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ダンジョンのある風景  作者: はぐれうさぎ
第1章

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第18話 ダンジョン産武器と新しいスキル

 結局、夜遅くまで龍厳さんと飲み続けてしまった。そのまま龍厳さんの家に泊めてもらった俺は、次の日の朝食までよばれてから家へと帰った。

 家に着いた俺は、軽い二日酔いを感じながらもシャワーを浴びて着替えを終える。そして、もう一つの反省点である準備不足を解消するため、久しぶりに隣町にあるダンジョン管理機構のアイテムショップへと出かけた。


 

「いらっしゃいませ。」


 店に着いた俺は、聞こえてくる店員の声を聞き流しながら右手の武器コーナーへ向かう。

 今日の目的は新しい武器の購入とスキルスクロールの入手だ。武器については武器のスキルスクロールがあればそれに合わせた武器に持ち替えることも考えているが、とりあえずは金属バットの替わりになる武器を探す。


 武器コーナーを一通り確認してみた結果、魔鉄製のメイスが第一の候補になりそうだ。軽く持ってみたところ、今まで使っていた金属バットの感覚に近く、値段も10万円とお手ごろだった。

 魔鉄の武器はダンジョン産の金属製武器としては一番下のランクになるが、モンスター相手には金属バットよりもはるかに有効だ。改めて調べた情報でもストーンゴーレムを魔鉄製の武器で討伐したという話があったはずなので問題ないはずだ。


 ひとまず武器の候補を確認した俺は、次にスキルスクロールのコーナーに移動する。

 だが、武器を確認しているときにも目に入っていたが、スキルスクロールの棚には入荷待ちの札が並んでいた。武器スキル、魔法スキルはほとんど売り切れのようだ。かろうじて残っていたのは武器スキルの“無手”と“投擲”だけだった。

 “無手”が武器スキルになるのかと疑問に思いつつ、“投擲”について確認する。

 説明書きによると物を投げる際に補正がかかるとあった。

 ……補正というのがよくわからないが、遠距離からの攻撃手段を求めている俺にはありなのか?正直、遠距離攻撃としては魔法スキルか“弓”を想定していたので“投擲”については調べていない。

 とりあえず、後で店員に確認するかと考え、残った補助スキルの棚へと移動する。


 補助スキルの棚を確認すると、こちらについては先ほどよりも数があるようだ。

 しかし、残っているものを確認してみた結果は、“遠視”、“水泳”、“壁走り”、“指揮”、“挑発”、……という微妙なラインナップだった。まあ、微妙だからこそ売れ残っているのだろうが。

 “遠視”についてはあると便利ではあるが、そこまで必要とされるスキルではないし、“水泳”についてはそもそも使える場所が限られる。“指揮”、“挑発”についてはパーティーを組んでいる探索者向けのスキルだと思われるので、ソロの俺には縁がなさそうだ。

 唯一可能性があるとすれば“壁走り”なのだが、正直迷うところだ。

 今の俺の戦い方は、ヒットアンドアウェイで相手をかく乱しながら突っ込んで行くという形が多い。なので活かせそうな気がするが、“壁走り”なのだ。つまり、壁が近くにないと使えないのだろう。

 部屋の中の戦闘の場合、壁から離れた位置にモンスターがいるケースがほとんどだ。となると活かせるのは通路での戦闘ということになるのだが、通路には基本的に少数のモンスターしかいない。そうなると“壁走り”の恩恵がそれほどあるようには思えない。

 ……階層が進んでモンスターが強くなれば必要になってくるのだろうか?しかし、通路にいる少数のモンスターを正面から倒せなければ、部屋の中にいるモンスターたちに挑むことはできないだろう。となると、やはり階層を進んですぐにしか活きてこないか。だが、生存率を上げるためにはそういう保険のようなものも必要か?


