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「僕も知ってるよ」と。
え?と、やはり驚く男性をクスッと笑い、
「僕は聞いてて、店員と話す時は節度を持ってにしていこう、って思ったけどね。」
そう言うとハンドルを握り、車を出発させた。
そして、あくまで運転に集中して、後部席にいる、まだ気持ちポカーンとした者に話す。
「今日、君は、さほど酔ってないけど、大分のんでる席で、それを言ってたのを聞いてて、出てったアイツも確か、いたかな…?まぁ、アイツが、あんなふうになるのも僕は、ちょっと分かるんだ……今日は楽しかったな、連絡交換できたな、っていうコンパを何回か経験して、やっぱり僕たちは、また今日も合コンしたわけさ。
アイツは、そこから、進みたいんだよ。」
一人が、穏やかに車中で話すのを聞かせてもらい元々、気分がワルくはなかった者が、しばらくして、やはり穏やかに言った。
「今日の合コン、ただただ楽しかったんだ。でも、それ以上に連絡先、聞けたコと、また何か続けば…!、と俺はマジに思ってる…。」
僕もだよ、と運転席の男が笑った。
【おしまい】




