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ダンジョンのある風景  作者: はぐれうさぎ
第1章

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第20話 再挑戦のための準備と調整

 さて、どうしたものか。

 探索を終え、ダンジョンから出たところで考える。

 

 新しくスキルを取得してから2日。昨日、今日とスキルを慣らすためにダンジョンへ入り、“投擲”スキルや魔鉄のメイスに関してある程度の手ごたえを感じることができた。……スライム限定で。

 正直、スライムだけであれば今日大部屋で相手にした数の倍が相手でもどうにかできる程度には手ごたえがある。ただ、前回挑戦して痛い目にあったストーンゴーレム相手にどうなるかがわからない。

 まあ、だったらストーンゴーレム相手に一当てすればいいじゃないかという話になるんだが、前回は軽い気持ちで挑戦して失敗している。なので、できればもう少し準備というか、レベル上げをしてからにしたいという気持ちがある。

 ……あるんだが、今の環境でレベル上げというのも微妙なものがある。

 

 現状のダンジョンは、脇道にある大部屋とストーンゴーレムのいる大部屋のみモンスターが残された状態だ。なので、レベル上げをするとなると、今日と同じく脇道にある大部屋でスライムを相手にするということになる。

 だが、これだとはっきり言って数が足りない。まあ、モンスターがリポップするのを待って1日に複数回ダンジョンに入れば多少は改善されるだろうが、そこまでダンジョンにかかりきりになるような状況も避けたい。一応、のんびりするために田舎にやってきたはずなんだから。

 それに、レベルについては新しくスキルを取得した日に1つレベルアップしているというのもある。なので、次にレベルが上がるまで時間がかかる可能性が高い。そんな状況でレベル上げとなると、ちょっと……という気分になってしまう。

 そうなると、やはりストーンゴーレム相手に一当てするのか、ということになってくる。実際、スライムたち相手に手ごたえを感じているので、不安な気持ちと同じくらいに実は大丈夫なんじゃないかという気持ちもある。でも、前回のことを思い出すとやっぱり不安になってしまう、というような状況だ。

 

 考え事をしながら歩いているとすぐに家についてしまった。まあ、考え事をしていようが、していまいがすぐにつく距離なのは変わりないが。

 とりあえず、昼食を食べてやるべきことをやってしまおう。ストーンゴーレムに再挑戦するにしても、レベル上げをするにしても、まずは昨日、今日の検証で目途をつけた投擲物の装備を整えるのが先だろう。

 

 目途をつけた投擲物は5つある。スキルを取得した日から使用している小石に、野球用の硬球と陸上用の砲丸、パチンコ玉とゴルフボールだ。

 実は、硬球と砲丸については“投擲”スキルのスキルスクロールを買うことを決めた日に用意していた。まあ、ダンジョン内で拾った小石があまりにも優秀だったので、スキルを取得した日は使うことなく終わってしまったが。

 で、昨日の検証の際にその両者を試してみたんだが、小石よりも威力があることが確認できた。さすがに、ただ拾っただけの小石よりも効果が低いというのは悲しすぎるので、それについてはひとまずほっとした。

 そして今日、さらなる比較対象として4つの投擲物を検証してみた。裏山で拾った小石、パチンコ玉、ゴルフボール、ボーリング玉だ。

 結果、分かったのは威力は投擲物の大きさに比例するのではないかということだ。

 大きさとしては、小さいものから順にパチンコ玉、小石、ゴルフボール、硬球、砲丸、ボーリング玉ということになる。で、威力としては、パチンコ玉、小石、ゴルフボールがほぼ同等で、次いで硬球、砲丸、ボーリン玉の順に威力が大きくなっているように思えた。

 検証対象と試行回数が少なすぎるので正確ではないかもしれないが、対スライムに関してはこれで合っていると思う。ネット上の情報で“投擲”スキルに関する記載があればよかったんだが、不人気スキルの宿命か細かいことは書かれていなかった。あったのはアイテムショップの店長に説明してもらった投擲距離や命中率、威力に補正がかかるという情報だけだった。

 

 とりあえず、威力が投擲物の大きさに比例するというのが正しいと仮定して、ダンジョン攻略の装備をどうするかを検討した。

 威力重視ならボーリング玉ということになるんだが、はっきり言ってこれはない。なぜなら、かさばるからだ。あと、投げにくい。

 ダンジョンの中に入ってしまえば重さとしてはそれほどでもないんだが、ボーリング玉サイズの荷物を持ったままというのは動くのに厳しいものがあった。威力としてはグリーンスライムが文字通りプチッと潰れたのでそれなりに魅力的だったんだが。

