第七話 トライド地方に出発ですよ
宿屋で一晩寝たが腕のせいであまり眠れなかった。
「はぁ、また厄介な物に呪われたな、、」
俺はため息しかでなかった。
重い腰を上げ部屋をでて、階段を降りた所でシスティーナにあった。
「おはようございます、レイさん。」
「おはよ。」
システィーナは何か言いたそうな顔をしていたので聞いたらトラに行くなら私も行きたいとのことで、正直俺はどちらでも良かったし構わないと返事したらシスティーナは小さくガッツポーズしていた。
朝食を食べ宿屋をでて荷支度をすませ、システィーナとグリッドをでた。
正直トライド地方には行ったことはなかった。
帝国のなかにはグレコール地方とトライド地方にアズール地方がありグレコール地方は火山がある熱い地方、トライドは砂漠と森林が広がるファンタジーな地方しかもドワーフが居る地方、アズール地方は寒い一年中雪が降る地方だとギルドマスターのリアから話は聞いていた。
ゲームにあったかな?と考えながらもシスティーナと色々会話しながらグリッドをでてトライド地方に向かうために街道を歩いた。
システィーナが言うにはトライド地方には二週間位かかるとの事でため息付きながら長い道を歩き途方に暮れた。
「システィーナ、トライド地方は何が有名なんだ?」
「たしか、鍛冶屋の盛んな街が多いと思いますよ。そのなかでもブレンドは一番で大きい街になります。」
鍛冶屋かと想像し、ドワーフを想像しながら剣を鍛え治してくれるかなと思ったら少しわくしてきた。
道中は時よりモンスターと戦いはあるがあまりにも暇である。
「はぁ、手応えが無いから少し退屈だな。」
システィーナはえっ?と顔しながら
「レイさんが強いから相手にならないのですよ。逆に手応えある敵が出たら大変になります。」
それもそうかと思い、空を見上げたが青が一面に有りとてもいい天気だった。
二週間位達にトライド地方に入ったがブレンドまではまだ遠い。色々な街があり立ち寄りながらブレンドに向った。
トライド地方はやはりドワーフが多いが他の種族もいっぱいいたし、種族嫌いも無く楽しそうに皆が喋ったり笑い合ったり酒場でどんちゃん騒ぎしていてとても治安がいい街や村ばかりだった。
「いい所ですね。トライド地方は。」
「そうだな。ここなら毎日楽しいかもしれないな。」
二人でお喋りしながらトライド地方を満喫しながらブレンド郊外まで近づいていた。
ようやくブレンドの門まで来た時門番に止められた。
「止まれ、身分書と立ち寄った理由を述べよ。」
門番のドワーフは俺たちを怪しい奴を見る目つきでいってきた。
「私達は冒険者です。私は銀等級のシスティーナと申します。こちらは金等級のレイさんです、立ち寄った理由はこちらのギルドマスターにグリッドのギルドマスターからの手紙をお持ちしたため来ました。」
システィーナはすらすらと言ってプレートを見せた、ドワーフはプレートを見るなり
「確かに銀等級だな、だが金は嘘だ。金はそうなれない、やはり曲者か?」
「レイさんプレートを見せてあげてください。」
システィーナが言うのでプレートを見せた。
「確かに金等級プレートだな。偽でもないようだ。疑って済まないな、これが仕事なんだわ。」
「大丈夫だ。では通っても?」
「よかろう、ブレンドにようこそ。」
ドワーフはそう言いながら門番を開けた、門から見た中の景色は本当に鍛冶屋の街そのものだった。
街を見ながら目的のギルドを目指し歩いてシスティーナを見たら並んでる武器や防具を見ていた。
「何か欲しい物あったかい?」
少しビクっとなったシスティーナが振り向き
「いえ、なんでもないですよ。」
システィーナはそう言いながら歩き始めたので俺はシスティーナが見ていた露店に目をやると可愛らしい髪飾りが売られていた。
「そこのあんた、どうだい?彼女か嫁に髪飾りは」
露店のドワーフは微笑みながら話しかけてきた。
システィーナには一緒に付いてきてもらってるし何かプレゼントしようかとおもった。
「よし、これは幾らだ?」
「これかい?これは調色が綺麗に施されてるもんだからちっと高いぜダンナ。」
ドワーフはニヤニヤしながら髪飾りを見せてきた。
「大丈夫だ。問題ない、幾らだ。」
「毎度50ギルだぜ、ダンナ。」
俺は高いと言われもっと高いと思ったがあまり高くはなかった。
「えっと、俺のギルいくらあったかな、、、、」
ステータスを開きギルを確認した時俺は0があまりにも多くあったので驚いた。
「十万、千万、億、、、」
所持金は使えない位あった、アイテム化させたギルをドワーフに渡し髪飾りを受け取った。
「あの嬢ちゃんにやるんか?ダンナも隅におけねーな。うまくやれよ。」
ドワーフに言われたが何故そうなるか分からなかったし、間違ってることを訂正するのも面倒なのでお礼だけ言ってシスティーナの所に戻った。
