第三話 エルフ村来たがやばい事になった
リメントとグリッドを離れ街道を歩いてエルフの村に向かっていた。
変わり映しない景色、草原でたまに木が何本か生えてそこには休憩してる冒険者や商人がいて、和む光景だった。
レイはそういえばエルフって何歳まで生きるんだろう。
リメントを見ながらそう考え好奇心で聞いてみた。
「リメントは何歳?」
「とっとっと突然何を言うのですか?」
リメントは少し慌てた様子でレイを見てはモジモジしながら何かを考えていた。
レイが聞いたことは確かに女性に年齢はご法度だよなって思って失敗した発言をしたと思ってしまったが、リメントは何かを決心した様子でレイに年齢を教えてくれた。
「私は25才です。人間の年でいえば」
「そっかぁ、、、?人間の年で??」
「はい。エルフは長く生きる種族なので。」
「エルフでは何歳?」
「80になります。」
それを聞き俺は驚かなかった。
何故なら俺は何百年も前の人だからなのだ、確かに最初はどうしたら良いか分からなかったが今になればどうでもいいと、用は面倒な事なので考え無いようにしていたレイ。
エルフは人間の倍生きる種族で、どこでもゲームの中ではエルフは長生きするのは当然なので驚きはしない。
そんなこんなでリメントの村にようやく着いた。
エルフの村に着く前から大森林が続いておりリアルの都会とは全く違い自然のマイナスイオンを感じられる気がした。
村は大森林の木の上や根元に家などがありとても自分の目で見れる事に感動した。
「ここが私の村 パームです。」
リメントは村を紹介してくれたのだった。
パーム村はやはり人の街や村と違い建物は全て木の中にあった。しかも本当におとぎ話みたいな村で丸型の家や木の枝が屋根になってる家もあり自然と共存していた。驚いたのはレイが知るエルフは植物や果物などしか食べないと思ってたが普通に肉も食べるらしい。エルフの服は主に緑の服が一般的で余り着飾らないらしい。
「綺麗な村だな、」
この言葉以外何も出てこなかった。
リメント周りには他のエルフが集まって来て何やら話をしている様子だった。
何を話してるかまでは分からなかったが、俺の周りには子供のエルフが興味深々と集まり始めていた。
「ねぇ。あんちゃんは冒険者?」
一人のエルフの子供が話しかけて来たので、優しく返事した。
だが生意気な子供で敬語はなく、レイは子供が苦手だっただけに面倒だと思いながら適当に足らって終わろうとした。
「何か弱そうな装備だね。うちの姉ちゃんより弱そう。」
何と失礼な、と思いながら子供だから仕方ないと自分に言い聞かせたが更にエルフの子供が言ってきた。
「冒険者なら種類なに?剣士、それとも盗賊系?あんちゃん剣も弱そうだし駆け出し冒険者かな。」
なんて酷い子供だぁ。と心で思いながら我慢してたけど余りにも酷い。俺結構打たれ弱いのに、、、
しかし我慢、31歳のレイが子供に怒ったら大人気ない。
「サヤ、何してるの失礼でしょ。」
そこにエルフの子供の頭をゴツンっとげんこつをかましたエルフの女性がいた。その女性は緑の服装とは違い白い服装に七歩丈のズボンを履いており肩に弓を背負って腰には短剣があった。見るからに狩りか何かしてる格好だった。
「痛いよ。姉ちゃん」
もしかして、生意気な子供の姉か、と思いながらその場でやり取りを聞いていたら女性が謝ってきたのだ。
頭を深く下げレイにお詫びを申し上げたのでレイも礼儀正しく頭を下げながら挨拶を交わした。
「申し訳ありません。うちのサヤが、気に触ったら本当にすいません。」
「いえいえ。大丈夫ですよ、少しだけ傷付いたけど問題ない」
「サヤ、金等級冒険者に謝りなさい。」
「ごめんなさい。」
素直だった、女性が怖いのか、普通なら嫌だとかいって駄々をこねるところを謝ってきたのだから普段は素直な子供だと思った。
姉の方は何やら騒がしいので来てみたら冒険者がいて、サヤが冒険者を馬鹿にしていてまたあの子はと思いながら、来てみたら金等級プレートが見えて焦ったとの事だった。
やはり金等級はかなりの地位らしいことが改めて実感した。
