10 変化と思わぬ遭遇
本日3話目です
父親と再会してから一週間・・・僕は今、クッキーを作ってます。
何故って?
まあ、理由としてはたまたまアリシアに作ってあげたクッキーを見たミラお姉ちゃんとお父様にせがまれてしまい、ついでなのでロイン兄さんや母上・・・あとは最近お世話になってるユーリや第3騎士団の人にあげようと頑張っている。
この一週間で僕の生活は大きく変わった。
まず、午前中は王族としての勉強・・・まあ、歴史とか読み書きとかマナーとか礼儀とかダンスとかを学んでいる。
ただ、礼儀とかマナー・・・あと読み書きとかはどうやら僕はそこそこ上出来らしくて講師の先生に凄い褒められた。
母さんの動きを見て無意識に学んでいたようだ。
ダンスは慣れないので少し大変だけど、わりと楽しい。
そして午前中の勉強が終わると午後は自由時間が貰える。
まあ、本当は色々他にもやることあるみたいだけど・・・幸いにも僕はあまり表には出ない第7王子という立ち位置だし、王位継承権も低いので、最低限の礼儀作法が出来れば問題はないようだ。
午後の自由時間はなるべく城の中を見て回ったり、本を読んだり、母上やミラお姉ちゃんとお茶をしたりして過ごしている。
城の中は凄い広いのでいくら見て回っても終わりそうにない。
もちろん他の人の仕事の邪魔はしないように気を付けているけどね。
そうやって城を見て回っていると結構色んな人と知り合って仲良くなるわけで・・・特に仲良くなったのは厨房の料理人と侍女さん・・・あとは城の中の衛兵の人と、この国の宰相さんだ。
料理人の人は厨房をよく貸して貰うのでいつのまにか仲良くなった。
色んな料理の話がきけて凄い楽しいし、僕の持ってる知識が逆に向こうに刺激を与えて新しい料理を作ったりと結構いい関係だと思う。
こんな子供の話に耳を貸してくれるなんていい人達だなぁ・・・と思いつつ、王子だから気をつかわせていそうで申し訳なくも思っているが、まあ、大丈夫かな?
侍女さんは・・・まあ、昔の母さんの知り合いとかが結構いて、その人達や若い侍女さんとかと特に仲良くできている。
みんな僕を見て、「リーゼ様そっくり・・・」と言ってくれるので、やはり他人から見てもそうなのかと改めて思えた。
母さん事態がわりと人気ものだったみたいで結構その子供の僕にもみんな優しくしてくれた。
まあ、時々なんか妙に子供に向けるには熱い視線があるような気もするけど・・・気のせいだよね?
あ、衛兵さんは道に迷った時によく頼らせてもらってるんだけど、やっぱりみんな鍛えてるのか体つきがしっかりしていて、男としては少し憧れてしまう。
まあ、それをお父様に話したら「レオンは今のままで十分可愛いよ!」って抱きつかれてしまったけど・・・相変わらずのお父様ですよ。
あと、宰相さんに関しては・・・これはお父様関係でよく助けられている。
お父様は僕を見つけるたんびに仕事してても抱きついてくるんだけど・・・その時に剥がしてくれるのがこの宰相さんだ。
母上も結構その役目をやってくれるけど、この宰相さんはなんていうか・・・お父様と親友のような態度で接することがあって、とにかく扱いが上手い。
母さんとも知り合いらしくて、時々昔の母さんのことを話してくれるんだけど・・・なんていうか、態度から昔もしかして母さんのことを好きだったのかな?って感じるときがある。
まあ、母さん美人だったし仕方ないかな?
