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第六話:お金、それは生きていく上で欠かせないもの

皆、新しい生活には慣れたかな?

こんにちは、河異です。

俺はまだ慣れてないよ。

最近タイトルの形式が気に入って、この形式のまま十話くらいまで使おうかなって考える今日この頃。

そんな話は後書きでするとして、本編です。どうぞ

「わ、私はアリシャ。神を宿す者です」

「「はい?」」

説明によると、アリシャは人工的に神をその身に宿す術式を受けたらしい。

しかし、力を抑えきれずに暴走して、逃げてきたそうだ。

「あの方たちは、私の力を使って他の大国を攻めようとしています」

「おいおい、それって、アウグスティヌスか?」

アリシャは首を横に振った。

「違います。その国に対抗するために、私を使おうとしたんです」

なるほど。他の国もやられてるだけじゃなくて、ちゃんと対抗策を考えてるんだな。

「あの国には私の友人もいますし、できれば戦争はしたくないのですが・・・」

「しかし、兵器に対する武器が神とはね」

神を人に宿すというのだから魔法とは恐ろしい。

「なるほど。あの国に対抗するための力なら、あの大人数で追いかけてくるのも納得だよ」

「相手の国の兵器が何なのかわからないけど、人が兵器になるのは驚きだ」

「人工的に神を宿す魔法か」

国のトップシークレットな感じがプンプンするぜ!

「助けていただきありがとうございました。私はこれで」

アリシャはそのまま来た道と反対の方向へ行く。

「いやいや待てよ。今あんたを助けたから、俺らもマークされてるはずだ。俺達は向こうの事情は知らない。そして」

俺は一拍おいてから言った。

「俺は困ってる女の子は見過ごせない」


またまた別行動中だった二人と合流して一連の流れを説明したところ、

「タカ君は!また!勝手に!仲間を増やして!しかもまた!女の子!」

「ごめんごめん。どうしてもそのままにしておけなくて」

「あきらめろ。こいつの浮気性は治らん」

「浮気性て・・・」

と、何故か怒られてしまった。

「そこに正座しなさい!」

「なして!?」

どうして女の子は怒ると正座をさせたがるの?そういえば妹にもよく正座させられてたな。

それから三十分。こってり搾られた。

・・・下ネタじゃないよ?お説教だよ?


「終わったか?」

「うん。だいぶスッキリしたよ」

「俺はだいぶやつれた気がするよ」

『君もなかなか大変だね』

エレン?そういえばずっと静かだったな。どうした?

『僕だって睡眠をとるのさ』

剣なのに寝るのか・・・。

『いいじゃないか』

別にいいんだけど。

剣って寝るんだ・・・。

『僕みたいに表に出なければ、あんまり関係ないからね』

そうだな。

『それに、僕は炎を操る能力があるからね。普通の奴らより疲れやすいのさ』

なるほどなるほど。

『君が興奮すれば、ペアリングされている以上、寝つきは悪くなるんだけどね』

今日はお前のテンションが低いからどうしたかと思ったが、俺が修行してたせいであんまり寝れなかったのか。悪いな。

『いやなに、君が強くなるのは僕にとっても嬉しい事だからね。どうってことないさ。それよりも本番で、しっかり使いこなせてくれた方がよっぽどいい』

しかし、ペアリングって、俺的にはただ言葉が無くても意思疎通ができるくらいにしか感じないんだが?

『君の感覚は伝わるけど、僕の感覚はつながらないようにしてあるからね』

なんで?

『剣で攻撃する度に、体が痛かったら話にならないだろう?』

確かに・・・。ん?攻撃する度に痛いなら、お前はどうなんだ?

『感覚は一緒なだけだから、僕は剣だから痛いのは一瞬だし慣れてるけど、君は生身の体だからね。痛みはなかなか引かないだろう?』

そういう事か。

『そういう事さ』

「お~い、傍から見てると、ただの痛い奴に見えるぞ?」

「え?どういうことだよ?」

ミーさんがが苦笑いしてる。マドカもアリシャもだ。どういう事だ?

「お前はその・・・、なんだ。剣の・・・エレン?だったか?と話してるようだが、傍から見ると、独り言が激しい痛い奴に見えるんだ」

「え?もしかして、俺の声漏れてた?」

「ああ、何の話をしているかはわからんが、ぶつぶつとな」

『あっはっは。これも練習が必要かな?』

「笑い事じゃねぇよ、まったく」

ミーさんは凄く微妙な目で俺を見ているし、マドカは「どうしたら治せるのかな?」とか呟いてるし、アリシャはアリシャで、「本当にこの人たち大丈夫かな?」って言ってるし。

大丈夫だよ?俺別に変な人じゃないよ?

