プロローグ
「・・・・・飽きた」
誰もいない空間で吐き捨てた。
もちろん、誰も返事は返してこない。
両親とは三年前に離れ今は一人暮らし。
高校は今年入学したがつまらないので三日で不登校。
今やっていたPCゲームもちょうどイベントの周回が終わり飽きてきたところであった。
そして、深夜3時で眠くもなってきたので俺はPCのある机から自分のベッドにいった。
「七時に起きられっかなー」
そう、今日の開店九時にタケダ電機で予約したゲームを取りに行く日である。
ネット通販で予約するのもありだが、個人的に新作のPCゲームは店舗に行って買うのが好きなのでネット通販での予約はしない。
(まぁ、とりあえず寝るか・・・)
--にぃ、に、助け、て----
声がする。
顔をみなくてもわかる。妹の声だ。
--さが、し、て---
「!!!」
目が覚めた。いつもと同じ夢、そして同じ言葉。
あいつは一年前の事故で死んだはずなのにどうしていつも俺の夢に・・・
「ん?・・・んん!?八時半!?ヤバい!!」
一人部屋で叫んで自宅から駅まで無我夢中で走っていった。
ーーー三十分後ーーー
「はぁ、はぁ、なんとか、ゲット、」
着いた時には俺と同じ目的であろう人が五十人ほど列になって並んでいたが無事ゲットできた。
急いで行ったので上下ジャージのままできてしまった。
そして、約三年間も引きこもっていたので、体力の限界である。
今日は運が悪く今年一番の猛暑日でめまいと吐き気が起こり始めたがよろよろと家へと帰っていく。
すると、誰かにぶつかってしまった。
しかし、その時頭痛が激しかったのでとっさに謝ることが出来なかった。一応軽くお辞儀はした。
「・・・・キミだ」
俺の後ろで何か言ってように聞こえたが無視をした。
ザク
「ェ」
後ろから力強く押された。そして、ズキズキと痛む。ようやく、気付いた。あぁ、後ろから俺は刃物か何かで刺されたんだ。
そのまま、背中がズキズキと痛いまま倒れ込んだ。
多分俺はここで死んでしまったのだろう。今考えるとろくなことが無かった人生だった。あいつは死んでしまい、俺を捨てて、小中でも友人は少なくいつも一人でいた。コミュ力は人並みにはあったと思う。でも、何故か一人でいた。何でだろう?
・・・ははは。なんか走馬灯みたいだな。でも全部悪い思い出しかないや。でもまぁ、少なくともあいつの元に行けるだけありがたいか。
色々と考えているうちに俺は意識がだんだんと無くなっていった。