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ダンジョンのある風景  作者: はぐれうさぎ
第2章

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第8話 ダンジョンの真の変化と探索者支援

短めです。

 美冬ちゃんとパーティーを組むことになり、あとは封鎖の解除と探索者支援の詳細発表を待つばかりと思っていたが、残念ながらそうはいかなかった。

 ダンジョンからモンスターが溢れたのだ。それもどこか1カ所で、というわけではなく、国内外の複数のダンジョンで発生した。

 幸い、日本を含め各国でダンジョンの監視体制が整えられていたため、大きな被害が出ることはなかった。だが、ダンジョンの更新(バージョンアップ)によりモンスターが溢れる条件が変化したという疑惑が出たことで、ダンジョンの封鎖期間の延長が発表された。


 問題が起きたからにはその解決を図るために調査が行われる。その当然の原理により、モンスターが溢れる条件が変化したという疑惑に関する調査が行われた。

 今回はダンジョンの更新(バージョンアップ)があったため、すでに調査が入っていた各ダンジョンの差異を調べることは比較的容易だった。その差異から仮説を立て、その検証のためのさらなる調査を行う。そういった作業が各国で行われ、その情報が共有されることでモンスターが溢れた理由、その条件が判明した。


 これまでは1週間以上ダンジョンに挑戦するものがいなければ、ダンジョンからモンスターが溢れるというものだった。

 だが、今回の変化により、ダンジョン挑戦による成果が5日間一定レベル以下であればモンスターが溢れるという条件に変化していた。

 これは大きな変化だ。ただダンジョンに通うだけで良かったものが、一定の成果を求められる。ただでさえ、探索者が減少している日本では大きな問題となる可能性があった。

 その結果、この条件が発表されてすぐに政府から探索者支援の詳細が発表されることとなった。


 


 


 『――探索者の皆様のご協力をお願いしたい。』


 テレビで流れる探索者支援の詳細発表時の記者会見の映像を見ながら、改めて発表された支援内容を考えてみる。


 1.ダンジョン攻略の貢献度に応じた報奨金

 2.ダンジョン産装備の無料貸与など探索者への支援体制の拡充

 3.財源確保のためのダンジョン税の導入


 結局、発表された探索者支援の概要は以前から噂されていたものと同じで大きな変更はなかったらしい。それぞれの内容についてだが、まあ2つ目と3つ目については言葉の通りだ。

 2つ目については、対象が新人探索者だけでなくすべての探索者に変更されているが、内容的には以前から噂があったものと変わりない。わかりやすいものが装備品の貸与で、他にも自衛隊のダンジョン攻略チームによる実地指導など色々あるらしい。ただ、俺に影響がありそうなのは装備品の貸与くらいだ。自衛隊の実地指導にも興味はあるが、美冬ちゃんと相談してみて機会があればといったところか。

 とにかく、俺を含め探索者たちにとって一番重要なのは報奨金についての話だ。で、その報奨金については以下のようになったらしい。


 

 1.ダンジョン攻略の貢献度に応じた報奨金


 ダンジョン攻略への挑戦1回あたりの到達階層数、モンスター討伐数に応じて報奨金を支払う。報奨金はダンジョンごとに設定された貢献度基準をもとに3段階で評価される。


 ・評価1

  条件:第2階層への到達、あるいはモンスター1体以上の討伐。

  報奨:報奨金1,000円の支給。

 

 ・評価2

  条件:ダンジョンごとに設定されたノルマの1/2を達成。

  報奨:ダンジョンごとに設定された報奨金の1/2を支給。

 

 ・評価3

  条件:ダンジョンごとに設定されたノルマの達成。

  報奨:ダンジョンごとに設定された報奨金を支給。

 

 ※ 各月1度目のダンジョン挑戦時は当該月のダンジョン税の免除を行う。


 

 正直、具体的な数字がほとんどないのでこれだけだとイマイチわからない。まあ、評価の基準となるノルマが各ダンジョンでモンスターを溢れさせないための討伐数となっているそうなので、ダンジョンごとに確認しないとどうしようもないのだろうけど。

 で、この探索者支援の詳細が発表された直後に佐藤さんから教えてもらった情報によると、家のダンジョンの場合は次のようになるらしい。


 ノルマ:第3階層までのモンスターすべての討伐、あるいは最高到達階層の更新

 報奨金:5,000円


 ……うん、マジかよっていう感じだ。

 ノルマを完全に達成しても5,000円しかもらえない。しかも、現状の俺の討伐数から考えるとノルマの1/2すら達成できていないと思われる。つまり、ダンジョン挑戦1回につき1,000円ということだ。

 いや、これまでが無報酬だったわけだから、もらえるだけましだというのはわかるんだが、何だかなーという思いを抱いてしまうのは仕方ないことだと思う。


 ちなみに、報奨金についてはダンジョンの階層数に応じてランク付けされているらしく、そのランクは1~5までの5段階となっているらしい。

 現状、国内のダンジョンではランク4が最高となっており、その報奨金は50,000円だ。で、家のダンジョンは当然のごとくランク1だ。

 ランク1の基準は10階層未満のダンジョンということなので、家のダンジョンも階層数が10階層以上になるとランク2になる。そうなると報奨金の方も少しはましになるのだが、そうなる前にダンジョンを攻略できているほうが望ましいだろう。


 また、ノルマについてはダンジョンごとにまったく異なるものが設定されている。ダンジョンによってモンスターの分布が変わってくるからだ。なので、当然、ダンジョンの成長(レベルアップ)が起きた場合にはノルマの見直しが行われるらしい。


 

「しかし、この条件で美冬ちゃんはどう判断するのかね。」


 ノルマについては、個人ではなくパーティー単位での討伐数が適用されるので、美冬ちゃんとパーティーを組むようになれば評価2はとれるだろうとは思う。だが、それでも報奨金は2,500円だ。少なくともこの額では生活することはできないだろう。

 ただ、再就職までのリフレッシュを兼ねたつなぎという考えであれば、なくはないのかもしれない。金額なんかはわからないが、当然退職金は出るだろうし、失業保険ももらえるはずだ。何年も続けるというのは難しいかもしれないが、半年や1年という程度の期間であればどうにかなるのではないだろうか。そもそも、俺としてもダンジョン攻略に何年も時間をかけるつもりはないのだし。


 まあ、そのあたりについては次に稽古で会ったときに確認すればいいだろう。

 そんなことより、今はようやく封鎖が解除されるダンジョンについてだ。なんだかんだで、1ヶ月近く間隔が空いてしまったので早く勘を取り戻さないといけない。


「あー、そういえば、メイスの二刀流と盾を試そうと思っていたんだったか。」


 思考を次のダンジョン挑戦に向けたところで思い出した。ひとまず特殊警棒を試してみたが、盾を持つ案とメイスで二刀流を試すという考えがあったことを。


「装備品の貸与の対象は探索者全員に拡大されたみたいだけど、どうやればいいんだろ?……まあ、佐藤さんに確認してみるか。ダンジョン挑戦の評価についてもどうやればいいのか分からないしな。」


 ダンジョンの封鎖期間は後3日となっている。昨日、探索者支援の詳細が発表されたわけだが、たかが3、4日で準備ができるものなんだろうか?まあ、さすがに目途が立っているからこそ封鎖解除直後から支援を開始すると発表されたのだろうが。

 そんなことを考えつつ、佐藤さんに確認すべきことを整理し始めた。



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