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第三百十二話 竜人の独り言とカラドックの危惧

ぶっくま×2! ありがとうございます!


ううう、竜人視点にしたら言葉遣い治すのにエラい時間かかってしまいました・・・。

読みにくかったらごめんなさい。


なお、「この場に新たに三人登場」と予告しましたが、

竜人は「この場」に現れてませんので、カウント外です。


一人目は鬼人オグリです。

二人目は誰でしょう?


<視点 竜人ゾルケトフ>


またどぁ。

また相方の門番オグリぐぁ、キョロキョロ後ろを振り返るぅ。

本当に落ち着きのない男どぁ。


 「余程気になるようだぬぁ?」


自分の内心を探られた事ぐぁ、余程不快の様で、赤銅色の肌をした鬼人オグリはこちらを睨むぅ。


 「先ほどからっ、騒ぎが収まらんっ!

 悪魔とやらを呼び出してっ、一網打尽にするのではなかったのかっ!?

 奴らは悪魔を退けたのかっ!?」


我らの現在の主は魔人クィーン様。

魔族の頂点に立ちながらむぉ、敵やターゲットに悪夢の世界に引きずり込んだり、

生命力を吸い取るなど、この竜人を以てしても驚愕の能力を持つお方ぁ。

それだけではなうぃ。

恐るべきは他人の同意はいるぐぁ、別のもののスキルをコピーし己がものとしたり、

逆に手に入れたスキルを他者に移す事ぐぁ出来ると言ぅ。



その事により邪龍様と繋がりを得、不老不死を目指すとはぁ。

このゾルケトフ、既に長き事、この世に生きてはいるぐぁ、

なんとも面白き事態となったことどぁ。


 「悪魔もそうだぐぁ、異常なほどの魔力の高まるぃ、精霊の騒ぐぃ、

 ・・・それとこの竜人の知識を以てしても理解しがたい気配の存在ぃ、

 もう消えたようだぐぁ、未知の事態になっていることだけは確かなようどぁ。」


 「・・・あのひ弱そうな魔族やっ、人間どもの冒険者では足止めにならぬということかっ!

 ならば、このワシが始末をつけてくれるっ!」


わかる、わかるぞぉオグリィ、

体の抑えぐぁ効かぬのであるぉ。

この鬼人、知能はたいしたことないぐぁ、その戦闘能力だけはこの世界の中でも指折りの存在ぃ。

否ぁ、単に歩く殺戮者と言った方ぐぁ良いかもしれぬぅ。

元はオークだったのか、ゴブリンだったのか出自は知らねどむぉ、

果たしてどれだけの命を糧にここまで進化を果たしたのくぁ。

そのような鬼種は、たいていオーガに進化した後、ミノタウロスかサイクロプスぬぃ、

あるいはトロールのような希少種になるのぐぁ一般的とされるぐぁ、

オーガの段階で特殊進化を果たせばオグリのような鬼人となる事ぐぁ出来るぅ。




 

だぐぁ・・・。


 「待つのどぁ、

 クィーン様ぐぁ遊びに講じておるだけかもしれぬぅ、

 持ち場を離れるのは感心せぬずぉ?」


 「フンッ、この場などっ、貴様一人いれば事足りようっ!

 クィーン様の邪魔はせんっ!!

 だいたいっ、門番などという役目は退屈過ぎて面白みも何もないっ!」



 「・・・我らは仕事としてこの任務に就いているぅ、

 命令も指示もなく任務を放棄するつもりくぁ?」



 「・・・その命令すらっ、遣いに出せぬほど切迫しておるのだろうっ!

 仕事と申すならばっ、クィーン様を守ることこそがっ、最重要の任務ではないかっ!」


ぬぬう、

頭が良くないなりぬぃ、それ相応の理屈をだしてきたくぁ?

 

 「しかすぃ・・・」


 「それ以上抜かすならっ!

 ・・・ワシは力ずくででもっ、この場を後にするぞっ!!」



この者ならそう言うであるぉ。

クィーン様からはこの者とは絶対に戦うなと言われておるぅ。

言われずとも理由は明白どぁ。

我とオグリが戦えば、この宮殿は廃墟となるだるぉ。


 「・・・仕方なうぃ・・・

 我は関知せぬとしよぅ、

 せいぜい、建物には気を遣うが良うぃ・・・。」



 「ふっふっふっ!

 ゾルケトフッ、貴様もっ、本心では暴れたかったのではないかっ!?

 運がよくっ、生き永らえるものがいればっ、

 そなたに残してやっても良いぞっ!」


 「いらぬぅ、オグリと一緒にされるのは心外どぁ・・・。」



我は戦闘狂でも殺人鬼でもなうぃ。

強い相手と武を競うのは確かに楽しいぐぁ、相手の命を奪う事に快楽を得る趣味など持ちはせぬぅ。


果たして、先に宮殿に入って行った者達ぃ・・・

何人が生きて帰ってこれるだろうくぁ・・・。

 


<視点 カラドック>


「それ」は私たちの背後から聞こえてきた。

麻衣さんが事前に脅威を察知できたからこそ、私達は虚を突かれるということもなかったが、

そんな事が有り得るものかと、現実を受け入れることまでに時間がかかってしまったのは事実である。


 「プ、プロテクションシールドっ!!」


タバサのファインプレイだ。

間一髪、私達はギリギリで大怪我をすることなく、「ヤツ」の登場をやり過ごす事が出来た。

何が起こったのかって?



