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第二百四十六話 出発!

前回、話数がデタラメでした・・・。

なんで二百五十で気付かなかった・・・。


 「おおおおお、ソファがふっかふかだぁ!?」


最初はビクビクしていたリィナだったが、すぐに内観を見て感動していた。

どんだけカラダを鍛えようが、長時間の馬車の揺れにお尻は耐えられない。


 「おお、これは王侯貴族の馬車と比べても遜色がないの。」

もっとも貴族が乗るような馬車はかなり配慮されているけどな。

その女王の評価も高い。

ていうか、これソファの革は牛じゃなくて、ブラックバイソンていう希少な魔物の革だぞ?


カラドックは更に驚愕すべきポイントを発見した。

 「こ、この馬車・・・あ、馬車じゃないけど・・・

 サスペンション機能ついてる?」

 

なんだと?

それはこの世界でお目にかかったことがないぞ?

あ、それも異世界知識か!!


 

 「さすがはカラドック様、

 その機能は、ラプラス商会でも公表しておりません。

 一部だけの秘密です。」


それは素直に凄いと思うが、オレはちょっと突っ込みたい。

 「ちょ、ちょっと待ってくれ。

 そういえば、この車は空を飛ばすんだよな?

 サスペン・・いや、その何たら機能は必要なのか?」


 「ああ、これはもちろん、普通の馬車としても使用できますので、

 その時には地上を走らせますよ。

 ただ、空を飛ぶ場合にも着地の必要はございますので、

 その時の衝撃を緩和するのにも役立ちます。」


なるほど、おみそれしたわ。


反対側の席に座った麻衣さんからも質問だ。

 「え? でも、これ離陸はどうやって?」


ん?

ああ、麻衣さんは飛行機の離陸をイメージしてるのか?

なるほど、飛行機を飛ばすには長い滑走路と助走がいるんだものな。

しかしこの先のラプラスの説明には、オレもある程度の予測はついた。


 「ふふふ、私の能力には助走も速度も必要ありません、

 このまま浮き上がらせる事が出来るのです!!」


 「あ、そ、それ、あたしの虚術のゼロ・グラビティとかぶる・・・?

 あ、でもあのスキルはそのエリア限定だから、使い方そのものが違うのか。」


オレとリィナを助けてくれたスキルだな。

確か、あれは場の重力を無にするスキルだったか。

比べて、ラプラスの能力は自在に空を滑空するようなイメージだからな。

でも滑空というならば、空気を支えにする翼や羽が必要だと思うのだが、

ラプラスにはそれすらもない。


むしろ妖魔の使う「浮遊」の超上位互換スキルと考えた方がいいのではないだろうか?



 「あ、皆さま、

 奥に冷蔵庫もありますので、飲みものもよろしければどうぞ?

 ただし、そちらは有料とさせていただきます!」


・・・商魂たくましいな・・・!

ていうか、最初から馬車のチャーター料にした方がいいだろ!?

そんで飲み物くらいその料金込みにしたらどうなんだ!?

別にいいけども。


 「しかし冷蔵庫・・・?

 まさかそれも異世界知識で・・・。」


 「いやあ、カラドック様、さすがにそれだけの技術をこちらで生産するのは無理ですよ、

 この冷蔵庫は魔道具を使っております。

 消耗品なので長時間使えませんがね。」


まぁ、発想さえあれば、いろいろ工夫できるんだろうな。

・・・オレも冒険者家業辞めたら異世界知識で商売できないだろうか?

商才には・・・自信がない。


さて、我がパーティーの誇るエルフ達の論評は?

 「むう、世界は広大、いま私はエルフの新しい1ページを開拓。」

 「魔道の発展に最も貢献すべきは商業の可能性、これは目から鱗。」


相変わらずこの二人はポジティブだな。

尊敬するよ。





 「それでは皆さま、出発します!!

 初めて空を飛ぶ方は慣れるまでにお時間がかかるかもしれませんが、

 最初はゆっくり行きますからご安心を!!」


初めて空を飛ぶって・・・そんな経験持ってる奴が何処にいるってんだ!?


 「そういや、あっちの世界では空飛ぶ乗り物があるんだっけ?」

これはリィナからカラドックに向けての質問だ。

これまでの道中で、カラドックが元の世界のうんちくをご披露していたからな。

航空機の話もその内の一つだった。


 「ああ、飛行機は失われた旧世界の交通手段だからね、

 今も探せば空を飛ばす機体は残っていると思うけど、

 それを整備するだけの施設やスタッフもほとんど存命してないと思う。

 時間をかければそれを復活させる事が出来るとは思うけど。」


カラドックは新世界の王様だからな、

可能か不可能かで言えば可能なんだろう。

他に優先しなければならないことが多すぎるから、そっちに構ってられないんだろうな。


 「あれ?

 じゃあ、麻衣さんは?」


おや? そんな恥ずかしそうな表情浮かべなくても・・・。

 「あ、す、すいません、

 まだ飛行機乗ったことなくて・・・。」


なるほど、そういや麻衣さんは高校一年生だったか、

未成年なら、そんな珍しくもないんじゃないか?

 

 「それでは皆さま、

 お忘れ物等はございませんか!?

 早速出発いたしますよ!!」


え?

ちょっと待て?

おかしい!

いつの間にラプラスに連れられて、魔人の元に向かうと決まった!?

いや、確かにその事は今日決めると合意していたけども、

「今日」・・・いや、「今まさに出発する」なんて流れはなかったよな!?


何故だ!?

ラプラスに魅了でもかけられているのか!?


 「安心するがよい、ケイジよ。」

また女王はオレの心中を見透かしたように・・・。


 「考えてもみよ、

 そなた達にカラドックが一人加わっただけで、戦術の幅と火力が段違いになったろう?

 そしてカラドックと同じ精霊術士の妾も加わるのじゃ、

 軍隊がやってきても相手に出来るほどの集団になっているぞ、このパーティーはの。」


それは確かに。

悔しいがそれは認めざるを得ない。


ん?

別に悔しくはないか。

この場に国の最高権力者がいるのはどうなんだという、違和感だけはあるが、

戦いの場へ向かう仲間としては、これほど心強いものはないのも確かなのだ。


 「シートベルトは・・・ないか。」


麻衣さんが不安そうに足を投げ出す。

落ち着かないのだろう。

旧世界の車や飛行機には必ずついていたんだっけかな。


ん?

そういや、さっきオレ自身で思っていたことだが・・・

この馬・・・いや車は、助走要らないんだよな?

そのまま、ふわっと?


予備動作もなしに?


え?




そして気が付いたら周りの景色が下にずれた!

平衡感覚も・・・

あ、う、動いた動いた!

思わず、周りからも驚愕の声が漏れる。


ホントに浮きやがった!!


え・・・これ。

このまま・・・飛ぶの?

一気に?

魔人の元へ?

ほんと?




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