面倒な事解決と思ってた。
「私はサヤの姉の、システィーナです。銀等級の冒険者をやっています。」
「こちらこそ、レイと申します、よろしくお願いします。」
二人は礼儀正しく握手しながら挨拶を交わしたのだ。
銀等級とはかなりの強さだなと思いながら考えて、システィーナを見ると何故かキラキラした目でこちらを覗いてくる。
何やら面倒な事が起きる予感がした。
「どうかしましたか?」
俺は不思議に思いながらシスティーナに、問いかけてみた。
「いえ、ちゃんとした金等級冒険者に会うのは初めてでして。」
俺の頭にはハテナが立ったので何故か聞いてみた。
グリッドに近いエルフのパーム村は所属はグリッドのギルドらしい。なのであそこに居た確か、アルと言う奴が金だったこを思い出したのでシスティーナに告げた。
「グリッドに居る金等級はだらしないし、威張るし嫌です。変な目で見てくるし。」
俺はあぁ、と思いながらあいつを思い出し確かにと思ってしまった。
クール気取りで自己中はどこにでもいるが確かにアルは俺がヒーロー見たいな感じのオーラ出していた。
「あのー失礼ですが、私と少し稽古しませんか?」
突然システィーナはレイに稽古の申し出をした。
システィーナはそう言いながら俺の腕を掴んでキラキラした目で誘惑してるように誘ってきた。
普通の男なら落ちるとこだよな、と思いながら面倒な事がと思いながらシルバーがどれくらいかを見たい気持ちもあり申し出を有り難く受ける事にした。
そこにリメントがやって来て、何があったか詳細を教えたらいつの間にか周りのエルフにも話が周りお祭り騒ぎになってしまった。
「何故、何故なのだ。俺は何か呪いが掛かってるのか? 面倒くさいことに巻き込まれる呪いが、」
稽古に誘われ案内されながらレイは愚痴をこぼした。
周りのエルフ達はシスティーナに何か言ってるがレイには聞こえない。レイの頭にはどうしていつもこうなるか考えてる途中だったからだ。システィーナの後ろを歩きながら考えてたら、とても大きいドーム型の広場に着いた。
中に入り周りを見た。観客席があり現実世界の昔にあったコロシアム見たいな形をした闘技場に似ていた。
いつの間にか観客席にはエルフが着席していて、システィーナの応援をしていた。
「どう考えても、格闘場だよなこれ。」
「はい、そうですよ。エギル長老が使っていいと。」
根回しが早いこと、と思いながらしかないとまた自分に言い聞かせてシスティーナと戦闘をすることにした。
もう椅子にはエルフが満席になってギャーギャーいってお祭り騒ぎで、しかもシスティーナしか応援してないし、少し悲しい。
悲しくないもん、と俺は言い聞かせて精神を集中した。
流石に銀を付けた冒険者だから、生半可な立ち回りや力では負けてしまうかもしれないので集中しなければといや負けないからね?と心で発言した。
武装を変更するから迷い考えてたら始まりの合図がなると同時にシスティーナは後方に飛び矢を打ってきたのだ。
客席のエルフ達はシスティーナの攻撃に対し声援をし始めた。中には流石システィーナと関心の声もレイには聞こえていた。矢は三本レイに向けて放たれたが二本は避けて後一本は盾で防いだ。
危ねーと集中しないと、と思いながら次の攻撃に備えようとした時また矢が降ってきたのだ。
これは避けれないと思い剣を抜き矢を斬り捨てた時は、システィーナは俺の懐に入って短剣で斬りつけて来たが間一髪の所で俺はそれを盾で防いだ。
流石に何もスキルを使わないで戦える相手ではないと判断したレイ。
「ちっ・・・速い。」
スキル 「俊足」 「視覚向上」
システィーナはまた距離を取って俺の動きを読もうとしていた。
だがレイにとってはゲームの中で心理作戦はお手の物、相手をどう自分の罠や有利的立ち位置に誘導するかはレイの頭の中ではシスティーナ行動速さなど分析し終えていた。
レイにとっては既にゲーム終了だったがこの位の力や行動、洞察力どれも抜群にいいシスティーナを褒めた。
「システィーナは上手く立ち回るな。流石銀等級だね。」