「レイさんどこに行ってたのですか?いきなり居なくなるから焦りました。」
「すまない。少し露店を見ていた。」
システィーナに何もなかったかの様に話てギルドに向った。
向かう途中システィーナに
「システィーナ、頭にホコリが付いてるから取ってあげるよ。」
そう言いながらシスティーナに頭を下げるように指示して、ホコリなどないが髪飾りをつける為にベタな作戦に出たが怪しむことなくシスティーナは頭を下げたので、上手く髪飾りをつけれた。
「取れたよ。一応俺が髪触っちゃったから乱れてると悪いから鏡で確認してね。」
システィーナはお礼をいい、ポーチから鏡を出し髪を覗いた。
「えっ、、、、髪飾り。レイさんこれは?」
システィーナは驚き戸惑いながらも聞いてきた。
あまりにも驚いているのでネタバラシをした。
「ありがとうございます。一生大事にします。」
システィーナは凄く喜んでいて、それを見た俺も心がほっこりとした。
ギルドに向かう途中システィーナは髪飾りを触ってはニヤニヤしていて本当に嬉しいんだなと思ってプレゼントしたかいがあってよかった。
やっとギルドに着いた、ギルドは街の中心ら辺に有り人がより一層多く迷子になりそうなくらいだった。
ギルドに入り受付に向かった。
ブレンドのギルドは外見はレンガ作り中は少し薄暗く色んな冒険者や依頼を出しに来た人などいたが一番目に入ったのは酒樽とドワーフの飲みっぷりだった。
「ギルドアルバートにようこそ、依頼ですか?」
「いや、依頼というか、、、ギルドマスターに会いに来たのだが、、、」
受付の女性は少し困りながら首を傾けた、レイは口下手なんだと知っていたが再度痛感してシスティーナに顔を向けたら何かを感じ取ったみたいで受付に話掛けた。
「私達はグリッドから来た冒険者の銀等級のシスティーナ、金等級のレイさん。ここにはグリッドのギルマスからこちらのギルマスに言伝と手紙を持ってきたのでギルマスに面会を。」
さっすがーシスティーナと俺は心の中で叫んだ。
「では先に手紙を拝見しても?」
「いや、それは出来ない。これは極秘の代物でギルマス本人にしか見せれないがこちらのギルマスに言伝を言った通り喋ればわかると思う。」
受付は頷いたので言伝をした。
内容は
「グリッドのリアだ、一刻の猶予もない頼み共に戦いし同方よ力を貸してくれ、と伝えください。」
「かしこまりました、少しお待ちください。」
受付の女性は裏に行ったので俺らは椅子に座り待った。
ギルド内は賑やかでドワーフ族、エルフ族、人族、それにラビット族も居た、獣人族は腕自慢をし、腕相撲をしては他種族をからかって弱い弱すぎると喋っていた。
数分後、、
「お待たせしました。ギルドマスターがお会いになられますので、こちらに付いて来てください。」
二人は女性に付いていき裏に回って歩きギルドマスターの部屋に行った。
コンコン。
「二人をお連れしました。」
「入れ。」
受付の女性は扉を開け俺らを入れてくれた。
「遠い所わざわざすまないな。まあ、座ってくれて。」
ブレンドのギルドマスターは男だった。
リアと違ってテーブルにはきちんと並べられている書類に整理整頓された本棚、ブレンドのギルドマスターは几帳面だとレイは思った。
ギルドマスターに挨拶を終えソファーに座った。
「で、何用できたのだ?」
ギルドマスターは二人が座ると直ぐに質問してきた。ギルドマスターは紺色のローブに気品のある柄が入ったのを着ていて、髪はいかにも秀才の髪型にメガネをかけていた。レイは質問に応え手紙を渡したらギルドマスターは手紙を開き読み始めた。
数分後、、、
「内容は分かった。腕を見せて」
俺はソファーを立ちギルドマスターに近寄り布で隠してた腕を見せた。
「これは、、、」
レイの腕には龍の呪いのせいで黒くくすんでいた。
ギルドマスターはレイの腕を見ながら何か考え始めレイの腕を分析し始めた。
「少しチクチク痛むのかな?それに魔力を使うと侵食スピードは早いのでは?」
確かにそうだった。
ここに来る途中も剣でモンスターと戦った時は別に侵食されなかったが少しでも魔力を使うと痛みが生じ侵食されていた。
的確に当てるギルドマスターはリアが言ってた通りに専門家だった。
「災禍の呪い。」
「災禍の呪い?」
二人は合わせた訳ではないが言葉が被った。
「そう、災禍の呪い、、魔力を使うと黒く侵食され、体全体に回ると自分では制御が効かなくなり暴走をし始め魔力を全て吐き出すまで魔力を使いそして力尽きる呪いだね。」
想像通りやはり死ぬのね、と俺は思った。
「魔力を使わなければ侵食は進まないよ」
「これは厄介な物に呪われたね君。この呪は、、確か、、」
ギルドマスターはそう言いながら本棚に向かい分厚い本を取り出し調べ始め数分たった。
