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平和な王子生活始めました  作者: サウス・ジュン
23/31

20 見えないけど確かなもの

本日5話目です。


ある意味ユーリさん回かな?



朝の恒例行事を終えたその後で、いつもなら授業があるはずの時間に・・・僕は何故か別室で軟禁されていた。


いや、マジでよくわからないけど・・・いつものように朝食を食べてからさて授業を・・・と思ったらいきなり表れたお父様に拉致られて、そのまま自室ではなく、使われてない客間に放り込まれた。


隣には一応今回はユーリがいるのでまだいいけど・・・お父様は「絶対に指示をするまでここから出るな」と凄い勢いで言ってから出ていったので、仕方なく大人しくユーリとお茶をしている。


「ユーリは仕事は大丈夫?」


僕と一緒にいてくれるユーリに心配になって一応そう聞いてみた。

いつまで軟禁されてるかわからないから最悪ユーリだけでも出るときは出たほうがいいかなという思いでの言葉に、しかしユーリはきっぱりと言った。


「大丈夫です。私の最優先はレオン様ですので。それに私の部下も優秀なのでもしもの時は対応してくれますよ」


「そう?ならいいけど・・・」


正直、騎士団の仕事というのがいまいちわからないので僕はそのユーリの言葉を信じるしかないだろう。

というか、ユーリは何か用事がある時以外はつねに僕の側にいるから少しだけ心配だったというのもある。


とはいえ、ユーリのことだからそれを言ったら「レオン様にご心配をお掛けするとは・・・!」とかいいながら土下座しそうで怖いので今まであまりそのことには触れずにいたが・・・大丈夫というなら本人を信じるしかないだろう。

ただ・・・


「とはいえ、ユーリも無理はしないでね?僕のことをいつも守ってくれるのには感謝してるけど・・・それでユーリが体調崩したりしたらと思うと心配だし、何よりユーリは僕にとって大切な存在なんだからね」


「れ、レオン・・・!」


その言葉にユーリは顔を真っ赤にして・・・でも嬉しそうにしていた。


「そこまで私のことを・・・」


「当たり前でしょ?僕にはユーリが必要なんだからね。ユーリが嫌になるまでは側にいて欲しいーーー」


「私から離れることは絶対にありません!」


僕の言葉を遮るようにそう叫ぶユーリ。

思わずなのか、その後にはっとして「すみません・・・ですが・・・」と真剣な表情で言い直した。


「私はレオン様のお側につねにいます。レオン様が私を不要と言うまで・・・」


「それこそないよ。絶対に」


僕がユーリを不要と言うことなど絶対にないだろう。

それは断言できる。

だから・・・


「ユーリはずっと僕の側にいてね?約束だよ?」


「レオン様・・・はい!勿論です!この身が潰えるまでレオン様のお側におります・・・」


「うん。よろしくね」


「はい・・・・!」


顔を真っ赤にしながら何度も頷いているユーリ。

そんなに真剣に言ってくれるなんて、本当にユーリはいい人だよね。


でも、今の言葉が本当なら・・・嬉しいよね。


少しだけやっぱりどこかで・・・ユーリは母さんからお願いされたから嫌々やってるのでは?と思っていたから、そんな風に言ってくれるなら本気で嬉しい。


多分、ユーリは僕のなかではもう、家族と同じくらいに大切な存在なんだと思う。

常に側で守ってくれる人・・・何か僕も返せたらいいけど何かあるかな?

今度真剣に考えてみよう。


そんな風に思っていると何やら表が騒がしくなってきた。

ユーリが表情を少しだけ険しくして僕を守るように扉を睨み付けて構える。

何か来るのかな?


そう思っていると、大きな音とともにお父様と・・・大柄な初老の男性が入ってきた。

いかにも熟練の騎士というような風格に、筋肉がほどよくついた男としてはまさに理想的な体格の人物。


「父上、お待ちください!」


そう言ってその男性を止めるお父様だが、その男性は聞いてないように当たり前のように辺りを見回して・・・僕に視線がいくと嬉しそうににかっと笑った。


「おう!お前がレオンか?」


笑顔もなんだか格好いい人だなと思いつつ、その人物をなんとなく予測しながら僕は頷いた。


「そうですが・・・あなたは?」


そう僕が聞くと、男性はおや?という表情をしてさっきから止めるお父様をようやく見て聞いた。


「おいレイス。お前はレオンに話してないのか?」


「ですからお待ちくださいと言ってたんですよ父上・・・」


「そうか・・・まあ、いいだろう!」


ガハハと豪快に笑う男性を呆れたように見つめる父上。

やっぱりこの人・・・

そう思っていると、男性が僕の方に近づいてきた。


ユーリが警戒しながらそれを見つめるなかで、僕は視線でユーリに大丈夫だと伝えると正面から男性を見た。

その一連の動きに男性は感心したように笑った。


「ほほう。いい主従だな・・・お互いに信頼してるのが分かる。それに・・・やっぱりリーゼにそっくりだな。見た目もそうだが・・・芯の強さもあいつに似ている」


そう言ってから男性はゆっくりとこちらに手を伸ばして・・・僕の頭に手を乗せるとそのまま撫でた。


「ワシの名前はゼスト・マスタール。お前の爺ちゃんだよ」



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