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第二百八十七話 ばれる

ストーリーの流れ無視してますが最後の方に「妖精アルラ(ラウネ)」の3Dを「勢い」で作りましたのでアップします。

本当は裸なのですが、運営さんに睨まれたくないので簡素なワンピ着せました。

皆様の脳内ですっぱだかにしておいて下さい。


あと・・・前回の後書きで、とある人の名前を出してしまいました。

今回それを書こうとしましたが、字数が予定以上に増えてしまいました。

次回に持ち越しを・・・。

 

何が始まった?

ヨルはともかく、女王の反応はあまりにも異常だ。

 「まさか何らかの状態異常をかけられた?」

すぐにその考えが浮かんだが、タバサの鑑定では一切状態異常は起きてないという。


確かに女王は怒気を剥き出しにしているが、異常行動を取っているわけではない。

 「クィーン! 何か女王にしたのか!?」


それでもクィーンに問い詰めるも、向こうも何が何だか分からない様子だ。

 「ええと・・・あの、いえ、

 私は彼女に会うのは初めてですし、

 ・・・今の言葉通りだとしても、どなたが彼女のご両親かも分からないのですけれど・・・。」


いや、親の仇にでも、というのは比喩じゃないのか?

オレはカラドックに助けを求めるような視線を送るも、さすがのカラドックもお手上げの様子だ。

一応、確かめてみるけども・・・。


 「確か女王のご両親は・・・。」

オレはベディベールに問いかける。

 「え、と・・・祖父母はどちらも田舎の領地でのんびりしていますが・・・。」


だよな。

良かった、

オレがあの宮殿を飛び出してから、不幸でもあったのかと思ったがそんな事はないらしい。


じゃあなんでマルゴット女王はあんなにも敵意を剥き出しにしているんだ?


 「まさか・・・彼女・・・クィーンも異世界のカラドックの母親と因縁があるってわけじゃないよな?」


自分で言っておいてなんだが、

そんな偶然なんかあり得ないと思う。

異世界のマーガレットさんの親御さんに、

転生前のクィーンが何か仕出かしたのではないかとか、普通には考えられない筈である。

麻衣さんの例があったからこそ、オレも思いつくくらいは出来るわけだが、

まさか、二人続いてマーガレットさんの知り合いなんて、・・・そんな、なあ?

しかも、その時の恨みか何か分からないが、世界を飛び越えて、こっちのマルゴット女王の精神にまで影響を与えるなんて、話が出来すぎているとしか思えない。


 「いや、ケイジ、いくらなんでもそんな・・・

 と・・・私が生まれる前に亡くなってはいるが、祖父のウーサー・ペンドラゴンは・・・」


そこで初めて魔人クィーンが反応したのである。

 「・・・ウーサー様・・・!?」


 「「えっ?」」

 

オレとカラドックは間の抜けたような声で反応した。


・・・静かな時間が流れる・・・。

いや、むしろ時が止まったかのような・・・


 「ちょ、ちょっと待ってくれ!」

あ、ちゃんと時間は動いていた。

もっとも、カラドックなら止まった時の中でも動けるのかもしれない。


 「クィーン!

 あ、あなたは私の祖父のウーサー・ペンドラゴンを知っているのか!?」


カラドックが狼狽えているが、

当のクィーンの様子もおかしい。

 「え、あ、あの、お待ちになって?

 ウ、ウーサー・ペンドラゴン・・・様ですよね?

 い、いえ、お会いしたことなどない筈・・・でも、

 この記憶は何ですの!?

 あの方は・・・確かに拳銃で自殺を・・・はっ!?」


拳銃自殺!?

 「カラドック!

 お前の祖父は拳銃自殺したのか!?」

 「・・・いや・・・祖父は病死と聞いているが・・・。」


やはり別世界の話なのか?

ていうかいきなり他人事でなくなったな・・・。

ウーサー・ペンドラゴン・・・勿論オレも会った事はないが・・・

カラドックの祖父だと言うなら・・・

それはオレの・・・


いや、今はそれよりも、だ。



 「クィーン!

