第四話 妖精の国へ
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「この帝国兵と冒険者を戦わせるだと」
「そうです、三人対三人の模擬戦で、、」
「ふざけてるのか、冒険者の分際で」
「将軍様がそう言うなら一度この案に賛同ください」
リアはレイの言った事を将軍に提案していたが、将軍は冒険者など駒に過ぎないと話が進展せず苦労していた。
だが、リアも引かずに将軍に提案をのみ冒険者がどれだけ強いのかを見てもらいたい、間違いを正したいと思う気持ちで説得をした。
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その頃レイ達は妖精の国に向かう途中で、兵士達に見つからないように行動していた。
「もう少しでルキアの領地じゃ」
レイ達はエベレン山脈を通り妖精の国に向おうとしていた。
エベレン山脈は龍の地なので帝国が関与できない、もし侵せば龍族との戦争になり兼ねない。
「ここは寒いですね」
「本当に」
「私は大丈夫だよ」
シルキーは元気いっぱいだった。
妖精は温度変化は気にならないらしいから羨ましいと思う三人、、領地に入り少しするとルキアが現れた。
「いやあ、少しぶりだね、レイ」
「あぁ、すまないがここを通らせてくれ」
「構わないよ、気配を感じたから見に来たんだ」
ルキアに事情を説明した。
「そうか、人族は愚かなことを」
「レイ、何かあったら呼んでよ、すぐに駆けつけるから」
「だがどうやって呼ぶんだ」
「こないだ付けたその紋章に触れて呼べば出来るよ」
レイは腕の紋章を鎧の上から触ったら紋章が光りだした。
「そう、それで僕が呼べるよ」
少し話をして、シルキーとルキアは互いに挨拶をしてそれからレイ達はエベレン山脈を越えて妖精の国に進んだ。
山脈は歩くのが辛い。
たまに休憩をとりながら先に進んだ四人は異変を感じた。
「何かいる」
レイの探知に何かが引っかかった。
よく見ると帝国兵士が山脈にいた。
「嘘だろ、アイツらは馬鹿か」
「そうですね、侵してしまいましたね」
「だから人族は愚かじゃ」
四人は隠れて帝国兵士を観察していた。
ルキアも多分把握しているだろうとレイは思い、何かあればルキアが対応してくれると願い道を進んだ。
「おい、お前ら」
「ちっ」
レイ達は帝国兵士にバレてしまった。
「厄介だな、逃げるぞ」
レイはそう言い走り出した。
「逃げたぞ」
「アイツらが妖精を隠してるはずだ、追え」
レイは走り山を越えてふもとまで降りてきた。
帝国兵士達はレイ達の足に追い付けず見失っていた。
「ここまでくれば大丈夫だろ」
「一様、警戒しましょう」
レイ達は洞穴で休息を取った。
「遂に見つかってしまいましたね」
「まさか見つかるとは」
「けど、これで旅はきつくなるな」
「妾が何とかしようかや、旦那様」
「できるのか?」
「妾は姿は人だが元の姿に戻れば大丈夫じゃ」
確かにリュースが元に戻ったら飛べて楽になるが、バレてしまうとレイは懸念した。
「もう隠れる必要ないのじゃ」
「妾たちは何も悪いことしてないのじゃ」
「確かに、こそこそする必要はないな」
レイはリュースの意見に同意し、システィーナも無論同意だった。
「じゃ、頼めるか、リュース」
「了解なのじゃ」
リュースが外に出て何かを唱えた。
「龍の血よ、己の力を解き放て 妾が命じ妾の姿を戻したまえ」
するとレイ達の前に赤く硬い鱗、翼があり正しくドラゴンと言った姿にリュースはなった。
「旦那様よ、妾の姿どうじゃ」
「あぁ、凄くカッコイイ」
「嬉しいのじゃ」
レイ達はリュースの背中に乗り妖精の国に飛び立った。
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「将軍様、エベレン山脈にて不審な者が逃げたと報告がありました。」
「何、妖精はいたか」
「そこまでは見てないとの事ですが山脈の向こうは妖精の国なので間違いないかと」
「捕まえろ、何としてでも」
「了解しました。」
「小癪な小童め、必ず捕まえてやるからな」
「おい、オズいるんだろ」
将軍が呼びかけたら姿を現した。
「何用で、妖精の奴を匿ってるの奴らを殺れ」
「御意、でわあの力を使わせてもらいます。」
将軍にそう言い謎のマントを被った人は姿を消した。
..........
「高い、アハハ。高ーい」
妖精のシルキーは楽しそうにリュースの背中で景色を見ていた。
レイは冷静に座り何かを考えてる様子だった為にシスティーナは気にしてたまにちらっとレイを見ていたが、レイは実は飛行機などが苦手、下を見る事は絶対にしない。
(やばいな、高いよこれ、東京タワーとかなら足が着いてるから大丈夫なんだけど)
レイはそんな事を考えていた。
「もうすぐじゃ」
リュースがそう言った、流石に速いなと思うレイ。
「降りるのじゃ」
リュースは地面に近づく程ゆっくり飛行して着地した。
「着いたか」
「ここが妖精の国、、」
「リュースあり、、、」
レイはリュースに礼を言おうと見たら姿は元に戻っていた。
「なんじゃ、旦那様」
「おほん、、ありがとう」
「なんじゃ、なんじゃ旦那様、妾に感謝など・・・妾はいつでも・・・」
リュースは笑顔でレイに抱きついてきたのでいつも通り回避し妖精の国に進み森の中を歩いた。
「静かだな」
「確かに、気配もないですね。」
「皆ー、戻ってきたよ。」
シルキーは森に声をかけながら飛んでいった。
「旦那様」
「わかってる」
最悪な状態だと二人は把握した。
そう、森には静けさだけがあり、妖精も微精霊の気配も感じなかった。
シルキーは何度も呼んだが誰からも返事が無かった。
「皆、、どこ」
「シルキー。」
「皆、帰ってきたよ」
「シルキー、、、」
「嫌だ、、嫌だよ」
「シルキー、皆は、、もう」
「違う」
シルキーはまた森を駆け回り叫んでいた。
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