剣と喋れる異世界から来た男の子普通の男の子だよ?

・・・ダメだ。始めからツッコミ所しかねぇ。剣と喋れるあたりから普通とは言えない。

『本当に君は見ていて飽きないねぇ』

見てないで助けてくれよ。

『触らぬ神に祟りなし。ってね』

お前が原因なんだけどな・・・一応。

「神と言えばアリシャ。お前は何の神を宿してるんだ?」

そうするとアリシャは微妙な顔をした。

「ごめんなさい。私もよくわからないんです。あんまり有力な神ではないことは確かなんですが」

「どうしてそんなことがわかるの?」

「あまり有力な神だと人の身に納まらないんですよ。なので、できても下級の、名前も知らないような神くらいしか宿せないんです」

「宿してるってことは、普段は眠っているのか?」

「いえ、意識の疎通はできるのですが向こうはあんまり私を良くは思ってないみたいで、話しかけても無言なんですよ」

「俺とエレンみたいな感覚か」

『僕は君と話してるけどね』

「まぁ、それはいいとして、これから先どうするかが問題だな」

確かにそうだ。逃げるにしても戦うにしても、問題はある。

「逃げるとするならば、まずは何処に逃げればいいのか。そしてどのくらいで向こうが諦めるか。戦うにしても、向こうの戦力はどのくらいなのか。向こうは今どういう状況にあるのかだな」

「そうだ。俺達に今必要なのは情報だ。逃げるにしても戦うにしても、情報は欠かせない」

俺達は今までその場その場でやってきたから、情報が全くない。その上、前に居た洞窟からここに来るまでにすでに一週間近くが経っている。

「私が逃げてきた町なら、ここから四時間程で行けますが、入るのは容易ではないかと」

アリシャが来た方なら四時間で行けるし情報も多いだろうが、危険度は高い。

しかし、ここで待っているか戻っても、危険度は低いが情報は少ない。

ならここは

「いったん町に戻ってみる必要があると思う」

「そうだな。それが一番妥当だろう」

俺とイソラは賛成。さて、残りの三人はどうする?

「私は、町へ行くのは賛成ですが、今行くのは危険だと思います」

「私もそう思う」

「イソラ。ここは一旦間を置いてから仕掛けるべきです」

うぅむ。女子陣は、町へは行くけど、明日とかのほうが安全だと思う。ってことか。

『僕は今行った方がいいと思うよ』

エレン、お前は賛成派か。

『今は電撃作戦のように、敵に守備をさせる時間を与えない方がいいと思う。相手は国の秘密を逃がしたんだ。兵力は国一個分と考えていいだろう』

なるほどな。情報はどうする?

『町へ着いたら現場で少し情報を集めよう。そしたら国の軍部に直接攻撃でいいんじゃないかな』

一国に攻めるのをそんなに簡単に言うなよ。

『僕が居るのにできないとでも?』

なんだかできる気がするから不思議だぜ。

「てなわけで」

「いや、お前らの中で何があったのかは知らんが、俺らは説明されないとわからないから」

おお、そうだった。

「まあ、簡単に言えば、国を一つ攻め落とす」

「え?国を?」

「驚きですね。まさかそんな発想に至るとは」

「確かになかなかできる発想ではないですね」

そんな・・・、そんなバカを見るような目で見ないでくれよ・・・。

『う~ん。いい案だと思ったんだけどなぁ』

理には適ってるんだが、こっちの戦力が圧倒的に低いことが原因だな。

『そんなに?』

ああ、圧倒的に少ない。皆無と言っても差し支えない位だ。

良く考えても見ろ。ただの一般人から勇者にジョブチェンジしてから一ヶ月の剣士と、魔法学校主席の魔術師と、大剣を振り回す大柄な男と、八咫烏の使い魔と、神を宿した少女だぜ?

『始め以外は強そうだね』

くそう。実際そうだから反論できねぇ。そうだよ、弱いよ!俺はこの中でも圧倒的に弱いよ!

でもさぁ、俺だって頑張ってるんだよ?俺だって、毎日早起きして修行してるんですよ?いつも七時起きだった俺が、今では六時起きだよ?お前ら凄さが全然わかってないだろ?毎日いつもより一時間早く起きてみろよ。めっちゃ辛いから。しかも毎日限界近くまで動くからぐっすり寝れるよ!おかげでなんだか最近は健康になったよ!本当にありがとうございます。

『途中から感謝してるんだけど』

まぁ良い事も悪い事もあったんだよ。

『で、強行突破は無理なの?』

できないことは無いだろうけど、結構運任せになっちゃうところもあるだろうな。

『でも、このままだと状況は悪くなるだけだよ?』

それもそうなんだよなぁ。それしかないのか。

「とりあえず町に向かうか」

「なぁ」

イソラはこっちを向いて、なんだと聞いてくる。

「俺コミュ症だから、情報収集は頼むわ」

物凄く重いボディブローが飛んできた。


「町、デカいな」

俺達は今、町の商店街にいます。

マジで国なんだけど。城が建ってるし。

「一応大国の中心に近いところですから」

埼玉とか千葉みたいなところってことなんですかね?

