第十話 帝国のお墨付き称号
「おい、レイブン。あいつら殺されたらしいな。」
「まぁ、仕方ありませんね、所詮中級魔人。」
「私が出ようか?」
「まだそこまで、切羽詰まってませんよ。アリエ」
「どんな奴が倒したか気になるじゃんかぁ」
「確か、冒険者の金等級・・・名前は、レイ」
「レイかぁ、フフフ。所詮この世界の人間、私がやってやるよ」
「アリエなら瞬殺でしょうね、だがこちらの計画も、もう少しなので暫し待機で」
「しゃぁないな。・・・・・待っていろよレイ」
・・・・・・・・・・・・・・・
その頃、レイ達は帝国の王様に呼び出され出向いてる途中だった。
「何故、呼び出し・・・・・めんどい」
「そぅ、言わずにレイさん」
「旦那様が呼ばれて当然じゃ、帝国を救ったのじゃからな」
レイはのんびり冒険者をやりたかったのに、次から次へと面倒なことが転がってくる自分にうんざりしていた。
街の人からも{あんたスゲーなぁ}とか、冷やかしなんだかよくわからないが、有名になってしまったことに後悔しかなかった。
「俺の平和どこいった・・・・・・」
「ご主人様、悩みごと?」
シルキーはレイの肩あたりに現れて首を傾げながら質問してきたので、なんでもないよ。とシルキーに答えながら帝国の城へと足を運んでいた。
門まで着いたら門番に招待状を見せたらすぐ通してくれて、大臣が迎えに来た。
「これはこれは、よくお越しくださいました。レイ殿」
「建前はいいから要件を」
「では、王様がお待ちしてますので、こちらに・・」
大臣の後ろを付いていき王様が居る玉座に通され初めてこの帝国の王様を見た。
レイは玉座にて立ったまま王様を見上げていた。
「これ頭が高い。頭を下げぬか」
「よい、メルキオ大臣」
「ははぁ」
「よく来てくれた、冒険者レイ」
「王様は、俺に何用ですか?」
大臣はレイの敬意を表さない言葉に怒り怒鳴ったが王様に止められた。
「ふむ、この度の将軍の企みと魔人の討伐に対して労いをと思ってな。」
レイは多分王が言ってるのは建前で他に裏があると直感で感じた。
「そうですか、、で用件は?」
「流石は冒険者、等に分かってるとは。」
やはりと思いまた災難が振りかかったら嫌だなと思いつつ話を聞くことにした。
「それで、本題は」
「ふむ、この所魔人達が活発になり何やら企んでるらしい。そこでお主らに依頼として、調査してもらいたい。」
「はぁ、、調査とは?エルシスタ王国?」
「そうだ。話が早くて良い。国に行き動向を探って欲しい。」
.......…....
王様の話を要約するに、エルシスタ王国に潜入し魔人との繋がり又企みを暴き、悪行を未然に防いで両国の信頼を取り戻して欲しいとのことだった。
何故俺がと思い肩を降ろしうなだれ、聞かなきゃ良かったと思ってしまうレイ。
「分かりましたが、一つ条件を、」
「うむ、その条件とは?」
レイは別に何かして欲しいとかではなく、のどかな生活をしたいが家がない。そこで頼んで見ることにした。
「王様、俺は住む家が欲しい、街中にじゃなく何処かの村で良いからのんびり暮らしたい。」
「良かろう。約束は守ろう、それと正式にレイ殿に零騎士を授ける」
「零騎士?」
「ふむ、零騎士は帝国この王が認めた騎士だけしか貰えない称号」
「俺は、帝国の操りにはならない」
「大丈夫だ、レイ殿は冒険者。特例でレイ殿に称号を与える。何かあったら王が後ろ盾をする、権限は王の次に発言がある。よかろう?」
レイは何故そこまでするか分からない為にまた、裏がありそうで悩んでいた。
「なぁ、王ょ、人払いをするのじゃ」
リュースが発言し王様はそれを受け入れ周りの兵士や大臣が玉座から居なくなった。
「これで話しやすいじゃろ?王」
「流石は赤龍のリュース様、お目にかかれて光栄です」
「よい、妾はただの付添じゃ」
「では、レイ殿。人払いはすませました。貴方が赤龍を従え精霊を宿し尚有り余る力、ギルドマスターのリアが話さないといい、レイ殿の正体は何なのですかな」
流石は王様、推測や迅速な行動に統率力なだけあって隠しきれない、多分もう速に分かってるのだとレイは思い、、王様に話した。
.............
「ほう、そうでしたか。レイ殿が。」
王様は話を聞いたが驚く事は無く、やはりかと言った感じの顔をしていた。
「レイ殿にはやはり称号を与えるとしよう。これを首から提げなさい」
王様がネックレスを渡してきた。それには帝国の紋章に剣を揃えた様なものだった。
「では、有り難く貰っておく」
「レイさんが零騎士、流石です」
「王よ、旦那様に何かしでかすなら妾は許さぬぞ」
「存じております。そのようなことは無いと誓いますよ」
何やかんやでレイは零騎士になり依頼を受け旅立つ準備に取り掛かった。
一応ギルマスのリアに報告と見舞いに行くことにした。
「すまんがリアは居るかい?」
「え? はいレイさん少々お待ちください。」
このギルドに来るといつも周りの目が痛い気がするとレイは思いながら受付の人を待つ為に椅子に腰かけた。
「ここ皆、主を見てるね。」
シルキーは笑いながらレイに話掛けた。
「俺もよくわからん、あまり気にしないほうがいい」
「あはは、主は鈍感www」
システィーナ、リュースと同じくシルキーまでもがレイを鈍感と言い放ったがレイ自体は何のことだか分からなく首を傾げたら、女性三人はため息をついてしまった。
少し立ちリアに会って状況を話したら驚いていた。レイはまぁ王様の依頼だから仕方ない。リアも驚いて当然と思った。
「レイ様、リアは依頼のほうじゃなくて零騎士に驚いているのですよ?」
「・・・・・・え?」
「はぁ、ともかくおめでとうございます。レイ様」
「こちらでも王様からレイ様に依頼が来てますので受理しときますね。」
「アルは大丈夫か?リア」
「はい、命は大丈夫です、、、、ただかなりの傷なので治るまでは時間がかかりますね」
「そうか、見舞いに行こうと思ったがよしとくか」
「そうですね、」
「では、俺らは行くとしよう」
リアに挨拶しエルシスタ王国に向かった。