「あったよ、諸説によれば巫女の聖杯の水を飲み浄化すると書いてあるね。」
えー諸説ってことは実際かわからないじゃん。
俺はそう思いながら頭を垂れた。
「巫女の聖杯は伝説だからね。本当にあるかわからない。ただあるとすれば諸説によるとアズール地方のエイザス山脈のブリザードドラゴンがいる所だね。」
またまた面倒なことで、、
ブリザードドラゴンは龍帝の次に強いドラゴンである為に魔力なしでは戦えないし寒さでお亡くなりになる。
一応情報は聞いたのでお礼をしてギルドマスターの部屋を出ようとした時、、
「君からは凄まじい強さを感じるね。なぜそれで金等級?リアはそこまで君を助けたい思いは何かな?」
鋭い質問に戸惑いながらもどうやって騙そうか考えた。
「あっ嘘はわかるからね、聖者の風をもってるから。」
聖者の風は嘘を見抜くスキルであるが厄介なギルドマスターに会ったもんだと後悔しながら、、
「何が知りたい。」
「君の正体、それからリアは何故君を庇うか。」
「少し考えてから出直してもいいか?」
「いいよ、受付には言っとくからまた来てよ。」
そう言われ部屋を出た。
システィーナは不安な顔しながら後ろを付いてきた 。
ギルドからでて宿る探しをし、システィーナと二人で夕食をとった。
流石はドワーフがいる地方だ、グリッドと違って味付けは濃いが病みつきになる味だった。主な主食はやはり肉料理、豚の丸焼に羊のソーセージなど沢山美味しい食べ物を二人で食べた。
「本当のことを話すのですか?」
システィーナは箸を止め質問してきた。
正直俺はあまり言いたくなかった、だが恩を仇で返すことはしたくないのでどうしたらいいかわからなくなった。
「まだ分からない。システィーナ少し時間をくれ考えてみる。」
そう言いながら夕食を取り部屋に戻りベッドに倒れた込んだ。
「はぁぁあ、何でいきなりゲームに入ったかと思うと次ら次に面倒なことに巻き込まれおまけに死ぬ呪かよ、詰みじゃん。」
一人事を喋りながら枕に顔を埋める。
トントン。
扉がたたかれシスティーナの声が聞こえた。
「夜分すいませんがまだ起きてますか?少しお話しませんか?」
俺はベッドから起き上がり扉を開けた。
「起きてましたか?」
そこには寝間着のシスティーナが居た。
「あっ!!久々に拝見しました。」
システィーナは顔を赤く染め恥じらう感じでモジモジしてて俺は首を傾げたが少しして言っている意味が分かった。
そう、俺は兜を脱いでいたのだ。
まぁ、それが何故システィーナは顔を赤く染めるかは未だに分からないが、部屋に入れた。
部屋では他愛もない話からシスティーナの冒険した話色々聞いたし、俺の過去も話笑ったりしてとても楽しかった。
「私はレイさんがどう判断しギルマスに言うか言わないかは分かりませんが私はレイさんの味方です。」
システィーナは真面目な顔をしながら最後にそう言い
「今日は楽しい夜を過ごせました。ではまた明日、おやすみなさいレイさん」
と言い部屋を出ていった。
「システィーナは何故あんなに優しいんだろうな。」
そう言いながらベッドに倒れて黒く侵食された腕を眺めた。
いつの間にかそのまま眠ってしまった。
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女性「イ、、、レイ、、、レイってばー」
俺は寝ぼけながら起きた。
男性「まったく寝ボスケだなレイ」
女性「本当だょ。」
男性「レイは自由な人間だからしかたない」
男性「あと面倒臭がり」
聞いたことのある声が聞こえた。
目を開けると懐かしき共がいた。
男性「レイ、何か悩みあるのかい?」
男性「俺たちがいるんだから頼れよ?」
男性「いつだって駆けつけるからよ」
女性「そうだよ?レイは鈍感だし」
皆、、、会いたかったょ、、、、
男性「何泣いてんだよ。」
女性「泣かないの。お姉さんに言ってごらん。」
皆いつこっちに来たの?
あれ、、、皆何処に行くの、、、
待って
置いてかないで、、、
一人に、、、しないで、、、、
女性「レイ。もし一人になった時、困った事があればストレージのアイテムに役立つ物を入れとくから本当に困ったら見なさい。きっと役立つから。」
女性「レイまたね。」
男性「またな。」
女性「バイバイ」
男性「またどっかでな」
皆、、一人にしないでよ、、、
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友の証のアイテムを獲得しました。
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読んでいただきありがとうございます。
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