第五話 新たな仲間 親父
「さて、金稼ぎするつっても何したらいいだ?」
冒険もののゲームだとモンスターと戦ってモンスターの素材を売って金にしたり、ギルドに行ってなんか依頼をこなしたりするけど、この国にギルドあんのかな?
自分で考えても仕方がない。とりあえず、聞き込みでもするか・・・。誰に聞こうかなー。
「・・・・・・あ!」
ーーー数分後ーーーー
「へい、らっしゃい!!」
「おーす、親父~」
「お?なんだ、さっきの坊主か?」
「坊主って、あのなー!・・・まぁ、いいや。親父この国にギルドってあんの?」
「ギルドだと?そりゃーあるに決まってるだろ!坊主。もしかして、田舎村からきたのか?」
「ん。まー、そんなとこかな」
流石に「異世界から来ましたー」なんて言えないからな。そういうことにしておこう。
「なるほどな。なら、知らなくてもおかしくないな」
「ギルドってどこにあんの?」
「外にでっかい城あるだろ?その隣にもう一つ城があるだろ?そこが、ギルド集会所だ!」
「へー、あそこだったのかー」
「お前、〈冒険者パスポート〉あんのか?」
「?いや、ないけど。それがどうかしたか?」
「ハァー。本当坊主なんも知らないんだな。いいか?〈冒険者パスポート〉はな、それがないと依頼を受けられないんだ」
「ふーん。んで、〈冒険者パスポート〉ってどこで手に入るんだ?」
「条件を満たせばだれでも入れる。その条件は三つだ。
①パーティーが自分を含み二人以上いること
②冒険者になりたいという意思
③防具、武器などの提供者が一人以上いること」
あー、だからここら辺は、鍛冶屋がたくさんあったんだ。
「親父。どっかの冒険者と提供してる?」
「ん?いや、うちはどこの冒険者とも提供してないぜ」
「じゃあ、俺の提供者になってくれ」
「!?おいおい、いきなりだなー。俺の店よりもいい店いっぱいあんだぜ、それでもいいのか?」
「おう。親父とは結構気さくに喋れるし、俺は親父の店に並んでいる、武器や防具好きだぜ!一つ一つに、なんか、心がこもっている感じがする。だから、俺の提供者になってくれ。頼む!」
「泣かせること言いやがって。・・・おっしゃー!いいぜ!今日から俺は坊主の提供者だ!よろしくな、坊主!」
「おう!よろしくな親父!」
「いやー、親父の店、ほかの所よりボロボロだから誰も入ってこないから、すぐ了解すると思ってたぜ!」
「ぐっ。事実だから否定はできないけど、提供関係抹消するぞ!」
「あははは。ごめん、ごめん。さて、次は、仲間が必要だな。親父、仲間ってどこで集めればいいかな?」
「ギルド集会所のとこにある掲示板に『仲間募集!』的なこと紙に書いて貼ったりとか、居酒屋とかで誘ったりとか、まぁ、色々あるぜ!俺のおすすめは、集会場のクエストボードに貼ることだな」
「よし、分かった。親父の言う通りにするぜ。親父、紙とペンくれ」
「おうよ!」
ーーー数十分後ーーー
「ふぅー。よし!完成だ!」
「お!できたか、坊主。少しかかりすぎじゃないか?」
「気のせいだ!」
今書いていてわかったことがある。俺は、この国の文字を知らないし書いたこともないのに、自然と書けたことだ。多分これもこの国の言葉が喋れると同様、なんだか《スキル》が常に発動しているからだと思う。
「じゃー、早速ギルドに行って出してくるはわ!」
「おう!気を付けろよー」
そう親父が言って、俺がドア開けた次の瞬間。
「おわっと!!」
ドン!!
「イタタタタ、なんだ?」
すると、俺の前に女の子が倒れていた。