第二百五十一話 ワイバーンの群れ
ん?
ぶっくまが減って、評価ポイント入ったのかな?
評価ありがとうございます!!
しかも2人増えたかな!?
ブックマークは読み終わったら消されちゃうでしょうからね、
評価ポイントなら読み終えた後も残りますものね、
評価嬉しいなあ・・・。
嬉しいですよぉ・・・。
評価ぁぁ・・・。
「あ、あの・・・ケイジさん、すいません・・・。」
あれ? 麻衣さん?
「麻衣さん、どうした!?」
「あ、いえ、あ、あたしは何を・・・。」
既に戦いの火ぶたは切られた。
アガサのウインドカッターが最初に接近したワイバーンのカラダを斬り刻む。
オレもアガサと組んで初めて知ったが、
ウインドカッターは術者の魔力に応じてその刃の数が増大するそうだ。
もともと視覚では捉えにくいウインドカッターの刃は、アガサの魔力でどれだけ増えているのか。
あっという間にワイバーンは血だらけだ。
互いに高速で移動している現状だと、他の属性の術では命中率が格段に落ちる。
もともとウインドカッターは殺傷力が低いとされるので、致命傷を与えるには難しいが、この状況下ではもっとも効果的な術と言えよう。
さて・・・。
「といっても麻衣さんは攻撃術がないんだろ?
例の虚術も・・・移動しているこの場では効果がないんだよね?」
麻衣さんの術は、限定されたその場にかけるのものなので、飛行中の今では何の意味もないわけだ。
「あ、は、はい・・・。
それはそうなんですけど・・・。」
「あ、召喚術は?」
「く、空中だと辛いですね・・・、
ふくろうのふくちゃんでは、ワイバーンと戦っても一対一なら互角に渡れると思うんですけど・・・。」
ふくろうでワイバーンと戦えるってのが既に有り得ないんだが、
彼女が言うんなら間違いないんだろう。
他にも召喚できる魔物はいるそうだが、
空中戦では出来る事は少ないようだ。
「・・・この期に及んで感知術は必要なさそうだし・・・
リィナの傍か女王の傍で避難してもらっていた方がいいかな?」
「あ、は、はい、それでよければ・・・」
後ろめたそうだな。
パーティーメンバーでありながら、役に立てないことで肩身を狭くしているのかもしれない。
「誰にでも得手不得手はあるさ。
今まで麻衣さんは大活躍だったんだ。
今回はオレらに任せてもらおう。」
「あ、ありがとうございます・・・。」
さて・・・
「いくぞ、イゾルテ!」
「はい! ケイジお兄様!!」
オレとイゾルテは左右に分かれてそれぞれ矢を番える。
カラドック達の精霊術と、タバサのプロテクションシールドで、
ワイバーンはオレたちに近づくことは難しい。
それでも強引にシールドを破ろうとするなら・・・
スカァン・・・!
オレの「鷹の目」の餌食だ。
アガサのウインドカッターでは致命傷をいきなり与えるのは難しいが・・・
オレなら一発だ!
「さよなら、ワイバーン・・・!」
頭を撃ち抜かれたワイバーンは静かに大地の下へ落ちてゆく・・・。
「ウフフ、ケイジお兄様とこうして魔物狩りが出来るなんて・・・。」
後はどれだけイゾルテの腕が上達しているかだが・・・。
ボッガァァァンっ!!
なんだ!?
振り返ると、ワイバーンが一匹墜落していった。
なんかワイバーンが原型を留めてないような・・・。
「やりました! ケイジ兄上様!
一匹仕留めましたよ!!」
「えっ・・・今のって?」
「土属性付与の矢羽を使いました!!」
お、おお、
さすがはグリフィス公国・・・
国家予算で魔法付与された矢羽を用意しているのか。
これはうかうかしてらんねーな。
オレほどの命中精度がなくても、あの威力なら心配いらなさそうだ。
「カラドック!
この程度なら大丈夫だ!
同時に二体程度の接近なら楽に捌けそうだ!」
「了解した!
よろしく頼むぞ!!」
以前、ブラックワイバーンと戦った時もそうだが、
信頼できる仲間と戦うのは楽しい。
あ?
ギャアギャアまた騒がしくなったな、ワイバーンども。
そんなに全滅したいのか!?
