非現実的なお話。
『中卒』は今日も本を読む。
どんなことがあっても。
天気予報が嘘をついた月曜日。外は雨が降っている。テレビでは天気予報士が外れてしまった事を軽く謝った。私はこれほど憂鬱な日はないだろうと、朝ご飯である目玉焼きを口に運ぶ。自分で作った目玉焼きはいつも通り美味しかった。それを何回も噛んで、味わって食べていれば時計の分針は動いた。
こんな日でも、普通こどもは学校へ行かなければいけない。しかし、私は学校に行かない。それは、私が学校に入学していないからだ。何故、と問われてもたった一つの理由である。高校受験、というもので試験に落ちたのだ。合格発表のあの日、希望と不安を胸に持ち、受験番号の書かれた紙をくしゃくしゃと握りしめる。隅から隅を探しても私の受験番号は見つからなかったのだけれど。私は元から特に頭が悪い訳でも、言い訳でもなかった。だから、多分ぎりぎりのところで落ちたのだろう。そうであればいいのに。
私は、食べ終わった朝食の皿を下げて洗う事にした。生憎、私は一人暮らしである。別に親が死んだとかではなく、自分の意思でこの選択をした。単に、頭を冷やしたかった。それだけだった。私は世にいう『中卒』というレッテルを持つ人間で、どうせ人に小馬鹿にされる。それにこの時代、『中卒』の人間を雇うところは少ない。つまり、『中卒』である私の居場所は限られているのだ。今のところ、私の居場所はこのアパートの1室のみ。仕事なんて見つかる訳もなく、毎日ここでだらけている。仕事なんて、家事だけ。つまりは、毎日暇だ。
ちなみに、私が一人暮らしを始めて約2年が経つ。私は現在17歳だ。高校に入っていれば、高校3年生と言うところか。世の中の学生が青春を謳歌している。そう考えるとだんだんと腹が立ってきた。私だって、謳歌したかったのだ。しかし、今更高校など、入れるはずもない。
「はぁ。」
私は一つため息をついて皿を洗い終えた。
時刻は午前10時30分。特に何もすることがなくて困っている。いつもの通りなのだけれど。私が悩んでいる間も、外では相変わらず雨が降っている。悩むというほど悩んでもいないのだが。部屋にはテレビに出ている芸能人の笑い声が響く。やることもない為、本棚からずっと前に買った小説を取り出す。読んだのもずっと前で、それでも内容ははっきり覚えている。私は現実的な話を好む。非現実的なSF小説は全くと言っていいほど読まない。それでも、この小説は私が唯一買ったSF小説だったと思う。何故買ったのかと問われれば、私は元からこの作家さんが好きだ。この作家さんは現実的な話を興味深い内容にして書き上げる。あまり有名ではないものの、なかなかに面白い。ある日、この人は始めて非現実的な物語を書き上げて出版した。当時、私はとても驚いた。
「この人の作品は現実的であるから面白みを増すのだ。」
何故って、こう思っていた私だから。しかし、私はこの人のファンとしてそれを(外に出たくはないので勿論通販で)買った。内容としては、違う世界に行ってしまうというようなものだった。主人公は確か、寝て起きたら別の世界(ここでは異世界とする)にいた。異世界は、主人公がいた世界(ここでは現世とする)とほとんど変わらない。それでも違うのは、たった1つ。『あと3日で滅ぶ』ということだった。それを街の人に聞いた主人公は無論、元の世界に帰ろうとする。しかし、帰る方法など分かるはずもなく異世界で3日間を過ごす。短い間ではあったが、たくさんの友が出来、たくさんの思い出が出来た。それでも、異世界が滅ぶ事実は変わらず、異世界は爆破して滅んだ。主人公は友と思い出と共に宇宙の塵となった。そして、主人公は異世界で死んだ事により現世に帰って来ることが出来た。だが、目を覚ませば頭が潰れるように痛い。主人公は、自殺したのだ。最後、主人公の台詞が空欄になっている。作者の後書きには、
「読者自身でそれを考えて欲しい。」
と書いてあった。私は作者を見直した。
私は空欄に鉛筆でこう記した。
『この世界は滅ぶべきだ。』
今回初の小説家になろうでの投稿となりました。はじめまして。いよかんと申します。あとがきと言ってもなにを書けばいいか分からないのですが、とりあえず感想を書きます。
私はとても語彙力というものも発想力もないのでとてもつまらなくなってしまったかもしれません。ですが、たくさんのことを考えて読んでほしいと思います。この小説は『中卒』を主人公としていますが、実際私は中学生で、これから受験を控えています。そのくせ『中卒』をそれこそ変な扱いで書いてしまいました。申し訳ないです。
眠いのでここら辺で終わらせていただきます。それでは。さようなら。