前編
私は気づいたらそこにいた。ここがどこだか知らないが、私が生きていくことに違いはなく。どうせなら、楽しみたいそう思った。けれど、私は無知で一番最初に、自分が何者なのか気づくこともなかったのだ。
私が最初に認識したものは、暖かな炎だった。炎は熱いものだと、私の一部はそう知識として言っていたが。私にとってこの炎は暖かなもので、安全なもので、安心するものであった。
炎はこの時、私の心のよりどころへとなった。この炎に包まれて、私は長いことその中にいた。ここ以外のところに行くことなど、考えもつかなかった。私にとって永遠に続くこの場所こそが、私の世界だった。
ある時、そんな私の世界に一つの変化が、訪れた。最初のうち、私は気にも留めないで眠っていた。しかし、その変化は私の目を覚ます大きなものになっていた。
私は、ある日いつもと違う感覚で初めて己の目を開いた。そして、目を開いてしまった反動で、私は暖かな炎から、放り出されることになってしまった。この感情は、私が無意識に感じていたものだとすぐにわかった。
少し考えてから、この無意識の感情は、好奇心だと納得した。私は頷きながら己のうちに眠る炎に意識を傾けた。その瞬間、炎を背中に感じながら、私は空を飛ぶ何かと同じように、大地に着地した。
私の着地した大地には、白い冷たいものがたくさんあった。私が着地する時、私の周囲の白いのは、消えてしまっていた。私は首を傾げながら、白い何かに近ずいた。私が触れようとする端から、大地の色に染まってしまう。
私はどうしたら、この白いのに触れることができるのか、それだけに集中していた。だからこそ、己の耳元で声がした時。今までの人生で、初めて驚いてしまった。この感情は、この白いのに使いたかった。
私はそう思いながら、後ろを振り返った。私の後ろには、私が知らない生物がいた。なんだこの生物は、私の後ろにいたのは、私によく似た形の二足歩行の生物だった。私の知っている生物で、二足歩行の物は不死鳥ぐらいだったが、違うようだ。
不死鳥に与えられた知識を思い出していると、二足歩行の生物が私に抱きついてきた。もしや、不死鳥が言っていた、妖精という生物か。私は納得してながら、少女の質問に頷いた。妖精という生き物は、善悪の性質が混沌としているとか、ふむ、少女一人だけでわからないな。他の人とも話をして見るか
「お兄ちゃんは空からきたの?」
「俺は空からきた」
しばらくの間少女との会話を楽しんだ。これが、純粋と言ったものなのだろう。
私は少女に、両親が心配しているのではないかと聞いて見る。すると少女は急いで手を振って森の中へと消えて言った。
なかなかいい出会いであった。私は一人頷きながら、また白いものを触ろうと、地面へと手を伸ばした。私の手はやはり、白い何かを触ることができなかった。妖精というをほんの少し理解した気がする。
私は長いあいだ気を取られ、忘れていたが、あの炎の中に戻ることができないでいた。けれど私には、己の炎がある、これがあるならばそれだけで、もう十分である。もともとあの場所は、己が生み出したものなのだから。




