13 豪快な人だなと思った
本日2話目です
「はぁ・・・」
馬車の中で僕はため息をつく。
そんな僕を心配そうにユーリが声をかけた。
「大丈夫ですか?」
「あんまり大丈夫じゃないよ。いきなり婚約とか・・・」
結局、婚約の話は後日正式になり、一応僕とイリナが16才になってから正式に結婚するということになった。
ハッキリ言って訳がわからない。
いきなり婚約とか言われても実感わかないしね・・・
「まあ、仕方ありませんよ。とりあえず今日ご本人と会って改めて親睦を深めるしか・・・」
そう、僕が今馬車に乗ってるのはイリナの家に向かっているからだ。
本来なら向こうから出向くはずだが、僕に町の様子を見てもらうついでに僕から出向くことになった。
今回はロイン兄さんの婚約者さんにも会えるそうなので楽しみではあるけど・・・
「そういえば・・・ユーリは恋人とかいないの?」
「私ですか?生憎といませんね」
「そうなの?」
「ええ、騎士団の男はどうも私のような男勝りの女は嫌いなようで・・・」
「そうなんだ・・・ユーリ可愛いから意外だね」
「えっ!?」
何気なく言ったその後にユーリは何故か顔を赤くした。
「どうかしたの?」
「あ、あの・・・可愛いとは私のことですか?」
忙しなく視線を動かすユーリ。
どうしたんだろ?
「そうだけど・・・だって、ユーリって美人だしスラッとしてスタイルもいいからモテそうだなって思って・・・・って、どうしてそんなに真っ赤になってるの?」
ユーリの顔は見たことないくらいに真っ赤になっていた。
ユーリは震える声で「なんでもありません・・・」と言ってそれから黙ってしまった。
大丈夫かな?
「レオン様は狡いです・・・不意打ちは・・・」
「ん?何か言った?」
「いえ、なんでもないです」
何かを呟いた気もするけど・・・聞いても答えてくれそうにないし黙ってるか。
「レオン様。到着しましたよ」
そんな風に馬車で景色を見ながら過ごしているといつのまにかイリナの家に着いたらしい。
流石と言うべきなのか・・・イリナの家は公爵家と言うだけあって大きい。
門の前には兵士もいて、城にもいるとはいえやっぱり緊張してしまう。
中に入るとイリナの他にイリナによく似た・・・でもイリナがさらに成長して大人っぽくなった女性がいた。
この人がお姉さんかな?
そう考えているとその女性は笑顔でこちらに挨拶をした。
「お初にお目にかかります殿下。私はイリナの母のアリア・エンペラーと申します」
お母さんなの!?
「あ、えっと・・・初めまして。レオン・マスタールです。えっと・・・お姉さんではなくお母さんなんですね?」
驚いて思わず聞いてしまう。
だって、どう見てもお姉さんにしか見えないくらい若いし・・・母上といい、この世界の女性はなんでこんなに若くて美人なの?
すると、僕のその質問に女性・・・アリアさんは嬉しそうに微笑んだ。
「あらまあ・・・殿下はお世辞がお上手ですね。それに・・・話には聞いてましたが、本当にリーゼにそっくりですね」
「母をご存じで・・・って、そうか・・・」
「ええ、元々リーゼは我が家の侍女でしたからね。うふふ・・・それにしても本当に可愛いらしいお方ですね。確かにイリナが気に入るわけですね」
「お母様。私もレオン様に挨拶をしたいのですが」
僕とアリアさんが話しているとイリナが少し不機嫌そうにそう言った。
どうかしたのかな?
「あらあら、この子ったら」
面白そうに頬笑むアリアさんをスルーしてイリナはこちらに笑顔を向けてきた。
「レオン様。お久しぶりですわ。今回は婚約の話を受けてくれてありがとうございますわ」
「えっと・・・それはいいんだけど・・・本当に僕でいいの?」
「前も言いましたがレオン様がいいのですわ。とりあえず立ち話もあれなので中にどうぞ」
そう言うと歩き出すイリナ。
これは着いていけばいいのかな?
そのまま連れてかれたのは綺麗な庭が見えるお茶をするために作られているような部屋だった。
どこからか現れたリュミエルがお茶を入れてくれてそれからは和やかにお茶を・・・まあ、ユーリとリュミエルはお互いに牽制していたようだけど・・・それでも比較的穏やかに過ごせた。
イリナとアリアさんは流石親子と言うべきか凄く似たような動きでお茶を楽しんでいたし・・・まあ、やっぱりアリアさんの方が上品さは上だけど、それでも二人ともカップを持つ仕草なんかもそっくりで、時々イリナをからかうアリアさんを見ながらなんとなく僕は母さんを思い出してしまっていた。
「おや、レオン?」
そんな感じで和やかにお茶をしていたら見知った声が聞こえてきた。
振り替えるとそこにはロイン兄さんと・・・金髪のショートヘアーの女性がいた。
なんとなく雰囲気がイリナとアリアさんに似ているけどもしかして・・・
「ロイン兄さん来ていたの?」
「ああ、婚約者に会いにね。エリナ。この子がレオンだよ」
「この子なのね。あなたが可愛いって言ってたの。確かに可愛いわ・・・あ、ごめんなさいね。私はあなたのお兄さんの婚約者のエリナ・エンペラーよ。レオンって呼んでもいいかしら?」
気さくな感じで挨拶をしてくれたのはやっぱりロイン兄さんの婚約者さんらしい。
にしてもこんなに気さくなんて少し意外だな・・・でも優しいロイン兄さんとはお似合いなのかな?
「もちろんです。初めまして。レオン・マスタールです。よろしくお願いします」
「よろしくね。にしても・・・本当に可愛いわね。ロイン本当にこの子男の子なの?」
やっぱり皆それ言うよね・・・慣れたけど・・・
ロイン兄さんはその質問に苦笑した。
「気持ちはわかるけどね。そう言えばレオンもイリナと婚約するんだけっけ?」
「あら?そうなの?」
どうやらエリナさんは知らなかったようでイリナのほうを見て聞いた。
その質問にイリナは呆れたような表情をした。
「お姉様・・・昨日お話しましたわよね?」
「そうだっけ?まあ、いいじゃないの!とにかく可愛い義弟が出来て嬉しいわ~」
明るく笑うエリナさん。
何て言うか・・・凄い人だな。
そんな感じでこの日はロイン兄さんとエリナさんも交えてお茶会をして終わった。
あんまりイリナと話せなかったけど・・・大丈夫なのかな?
あれ?イリナの出番が・・・