「何を言ってるのですか、普通ならあの攻撃止められませんよ?しかもまだ本気じゃないですよね。あまり馬鹿にしないでもらえませんか?」
システィーナは本気だった、レイは忘れていたのだ。
稽古だろうが本気でやらなければいけないことを昔のメンバーに鍛えられた時にゲームだからって本気でやらないのはつまらない。本気でなんでもやってみないと楽しさや苦しさ全てに意味があると教わった。
投げらりでゲームや仕事してたって成果はでない。本気でやれば相手にも伝わるし、やらなければ所詮この程度と馬鹿にされる。ゲームは程々にって言う奴ほどつまらない人間何しても中途半端何かにのめり込んだことさえない寂しい人間。レイは教えられたことを思い出し自分が忘れていたことに腹が立った。
「すまない。システィーナ俺が悪かった。今から本気で相手しよう。」
そう言いながら俺は武装を変更した。
・・・・・・
武装を「冒険者服」から「白騎士」に変更しました。
・・・・・・
周りのお祭り騒ぎのエルフが静まり返ったのだ、それもそう俺が武装変更した瞬間眩い光に包まれ光が無くなった途端そこには白い武装を身に纏った騎士が現れたのだから。
客席のエルフ達はレイを見つめて何も発しなかった。
システィーナもレイを見つめていたがはっとした表情をして体制を整えた。
「やっと本気モードになってくれましたね。」
システィーナはそう言いながら攻撃体制に入ったので、俺は剣を前に構え殺気のオーラをシスティーナに放った途端にシスティーナはまた後方に飛び少し恐怖を覚えた顔して止まった。
このスキルは相手が同等の力なら防ぐことができるがそれ以下なら恐怖で倒れるか失禁してしまう。
システィーナは何かを感じ取っていたらしくレイのオーラの範囲外に野生の感があるのか分からないがヤバいと思ったのだろう。
スキル 「威嚇」 「殺気」
「おーい、システィーナなにやってんだよ。後ろに飛んだら攻撃できないじゃんかよー。」
「システィーナどうしたの?動かないと試合じゃないよ。」
客席のエルフはこの状況が分からないからシスティーナに対して野次を飛ばしていた。
それもそうだが、システィーナは後方に飛んだのは正解だった。
前の位置に入れば瞬間で切られていただろう。
周りのエルフにはこの殺気のオーラは感じ取れない、それは俺のスキルで敵だけに向けられるスキルだから周りには影響しない。
だから周りのエルフには状況がわからないので、動かないシスティーナに野次を飛ばしている。
レイは周りを見てからシスティーナを見た。
「システィーナ、動かないならこちらから攻撃するよ?」
そう言いながら一瞬でシスティーナの前に来た。
会場の周りのエルフは声が出なかった、無論システィーナも。
何が起こったか理解する時間がない程速い動きで間合いを詰めたレイ客。
客席のエルフは開いた口が塞がらない状態、移動したレイの元居た位置からは砂煙だけが残っていた。
システィーナは後方に飛び出したので追いかけ、空中で並びシスティーナに当たる様に殺気を当て着地した地点で向かい合いレイはシスティーナを見た。
システィーナは涙目になりながら、距離をまた取って逃げようとしていたが肩で息をして弓を地に着けて立っているいや、そうしないと立っていられなかった。
レイの殺気と威圧はシスティーナでも苦しいはず、集中しないと意識までもがなくなる位の本気の殺気をかましたレイ。
会場のエルフは静かだった、この格闘場に二人しかいないんじゃないかと思うほどだった。
システィーナの異変に気づいた客席にいたエルフ達、レイはオーラを消した途端システィーナ膝を着いた。息を肩で呼吸し体力を消耗しきっていた様子だった。
勝負は終わりでいいかな、と思い俺は終わりを告げようとした。
「まだ、、、です。まだ、続けます。」
「システィーナ、無理は良くない。これ以上はシスティーナの体が危ないよ。」
システィーナは後悔したくないのだと思った。
どうしようかレイは悩んだ、悩んだ末隠しても仕方ないと思いシスティーナにレイの力を見せることにした。
だけど周りには分かられたくないので結界を張り見せないようにすればバレないと考え、スキル魔法で結界を張った。