 

「何かお困りですか?」


 知らないうちに深く考え込んでいたらしい。気付くと隣から声をかけられていた。

 驚いて隣を向くとそこには50くらいの男性――この店の店長が立っている。


「何やらお悩みのようですが、何かお手伝いできることはありますか?」


 振り向いてからも驚いて固まっていた俺に対して重ねて店長が尋ねてくる。それを聞いて俺も意識を目の前の男性に向ける。


「えーと、ここにあるスキルスクロールについて使えるかどうかを考えていたんですが、詳しい効果や使われ方などはわかりますか?」


「ええ、もちろんです。ただ、スキルについては個人差というか、使う人によって感覚が異なるそうですので、一般的な情報になりますが構いませんか?」


「ええ、それで構いません。武器スキルの“投擲”と補助スキルの“壁走り”についてなんですが。」


 とりあえず、俺は棚に残っているスキルスクロールで気になっていた2つについて確認してみる。

 結果、分かったのは次のようなことだ。


 

 “投擲”の補正効果は、投擲距離、命中率、威力が上昇するらしい。また、石などを投げるものだと思っていたが、剣や斧などの投げにくい物についてもそれなりの投擲距離、命中率になるらしい。おそらく、スキルの補正によって投げ方が最適化されているのだろうとのことだ。

 威力については、投げる物をスキルの力で強化して威力を上げているらしい。なので、その辺の小石でもモンスターに対してダメージを与えることができるようだ。もちろん投げる物によって威力を上げられる上限はあるので、小石でダメージを与えられるのは下位のモンスターくらいらしいが。

 また、他の武器スキルと同様にスキルレベルが上がることでMPを消費して魔力による強化もできるようになるらしい。スキルレベルを上げることによってMPの消費量とそれに応じた補正効果も上がっていくそうだ。


 これだけ聞くとサブのスキルとしてなら持っていても良いのではないかと思える。なので、なぜ残っているのかも聞いてみた。

 それについては、魔法スキルや“弓”スキルの下位互換で使い勝手が悪いことと費用対効果が悪いことが原因らしい。要は投げる物が必要になることが敬遠される原因のようだ。


 魔法スキルであればMPがあればいいし、“弓”スキルでもダンジョン産の弓であればMP消費で矢が補充される矢筒が付いているらしいので矢筒以外の物は不要だ。

 対して“投擲”スキルの場合は投げる物を用意する必要が出てくる。それも攻略に必要になるだけの数を、だ。

 ダンジョン内の小石を使えば用意する必要はなくなるが、小石でダメージを与えることができるのは下位のモンスターだけだ。

 また、ダンジョン産以外の通常の武器――ナイフなどの刃物はスキルによる強化で上位のモンスターにもダメージを与えることはできるそうだが、たいてい1度で破損してしまうらしい。刃物以外の鈍器や鉄球などであれば1度で破損するということはないらしいが、何十回も使うのは無理だそうだ。

 そうなるとダンジョン産の武器を用意すればいいという話になるが、ダンジョン産の武器はそれなりに高価だ。それにダンジョン産の武器であっても破損しないわけではないので、やはりある程度の数は必要になる。


 また、投げる物を複数用意する場合は、当然ながら荷物になってしまう。ダンジョン産の魔法道具である“マジックバック”を使えばポーチやリュックサイズで複数を持ち歩くことができるが、“マジックバック”は数が少なく、かつ高価だ。

 そもそも“マジックバック”を持つような探索者であれば、基本的に魔法スキルや“弓”スキルを持っていることが多く、“投擲”スキルを必要としない。

 それにスキルについては研究によって所持するスキルが多いほどスキルレベルの成長が遅くなることが確認されている。なので、基本的に必要なスキルを厳選して取得するのが主流となっている現在、微妙なスキルである“投擲”スキルを選ぶ者は少なくなっているのだ。


 “投擲”スキルが必要となるような低レベルの探索者にとっては運用が難しく、運用が可能な高レベルの探索者にとっては不要なスキルとなる。

 これでは売れ残っているのも当然だ。


 

 “壁走り”のスキルについては、名前の通り壁を走れるようになるスキルらしい。スキルレベルを上げると壁だけでなく天井も走れるようになるそうだ。また、スキルの効果かバランス感覚が良くなったという報告もあり、さらには巨大なモンスターを駆けあがることも可能だという話だ。まあ、これは単純にレベルが上がって身体能力が高くなったためという要因もあるらしいが。