 もしかして転生者のあんたには複数の人物の記憶があるとでも言うのか!?」


オレの問いかけにクィーンがきょとんとしてしまう。

完全無防備だ。

今、攻撃を仕掛けたら致命傷を与えられるのではないだろうか?

いや、周りの護衛どもが隙を見せていないな。


 「は、はい? ふ、複数?」

 「さもなくば・・・転生が一回ではなく、二、三度生き返りを経験しているとかは?」


 「そ、そんな・・・でも、あれ?」


おいおい、マジか、マジの話なのか。

話がとんでもない方向に転がりだしたぞ?


見ればクィーンの顔色が急に青ざめ始めた。

今まで全く感情を見せなかったスケスケエルフのオスカが慌ててクィーンの元に駆け寄る。

 「だ、大丈夫ですか、クィーン!!」


 「え・・・と、何だか記憶が混乱して・・・

 こんなことは初めてですわ・・・。

 まるで、たった今、記憶の蓋が急に開いたかのように・・・。」


それはアレか・・・。

オレがおふくろの死の時に、急に前世の記憶を取り戻したような感覚か。

いや、それよりも複雑かもしれないな。

オレの記憶は前世のものと、狼獣人のハーフとして生まれ育った二人分の記憶だけだが・・・、

クィーンはさらにもう一つ別の世界の記憶が重なっているのだとしたら・・・。



 「そ、そちらのカラドック様がウーサー様の孫・・・!?」


む?

ある程度、記憶の整理が出来たのだろうか。


 「ウーサー様には確かお嬢様と・・・ご子息が一人・・・。」


おいおい!

そこまで正確なのか!!


 「ご子息のお名前は・・・アーサー様・・・、

 そしてお嬢様のお名前は・・・マーガレット様・・・。」


完全にあの家の関係者だろ!!

 「あと・・・確か・・・ウーサー様のご兄弟と日本人女性との間に子供が一人?」


んっ?

クィーンは自信がないのか、小さな声で呟いた。

恐らくオレやリィナの耳じゃないとこっちまでには聞こえないだろう。


 「確かアーサー様と近いお年で、名前は・・・加藤・・・。」


はぁっ!?


 「ああ、駄目ですわ・・・

 これ以上は思い出せませんっ・・・!」


待て待て待て待て待て待て待て待て待て!

なんだ、今の話はっ!?

おかしいぞっ!?

時系列もさることながら、どうしてオレの苗字がそこで出る!?

日本人女性って母さんか!?

アーサーさんと年が近いってのは母さんのことか、

それともオレのことか!?


 「クィーン!

 あなたは母のマーガレットを知っているのか!?」


オレの疑問と混乱を他所にカラドックが叫ぶ。

日本人だとか加藤だとかの単語は、あいつには聞こえなかったようだ。

その方が良かったかもしれないな。

混乱に拍車がかかるだけだ。

また一つ謎が生まれたが、先にカラドックの方を解決してもらおう。


 「・・・えっ?

 マーガレットお嬢様がカラドック様のお母様・・・

 あ、カラドックって・・・思い出しましたわ!

 その名前!!」


やはり知っているのか・・・。


 「月の天使シリスとフェイ・マーガレット・ペンドラゴンの間に生まれたという・・・

 え? しょ、称号が賢王?

 ど、どうしてその息子さんが賢王を名乗ってらっしゃるの・・・?

 もしや・・・シリスは王位を返上されましたの!?」


あの男の名前まで出たか!

このセリフはいろいろ確定してしまうな・・・。

少なくとも、クィーンがオレやカラドックの世界の人間である事は間違いないようだ。

そして・・・


 「クィーン・・・ということは、

 あなたの生前の知識では・・・ウィグルとスーサの戦争が終わる前までの情報しかないということ・・・か。」


カラドックほど頭の回転は良くないオレだが、それでもわかるぞ。

あるいはそれ以前に亡くなった人物・・・ということになるか。


 「え? 結局、スーサとウィグルは戦争になったのですね?

