲羅の固さは半端ないですねぇ?

今回、敵の防御能力は、これまで出会った敵の中で最大級じゃないですかぁ!?


 「・・・ここはヨルさん、

 君の魔闘法・・・最高の見せ場になるかな?」


カッ、カラドックゥゥゥ!!

このダンジョンであまり活躍出来てなかったヨルをずっと気にかけてくれてたですかぁ!?

このヨルは旦那様の期待を絶対に裏切りませんですよぉォ!!


 「まっかせるですよぉぉぉっ!!

 あの甲羅ごと木っ端みじんにしてみせるですよぉぉ!!」



 「よし、ならオレからも餞別だ・・・『ハウリング』!!」


おおうっ!?

ケイジさんの新スキルですかぁ!?

獣騎士Lv2で覚えられるスキルだそうですよぉ!!

効果はパーティーの士気上昇ぅ!!

同種族には更に上昇効果があるそうですけど、ヨルにもはっきり効果が分かるですよぉ!!


 「更に私からも・・・『祝福ブレス』!!」

うっっひゃああああああああっ!!

続いてタバサさんからパーティー全ステータス上昇のすんごいのきたですよぉぉぉっ!!


こっ、これこれこれでヨルの魔闘法・・・ex!

つっ、使っちゃったらどうなるんですかねぇぇぇぇぇっ!!


一瞬、周りを見回すと、みなさんヨルを見ていてくれてるですよぉっ!!

これ、みなさんでヨルに「行け」ってことですよねぇぇ!!

皆さんの期待は裏切らないですよぉ!!


 「ではでは、ではぁっ!! 魔闘法・・・ex、発動ですよぉぉぉぉぉっ!!」


 

トータスはリクガメ

タートルはウミガメ・・・知らなかった・・・。


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