第四百十三話 ヨルのダンジョン制圧日記~麻衣ちゃんの新スキル
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今後もご贔屓に!!
<視点 ヨル>
はいよぉぉぉぉっ!!
みなさま、ごきげんようですよぅ!!
この物語のトップアイドル、魔族娘のヨルですよぅ!!
ドカッ!?
あ痛っ!
アガサさんが肩ぶつけて謝りもせずに、通り過ぎていきましたですっ!?
ふんぎゅっ!?
ひぃっ!?
今度はタバサさんがヨルの足を踏んづけていきましたですよぉ!?
イジメ!?
これは虐めですかぁ!?
うううう、でもヨルは負けませんですよぉ!
だって・・・だって、
ヨルはこのスタンピードを起こしたダンジョン攻略の、実況中継任されましたんですからねぇ!!
もちろんヨルが勝手に志願したわけじゃないですよぅ?
このパーティーの作戦企画指示役のカラドック直々にお願いされたですよぅ!!
ヨルは信頼されているですよねぇ!?
「・・・ヨルさんは、いや、
麻衣さんには魔物の探知と罠やマップの確認をお願いする。」
「あ、・・・は、はい。
ただ・・・みんな狂乱状態になってて・・・
気配を消して襲ってくる魔物なんていなさそうですけどねぇ・・・。
罠も殆ど魔物の方で起動させちゃってるし・・・。」
「まぁ、警戒するに越したことないさ。
それに次のフロアへの階段も、麻衣さんの透視能力頼みになるしね。」
「そ、そうですね・・・頑張ります。」
ヨルはこう見えて、観察眼も随一ですよぅ!
はっきり言って、獣騎士にクラスチェンジしたケイジさん、
魔導士と大僧正にクラスアップした二人のエルフは鼻息荒すぎます。
リィナちゃんは、ヨルと同じくまだ課題が残っているせいか、
しっかりと警戒と緊張を保ったままですねぇ。
一方、麻衣ちゃんは、自分に攻撃能力ないせいか、
必要以上に怯えまくっているですよぅ!
「・・・ヨルさんはまだ、自分の武器を手に入れてない。
宮殿で支給してもらった槍があるとはいえ、前線に出ようとはせず、
麻衣さんの護衛に専念して欲しい。」
「はいぃっ、任されましたですよぅ!!」
「ヨ、ヨルさん、お願いしますね・・・。」
まぁ、油断するつもりはないですけどねぇ?
たぶん、そっちの出番はヨルに回ってきそうもないんですよぅ・・・。
なぜかというとですねぇ・・・
「カラドックも麻衣も心配無用・・・!
ここは私のスキルが最も効果的・・・、
『フォースフィールド』自分中心版!!」
ふひょおおおおおおおおおおおおっ!!
森都ビスタールや、ヒューマンの街で見たタバサさんの破邪スキルですよぅ!!
こっちは封魔石を使ったものでないので、
あくまで一時的な効果ですけど、
これで狂乱状態の魔物どもは一斉に弱体化するとのことですよぉ!!
「まぁ、ここは地下一階・・・
そんな大きな個体はいないみたいですね・・・。
ていうか、ほとんど階段上って地上に溢れちゃったから、大して魔物は残ってないようです。」
「なら、オレの弓矢でとっとと仕留めるか、ホラよ!!」
あっという間ですよぉ!
アガサさんが「ライトネス」でマップ内を明るくして、
麻衣ちゃんが感知して、
ケイジさんが遠距離から一匹ずつ息の根を止めてるですよぉ。
お金を稼ぐのが目的ではありませんから、魔石や素材の回収はいたしませんですよぅ!
「・・・とりあえず、もう、このフロアに魔物はいないみたいですね・・・
じゃあ、次のフロアへの階段のある所に向かいますね・・・。」
えっ?
もう終わりですかぁ?
まだ5分くらいしか経ってないですよぅ!?
リィナちゃんも肩透かし喰らったみたいに呆れた顔になっちゃってるですぅ・・・。
「・・・安心しろ、ヨル・・・
いや、気を抜くなって言った方がいいか。
地上にあふれた連中の分、魔物が少なくなってるだけで、
フロアを降りるにしたがって、加速度的に敵は増えていくし、
強力になっていくからな。」
「ふふふ、望む所ですよぉ!!」
そしてケイジさんの言う通りでしたねぇぇぇ!
ヨル達が地下五階に降りた途端、麻衣ちゃんが悲痛な声をあげましたですよぉ。
「こっ、ここ・・・かなり巨体の魔物の巣窟です!!
ああっ、あれ、豚型二足歩行の・・・オークですっ!!」
「女性は気を付けろ!!
スタンピード中はどうなのか知らないが、凌辱される恐れがある!!」
ヨル達がこの階に降りたのを、匂いで察知したんですかねぇ?
あっという間に地響きが聞こえてきたですよぉ。
ヨル達に襲い掛かるですってぇぇぇ!?
そんなマネ許されると思っているんでしょうかねぇぇぇ!?
いくらヨルが魅力的だからって豚はノーサンキューですぅぅ!!
それこそ、細切れにして自分たちで共食いさせてやるで・・・
ドドドドドドドド・・・
多くないですかぁ・・・?
