表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/32

バルミダ機関

 抜けるような青空の下、深緑の高機動装甲車が軽快に街を掛けていく。その後部座席で、幹耶は鉛のように重い体を深くシートに沈み込ませていた。


「おい真斗、あれはどういう事だ? 怪我の具合はもう良いんじゃなかったのか」

 ハンドルを握りながら火蓮が言う。真斗は助手席で髪を結っていた。

「あぁ、リハビリを兼ねて軽くトレーニングをね。疲れちゃったんでしょ」

「軽く、ねぇ……。病み上がりに無茶させるなよ。それが真斗なりの優しさなのか?」

 火蓮の言葉に真斗は「いいじゃんー」と頬を膨らませた。


「私なら大丈夫、大丈夫ですから……」幹耶は頭を振り、声を上げる

「なんだ、暗い顔をして。もしかして負けたのか」ははは、と火蓮が喉を鳴らす。「対人戦のコツはな、とにかく慌てない事だ。相手の心を盗み、先を読め。真斗は特に単純だ」

「火蓮たちが捻くれ者過ぎるのよっ」真斗が頬を膨らませる。

「ま、精進することだな。真斗の身体能力は他のアンジュと比べても頭一つ抜けているが、真っ直ぐに突っ込む事しか能がない。数回も刃を交えれば、ルーキーもすぐに勝てるようになるだろう」

「そんなものですかね」幹耶が言う。

「そんなものさ。どれだけ訓練しても死ぬ奴は死ぬが、石像の前でアーメンハレルヤと歌っているよりは、よほど身の助けになる」


「真っ直ぐ挑んで、真っ直ぐ勝つ。これが戦いの醍醐味でしょう」真斗が言う。

「それで負けてちゃ世話ねぇだろ。お前と違ってこっちは一回死んだらお終いなんだ」

「あらそうなの? 不便ねぇ」

「何度も死ぬよりかはマシだ」

 そういって二人はカラカラと笑う。その様子を後部座席から眺める幹耶はにこりともできなかった。話が常識外れ過ぎて突っ込みも入れられない。


「まぁ、どうしても勝ちたいなら少しは工夫をすることだ。お前にしかできない戦い方ってのも、あるんじゃないか?」

「そうねぇ。考えておくわ」

 火蓮の言葉に、真斗が気も無さそうに笑いながら手を振る。


 やがて高機動装甲車は細い路地に入り、ゆっくりと停車した。


「お前ら着いたぞー」

 まだ長い煙草を灰皿に押し込みながら火蓮が声を上げる。

「勿体ないですね、煙草は高級品でしょうに」

 生活必需品ですら満足に手に入らない現状では、嗜好品の類は余計に手に入りにくい。物資の豊富なアイランドでもそういった事情はあまり変わりがないようで、煙草なども気軽に買えるような価格では無い。

「店内は禁煙だしな。煙草だって、吸いたくて吸っている訳じゃない」

 そうぼやきながら火蓮は車外へ出ていく。灰皿の中で折れ曲がった煙草を横目で見ながら、幹耶もそれにならった。


「ここを降りるのですか?」

 茶色いレンガ風のタイルが張られたビルの一角には、地下へと降りる階段があった。階段前の立て看板には〝左利きのくじら〟と書かれている。何かの暗号という訳でなければ、これが店名なのだろう。随分と個性的だ。幹耶は由来が少し気になった。


「ささ、早く降りて。私のお腹のライフはもうゼロよ」

 背中から真斗に促され、幹耶は薄暗い階段を降りていく。今時珍しい天然木のドアを開き、慎重に店内を覗き込む。

 店内は思いのほか明るかったが、人影は見当たらない。はて、まだ準備中だったのだろうか。


 見回す幹耶の視界に、奇妙な物が映った。うず高く積み上げられた食器の山だ。カチャカチャと音も聞こえてくる。幹耶がそれを不審そうに眺めていると、見知った顔が山の向こうから現れた。


「おいっすー。先に頂いているよ」

「相変わらずの食べっぷりねぇ」

 真斗はそう言うと、手招きをするようにスプーンを振る雪鱗の横に腰掛けた。幹耶は数えるともなしに積み上げられた色とりどりの食器を目でなぞる。その枚数は軽く二十を超えていた。もしこれだけの食事を雪鱗が一人で平らげたのだとしたら、あの細い身体のどこに収まっていると言うのだろう。


