第二十話 領地奪還? 呪い解除?
ザキエルが姿を消し領地に蔓延る魔族は居なくなった。
三人はどうしたら良いか分からず顔を見合わせた。
「終わったのか」
「どうでしょう」
「分からんのじゃ」
エベレン山脈は魔族の邪気は無くなり静けさだけになった。
三人の前に雪が振り始め、吹雪になった。
「皆、無事?」
吹雪がやんだ途端ギアスが現れた。
「魔族は再生するから危ないから一旦撤退しよう。」
ギアスは慌てた様子でレイ達三人に話しかけたが三人は座って聞いていた。
「皆、呑気に休憩してる場合じゃないんだよ。」
「ギアスよ、魔族は帰ったのじゃ」
ギアスはえっ?て顔しながら辺りを見渡したが魔族は居なかった。
混乱したギアスを落ち着かせてから詳細を説明した。
「そっか、ザキエルって言うんだあの魔族」
「確かに強い、何かを報告しに撤退していったよ」
ギアスは正直信じられない顔しながら話を聞いていたのでシスティーナとリュースはレイが追い払ったとギアスに説明し始める。
いや、二人共また話がおかしいから、と思いながらギアスを見た。
「信じがたいが君がやったと信じるよ、ありがとう。」
ギアスは頭をレイに下げ感謝した。
「巫女の聖杯を」
レイはギアスに巫女の聖杯を聞いたら、ギアスの館にあると聞き三人はギアスの後ろを付いて歩いていった。
「ここだよ。」
ギアスに案内された場所は大きな扉が一つ、ギアスが扉を開けると部屋の真ん中に聖杯はあった。
「魔族は巫女の聖杯を奪わなかったのか」
レイはギアスに言ったがギアスも何が目的かは分からなかった。
「さあ、巫女の聖杯を君にやるよ」
レイは巫女の聖杯に近づき触れた。
すると、光を放ちレイを包み込んだ。
レイの侵食された場所がみるみるうちに消えていった。
そして光が消え、レイの体の呪いが消え巫女の聖杯は光を失った。
「戻ったのか」
システィーナとリュースはレイに近づき喜んだ。
レイは巫女の聖杯を見たが最初見た時より光がなくなっていたのでギアスに聞いた。
「巫女の聖杯は1度使うと力がなくなって溜まるまで時間が掛かるんだよ」
「そうか、ありがとう」
レイはギアスにお礼をし、ギアスはニコニコと喜んでくれた。
「ところで、君は何者なんだい?」
レイは首を傾げた、がまだギアスには言ってなかったことを思い出したのだ。
「俺は、、七星剣のメンバー、白蓮の騎士レイだ。」
「そうだったのか、どうりで違うオーラをしてるんだね。」
「旦那様、凄いのじゃ」
リュースは自分の事の様にレイの事をギアスに話してた。
「赤龍リュースが惚れる訳か」
ギアスは納得がいったらしく改めてレイと握手した。
システィーナはレイの後ろで小さな声で
「私だって」
やはり気づかない鈍感なレイである為に想いを寄せる人がいるのに可愛そうになる。
「君は力を取り戻せたんだよね。」
「あぁ、ありがとう」
「じゃ少し相手になってよ、世の伝説とやらと戦ってみたいな」
ギアスはどれだけ強いのか確かめたくなってしまった為にレイに対戦を申し込んだ。
「別に今すぐじゃなくてもいいよ、君が戦いたい時に来てよ」
レイはホッとした、今すぐでは多分戦いにならないくらいレイは弱っている為約束をした。
「ありがとう、楽しみにまってる。」
三人はギアスと別れエベレン山脈を後にし、心配してるだろう、リアの元に報告しに戻ることにした。
「システィーナ、リュースここからだとグレッドまで遠いからテレポートを使う」
「レイさんはテレポートを使えるですか、凄いです。」
「妾でも難しい魔法なのに、旦那様は流石じゃ」
二人はレイのテレポートで一瞬でグレッドまで戻ってきた。
「なんか、懐かしい気分だ」
「そうですか?まだそんなに経っていないので私は思いませんね。」
「妾はお腹が減ったのじゃ」
リュースは安定の催促。
グレッドの中に進みギルドを目指した。
ギルドによる途中で露店で食べ物をリュースとシスティーナに与えたら、二人は美味しそうに食べてくれた。
ギルドに着き扉を開けた。 ギーッ
受付まで歩き女性に話しかけた。
「すいませんが、ギルドマスターのリアさんに会いたいのですが」
「えーとギルマスに会うにはアポ取ってますか?」
やはり何処でも予約は必要なのかなとレイは思った。
「レイさん等級プレートを見せれば話が早いですよ」
システィーナに言われ、前にもこんなことがあったと思い出した。
「すまない、アポはしてないが等級プレートだ」
「拝見しますね、、、金等級、、、少々お待ち下さい。」
前居た受付女性とは違っていた。
女性は裏に行ったら違う女性が現れた。
「おかえりなさい。レイさん、今ギルマスをお呼びしますね。」
ギルド内では金等級と聞き何かブツブツと言っていたが気にしないでいた。
「お待たせしまし、、」
ドンッ
「レイ様ー。」 ギュー
受付の女性を飛ばしギルマスはレイに抱きついてきた。
「リア、話があるから来たんだが離してくれないか?」
「わかってます。二人っきりで話しましょ。」
「いや、この二人にも同席してもらう」
ちっ 何か舌打ちが聞こえたが気にしないでリアの後ろを付いて行きギルマスの部屋に入った。
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