6 ここから始まる関係
本当は昨日投稿しようとしたのですが寝落ちしてしまいました(^_^;)
ヒロイン登場かな?
「いつまで抱きついてるんですかあなたは!」
そう言って僕からダンディーなおっさんを離してくれたのはさっきおっさんの隣に座っていた金髪の女性。
「まったく・・・レオンが困ってるでしょ?」
「そうは言うがなマリアよ・・・もう一人の妻の忘れ形見・・・私の愛しい息子にようやく会えたのだぞ。仕方ないだろ?」
「限度がありますよ!まったく・・・」
金髪の女性は申し訳なさそうな顔をしながらこちらを見た。
「ごめんなさいね。驚かせてしまって」
「いえ・・・」
「とりあえず自己紹介するわね。私はマスタール王国の王妃のマリア・マスタール。一応あなたの義母になるのかしら?それで、こっちのさっきあなたに抱きついたのがこの国の国王であなたの父親のレイス・マスタールよ・・・と言ってもいきなりだと複雑かしら?」
「え、ええ。正直僕が王子とか言われてもしっくりこなくて・・・」
「まあ、そうよね。あなたのお母様のリーゼもあなたと似たような反応だったしね。それにしても・・・本当にリーゼそっくりね」
金髪の女性・・・王妃様は僕の顔をまじまじと見たあとに懐かしそうに微笑んだ。
「リーゼは昔は私の侍女として仕えてくれていたのよ。幼馴染でもあって昔はレイスと3人でよく遊んだわね・・・」
そういうばユーリも昔、母さんは王妃さまに仕えていたって言ってたっけ。でも、幼馴染でもあったんだ。
「母上。思い出話もいいですが、私達の紹介もさせてくださいよ」
「そうですよ!私も早く新しい弟と話したいです!」
そんなことを考えていると、さっきまで黙っていた僕より少し年上に見える金髪の青年が苦笑いしながら王妃さまにやんわりと注意して、もう一人の僕より年上に見える茶髪の美少女も興奮ぎみにそう言った。
「あら、ごめんなさいね。レオン。こっち金髪の子がこの国の第2王子のロイン・マスタールよ」
「よろしくね。レオンて呼んでもいいかな?」
「あ、はい」
「ありがとう。僕のことは・・・『ロイン兄さん』と呼んで欲しいな」
「えっと・・・わかりました」
優しげなその声に僕は思わず頷いてしまう。
金髪の男性・・・ロイン兄さんは間近で見ると背丈が高く180㎝はありそうな背丈に金髪といかにも王子様然とした感じの雰囲気だ。
「それから・・・こっちの茶髪の子がこの国の第三王女のミラ・マスタールよ」
「こんにちはレオン!私のことは是非『ミラお姉ちゃん』て呼んで!」
「は、はい・・・」
次に紹介されたのはロイン兄さんの隣にいた茶髪の女性・・・ミラお姉ちゃんだ。
ミラお姉ちゃんは長いロングの茶髪をポニーテールとして纏めていていかにも元気な感じの健康的な美少女だ。
「それで、最後にこの子が・・・この国の第8王女のアリシア・マスタール・・・今年で8歳だからレオンの方がお兄さんかしら?・・・って、アリシア。なんで隠れているの?」
最後に紹介されたのは金髪の女の子・・・アリシアなのだが・・・アリシアは恥ずかしそうに王妃さまの足にしがみついていた。
「もう・・・恥ずかしがらないの。まったく・・・ごめんなさいね。この子人見知りが激しくて・・・」
「いえ・・・」
とはいえ、アリシアは僕に興味はあるのか王妃さまの足にしがみつきながらも時折こちらをチラチラと見ていた。
それを見て僕はゆっくりとアリシアに近づき・・・中程の距離で止まって目線をアリシアに合わせた。
「えっと・・・こんにちは。アリシアちゃん」
話しかけるとアリシアはびくりと怯えたように震えてから静かに言葉を出した。
「こ・・・こんにちは・・・」
鈴の音のような綺麗な声でアリシアは静かに言葉を返してくれた。
それを見て僕はにっこりと微笑んだ。
「うん。こんにちは。きちんと挨拶できて偉いね」
「え・・・そ、そう・・・?」
アリシアはその言葉が嬉しかったのか少し照れくさそうに微笑んだ。
「うん。一応僕は君の兄にあたるらしいんだけど・・・君のお兄さんになってもいいかな?」
あくまで穏やかに僕はそう聞いた。
多分この子は見知らぬ僕に怯えている。
だから僕は・・・どこまでも穏やかに優しく話しかけなきゃダメだ。
やや間があってからアリシアは静かに僕の言葉に・・・頷いてくれた。
それを見て僕はにっこりと微笑んだ。
「ありがとう。よろしくねアリシアちゃん」
「う、うん・・・よろしく・・・レオンお兄様・・・」
恥ずかしそうにしながらもそう答えてくれたアリシアに僕は満足して頷いてからさて続きを・・・と思って視線を向けると他の皆さんがなぜか唖然とした表情を浮かべていた。
「あ、あの・・・どうかしましたか?」
「い、いえ・・・ごめんなさいね。驚いてしまったのよ。まさかアリシアが初対面の人間と話をするとは思わなくて・・・」
戸惑いなから聞いてみると皆を代表して王妃様がそう答えてくれた。
そこに驚いてたの?
