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第百一話 ぼっち妖魔は迎え撃つ

連日ぶっくま増えてます!

下のお星さまもよろしければ?


「私メリーさん」の物語をお読みになってる方はご存知でしょうけども、

麻衣ちゃん、かなり早い段階で物語に登場してますね。


麻衣

「いえ、あの・・・恥ずかしすぎるんですけど・・・。」


ホントに大きくなりましたねぇ?


 「ゴッドアリアって言ったか!?

 てめぇは馬車の中にすっこんでろ!!

 それより、黒髪のお嬢ちゃん、あんた探知魔法でも使えんのか!?」


冒険者のリーダーの人があたしに大声で話しかけてきた。

うん、戦闘中だから仕方ないんだけど、その声もロックワームは反応するからね?

ていうか、ロックワームって耳があるのかな?

ああいう生き物ってカラダ全体に感覚器官があるのかもしれない。


 「あたしは巫女スキルがありますので、一度敵の姿を捉えたなら、どこに逃げようとも視えますよ!

 いまも地中でこちらの動きを窺ってます!!」

 「そうか!!

 そいつは頼りがいがあるな!

 また奴が現れそうなときは教えてくんな!!」


うん、勿論それは構わないんだけど、これ、下手したら持久戦になるね。

ロックワームが地上へ現れるのは一瞬、

獲物を捕獲したらそのまま飲み込んで地中へ潜り込むだろう。

そしてそのトリッキーな動きに合わせて攻撃するのは困難だ。

あたしの手持ちのスキルを以てしても、地中に逃げられた時点で、それ以上の手札はない。


スネちゃんならいい勝負になるかと思いたいけど、スネちゃんですら地中には潜り込めない。


これがある程度知能がある魔物なら、深手を負った時点でこの場から逃げ去ることもあるんだろうけど、

まず、ロックワームに痛覚があるとも思えないし、

生物本能で逃げ出したとしても、ほとぼりが冷めればまた獲物を求めて、この辺に出没するだろう。

つまりサイレンスでこの場一帯の音を封じ込めても何の意味もない。

どっちみち、この場でケリをつけるしかないというわけだ。


さてどうするか。


 「ゴッドアリアさん!!」

あたしは馬車の中に声をかける。


 「な・・・なんだい、麻衣・・・。」


あら、自信を失っちゃったような張りのない声・・・。

まぁ、やることやってくれたらなんだっていいです。

 「お聞きしたいことがあります!

 ゴッドアリアさん、さっきのお昼ごはんの時、ご自分で調理器具作ってましたよね!?」



こんな緊急時に何の話!?

とでも言いたいような顔だね、

でもこれ大事なこと!!


 「教えてください!

 あなたの土魔法で、ある物を作れるかどうか知りたいんです!!」


そこでようやくゴッドアリアさんの顔に気合が入った。

 「ああ、あたしの魔法なら、この場にある土や砂で簡単な形の物なら作れるぞ!?」

 

 「おいおい、その暴走魔女っ娘に何させる気だ!?」

なんか、また別の二つ名作られそうだね、

でもあたしの思い付いた作戦は、ゴッドアリアさんの魔法次第・・・!


 「あたしがゴッドアリアさんに作って欲しいもの!!

 まず形状!

 半径10メートル以上の巨大なボウル!!」


 「「「「えええええええっ!?」」」」

ゴッドアリアさん本人含め、その場の全員が無茶な!とでも言うような抗議の声。

でもできるよね、さっきあれだけのストーンバレットを撃てる魔力なら。

 「できますか!?」

 「あ、あああ、や、やれるかもしれない・・・

 アースウォールとストーンの応用だと思えば・・・。」

 「上等です!

 次に作成場所!!

 それはあたしが指定する地中にです!!」


 「「「「はいいいいいいっ!?」」」」


皆さん仲いいですね、

揃って驚愕の声が上がりましたよ、

おかげで地面の下のロックワームがどの声に反応しようか迷った感じです。


 「ち、地中の中って、アタイの目の届かない場所に造らせるってことか!?」


中と中が被ってますよって突っ込み入れる場合でもないな。

 「そうです!

 そして最後の要望!!

 魔法で作り出したそのボウルの強度を滅茶苦茶固くしてロックワームに喰い破られないくらい、固めてください!!」


 「「「「はああああああっ!?」」」」


そう、さすがに地中のロックワームに照準を合わせる事など誰にもできない。

なら一種の結界か檻のようなもので取り囲むことなら・・・。


 「そ、そんな・・・確かに一つ一つ考えれば・・・やれそうな気もするけど、

 それ全部・・・一緒にってことだろ・・・!?」


 「です!!

 土魔法に特化したあなたなら 出来ま・・・!!」



そこで危険察知!!

あたしは慌ててその場から飛び跳ねる!!

  

 「麻衣!?」

 「麻衣さん!?」

 「嬢ちゃん!!」

地面が爆発したかのような土塊が舞い上がる!

すぐに奴が姿を現すが、肝心の獲物を飲み込むことができなくて、悔しそうに奴は再び大地の下に潜っていった。

一度潜ったら奴はしばらく上がってこない。

あたしはゆっくり立ち上がって衣服についた土を払う。


 「皆さん、ご心配なく。

 奴がいつ現れるかは『読め』ますので。

 それよりゴッドアリアさん、奴を仕留めれるかどうかはあなたの魔法次第です!

 お願いします!!」


ちなみに視えるんなら、そこに罠張っておけばいいんじゃね、とでも思うのでしょうが、

これ、直前だからわかるんであって、罠張ったりしてる時間的余裕ないからね。


ゴッドアリアさんはしばらく自信なさそうに躊躇っていた。

確かに今までやったことも考えたこともない魔法を使うってんなら、迷うのも無理はない。

でも理屈なら可能なはずなんだ。


それに・・・あたしだってダークネスの効果範囲や形状変えることにそんな難しさは感じなかった。

問題があるとしたら、その効果範囲の大きさと、ロックワームを閉じこめるための強度を有するかどうかだ!


 「わかった! やってみる!!」

お、覚悟決めたみたいだねゴッドアリアさん!!


そしてあたしも自分の仕事しますよ!!

 「冒険者の皆さんにもお願いがあります!!」

 「な、何する気なんだ、お嬢ちゃん!?」

 「難しいことは要求しません!

 これから皆さんは、あたしが指定する円の中にいてください!

 ロックワームが出て来るときは直前で叫びますので、

 すぐにその場から離脱できる体勢と、皆さんそれぞれぶつからない距離を取り合ってください!」 


 「おい!

 オレらにロックワームを攻撃するなってことか!?」

 「いえ、可能だというなら攻撃していただいて構いませんよ!?

 でもあんな素早い動きのロックワームに致命傷を与えることは出来ますか!?」


タイミングを合わせれば剣をかすらせることくらいはできるだろう。

でもそれで、奴の動きを止めれるかどうかは別の話。


そしてさらにあたしは手札をもう一枚切る。

 



職場のメンバーが一人倒れた。


くしゃみが止まらないってそれは花粉症では?


熱はない?

それで休む?

君が来てくれないと私は48時間勤務になるのだけど。


だれかたすけて。

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