「来たか。悪いが座って待っていてくれ、用意した分はユキの奴が平らげちまいやがった」

 カウンターの奥から禿頭の男性が姿を現す。色黒で大柄なその男性に、幹耶は見覚えがあった。

「あれ、貴方は……」幹耶は頭を下げる。「空港ではお世話になりました」

「気にするな。どうだ、ピンキーは。ユキのオムライスにピクルスは必要か?」

「必要ないと思います。まぁ、良くして頂いています」

 そりゃよかった、と禿頭の男性が笑い声を上げる。


「何? もうお知り合いって感じ?」

 二人の様子を見ていた真斗が声を上げる。火蓮と共に席につきながら、幹耶が頷いて見せる。

「空港で迷子になっていた所を助けて頂きました」

「ああ、奥さんのお見送りかな。アイランド・ツーに行くんだっけ」

 ああ、と禿頭の男性が頷く。アイランド・ツーは医療研究特化のアイランドだよと、雪鱗が幹耶に説明する。


「奥さん、どこか悪くされているのですか?」

 幹耶は聞いてから失敗したな、と思った。ほぼ初対面の人間が気軽にして良い質問では無かったかもしれない。だが、そのような心配は杞憂であった。

「いや、子供が生まれるんだ」どこか照れくさそうに禿頭の男性が言う。「ここにもそれなり以上の医療設備があるが、硝煙の臭いに(まみ)れて生まれてくるのは可哀想だろう?」

 違いない、と火蓮が薄く笑う。アゾット結晶の軍事利用研究に特化したアイランド・ワンには必然と軍事関係の人間が多く出入りしており、いつもどこかきな臭い。生まれてくる命に対して、多少は神経質になるのも致し方なしといった所だろう。


「こちらの自己紹介がまだだったな。()()(うみ)だ。ピンキーでは〝ダンナ〟と呼ばれているよ」

 下の名前を名乗らないのは、自分をあだ名で呼べという事だろう。幹耶は小さく頷いた。


「ダンナもピンキーのメンバーだったんだけど、子供ができたのを切っ掛けに除隊したんだよ」こういうのも脱サラって言うのかな? と雪鱗が顎を掻く。「で、今は危ない仕事から足を洗ってアンジュ歓迎のバーのマスターってわけ」

「という事は、ダンナさんもアンジュという事ですか」

 幹耶は石花海の禿頭に、次いで色素の薄い瞳に目を向けて言う。それに応えたのは雪鱗だった。

「一言でいえば肉体強化だね、肉体を硬質化させるんだよ。〝鋼の海王〟なんて呼ばれるほど、近接戦闘じゃ敵無しだったんだから」

「シンプル故に弱点が無いって感じですね」

「ところが、そうでも無くてな」火蓮が笑いを堪えるように手のひらで口元を覆う。「体毛までは硬質化させる事ができなくてな、気が付いたら全身永久脱毛だ。で、ついたあだ名が――」

「「「海坊主」」」

 真斗、火蓮、雪鱗の三人が声を揃え、軽快な笑い声を店内に響かせる。石花海は「言ってろ」と愉快そうに、あるいは呆れたように口端を歪めながらカウンターの袖へと引っ込んでいく。


「そうだ、お雪。来週は定期健診だけど、時間の確認はしてあるの?」真斗が言う。

「え、あー。忘れてた。面倒だなぁ。まぁ、一度も真面目に受けた事なんて無いけれど」

 苦笑いを浮かべながらそう言って、雪鱗が眉を八の字に曲げる。

「定期健診、ですか」

「そっか、幹耶くんは初めてだもんね」真斗が幹耶へ向き直る。「ようするにアンジュと、そのアーツのデータ採取って所かな」

「またなんで、そのような事を」

「アーツは魔法では無く、あくまでも無理やりに引き起こされた〝現象〟だからな。研究を突き詰めれば、再現可能ではないかと考えたようだ」火蓮が言う。

「再現してどうし……って、軍事利用ですよね、やっぱり」

「一概に悪いとは言えないと思うけれどね」雪鱗が手にしたスプーンをゆらゆらと振る。「大抵の技術は、軍事利用目的に開発された物が始まりだからね。当たり前のように使っている日用品にも、そういった物がありふれているし」

「確かに、不死の再現なんて夢がありますものね」

 幹耶の言葉に、火蓮と雪鱗が微妙な表情で視線を泳がせる。

「気持ちは解らなくも無いけれど、不死なんて良い物でもないわよ」真斗が低く言葉を吐き出す。「それより、お腹すいちゃったわ。ダンナー、まだー?」

「はいはいはいっと。待たせたな雛鳥ども」

 そう言って、石花海が深めの大皿をテーブルにどすん、と置いた。黄金色の米から香しい狩りが漂ってくる。海の幸をふんだんに使用した地中海風炊き込みご飯、パエリアだ。

 次いで取り皿が三枚配られ、幹耶たちの昼食が始まった。ちなみに雪鱗は食器の山を端に寄せ、別に用意されたパエリアの大皿を一人で抱えている。どうやら雪鱗は無限の胃袋をお持ちであるらしい。