「えっと・・・そんなに驚くことなんですか?」
「あ、ああ・・・アリシアは普段は初対面の人間だと一言も話はしないんだ。家族でも恥ずかしそうにしていてあまり話さないから驚いてしまってさ・・・」
「そうそう!私もあんまりアリシアとお話しできないのに・・・レオン凄いね!!」
僕の疑問に驚いた表情で答えてくれたロイン兄さんとそれに同意し大きく頷いているミラお姉ちゃん。
そんなにか・・・
まあ、それはともかく・・・
俺は唖然とした表情で固まっている王様に顔を向けた。
「えっと・・・それで王様・・・」
「・・・・・・・・」
「あの・・・・」
「・・・・・素晴らしい」
「はい?」
王様はぽつりとそう呟いたと思ったら、王妃様の方をみて慌てたように言葉を発した。
「ま、マリアマリア!どうしよう・・・息子と娘が天使過ぎるんだが・・・!」
「落ち着きなさいあなた・・・」
「だ、だってさ・・・さっきのレオンとアリシアの様子見た?幼い頃の君とリーゼが甦ったような美しいあの素晴らしい光景・・・ああ、二人とも天使だ!」
「まったく・・・子供達の前ではしたないですよ?それにレオンが何か聞きたそうにしていたでしょ?」
「そ、そうだったのか!レオンすまないな。それで?」
ボルテージが最高潮まで上がっていた王様は王妃様に宥められてどうにかこちらに向いてくれたけど・・・なんていうか強烈だな・・・
と、それはさておき・・・
「えっと・・・僕は本当に王様の子供・・・なんですか?」
「ああ。そうだよ。あと出来れば『お父様』と呼んではくれないか?なんなら『パパ』でも『おとん』でも『お父上』でも構わないから!」
「えっと・・・その前に聞きたいことがあるんですが・・・お母様のことは知ってますか?」
その僕の質問に興奮状態だった王様は僅かに悲しげな表情を浮かべてから頷いた。
「ああ。ユーリより先程お前の到着前に聞いたよ」
その言葉に隣の王妃様も沈んだような表情を浮かべていた。
「そうですか・・・では一つだけ聞いてもいいですか?」
「なんだ?」
僕は王様の瞳を真っ直ぐに見つめて聞いた。
「お母様のことを・・・愛していましたか?」
「当たり前だ。」
僕のその質問に王様は即答した。
「私だけではない。マリアも彼女を愛していた・・・」
「そうですか・・・」
王様と王妃様の瞳には悲しみの色が強く浮かんでいた。
その言葉に偽りはなさそうだと思い僕は・・・
「わかりました。ありがとう・・・お父様」
微笑んで父親にそう言った。
「レオン・・・・」
嬉しそうに頬笑むお父様。
そんなお父様の横から王妃様が口をひらく。
「レオン。私のことも母と呼んでくれないかしら?私もあなたと・・・家族になりたいの」
頬笑みながらそう言ってくれた王妃様に僕は少し考えてから答えた。
「・・・わかりました。よろしくお願いします。母上」
「ふふ・・・ありがとうレオン」
嬉しそうに頬笑む母上。
少し悩んだけど・・・僕にとって『お母様』はただ一人だから『母上』と呼んだ。
こうして僕に・・・この日、父親と新しい家族が出来た。
さあ、皆さんは誰がヒロインか分かりましたか?
選択肢
①ミラお姉ちゃん
②アリシア
③母上
④ロイン兄さん
⑤お父様
⑥それ以外
答えは・・・そのうち分かるかな?