 ただ、“壁走り”というだけあって、壁に固定した状態で止まることはできないらしい。スキルレベルを上げることで移動速度をある程度まで落とせるようになるらしいが、歩くレベルまでは速度を落とすことができないそうだ。


 これだけ聞くとやはり微妙そうなスキルに思えるが、有効なダンジョンもあるらしい。迷宮エリアが存在するダンジョンだ。

 迷宮エリアは大部屋以上の部屋が遊園地などにある巨大迷路のようになっているエリアのことだ。このエリアでは戦闘スペースが通常の通路サイズしかなく、その上でモンスターは通常の部屋にいるように大量に配置されている。このため、近接武器を使う軽戦士にとっては非常に有用なスキルになるそうだ。

 また、通常のダンジョンであってもワイバーンやドラゴンなどの大型の飛行モンスターがいる場合には有用なケースがあるらしい。ダンジョンには天井があるので飛行モンスターに対して上空から仕掛けることが可能になるからだ。まあ、こちらに関しては天井を走れるくらいまでスキルレベルを上げる必要があるらしいが。


 

 この説明を聞いた俺はさらに悩んだ。どちらのスキルも絶対に欲しいというほどではないが、あれば便利だという程度には感じられたからだ。

 “投擲”については、遠距離からの牽制手段だけでも欲しかった俺にとっては有用だ。家の前に出現したダンジョンについても、現状第6階層までしかないため、小石程度では無理でも小さな鉄球を用意すれば最下層でも牽制程度には使えるだろう。

 “壁走り”についても、ダンジョンの第4階層が迷宮エリアになっているという情報を自衛隊の調査結果で聞いている以上は有用だろう。また、通常のエリアでも通路での戦闘を有利にする効果があるのであれば意味があるはずだ。


 ……そう考えると買いなのか?


 ネックになっているのはなんだ?値段か?

 確かに“投擲”スキルが300万、“壁走り”スキルが120万と安くはない。だが、ストーンゴーレムに殺されかけた以上、今後もダンジョンに挑戦するのであればその程度は必要経費と割り切るべきだろう。正直、ダンジョンからの実入りがないのであまりお金はかけたくないが仕方ない。


 他にあるとすればスキルの持ちすぎでスキルの成長が遅くなって、スキルレベルを上げる効率が悪くなることか。だが、スキルのレベルを上げる効率を考える必要があるのか?

 現状、時間がかかって困ることがあるかと言われると特にない。強いて言えば、俺がゆっくりと過ごせるようになるまでに時間がかかるだけだ。

 ……いや、ダンジョンが成長する可能性があるのか。

 だが、ダンジョンが成長したとしても、攻略に必要となるレベルが高くなるだけだろう。結局は時間がかかるだけだ。まあ、最悪のケースとして、レベル上げ→ダンジョン成長→レベル上げ→……と延々に続くケースが考えられなくもないが、その場合は素直に俺の手には負えないとして、自衛隊なりダンジョン管理機構なりに任せるべきだろう。

 そうなると、優先すべきはレベルを上げる際の、ダンジョンに挑戦している最中の安全を確保することになりそうだ。であれば、一昨日の反省を生かして有用なスキルは取得していった方が良いだろう。


 そう結論を出した俺は、悩んでいた2つのスキルスクロールを購入するつもりで店長へと話しかけた。


「すいません、お聞きした2つのスキルスクロールは購入したいと思うのですが、メインに使用する武器はメイスにするつもりなんです。なので、“メイス”のスキルスクロールについて取り寄せることはできませんか?」


「おお、ありがとうございます。先ほどの2つ以外に“メイス”のスキルスクロールについても購入されたいということですね。ちなみに、他に必要なスキルスクロールはありますか?」


 説明を受けてから悩み続けていた俺を律儀に待っていてくれた店長はそう言って確認してきた。


「そうですね、魔法のスキルスクロールがあれば欲しいですね。」


「魔法のスキルスクロールですか……。“メイス”のスキルスクロールであれば、何件かに在庫があったと把握しているんですが、魔法のスキルスクロールはどの属性も予約待ちの状態だったと思います。一応、各店舗の在庫を確認いたしますが。」