「視界阻害防壁」
システィーナと俺の周りは外からはは見えない壁が出来た。
二人以外絶対に結界の中に入ることはできない。逆に回りはレイ達からは丸見えだった。
呼吸を整えていたシスティーナに回復魔法を唱え回復させた。
それからシスティーナはレイを透き通るような目でレイを見つめ真剣な眼差しをしていたので準備できたとレイは思い詠唱を唱えた。
「我が命ずる、アマテラスの神に授かりし八本の剣よ、我の元に現れよ」
「八斬神贄。」
俺の周りには光輝く八本の剣が現れた。
システィーナは固まっていて、ラグったのかと思ったが少し経ってから
何かを考え、レイに質問をしてきた。
「まさか、レイさんはあの白騎士のレイですか?」
俺は、えー何故直ぐわかっちゃうの?何なの皆頭良くない?神なの?と思ってしまった。
システィーナが事情を聞きたがったので、最初から今までのことを話した。
「私が敵う訳ありませんね。あの殺気だけで何回か殺られてましたよ、立ってるだけで精一杯で、」
システィーナがそう話し出来たので何故か頭を撫でた。
すまんと言いながら、いややましい事ないからね。勘違いしないでね。
誰に言ってるか分からんが一応言っとこう。
「もしよければ、素顔見せてもらえませんか?」
そう言われ、確かに誰にもみせたことないなと思いながら兜に手を掛け外したらシスティーナはキラキラした目をしながら頬が赤くなっていた。
「納得がいきますねその力。それにカッコいい・・・」♡ ♡
後半声が小さくて聞き取れなかったので聞き直したらハブらかされてしまったが、深く考えないで置こうと思い気にしないようにした。
その後は、壁を解除し会場が現れ周りのエルフも皆何が起きたかわからなかった。
「私の負けです。」
システィーナが会場のエルフに言った。
少し沈黙があったがまたオー、と言う感じで騒ぎの始め闘いが終わったのだったが何故か終った後はシスティーナがやけに近い距離で歩いてきたり、料理を振るってくれた。
何が起きたか俺は分からないが、それがエルフのしきたりか何かかと思ったのだったがリメントはあまり良い顔をしなかった。
リメントに話しかけても素っ気なく返事を返され、ツンツンしていて、機嫌が悪いようだったので俺は、女のコの日なのかなと思い女性は大変なんだなと実感したした。
・・・・・・・・・・・・・・・・
【この男は全く鈍感な人だな。】
【まったく、誰か見ても二人は好いているじゃんかよ。】
【気づきなよ。 】
【えっ?お前誰って?覗き見してんなって言いたいのかな?】
【これは失敬。】
【だけどまだ秘密だよ。正体明かしたら面白くないもんねー。】
【時間だからじゃぁまたね。】
・・・・・・・・・・・・・・・
レイはシスティーナの家に泊まることになり、リメントは何か言いながらどっかに行ってしまったあとにシスティーナに疲れたを癒やす為にお風呂用意されたので頂いた。
やはり顔は見せれないので兜は取らないでいたら、システィーナは残念そうな顔していた。
俺はこちらの世界来て疲れが出たのかソファーで眠りに着いてしまった。
システィーナはそれを見てそっと風邪を引かないように羽織る物をかけた。
「私だけの秘密、、おやすみなさい、レイさん。」
そう言いながら、ランプの火を消した。
俺は深い眠りに着いていた。
夢をみた、仲間が手を振りながら俺を呼んでいる、、
俺は走った、、走ったが何故か辿りつかない。
遂に仲間が遠くに行き、周りは暗闇になり一人になってしまった。
「一人・・・しないで。お願い。。。」
「大丈夫。一人にしませんよ、安心して眠ってください。」
夢の中で誰かが手を差し伸べてきた。
とても暖かく、安心出來また深い眠りに着いた。
エルフ村に着いて闘いがあったりするレイにはまた面倒くさい事に立ち向かわなければならないなら事態になることはまだ知らない。
読んでいただきありがとうございます。
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