「ヒィィィッ!?」
先頭にいるラプラスが悲鳴を上げる。
とはいえ、攻撃されたわけではないようだ。
そちらはダークエルフのアガサに任せていたが、
ウインドカッターではワイバーンを倒す決定力に欠ける。
その為に、ワイバーンは傷つきながらも、ラプラス達先頭グループに襲い掛かろうとする寸前か。
「それ以上は近づけさせませんですよぉぉぉっ!!」
間合いの広いヨルの槍がワイバーンの額を貫く!
辛うじて・・・というところだが、オレも向こうの心配まで出来るほどの余裕はない。
「ラプラスは馬車の中に入ってくれ!
お前がやられたり、飛行スキルが消えたらオレたち全員お陀仏なんだからな!」
「はっ、はい、そうさせてもらいます!!
・・・飛行スキルとエアスクリーンを解除したら、
私だけならなんとか出来るんですけどねぇ・・・。」
そりゃな、
スキルを3つ同時展開なんて、大魔導士クラスだろ、
そんな事が出来るのなら。
そう言ってる間に、またワイバーンが集まっているようだ。
何十匹いるんだよ!!
現状、女王とカラドックの精霊術で、こちらに接近できるワイバーンは常時、2~3匹、
それらをオレとイゾルテ、アガサの魔術で撃ち落している。
ラプラスの飛行スキルで、今もなお飛び続けている馬車に攻撃をかけるには、
ワイバーンは一度馬車の天井に着地してからでないと攻撃できないようだ。
さすがに並行飛行しながらでは、ワイバーンに攻撃手段などあるまい。
おっと、後ろから追いつきつつ嘴で攻撃しようとするヤツもいるか、
もっとも、それはリィナの餌食だ。
通常武器のロングナイフでは間合いが狭くリィナも応戦しづらいので、
今は少しでもリーチのある天叢雲剣を使っている。
「なぁなぁ、ケイジ!」
「どうした、リィナ!?」
「思ったんだけどさー、
あたしの天叢雲剣でどうにかならないかなー?」
リィナも天叢雲剣の更なる能力に気付いたのだろうか?
「・・・その剣は集団戦に使える能力はないだろ?
一匹ずつ仕留めるのは効率悪いぞ・・・!」
「あ、いや、そーなんだけどさー、
今現在、あたしたちの攻撃って派手な技も術もないじゃん?
だからワイバーンもあたしたちを喰いやすそうな獲物と見てると思うんだよ。
ならさ、一発ど派手な技を見せちまえば、追い払えるんじゃないかなって。」
・・・なるほど、
リィナの言う事はもっともだ。
冒険者ギルドからワイバーン討伐依頼を受けているわけでもないし、
別にワイバーンを殲滅させるのがオレたちの目的ではない。
「いや、やめたほうがいい!!」
ん?
オレたちの会話に割り込んできたのはカラドックだ。
「何故だ、カラドック?」
精霊術は一度、術を起動してしまえば深い集中は要らないらしい、
術を展開しながらカラドックは、オレたちと器用に会話を始める。
「リィナちゃんがやろうとしているのは、前にブラックワイバーンを仕留めた雷撃術だろう?
確かにあの技なら、リィナちゃんのいう通り、ワイバーンを蹴散らせるだろう!
けれど、あれだと技の効果が激し過ぎて、ラプラスさんの飛行スキルにも影響を与えるかもしれない。
いきなり飛行状態が解除されてみろ?
私たちは地表まで真っ逆さまだぞ!?」
「「・・・げ。」」
それは激しくヤバいな。
ここにカラドックがいてくれて良かった。
「・・・う。」
ん?
今の呻き声のようなものは・・・
たとえ戦闘中でもオレの耳は聞き逃さない。
麻衣さんの声か?
振り返ると麻衣さんがオレの視線に気づいたようだ。
「ケ、ケイジさん、強力な個体が・・・。」
「なんだって!?」
「方角は時計で言うと8時の方角から・・・。」
オレは近づいていたワイバーンを撃ち落しながら、
その方角に視線を向ける・・・。
近づいてきたのは・・・
姿形こそワイバーンだが・・・色合いが違う?
「ワイバーンの上位種!
レッドワイバーンか!!」
麻衣
「ううう、守られてばかりなんて・・・」
次回、
麻衣ちゃん視点です。