「そうですか……。ところで、各店舗の在庫の確認ができるようですがそれを確認させてもらうことはできますか?」


 店長の回答を聞いて気になったことを確認してみる。他の店舗の在庫であれば、この店に無い、より有用なスキルスクロールがあるのではないかと考えたのだ。


「パソコンで直接確認していただくことはできませんが、プリントアウトしたリストであれば可能です。お持ちしますか?」


「ええ、ぜひお願いします。」


「わかりました。“メイス”のスキルスクロールの取り寄せ手続きと一緒にプリントアウトもしてきますので、少々お待ちください。」


 店長はそう言うと、レジカウンターの向こうにある扉へと消えていった。


 

 店長を見送った俺は、やることもないので隣の魔法道具のコーナーを覗いてみることにした。

 特に購入したい物があるわけではなかったが、魔法道具については“マジックバック”などの有名な物しか知らない。この機会にどういった物があるのかを確認しておくのもいいだろう。

 だが、移動した魔法道具のコーナーはスキルスクロールほどではないが品ぞろえが良いとは言えない状態だった。

 目玉商品であるはずの“マジックバック”は在庫が無く、HPやMPを回復させる装飾品もない。置いてあるのは下級に分類される魔法道具や比較的入手率が高い“マジックストーン”と呼ばれる魔法道具のみであった。

 やはり探索者の減少で魔法道具についても入手できる数が減っているのだろうか、そんなことを考えながらそれぞれを確認していく。


 ダンジョン内限定だがMPを使用して火を起こす“マジックコンロ”や水を生み出す“マジックボトル”、この2つは比較的数があるようだ。まあ、基本的に1人に1つあれば十分だし、ダンジョン内で休憩をとらないのであればそもそも不要だ。それで数があるんだろう。

 その隣にあるのは、ダンジョン内のマッピングに使用する“マジックログ”だ。1枚につき1階層しか記録されないらしいが、使用するとダンジョン内で移動した周囲の地形が記録されるらしい。家のダンジョンのような造りが単純なダンジョンでは特に必要ないが、造りが複雑なダンジョンでは重宝されるらしい。手書きのマッピングでも対応はできるが、“マジックログ”の方が確実で正確らしい。ただ残念ながら、迷宮エリアには使用できないらしい。まあ、迷宮エリアは1日ごとに通路が変化するらしいので当たり前と言えば当たり前か。

 その隣は“マジックバック”が置いてあったらしいが、今は入荷待ちの札が置かれているだけだ。


 レジカウンターの方を確認してみるが、まだ店長は戻らないようだ。仕方がないので俺は次の棚を確認に移る。

 次の棚の最初には各種“マジックストーン”が置かれていた。使用者の周囲に光源を発生させるもの、煙幕を発生させるもの、爆発の魔法を発生させるもの、雷撃の魔法を発生させるもの、凍結の魔法を発生させるもの、落石の魔法を発生させるもの、ここまでが在庫があるもののようだ。

 各種魔法を発生させるものは数が少ないが、いくつかは残っている。遠距離攻撃として“投擲”のスキルを取得するつもりだがいくつか買っておくか?魔法の威力は使用者のステータスに比例するらしいが。

 値段を確認してみる。魔法の方は3つで50万、光源、煙幕は5つで10万らしい。魔法の方は中級の魔法道具になるようなので仕方ないのかもしれないが、躊躇する値段だ。だが、いざというときの切り札と考えるのであれば仕方ないのかもしれない。

 そう考え、俺は爆発と凍結の2種類を購入することを決める。


 その横に目を向けるがそちらは売り切れらしい。ダンジョンの入り口へ戻ることができる“マジックストーン”があったようだが、入荷待ちの札が置かれている。

 さらにその隣は装飾品が置かれていた場所のようだ。こちらも商品名のタグが残っているだけで、商品が置かれるべき場所には入荷待ちの札が置かれている。


 他にも確認してみようかと体の向きを変えると、レジカウンターの奥から出てくる店長の姿が見えた。どうやら、スキルスクロールの在庫確認が終わったようだ。俺は店長の方へと歩きだした。


 

「お待たせしました。“メイス”のスキルスクロールの取り寄せ手続きは問題なく完了しました。明日の午前中にはこの店に到着している予定です。そして、こちらが各店舗にあるスキルスクロールの在庫リストになります。」