とまあ、以外にも城での人間関係は悪くないので居心地はいいのだ。
ただ・・・アリシアとミラお姉ちゃんがいつの間にか僕の寝室に忍び込んでくるのだけはなんとかして欲しい。
初日に一緒に寝てから時々二人が僕のベッドにいつの間にか入ってきていて一緒に寝ていることが多々あるのだ。
アリシアは・・・まあ、僕になついてくれているのだろうけど・・・なんて言うか寝起きに目の前にとびきりの美少女がいるのは心臓に悪い。
ミラお姉ちゃんも弟の僕のことを可愛がってくれているのはわかるけど・・・年頃の女の子としてはどうかと思う。
ミラお姉ちゃんは普段は明るくて元気なイメージなんだけど、寝顔はとてもあどけなくて・・・そのギャップが年上なのに可愛く感じてしまう。
まあ、僕がどうこう言っても直らないだろうし飽きるまで付き合うしかないのかな。
あ、実は母上とも一度一緒に寝たことがあるんだ。
なんて言うか・・・母上は普段はあまり僕に積極的には接しては来ないけど、時々人がいないと凄く可愛がってくれて・・・昔の母さんを思い出すくらいの母性を感じて、現状僕が一番甘えられるのはこの人だと思う。
ちなみに後日このことを知ったお父様に強制的に一緒に寝かせられそうになったけど・・・ユーリになんとか助けてもらえた。
そのユーリとはあれからずっと一緒にいる。
まあ、時々仕事で離れるけど・・・基本的には僕の護衛は彼女の仕事らしい。
なんだかんだで僕が一番心を許しているのはユーリかもしれない。
ロイン兄さんは・・・時々しか会えないけど、優しくしてくれるので好きだ。
今度僕にロイン兄さんの婚約者さんと会わせてくれるらしい。
凄く楽しみだ。
そんな訳でわりと充実してはいるのだけど・・・僕には気がかりもある。
僕の住んでいた村のことだ。
日帰りだと思っていたので村の人には何も言ってなかったのだ。
一応、ミーシャには手紙を出したけど・・・不安ではある。
本当は一度帰りたいと思ったのだけど、護衛の手配の関係やお父様の我が儘ですぐには無理と言われてしまったのだ。
一応、来週か再来週には一度戻れるらしいけど・・・
正直、ミーシャの反応が怖い・・・
「ちょっと、そこのあなた!」
そんなことを考えて僕は完成したクッキーを持って廊下を歩いていると後ろから声をかけられた。
振り替えるとそこには僕と同い年くらいに見える女の子がいた。
薄い金髪に珍しい縦ロールヘアーにした高貴な出立と意識の強そうな瞳が印象的な美少女。
その子はこちらに近づいてくるとじろじろと僕のことを見た。
「見たことない顔ですわね。それにしても・・・女の子のくせになんでそんな男みたいな服着ているの?」
相変わらずの初見の勘違いにため息をつきたくなるのを抑えて僕はそれに答える。
「僕、男なんだけど・・・ところで君は?」
その言葉に女の子は驚いたような表情を浮かべた。
「えっ・・・男?嘘ですわよね?」
「本当だよ。レオンって言うんだよろしく」
「レオン?」
名前を言った途端に女の子は納得したような表情を浮かべた。
「なるほど・・・あなたがお姉様とお兄様の言ってた・・・確かに女の子みたいですわね」
余計なお世話だと思いつつも女の子は僕のことを面白そうに見ていた。
「あの・・・ところで君は?」
さっきはスルーされた質問をもう一度する。
そこで女の子は名乗ってないことに気づいたのか口を開こうとーーー。
「お嬢様!」
したところで後ろから慌てたようにやってきた侍女さんに声をかけられる。
「探しましたよお嬢様・・・って、レオン殿下と一緒でしたか」
「ええ。今知り合ったの。確かにお兄様の言う通り可愛らしい方だわ」
侍女さんはそこで僕の方に顔を向けると頭を下げた。
「レオン殿下。ご尊顔拝謁でき恐悦至極です。私はエンペラー公爵家の侍女のリュミエルと申します。そしてこちらが主の・・・」
「エンペラー公爵家のイリナ・エンペラーですわ。あなたのお兄様・・・ロイン様の婚約者の妹と言えばお分かりになるかしら?」
悪戯っぽい笑みでそう彼女は言った。