 後はパチンコ玉とゴルフボールも微妙なところではある。威力的に小石と変わらないなら小石でいいんじゃないかという話になってくるから。まあ、小石の場合はレッドスライムに当たって砕けていたので、材質的にパチンコ玉やゴルフボールの方が良いのではないかとも思ったりするんだが、威力がないのであまり変わらない気もする。

 一応、パチンコ玉やゴルフボールの場合だと専用のケースがあったりするので、持ち運びに有利という点から採用ということになった。まあ、とりあえずは仮採用という形だ。ゴルフボールはともかく、パチンコ玉は消耗品になりそうだし。

 使い捨てにするつもりはないが、さすがにダンジョン内でばらまいたパチンコ玉を1つ1つ回収して回る気にはなれない。そうなるとやっぱり小石でいいんじゃないかと思ったりもするので、やっぱり仮採用という気持ちが強い。

 ちなみに、ダンジョン内の小石と裏山で拾った小石による違いは特に見られなかった。俺の観察力が足りない可能性もあるが、どちらの小石も一緒だと思っていいと思う。なので、小石に関してはダンジョンに入る前に裏山で拾って、ダンジョン内では適宜補充するという形になりそうだ。

 硬球に関しては、野球をやっていた関係で一番投げやすかった。威力としてもほどほどなので、投げやすさ的にも一番の候補かと思う。……思うんだが、やはり荷物としてかさばるというのがネックになってくる。これは、さらにサイズが大きくなる砲丸にも言えることだが。

 

 “投擲”スキルを色々と試してはいるが、結局のところ俺のメイン武器がメイスであることは間違いない。“投擲”スキルは戦いの幅を広げてくれるが、メインとなるのはメイスを使った近接戦闘だ。そのためにも装備する投擲物は、身のこなしの邪魔にならないようにする必要がある。

 昨日、今日の検証ではっきりしたが、背中に背負ったリュックとウエストポーチに投擲物を入れている今の装備は無理があった。なので、今回目途をつけた各投擲物を装備するためのケースを用意して、それぞれの使い勝手を試してから最終的に持ち込む装備を決めることになる。

 

 そうなると、やはり明日も今日と同じく、大部屋でスライムたち相手に慣らしを行うことになるのか。

 そんなことを考え、昼食を終えた俺は装備する投擲物のケースの買い出しへと出かけた。

 

 

 

 

 

 明けて翌日、ダンジョンの入り口の前に立つ俺の装備は昨日から少し変化していた。昨日は、とりあえずリュックとウエストポーチに投げるための物を詰め込んでみました、という感じだった。それが、今日は投擲物ごとに専用のケースを用意して、個別に装備している。

 

 まず投擲のために着け始めたウエストポーチ。これには砲丸が収納されている。サイズ的にギリギリで、重さ的にもウエストポーチのベルトに結構な負荷をかけているみたいなので、本採用する場合にはウエストポーチを丈夫なものに買い替えるべきかもしれない。あと、背中側に回すように装着しているのでクッション性も欲しい。

 次に硬球。これは審判用のボール袋に入れている。投げやすいように腰の右側に装着している。

 そして、ゴルフボールがラウンド用のゴルフボールケースで、パチンコ玉がスリングショット用のパチンコ玉ケースとなっている。この2つについては完全にけん制用と考えているので腰の左側に装着している。

 残った小石については、当初、工具などを入れる腰袋を考えていたんだが、探してみるとより良さそうなビスカップというものがあったのでそちらを採用した。これは左右の太ももに固定するように装着している。邪魔になるかもと思ったが、腰回りに余裕がなくなってしまったので仕方ない。邪魔になるかどうかも含めた確認なので、とりあえず今日はこの位置だ。ダメなようなら、ゴルフボールとパチンコ玉を外してその位置につける形になると思う。

 これらの新しい装備に加え、いつものリュックを背中に背負った格好が今日の装備となる。一応、リュックの中にも砲丸、硬球、ゴルフボールの予備が入っている。一応、この3つは使った分は回収するつもりではあるが、回収する余裕がなかったり、破損してしまったときのために用意した。

 で、これらを装備してみた感想なんだが、……まあお世辞にも動きやすいとは言えない。腰回りについて正面以外が埋まってしまっているので、装着する位置を微調整しないと動きにくくなってしまいそうだ。