私達がやってきた方角から、

・・・ガタガタ・・・ドンドンと、扉を開けようとするような音が聞こえたかと思った。

こちらからは瓦礫に埋もれて、何処が扉だった部分なのか、もうわからない。

単に自分たちがやってきた方向という記憶と、その音が聞こえてきた方角という意味で後ろを振り返ったに過ぎない。


だがその直後、

雷でも落ちたのかというような大音響とともに、

その扉が・・・いや壁が粉々になって爆発したのである。

後、コンマ数秒タバサの防御呪文が遅かったら、私達は全員大怪我・・・

いや、ベアトリチェの闇魔法で生命力が減退している私たちの命は危なかったと思う。


・・・そして、

爆発の後・・・粉塵が落ち着いた後に現れた人影・・・

頑強な鎧と人の背丈ほどもありそうなバトルアックスを握りしめた巨人・・・

いや、正面門で見た姿・・・


赤銅色の肌をしたニメートルを遥かに超す巨躯の鬼人・・・!


 「て、てめぇ! オグリ!!

 どうしてここに!!」


冒険者「聖なる護り手」のリーダー、ダンが混乱・・・いや非難するかのように声を上げる。

見ればもう一人のメンバー、タンク役の男の大盾に守られたようだ。

しゃがんで身を固めれば、あの大楯でギリギリ二人分瓦礫の被害をやり過ごすことができたというところか。


しかし状況はよくなさそうだ。

あのオーガから特殊進化を果たしたという鬼人・・・オグリと言ったか、

この宮殿の中にいる人間の安否を一切気遣わない登場の仕方、

そして麻衣さんの言った「殺意と悪意」。

どう考えても無事にやり過ごせそうもない。


だがここには「聖なる護り手」のリーダー、ダンがいる。

そして今、私達はまさに休戦の話をしたばかり。

鬼人と人間の冒険者のリーダー、どちらが発言権が上なのか。

私はそれを見極める必要がある。


・・・もっとも悪い予感ばかりしかないのだが。

 


鬼人オグリとやらは、変わり果てた宮殿の内部に驚いたのか辺りを見回す。

現状を把握しようというのだろう。

それは当然の行為と言えようが、果たしてその上でどんな判断をするのだろうか。


 「・・・いったいっ・・・どのような戦いを繰り広げればっ、

 このような有様になるというのかっ・・・!

 冒険者の人間よっ、クィーン様はどうしたっ?」


ここは「聖なる護り手」のリーダーに話を任せざるを得ないな。

ダンが鬼人の問いに答える。


 「いい加減、人の名前覚えろよ・・・

 まあ今はどうでもいいやな、

 クィーンは無事だぜぇ・・・あ、いや、無事、でいいんだよな?

 展開についていけねぇ部分もあるが、ただ今クィーンはご出産の準備をされていてね、

 とりあえずは休戦ってところだなぁ?」


鬼人は心底理解できないというように首を傾ける。

 「出産っ? 休戦っ?

 ・・・意味が分からぬぞっ?

 この宮殿をっ、ここまで蹂躙されておきながらっ、

 剣を収めるというのかっ!?」



 「ああ、だからよぅ、

 もともとクィーンはそいつらを殺そうなんてしてねーんだわ、

 この宮殿をぐちゃぐちゃにされちまったから、痛い目を見してやろうってな感じでよぉ、

 せいぜい行動不能にしておけばいいんだよっ、

 けど、よりにもよってお前かよ、オグリ、

 オメ―じゃ手加減出来ねーから、こいつら殺しちまうよな?

 せめてゾルケトフと交代できねーのか?」


この二人の上下関係とやらはなさそうだが・・・

冒険者ダンの言葉や顔色が緊張しているのが分かる。

それにこの鬼人は手加減できないから私たちが死ぬ?


まずいな・・・

それが本当ならこの状況、私達にとってかなり危険だぞ。



 「・・・バカなことを言うのだなっ、人間よっ、

 悪魔も退けっ、魔族も殺されっ、この宮殿をここまで破壊しっ、

 なおかつこの者どもはっ、殆ど無事ではないかっ!

 そんな美味しいものをっ、ゾルケトフに渡してなるものかっ!」


 「いや、待て待て待てっ!

 こいつらの処遇はクィーンに・・・」

 「そのクィーン様はおられぬではないかっ!

 ではこの者どもは、この鬼人オグリがもらうっ!!」


最悪だ・・・。

 

次回、更新できなかったらごめんなさい。

なんとか間に合うように・・・。

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