 先ほどいた辺りまで戻ると、店長はそう言って俺にプリントアウトしたであろう紙を渡してくる。


「ありがとうございます。“メイス”のスキルスクロールは確定ですが、先ほどの2つについては他のスキルスクロールを確認してからにさせてください。」


 俺はそう言って、受け取った紙に目を落とす。

 リストは数枚に渡り、各スキルスクロールの在庫数が書かれているようだ。個数が書かれているだけで特にどこの店にあるかなどは書かれていない。

 他に来客もないようなのであまり知らないスキルを店長に確認しながら、ゆっくりとリストを確認していく。

 武器スキルはこの店にない種類のものもいくつかは他店に在庫があるらしい。“杖”や“斧”のスキルも他店舗にはあるようだ。変わったところでは“三節昆”、“鞭”といったものもある。

 だが、ひそかに期待していた“盾”系統のスキルや“弓”のスキルはないようだ。やはり、“剣”や“槍”同様に人気のあるスキルなのだろう。


 次に魔法スキルが並んでいたが、こちらは全て在庫が0になっていた。もしかしたらと期待していたのだが、店長曰く、よほど状況が好転しない限り魔法スキルのスキルスクロールは数か月待ちとのことだ。

 最後に補助スキルを確認する。こちらも何となく考えていた、“回避”や“高速移動”、“頑強”や“受け”といった使えそうなスキルは残っていない。在庫があるのはこの店に残っていたような微妙なスキルのみだった。また、以前から欲しかった“罠解除”のスキルも在庫がないようだ。


「残念ながら、先ほど検討していた2つのスキルよりも良さそうなスキルはないようです。」


 リストから目を離し、店長に向かって告げる。


「なので、先ほどの“投擲”と“壁走り”のスキルスクロールを購入させていただきます。それと、在庫のないスキルスクロールの購入予約をしたいのですが構いませんか?」


「ええ、もちろんです。どのスキルでしょうか?」


「1つ目は魔法スキルのスキルスクロールですね。こちらは攻撃が可能な属性の物であれば何でも構いません。もう1つは“罠解除”のスキルスクロールをお願いします。」


 俺は店長からの質問に対して、以前から必要になるだろうと考えていたスキル名を答える。


「なるほど、魔法スキルと“罠解除”のスキルですか。どちらも数か月待ちとなりますが構いませんか?」


 店長の言葉に俺は意外感を覚える。“罠解除”のスキルも数か月待ちになるのか。

 おそらく表情にも表れていたのだろう、店長が言葉を続けてくる。


「ご存知なかったようですが、“罠解除”のスキルも人気のあるスキルですので数か月はかかると思います。むしろ入手数が少ない“罠解除”のスキルスクロールの方が遅くなる可能性がありますね。ちなみに、“罠解除”のスキルは“罠探知”のスキルと合わせて購入される場合が多いですが、そちらは構わないのですか?」


「ええ、“罠探知”のスキルはすでに持っていますので。」


「そうですか、であれば問題ないですね。では、魔法スキルと“罠解除”の2つのスキルについては購入予約の手続きを行っておきます。他になければ、先ほどの“投擲”と“壁走り”のスキルスクロールの購入手続きに移らせてもらいますがどうされますか?」


 こちらの答えに納得したのか、店長は最後に確認してきた。とりあえず、質問に関しては確認し終わったが、購入についてはスキルスクロール以外にも必要なものがある。

 俺は魔鉄のメイスとマジックストーンも購入することを告げてから、会計に移った。


 ……のだが、合計金額が830万円となりその日にすべてを購入することはできなかった。“メイス”と“投擲”のスキルスクロールが中級のスキルスクロールで値段が300万円と高額だったこともあるが、そもそもそれがなくてもカードの上限金額を超えてしまっていた。

 前回の購入時に防具をカードで買っていたので意識していなかったが、スキルスクロールの金額を考えればカードでは無理なことはわかりそうなものなのに。

 結局、スキルスクロール3つとマジックストーンは明日、“メイス”のスキルスクロールと一緒に購入することになり、この日は魔鉄のメイスのみを購入して店を後にした。


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