 あ、じゃ、じゃあカラドック様はその戦争が終わって・・・

 シリスから王位を継いで・・・そしてこの世界に転移してきましたの!?」


このクィーンという女性も理解が速い。

よくあれだけ取り乱しておいて、ここまで理解できるな・・・。

すげーよ・・・。

いや、まだ絶賛取り乱し中か。


 「そ、そんな・・・

 あのアスラ王が負けるなんて・・・

 あ、ああ・・・あ?」


もしかすると、このクィーンという女性・・・

スーサ側の貴族なのだろうか?

さっき小さな領地と言っていたから、スーサの勢力圏にあった小国なのかもしれない。

それより、またクィーンが何かに気づいたのか、

クィーンがオレらのパーティーを見回している。

何かとんでもないものを更に見つけたかのように・・・。


 「どうなっているのでしょう?

 ほ、他にも見覚えある子が・・・。」


えっ

クィーンの視線の先・・・

まさか・・・


リィナかっ!?


 「た、他人の空似かしら?

 でも・・・その日本人風の顔立ちは・・・リ、リナ様にそっくり・・・

 それに・・・あっちの黒髪の子は・・・妖魔!?

 転移者っていうことは・・・この世界でなく・・・地球の妖魔なのですか!?」


李那を知っているだと!?

それに黒髪の子というのは麻衣さんか!?


・・・て、麻衣さんをと見ると、彼女は騎士ブレモアの更に後ろのベディベールの背中に隠れている・・・。

あれは怯えている者の反応だ。

いま、クィーンは何て言った?

地球の・・・?

妖魔?

誰が?

転移者?

黒髪の子?


麻衣さんのことか・・・?

麻衣さんが妖魔・・・って



・・・麻衣さんの表情が変わっていた。

まるで死刑でも宣告されたかのように・・・。


地球に元からいた妖魔?

い、いったい何の話をしているんだ?

妖魔ってこっちの世界で言うラミアや吸血鬼のことか・・・。

いや・・・確かに元の世界でもそんな化物の話は伝えられていたが、それはあくまでも幻想上の・・・


まさか、

本当に存在していたのか?

それも・・・麻衣さんが!?


気が付くと、オレの周りの連中も麻衣さんに視線を向けていた・・・。

彼女の表情が暗い。

否定・・・しないのか、

自分が妖魔と言われても・・・。



 「麻衣さん・・・?」


その名前を呼んだのはカラドックだ。

オレは・・・口を開けない。

自分でもその理由をすぐに見つけることは出来なかった。

麻衣さんはオレたちを騙していた?

騙す?

騙すってなんだ?


別に彼女はオレたちに敵対的な行動など一切取っていない。

単に自分の正体を喋らなかっただけだろう。


・・・そうだよな。

オレがどの口でそんな事を糾弾できるだろうか。

自分のことを棚に上げて。


とは言え、逆にオレ以外の誰かが麻衣さんを糾弾しても、

オレは庇うことも出来ないわけで・・・



・・・いや、

いやいやいやいや違うだろ、

何をオレは考えているんだ。

麻衣さんにはオレもリィナも命を助けられただろ。

どんなことをしてでも恩は返すと言ったよな、オレは。

だったらこの場は何を差し置いても麻衣さんを守るべきだろう。


 「・・・あ~あ、バレちゃったなぁ・・・?」

一方、覚悟を決めたように、麻衣さんの態度がふてぶてしくなる?


 「麻衣さん・・・どういうことなんだ?」

カラドックはこの後どうする気だ?

麻衣さんを受け入れるのか、

それとも排除するつもりか・・・もしそうならば・・・。


 「どーもこーもしませんよ、カラドックさん、

 魔眼で鑑定されたら、隠しようがありません。

 その通りですよ、あたしは妖魔、

 妖魔リーリト・・・。

 エデンの園で、アダムと共に最初に造られた女性の子孫・・・

 それがリーリトです。」


挿絵(By みてみん)


ああああ、この位置に画像貼ると、最後の麻衣ちゃんのセリフ、まるでアルラが喋っているみたいな?


なお、当初アルラの髪型は中分けにしようかと思ってたのですが(中世っぽく)、

やはりおでこを見せるべきかなと、作成に取り掛かった段階で予定変更。

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