「おい合法ロリ。タバスコを取ってくれ」海老の殻を剥きながら火蓮が言う。

「誰がロリよ、誰が! はい、かけ過ぎるんじゃないわよ!」

「低脂肪乳――。お水頂戴ぃ――」雪鱗がムール貝の貝柱と格闘しながら言う。

「誰がまな板だ――!! まったく、飲み過ぎるとお腹がたぽたぽになっちゃうからね! あ、ほら。病み上がりで食欲ないかもだけど、幹耶くんも少しは食べておきなさい」

「は、はい。ありがとうございます……」

 頬を膨らませながらも真斗はてきぱきと料理を取り分け、水を配り、幹耶たちの面倒を見ている。妙な所で団長らしい――とも幹耶は思ったが、これは何か違う気がする。ただの世話焼きといった所か。ちょこちょこと動き回る姿が、何とも小動物的で可愛らしい。


「ハナとメロンはどうしたの? 遅いじゃない」

 真斗が出入り口に目を向ける。到着が遅れているようだが、どうやら幹耶の知らないメンバーが他にも居るらしい。

「ああ、それなんだけれどさ」雪鱗が指を払うような動作をする。「これ、見てみてよ」

 幹耶たちは雪鱗から送られてきた動画ファイルを再生する。映し出されたのは、おぼつかない様子で歩く一人の男性だ。アジア系で、中年という程でもないが、若くも無い。

 そして幹耶が気になったのは、その場所だ。見覚えがある等というレベルでは無い。


「何よこれ」真斗が顎に指を当てて、眼を細める。「昨日のショッピングモール……?」

 幹耶たちは言われたとおりに事の成り行きを見守る。夢遊病のように歩き回る男性に近づく人影があった。灰色の都市迷彩戦闘服を着込んだ、機動一課の隊員だ。腕の部隊章には二七の数字。シャルムが部隊長を務める、チェイサーの二七番隊だ。


 問題はそこからだった。歩き回る男の動きがぴたり、と止まり、頭を抱えて苦しみ始めた。そして身体のあちこちから黒い炎のような物が吹き出し――、爆発するように激しく燃え上がった。巻き込まれた隊員の姿はホワイトノイズの向こうに消える。

 映像が切り替わる。どうやら別のカメラで同地点を映し出した物のようだ。爆風の土煙が薄れ、その向こうから現れたのは、公害という名の悪夢だった。


「――はっ……!?」目にしたものが信じられず、幹耶は大きく口を開ける。「人間が爆発して――、テロ? いやしかし、これは、ガルム――?」

「あ? 真斗、ルーキーに説明していなかったのか?」火蓮が片眉を上げる。「ったく。あのな、ルーキー。ポリューションってのは、人間がダストの影響を受けて変態したものだ」

「は、え、いやしかし……」

「受け入れがたい気持ちは解るが、事実は事実で、真実だ。公害の定義からも外れていないぞ」

「あれが自然発生的な現象であるのなら、動物的な〝災害〟って呼び方になるのかな?」

 けらけらと雪鱗が笑う。真斗も平然としていた。衝撃的な映像と三人の温度差に、幹耶は軽い眩暈を覚えていた。どこまで異常なら気が済むんだ、この街は。


「んで、次にこれ」

 狼狽える幹耶を放置して、雪鱗が次の映像ファイルを寄越す。

 内容としては、先ほどとほぼ同じであった。違いと言えばこちらは巻き込まれたチェイサーの隊員が居ない事、そしてガルムへと変態したのは女性であったという事だ。


「同時刻か……。珍しい事もあるものね、で片づける訳には、行かないわよねぇ」真斗が唸る。

「二体ともガルムという点も妙だ。ユキ、この二人に共通点は?」

 火蓮の言葉に、雪鱗が頷く。

「二人とも、テロやポリューションによる公害被害に巻き込まれて、行方不明になっていた人物だよ」

「それは、最近の事?」真斗が言う。

「いや……。男性が一週間前、女性が二日前だね」

「バラバラかぁ。で、二人とも誰にも見つからずにアイランドを彷徨い続け、同日同時刻に同じショッピングモールで、同じ形状のポリューションになった?」真斗が腕を組んでため息をつく。

「いくらなんでも出来過ぎだ。何者かが仕組んだと考えるのが自然だと思うが、どうだユキ。可能だと思うか」

「ちょ、ちょっと待ってください」たまらず幹耶が会話に割り込む。「まったく付いていけません。何が出来過ぎですって?」

 ええと、と真斗が口を開く。

「ポリューションは現実に顕現した負の感情だ、って話はしたわよね。でも、私たちのアーツが一人一人違うように、負の感情と言ってもその内容はそれぞれ異なるわ。似る事があっても、全く同じなんてありえない。同じガルムといえど、多少は見た目が変わってくるわ」

