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第三十四話 ぼっち妖魔はこれで大金持ちだよ誰にも渡さないよ、あーっ!?

本日更新、下書きからコピペしようとして何故か文章丸ごと削除して心臓とまるかと思った。

ぐーぐるどきゅに過去の編集履歴復元できると知ってよかった・・・一時はどうなることかと・・・。


ちにみに今回サガネタ入ってます。

<視点 麻衣>


さて、あたしはレベル18まで上がっていた。

スキルポイントも魔獣召喚入手で一時的に減ってしまったけど、四つ腕熊撃破で再びスキルポイント3000オーバー。

新たに取得可能スキルに「蛇系種族テイミング」が表示された。

本来ビーストテイマー職に連なるスキルだそうだけど、あたしの場合、リーリト種族の由来で覚えるんだろう。

召喚術があれば不要に思えるかもしれないけど、こっちは魔力の消費無し。

それと、レベル差が調教成功率に関わってくるという話で、その条件をクリアしてればフィールドやダンジョンで襲われることもなくなるようだ。


どうしよう?

次に覚える候補にいれとくか。


では、今回の牽引役エステハンさんのおまとめです。

 「よぉし、今回は大収穫だな。

 今は魔石だけ回収して一度、地上に戻るか。

 午後に緊急ミッションで依頼かければ7~8人はかき集められるだろう。

 手分けして素材の回収すれば今日中に片づけられるぞ。」


地下五階まではもうほとんど魔物狩っちゃったからね。

ランクの低い冒険者でも楽に出入りできるわけだ。

でもね?


 「エステハンさん、ちょっといいですか?」

 「ん? どうしたお嬢ちゃん?」


あたしはこのフロアボスが居座っていた部屋を見渡す。

下に降りる階段、水飲み場、あと奥まったところに遥か大地の奥底に続く大きな穴がある。

・・・ああ、さっき言ってたダストシュート的なトイレか。


 「トイレか?

 いいぞ、俺たちは外で待っていようか?」

 「いえいえ、いまはそうじゃなく!

 (あ、でもそろそろしたいかも)

 じ、実はというか、気になってたんですけど、この部屋に隠し扉ありますよね?」


 「な、なにぃぃぃっ!?」


うん、遠隔透視で視えるから間違いない。

ここでエステハンさんが驚くという事は未発見の部屋なのかな。


 「このオックスダンジョンは、もう何度も冒険者に攻略されて、隠し部屋なんかは全て発見されつくしたと思っていたが、この部屋にもまだあったのか!?」


あたしはその場所を指差す。

 「壁にスイッチに相当する仕掛けがありますね。

 罠とかはなさそうです。」


ベルナさんも興奮冷めやらないみたいだ。

 「も、もしかして未発見エリアってことは、

 お宝なんかもあるかも!?」


あー、それなんですが・・・。


 「えーとですね、遠隔透視で視えるんですけど・・・

 なんか巾着みたいなものが残されているだけで・・・。」


 「え? 巾着袋!? 中身は!?」

 「空っぽ・・・ですね。

 もともと何か入っていたとしても、もう抜き出された後かも?」


うん、嘘は言ってない。

ふふふ。


残念そうなエステハンさん。

 「なんてことだ、既に誰か発見済みということか、

 宝はともかく隠し部屋の存在はギルドに報告してほしかったんだがな。」


 「中に入りましょうか?」

 「おう、危険はなさそうなんだな?

 隠し部屋の大きさもそんな広くないのか?

 なら踏査してしまおう。」


そこであたしはみんなを案内。

仕掛けを押すと、壁の一部が回転ドアのようにひっくり返せるパターン。

松明で部屋の四隅を全て照らせるほど。

部屋の真ん中にポツンと置き去りにされてる金糸使いの巾着袋、

口を拡げればメロンくらいは入りそう。

腰に吊るすには具合がよさそうだ。


 「あのー、それでせっかくなんでこれ貰っていいですか?