 ただ、ダンジョンのエリア内に入ってステータスが反映されると、かなりマシにはなった。正直、ステータスが反映されるまではあまりの動きにくさに硬球と砲丸、小石だけでいいんじゃないかとも思ったが、今の状態であれば慣れればどうにかなるんじゃないかと思う。

 

 

 

 

 

 さて、どうしたものか。

 新しく着けた装備の確認を終え、ダンジョンから出たところで考える。

 

 とりあえず、装備の確認としては特に大きな問題はなかった。なので、しばらくはこの装備でダンジョンに挑むことになるだろう。

 ただ、小さな問題点としていくつか気になったことはある。

 1つ目は、やはりウエストポーチが安物なので、丈夫なものに買い替えた方がよさそうなところだ。動いているときにウエストポーチが破れるのではないかと不安になってしまった。

 2つ目は、1つ目とやや被るが、投擲物を使用した後のケースの状態だ。未使用の状態であればケースの中に投擲物が詰まっているので安定しているんだが、数が減ると不安定になってしまう。まあ、硬球と砲丸に関しての問題なんだが、この2つのケースについては個別に収納できるように改造したほうがいいのかもしれない。

 ただ、そうした場合に問題になりそうなのが3つ目だ。これはゴルフボールに関してなんだが、戦闘中にすぐに取り出すことができなかった。割としっかりとケースに仕舞われているので、取り出すのに手間取ってしまう。激しく動くことを考えるとある程度固定されているのは歓迎すべきことなんだが、使いたいときに使えないというのはいただけない。まあ、つけていて邪魔になるというほどでもないので、とりあえずゴルフボールは予備としてそのまま装備しておこうと思う。

 

 で、どうしたものか、という問題に戻るんだが、悩んでいるのは新装備の確認が問題なく終わってしまったことだ。いや、より正確に言うならば、大部屋での戦闘があっさりと終わってしまったことになるだろうか。

 要するに、昨日からの悩みである次にどうするかという問題に直面しているということだ。

 

 まあ、今日の確認で結論は出てしまったんだが。

 とりあえず、明日は大部屋挑戦後にストーンゴーレムへ一当てしに行く。

 無理にストーンゴーレムのところに行く必要はないんだが、今日の感じからすると前回のような事態になることはないだろう。

 

 一応、レベル上げをするために考えられる案はいくつかあった。

 昨日も考えたように、ダンジョン内のモンスターがリポップするのを待って複数回の挑戦を行うというもの。他にも近くの公開ダンジョンに遠征するという案や、ダンジョン管理機構の佐藤さんに連絡して巡回の際に第1階層のモンスターを残してもらうように依頼するという案だ。

 

 まあ、案として挙げておいてなんだが、追加の2つはないと思う。

 近くの公開ダンジョンに行ったとしても、家のダンジョンのように俺が専用で使用できるわけではない。いくら活動する探索者が減ったからといって、他の探索者が0ということはないだろうし。

 そうなると家のダンジョンと同じようにモンスターが不足するという可能性が高い。しかも、出てくるモンスターも家のダンジョンとは違ってくるはずだ。確か、近くの2つは虫系とアンデッド系だったと思う。

 まあ、どちらも人気のないモンスターなので空いている可能性もなくはないが、俺は探索者として強くなりたいのではなく、家のダンジョンを攻略したいだけだ。だったら、他所のダンジョンに慣れるために時間をかけるよりも、家のダンジョンに複数回挑戦したほうがましだろう。

 佐藤さんへの連絡については、まあなくはないんだが、心情的にいやだ。ストーンゴーレムに挑戦すると言って巡回ルートを変えてもらったのに、無理だったので訓練用に他のモンスターを残してくださいというのはなんとなく恥ずかしい。それ以外に手がない状況であればともかく、他に方法があるのであれば避けたいところだ。どうせなら、佐藤さんへの連絡はストーンゴーレムを討伐したというものにしたい。

 というわけで、ストーンゴーレムに一当てするか、複数回挑戦するかという2択になった。で、今日の感触からしてストーンゴーレムに一当てで問題ないだろうという結論に至ったわけだ。

 

 そういうわけで、今日は明日のストーンゴーレムへの一当てのために、ウエストポーチの新調だけしてゆっくりと休むことにしよう。



再開と書いておきながら、結局1ヶ月も経ってしまいました。

今後も毎日更新など出来ず、不定期更新になってしまうと思います。

とりあえず、ストーンゴーレム戦までは書いたので、書き直すようなことがなければ、次は近いうちに更新できると思います。

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