「つまり、ショッピングモールでの一件は誰かが作為的に引き起こした、と考えているのですか?」

 幹耶の言葉に、雪鱗が頷く。

「可能かどうかはさておいて、そう考えて行動をするのが良いと思うよ。そもそも、ガルムのような明確な形を取るポリューションの方が珍しいんだよね。大抵は大きなスライムみたいなポリューションになるよ。何処かの誰かが、その操作を可能にしたって事じゃ無いかな」

 負の感情に明確な姿形などは無い。それに形を与えるのであれば、型にはめるように外側から造り上げるしかない。


「この夢遊病のような動きが気になるな」火蓮が映像を再生しながら言う。「何かしらの薬剤でも投与されているのか?」

「なんにせよ、これが人為的に引き起こされた物であるのならば、個人や小規模な集団の犯行ではありえない」真斗が言う。

「テロリストの仕業でしょうか」幹耶が言う。

「どうかしら。あいつらが鉛弾と爆薬以外を扱えるとは思えないけれどね」

「それについては、心当たりがあるよ」

 雪鱗が再び指を振る。幹耶たちの元に届いたのは長大な資料だ。

「アゾット結晶応用技術総合研究所――、通称〝バルミダ機関〟。アゾット研究黎明期が生み出した、忌み子だよ」雪鱗が眼を細めて言う。

「バルミダ……ね。嫌な名前が出て来たものだわ」真斗が顔を顰める。

「これは?」

「名前の通り、アゾット結晶とそれにまつわる研究をしていた研究所の名前だ」幹耶の問いに火蓮が応える。「メインの研究はアゾット結晶の生成。それに関連してポリューションのコアの研究もしていた」

「コア……」幹耶はガルムの胸で暗く輝く結晶体を思い出す。

「ポリューションコアの別名は〝粗製アゾット〟。名前から解るように、あたしたちのアゾット結晶に近い性質を示す物質だ」

「まぁ品質が悪いと言うか、殆ど使い捨ての粗悪品だけれどね。弾頭や爆弾に仕込むのが主な使い道かな。私のソニックショットにも使われているよ」

 火蓮の言葉を継いで真斗が言う。なるほど、と幹耶は思う。あの過大な破壊力にも多少は納得が行くというものだ。

「問題なのは研究の仕方でねぇ。人間がポリューションに変じる際に何が起きているのかとか、アンジュとノーマルに肉体的な違いは無いのかを調べたりとか……」雪鱗が珍しく口ごもる。「その、人権無視の人体実験を、当たり前のように繰り返していてね」

「で、そこで何度も解体されていたのが私で、その研究を主導していたのが磯島よ。他にも色々とやっていたみたいだけれど」苦虫を噛み潰したような顔で真斗が唸る。「でもバルミダ機関は完全に解体されたはずでしょう? 磯島だってスピネルに監視されて、ポリューションの研究なんてできないはずよ」

「それがさ、元バルミダ機関の研究員が集って、密かに研究を続けているってタレこみがあってね。チェイサーは朝から大忙しなのさ」雪鱗が言う。「で、ハナとメロンはその調査に駆り出されてお昼抜きってわけ」

「何それ。それが本当なら、スピネルの目も随分と節穴ね」

「成果が得られれば、そこから得られるものも計り知れないからな。ある程度は見逃しているのかも知れないな」火蓮が言う。

「もしそうなら、腐りきってるわね」吐き捨てるように真斗が言う。


「ともあれ、タレこまれた偽装研究所を一つずつ調査しているって状況らしいよ」

「私たちもその手伝いをするのですか?」幹耶が雪鱗へ問う。

「いや、私たちは夢遊病患者さんの〝脚〟を調べる」

「どういうこった」雪鱗の言葉に火蓮が首を傾げる。

「……そうか。こんな状態で出歩いていたら、流石に人目につく。例の二人をショッピングモールまで運んできた人間が居るはずよ」

 ご明察、と真斗へ雪鱗がスプーンの先を向ける。行儀が悪い事この上ない。

「はーちゃんが駐車場のカメラ映像から重要参考人を割り出してくれた。私たちはその人たちにお話を聞きに行くんだよ」

 幹耶たちのバベルへ、雪鱗から二人分のプロフィールが送られてきた。〝如何にも〟な悪人面だ。

「二手に分かれるのね」真斗が言う。

「こういうのはチェイサーの仕事だろうが、まぁ仕方ないな」火蓮がパエリアにタバスコを振りかけながら言う。

「スイーパーって、結構何でも屋なんですね……」

 そうぼやきながら、幹耶はパエリアを口にする。生まれて初めて口にした黄金色の炊き込みご飯は、驚くほど旨かった。こんな物が当たり前のように存在するなんて、信じられない。


 まったく、この街は本当に狂っている、と幹耶は深いため息をついた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