20・・・30・・・50匹・・・
いえ、まだまだ集まってくるですよぉ・・・。
「何十匹いようと無駄なこと!
『フォースフィールド』!!」
「ピギィッ!?」「ピギィ~っ!!」「ピッ!!」「ピピピッィ!!」
ピギピギ煩いですよぉ!!
でも戦意はそのままみたいですねぇ・・・。
弱体してるようですけど構わずこちらに向かってくるですよぅ。
さてカラドックはどうするつもりですかねぇ?
精霊術でいくのか、アガサさんの魔法を使うのか、
ちょっとヨルでは、あの大群相手は勘弁してほしいところですよぉ!!
・・・まぁカラドックは優しいですから、ヨルに危険なマネはさせないと信じてますですけどねぇ!?
ところがここで大人しくしてた筈の麻衣ちゃんがでてきたんですよぉ?
「ケイジさん、ケイジさんの新しいスキルで魔物を一瞬止めてもらえますか?」
「あ? あ・・・オレも効果を確かめたいからそれは構わないが・・・。」
「麻衣さん・・・まさか、また・・・。」
「カラドックさん、またって何ですか!
ちょっと新しい召喚スキル取得したんで実験したいだけですよ!!」
麻衣ちゃん、恐ろしい子ですよぉ!!
虫も殺さないようなおとなしい顔しておいて、次々と新しいスキルを入手してるのですから!
「まぁ・・・フォローはオレたちがやると、以前宣言したからな・・・。
リィナは特に耳を塞げ!!
みんないいか?
せぇ・・・のっ! 『咆哮』っ!!」
次の瞬間、ケイジさんがオークどもに向かって鼓膜が破れるほどの叫び声をあげたですよぉ!
確かこのスキルは・・・ああ、スタン効果出てますですよぉ・・・。
先頭集団は転んで後ろのオークどもに潰されちゃってますですねぇ。
けれど、スタン効果って一瞬、敵の動きを阻害するだけで・・・
すぐに起き上がって態勢を整えて・・・
「一瞬接近を止めてくれれば大丈夫です!
しょうかんっ!!」
召喚スキルですかっ!?
魔獣化した毒蛇を呼ぶですかぁ?
それとも分裂できる白フクロウですかねぇ!?
どちらも強力ですけど、オークの群れに毒蛇では数の暴力に飲み込まれるだけですし、
分裂して数を揃えられるフクロウでは、攻撃力が足りないですよぅ!
麻衣ちゃんはどうするつもりですかぁ!?
「昆虫類・・・召喚!!」
麻衣ちゃんの足元に白い光が灯るですよぅ!!
昆虫って・・・えっ、む、虫ですかぁ?
し・・・しかも白い光って初級の召喚術の筈ですよねぇ?
期待外れもいいところじゃないですかぁ、
当然、みんなも肩透かしを食らったような目で・・・。
ほら、光の中に現れたのは小さな・・・蛾?
二本の触角が扇みたいに目立つですよぅ!?
あんなものでオークの群れを・・・を?
「召喚・・・マイ! マイ! ガぁッ!!
それ! 大・繁・殖っ!!」
・・・えっ。
ヨルはまぶたをパチパチ瞬かせるですよぅ・・・
なんか・・・目を開くたんびにどんどん小さな蛾が増えていくですよぅ・・・。
みるみるうちに視界に拡がっていく蛾の一団はオークどもの頭上にひらひらと・・・
あれ、なんかキラキラ輝いているですぅ・・・
あんまり綺麗には見えませんけど・・・
オークが嫌がる・・・いえ、苦しみだしたですよぉ!?
「「「「ぴぎぎぃぃっぃぎぎぃぎゃはっ!?」」」」
「麻衣さん・・・あれ・・・鱗粉?」
ケイジさんが遠い目をしてますですねぇ。
「はいっ!
あの鱗粉吸い込むと呼吸困難起こす奴です!!
こないだの鬼人みたいな人相手にしても、通用しそうなの召喚できないかなと、ずっと考えてて・・・。」
ああああああ、どんどんオークどもが倒れていくですよぅ・・・。
それも・・・必死に呼吸しようと苦しみもがいているですよぉ、
麻衣ちゃん・・・
また、なんて凶悪なスキルを・・・。
ある日の文化祭準備中の一コマ
御神楽ルカ
「麻衣ちゃん、あなたのために可愛い着ぐるみ用意した・・・。
かたつむりと蛾とどっちがいい?」
麻衣
「ルカ先輩、それ、あたしの名前とかけてるだけじゃないですかっ!
・・・ていうか、カタツムリの着ぐるみって、それ着てどうやって校内、移動するんですかっ!?」
御神楽ルカ
「これは先輩命令、文化祭の出し物で、
部員は何らかの役をしないといけないの。
麻衣ちゃんには選択の自由をあげてるのだから優しい。」
麻衣
「ううう、じゃあ蛾の方で・・・理不尽。
しかもルカ先輩は森のエルフのコスチューム・・・ずっこい。」
そして麻衣ちゃんは繁殖ダンスを踊る・・・。
「そーれ、りーんぷーんまくぞ♪
はーんしょくすーるぞ♪」
御神楽ルカ
「うふふ、やっぱりかわいい・・・。」