 初ダンジョンの記念にしたいんで。」


あたしはそう言いながら拾い上げた巾着袋を逆さにして振ってみる。

間違いなく「何も入っていない」。


みんなフロアボスを倒したことで気が大きくなっているんだろう、あたしの言葉を疑うこともなく受け入れてくれた。


 「では頂きました!」

さっそく巾着に紐を通して腰に結わえた。

うん、大きさも色目もいい感じだ。

金糸使いと言ってもくすんだ感じが出てるので派手でもなく、コーディネートもしやすそうだ。


 「それじゃあ、もうここには何もないので出ましょうか!」


そろそろケーニッヒさんが何かに気付き始めた。

薄い目であたしの腰元から目が離せないでいるようだ。

でもまだ何が何だかわからないでしょう。


階段部屋に戻ったあたし達は、もう一度先ほどの話を続けるわけだけど、ちょっと状況変わったんだよね。

 「エステハンさん、報酬なんですけど。」


 「ああ、俺たちがここで回収したものはギルドに戻って四等分、

 後で他の冒険者に回収させるものはギルドで買い取る。

 ただ、冒険者が自分たちで倒したものじゃないからな、買取価格は4割で納得させてもらう。

 正確には買取というか危険手当付きの運搬料金だな。

 で、差額の6割を俺たちでまた四等分、それでどうだ?」


 「いえ! 拒否します!」

 「な、なに!?」

 「おいおい、まーちゃん、いくら活躍したからって欲を出すのはいただけないよ!?」


ふふふ、違うのだよ。

 「いいえ、ベルナさん、むしろベルナさんも取り分も増えますよ!」

 「え!? ど、どういうこと!?」


 「話はシンプルです。

 このダンジョンであたしが手に入れたものはこの巾着!

 そしてそれ以外の回収物はここいる四人で四等分、それだけです!」


 「なんだ?

 他の冒険者に回収を任せないってことか?

 だが、ここまで倒してきた魔物の素材は俺たちだけじゃ回収しきれんぞ!?」


 「も、もしかして麻衣ちゃん、

 さっき拾った巾着って、もしかすると・・・マジックアイテムかの?」


ついにケーニッヒさんが目を見開いて正解を得た!

あたしはさっきベルナさんが切り落とした四つ腕熊の頭部を拾う。

重っ!


ていうか、入るのかな?

巾着の袋口に熊の耳ぐらいしか入らなそうな・・・お! 入る入る!


 「あ、あ!」

 「まさかそれ!!」


そのまさか!!

鑑定!

アイテムボックス(巾着バージョン)

世界に限定10個のうちの一品。

亜空間に繋がるアイテムボックス、

容量は装備者の魔力に比例(魔力消費はない)。

生物は亜空間に送ることは出来ない。

亜空間では時間経過が起きないため、劣化、腐食、温度変化もない。


きましたよ、チートアイテム!

こんなところで手に入るなんて!

見つけたよ!

誰にも渡さないよ! 

これで大金持ちだよ!!

 

 「あーっ!?」

 「まーちゃん!!

 四つ腕熊のカラダ、これ全部入るの!?」


 「全部どころか、ここまで置き去りにしてきた魔物の死体全部いけるかもです!!」


ちなみにさっきの「あーっ」はあたしの声じゃないからね、

エステハンさんの驚きの声だからね?

