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第三百七十二話 ぼっち妖魔は全力で誤魔化す

ぶっくま、ありがとうございます!

<視点 麻衣>


あっ!




・・・ぶっ、なっ、かったあああああああああっ!!


あああ、みなさん、こんにちわ!

レポーターのミスター麻衣です!

すいません、何バカなこと言ってるんでしょうね?

ええ、いま焦りまくってます!

落ち着け!

こんなことでリーリト麻衣は狼狽えない!!


何故こんな事になったのか、

実を言うと最初から不安はあった。

ただ、メリーさんが危なくなったらサイレンスかけて欲しいと言ってたから、

うまく誤魔化せそうだと安心しきっていたのです。


なのになのになのに!

メリーさんったら、その事を忘れ切っているのか、

あたしにサイレンスを頼もうとする気配が全くない!

・・・いえ、これはあたしのミスだ。

メリーさんが避けようとしているのは、未来の変化だけであって、

それ以外のことに対してはどうでもいいと思っているのだろう。


だからあたしがヤバいことになっている。

いったい何の話かと皆さんは思いますか?


もう気づいている人は気づいているでしょう、

あたしが意図的に話をずらそうとしていたことに。

そう、なんとかメリーさんの要望に沿いつつも、

話の焦点をずらさなければならなかった。


別に「あの人」からそういう指示なり命令があったわけじゃない。

そして全てあたしの思い込みの結果でもある。

あたしが一人で勝手にヤバいと思い込んでいるだけかもしれない。


メリーさんもカラドックさんもまだ気づいていない筈だ。

今のところそんな視線をあたしに向けてくる気配がない。

なら今のうち!

話題の「黒髪の女の子」が「闇の祭司」である事を利用させてもらいました!


・・・でも本当に気付いていないのだろうか。

ちょっと考えれば、その寸前のことまでは気づきそうなのに。

あたしが「闇の巫女」だから、あたしのご主人様も「闇」の人間とでも思われているのかな。

だから気づかない?

だから結び付けられない?

うえっへっへ!

なら徹底的に「あたし達」が闇サイドと思っていてもらいましょうかね!


・・・でも「あの人」的には、バレても構わないというスタンスなのかもしれないな。

もしそうじゃないなら、夢なりなんなりであたしにコンタクト取ってくるはず。

まぁ、メリーさんにはバレてもいいような気もするけどカラドックさんには不味い筈。

それこそ未来が変わりかねない。


だからあたしからは一切振らない。

触れもしない。

向こうが気づくまでは知らない振りをしとくよ。


・・・一応精神障壁はかけたままでいるから、

タバサさんだろうとカラドックさんだろうと、メリーさんですらあたしが何に動揺してるか見抜けない筈。


唯一あたしの精神障壁をブチ破れそうなのは女神アフロディーテ様・・・

ふふふ、皆さんそう思ったでしょう!


残念だったね、諸君!

もう女神さまとは口裏合わせ済みさ!!

だから女神さまがあたしに不利になるような話をすることはない。

思い返してみてください!

あたしがヤバそうになった時、女神さまが流れを変えてくれましたよね?


え? いつの間に手を結んだのかですって?

そんなものさっきの深淵の黒珠イベントの時に決まっているでしょう!

あの時点でのサイレンスを無駄にはしませんよ!!

結界空間の一部解除という荒業もやってみたらできちゃったのだよ。


なにしろあたし達にはあの時、3~4分の出来事のように感じていたのだけど、

女神さまはあちらの世界でとても長い時間を過ごしていたようだと言っていた。

向こうでいろんなお話をしたらしい。

誰と?

決まってるでしょう、そんなもん!


・・・突っ込まなかったけどお話だけしてたわけじゃないよ。

え? じゃあ何してたのかって?

そんなこと聞くんじゃありません!!

女神さまの罰が当たりますよ!!

布袋さんが女神の顔を拭いていたけど、そこから先はあたしじゃないと出来ない。

それが済んでようやくダークネスを解除することが出来たのだ。


・・・それにしても女神さまはパンツ履いてないのか・・・


うん、排泄は必要ないのだから・・・いいのだろう。


でもそれ以外の機能はちゃんと・・・

えっと、なんでもないです。



話を戻すとしましょう。

女神さまとメリーさんのお話が始まって、一つだけあたしも驚いたことがあった。

メリーさんの娘さんの話である。

以前視た予知夢に、その子と思われる子は現れていない筈。

だからあたしはその子がどんな顔をしているかわからない。


わかったことは、その子が「太陽の巫女」だとか「太陽の祭司」と女神さまが言うほどの存在。

後は黒髪だとか。

まぁ、髪の色はどうでもいいと思うけども、

女神さま、敢えて「太陽」と言ったんだよね。

あたしが「闇」の巫女なのだから、

反対語であろう「光」の、と言っても良かったんだろうけど。

そうすると、もしかしたらメリーさんは、その子と、他の「ある人物」との関連を疑うことになるだろう。


・・・余計混乱するだけの気もする。


あたしが夢で視た子は「闇の祭司」だ。

そしてメリーさんの娘さんは「光(太陽)の祭司」。

属性が正反対だからと言って二人が敵同士という訳でもない。

どちらもイブになり得る存在。


たまたま400年後の世界では、

その「闇の祭司」がイブの役を引き受けてしまったのだ。


正直わかんないけどね、

もちろんそこに本人の意志があったのは間違いないけども、

ほんとうにたまたまなのか、誰かの意志もあったのかはね。

例えばだけど、会社勤めの人が昇進することを誰かの筋書きと言えるだろうか。

もちろん、そう言うこともあるかもしれないけど。



女神さまはメリーさんの娘さんの姿を見て驚いた。

それは「紋章」というアクセサリーのことだけでない筈だ。

これはあたし達の口裏合わせの後の話なので、あたしは女神さまが何故驚いたのかはわからない。


でも想像できることはある。


あたしはその子の顔を知らない。

視ていない。


「でも天叢雲剣の映像を視ている」




きっとそういうことなのだろう。

今まで聞いた話だと、「あの人」はなんだかんだで女の人に気が多すぎる。

ハーレム展開嫌いみたいなことを誰か言ってたような気がするのだけど。

誰だったっけ?


まぁ、とはいえ別にその子に言い寄られているわけでもないし、

その子は恋人でも愛人というわけでもないだろう。

単に「太陽の祭司」に、幸せな人生を送らせてあげたかっただけなのかもしれない。

だから・・・だからこそ、

その身代わりとなってしまった「闇の祭司」のことを気にかけているのではないか。


たまたまその場に居合わせてしまった、何の変哲もない、ただみんなに人気があるだけだった女の子を。


あたしの勝手な想像だけど・・・

まぁ、あの人も大甘というか・・・ねぇ?


だからね。

その「闇の祭司」の女の子も、きっとどこかで救いの道が残されていると思うんだよね。

せめて十分な退職金でも渡してあげましょうよ?

それと、あたしにも臨時ボーナス出せ。


あとはメリーさんがそれを知ることになるのかどうか。







・・・て、ふと誰かの視線を感じたので一瞬そちらを見ると・・・


背筋がゾワっ・・と!


そういえば・・・

リ、リィナさんの異常聴覚忘れてたあああああああああっ!!

あたしの心音の動揺があああああああああああっ!!



・・・あとで言い訳考えておこう・・・。




そして!

結論です!!

みなさん! 麻衣はやり切りました!!

ミッションコンプリートです!!

皮を切らせて肉を断つ!

話をあたしたちリーリトの話題に変えて誤魔化し切りましたよ!!

 

この後・・・



大変なことになります。

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