1 人生とは予期せぬことの連続である
異世界ものです。
ほのぼのハーレム話&愛され主人公の話ですが3話目まではマザコンの主人公しか出ません。
『人生とは思いもよらないことの連続である』と、昔誰かが言っていたが、その通りだと僕も思う。
幼い頃に両親から捨てられて施設で育った僕は・・・まあ、不思議なことにそこそこ健全に育って、ごく普通の高校に通って、調理師になろうと専門学校に通い始めたころにーーー事故で死んだ。
なんてことはない、交通事故。
交差点で勢いよく飛び込んできた車に跳ねられた。
避けようにも、車が目の前に迫ってきた時にはもう手遅れだった。
気がつくと地面に倒れ伏せ視界は赤く染まっていた。
周りからの悲鳴や騒然とした声をどこか遠くに感じながらも不思議と痛みは感じずに僕は少しだけホッとしていた。
ーーーああ、ようやく終わるーーー
そんなことを考えて僕は意識を落とした・・・・・
はずなのに・・・
「あら?レオン大丈夫?」
目覚めた時には何故か目の前に偉い美人がいた。
銀色の髪とルビーのような真っ赤な瞳のスレンダーな美人さん。
そんな女性に僕は何故か抱っこされていた。
「あうー」
困惑しながらも僕はなんとか声を出そうとするが、うまく話せずこれしかでなかった。
そこで自分の視界に映ったものに疑問を抱く。
あれ・・・僕の手はこんなに小さかったかな・・・?
試しに手を動かそうとするが思うように動かない。
そんな僕に美人さんは笑顔を向けていた。
「まあまあ・・・元気ねレオン。ママも嬉しいわ」
ママ?
その一言に僕は凍りつく。
何故か小さい体に、目の前にいる美人さんのさっきの発言。
様々な憶測と疑問が脳内を飛び交い、ふと、死ぬ前に読んでいたラノベの内容を思い出す。
その内容は、主人公が事故で死んで異世界に転生するというものだ。
現実ではあり得ないと思いつつも面白くて一気に読んだから覚えていた本の内容だけど、もしかして僕はそれと同じことになったのでは・・・?
つまり僕は異世界(かは分からないけどこんな美人さん現実ではあり得ないし多分異世界)に転生したのかな?
そう考えるとさっき言葉を発音出来なかったのは赤ちゃんだから仕方ないと思えるし、手足の縮尺が小さいのにも納得できる。
・・・いや、まあ、納得とは言いつつも戸惑いは大きいよ、勿論ね。でも・・・
「うふふ・・・可愛いわねー、流石私の子供ね!」
僕を抱いて幸せそうに頬笑む美人さん・・・いや、この世界での“母親”の顔を見ているとなんだかそんなことはどうでも良くなった。
前の僕が欲しくて堪らなかったもの・・・それが手に入ったなら多少の理解不能な状況も気にはならない。
疑問はあるし、状況も理解しきれないけど、それでも・・・
「あーう」
「あら!笑ったわ!きゃー可愛いわ!!レオン大好き!」
僕ははしゃぐ母親に笑いかけながら心からこの喜びを味わうことにした。
ーーー欲しかった《家族》を手に入れた喜びをーーー