崖から落ちたりしてませんよ、あたしは。



と、ゆーわけで、あたし達はお昼ご飯を階段部屋で頂いた。

トイレ休憩もばっちり。

後は警戒しつつ部屋を出て、これまで倒してきた魔物をあたしの巾着にしまい込んで行く。

みんな、さっきの熊が収納されていくシーンを見てるにも拘らず、ポイポイ袋の中に消えていく魔物の死体を、現実の光景として認められないようだ。


まあ、あたしもどれぐらい入るのかよく分からないから気持ちは分かるけども。


結果、全部入りました。

そして無事にダンジョン脱出。


入り口で番をしていた人は朝の人とおんなじだった。

もうちょっとで交代の時間らしい。

地下五階層クリアしたよーとあたしが笑って報告すると、自分のことのように喜んでくれた。


ベルナさんが後ろで

「あの門番、完全に自分の娘扱いしてるよな、

ケーニッヒの旦那は自分の孫扱いしてるし。」

と冷静に解説してくれた。


まあ、ベルナさんもレベル上がるは、

新呪文覚えるは、大量に稼げたはで機嫌がいいようだ。


エステハンさんやケーニッヒさんクラスだと、地下五階層程度のフロアボス倒したくらいではレベルが上がらないという。

 「まあ、でもあと一回同じ行程組めばレベル上がりそうだけどな。」とのこと。


そして冒険者ギルドに凱旋である。

いかつい顔の常連冒険者や、留守番のギルド職員の人が、あたしが無事に帰って来たことを喜んでくれる。

素直に嬉しい。


ただ、最後に入ってきたベルナさんを見て、皆さん、これまで見覚えないのであろうニタニタな笑顔に戸惑っていたようだ。


 「なんだなんだ?」

 「ベルナぁ、なんだその顔気味悪いなぁ。」


口は悪いけど、みんなベルナさんに嬉しいことがあったことは感じたらしい。

ここに戻るまでベルナさんもウズウズしてたのか、すぐに成果を発表する。


 「へっへっへ!

 地下五階層の四つ腕熊を撃破したぜ!

 それと風魔法レベル5のトルネードも習得した!!」


うおおおおと湧き上がる歓声。

どうやらこの村専属の冒険者でレベル5の魔法を習得してる人がいなかったらしい。

しかも魔法剣士でそこまで覚える人自体少ないという。

もっと大きな街に行けばそんな珍しくはないのだろうけど。


ただおかげであたしは目立たなくて済んだ。


エステハンさんは冷静な顔で、ギルド職員の人と話し合いを行なっている。

 「代行、魔物の回収の緊急ミッションはかけなくて良いのですか?

 それを目当てに待ち構えてる方々もいますよ?」


 「あー、それなんだが予想以上にトントン拍子でな。

 そうだな、

 奴らにゃ悪いが魔物を解体できる奴らにだけ依頼かけてくれ。

 ・・・それだけでもなんだな。」


そこでエステハンさんはみんなに向かって大声を出した。

 「みんな、聞いてくれ!

 今回の討伐は大成功だった!

 当然大量の魔物の死体もあるんだが、回収は全て終わっている!」


そこで一斉の大ブーイング!

しかしエステハンさんの泣く子もお漏らしする凶悪フェイス発動。

あっという間に沈黙がやってくる。

 「すまんな、

 そこで魔物の解体できる奴は後で受付に集まってくれ。

 もちろんギルドからの正当な依頼だ。

 ・・・それとは別にだな・・・。」


ん??


 「今回、お嬢ちゃん、・・・麻衣も今日は疲れてるだろう。

 明日の晩に解体した魔物の肉を提供するから、冒険者ギルドの敷地でパーティーやるぞ!

 食材の費用はこっちで持つが、

 飲みたい奴は自分らで用意しろ!

 知り合い呼んでもいいが、冒険者以外は敷地の外な!!」


うおおおおおおっ!!

と大歓声!!

エステハンさん太っ腹だあ!


まあ、あのクマの肉一体分で村人全員の胃袋満たせそうだもんね。

美味しいのかどうかはわからないけど。


その後、あたしは外套と初心者用レンタルセット返却。

いま! この場に手持ちの現金はありません! ので、魔物の魔石と死体のあたしの取り分から差し引くそうです。


ではギルド裏手の解体用スペースへ。


 「どおりゃあああ!!」

 「「「うおおおおおお!?」」」


別に巾着袋から魔物の死体を引っ張り出すのに、気合いも腕力も要らないのだけれど、分量が半端ないと思うのであくまで雰囲気を盛り上げるためにあたしは叫んでみた。

初めて四つ腕熊見る人もいるみたいだけど、後から後から無尽蔵とも言える魔物の死体が出てきて、ギルドの皆さん目が点になっていらっしゃる。


一応、他の冒険者の人も見学する流れもあったのだけど、エステハンさん曰く、あたしが個人でマジックアイテムを持っているのを他人に見せるのは、いろんな意味で危険だということで遠慮してもらった。

さすがの気遣いです。



あたしは解体作業をじっくり見させて頂きました。

耐性ありますからドン引きしたりしませんよ。

まあ、自分で解体しろと言われたら筋力的な意味で拒否しますけど。


さすがに日が暮れる時間になってしまいましたが、分配金頂きました!!

大金持ち! とは言いませんがかなりの臨時収入きゃっほう!!


明日は午前中、買い物できるかな?

下着やら、衣類やら日常生活品を。

そして本日の冒険これにて終了!!

 

麻衣ちゃんの冒険はまだ続きます。

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