「確かこの国は行商の町としても有名だったよな?」

「はい。この大国の大体の物はここで買えますよ」

「何か必要なものがあったらここで買った方がよさそうだね」

「何か必要なものあったかなぁ」

「私あれが欲しい!」

マドカが指差していたのは、指輪・・・か?

「あれが欲しいのか?」

「うん!あれは魔法の威力が四十%も上がる代物だよ!」

それはスゲェ。俺も欲しいな。けど、

「ダメだ」

「え~なんでさケチ~」

「値段を見なさい」

『威力の指輪 値段3000000セル』

ほら、ゼロが六つもついてるでしょう?俺達にそんな財力は無い。

ちなみにこの世界のお金はセルというらしい。

『僕はあそこの緑の屋根で売ってる石が欲しいな』

「石?そんなのが欲しいのか?変わった奴だな。ま、石くらいなら買ってやるか」

その時俺はもう少し考えるべきだった。普通の石が、出店で売っているわけがないと。

しかし、そんなことを微塵も考えず俺は緑の屋根の店に行ってその石を手に取る。

「すいませ~ん。これくださ~、っ!」

俺が手に取っていたものは、

『高級砥石 値段45000000セル』

「なんで砥石が指輪より高いんだよ!?どんだけ高級!?普通の砥石の相場が知りたいよ!」

周りに砥石が売ってないか確認すると、運よく向かいの店で見つけることができた。

『砥石 値段50セル』

安っ!普通の砥石安すぎだろ!どんだけ需要高いんだよ!高級との差が全然わかんねぇんだけど!?

『まったく。違うに決まってるじゃないか。肌触りとか、切れ味とか、気持ちよさとか』

あ、武器側の気持ちも含まれてるの?

『あの砥石を使われた日には、普通の砥石じゃ満足できない体にされてしまうとか』

高級砥石が使われる日が訪れることは永遠にないだろう。

『ちょっ、本当に買ってくれないの?』

当然だ。さっきも言ったが、俺達に足りないのは情報。そして金だ!

『ぶぅ。じゃあ普通のでいいから砥石を買ってくれよぅ』

ふむ。普通のだったらいいか。これから先ないと困るだろうし。

あとで何かうまいもん買ってやるから、今は我慢してくれ。

『本当だね?嘘だったら串刺しにしてやるんだから!』

冗談でも怖いよ!

『ふっふっふっ、冗談だといいね』

不吉な言葉を残すな!

そう言いながら砥石を一応十個位買っておく。いつまた買えるかわからんしな。

十個砥石をまとめ買いしたら、サービスで上級砥石を貰った。普通に買ったらお値段750セルと、なかなかに高いものを頂いた。

「必要なものはそれぞれ違うだろうし、一旦別行動にしないか?」

「そうだな、俺も欲しいものがあるんだ。少し別で行動させてもらうぞ」

「じゃあ、集合はこの広場に一時間後に集合だ」

「「OK!」」

とは言ったものの、

「俺欲しいものとか、今ないんだよな~」

『君に必要なものは大体そろってるしね』

「必要なのって武器位なもんだろ?しかも最高級品があるし」

防具は重くなるからいらないだろ?

『君が防具つけない理由って、重くなるからなんだ・・・』

「あと、RPGとかで必要なものって言ったら・・・」

回復薬とか?

「この世界で回復薬とか必要なのかな?てかあるのかな?」

『あるよ。回復薬は飲めば体が軽くなったり、少しの傷なら全開にできるからね』

でも、回復魔法があるじゃん。

『回復魔法は傷が治るのを促進させる効果がある魔法であって、一瞬で治るわけじゃないからね。持っておいた方が良いと思うよ?』

『回復薬 値段120セル』

うん。何ともリアクションに困る普通の値段。

しかし、ゲームと違うのがこの世界の辛いところ。格納空間などあるはずもなく、二本も買えば両手が塞がってしまった。

『あるよ?格納空間』

え?そんな便利な機能持ってたんですかエレンさん?

『それを言うならさっきの砥石は何処に行ったのさ』

あれ?そういえばどこにしまったっけ?

『君が貰って、ポケットに入れたけど、太ももがゴツゴツして痛かったから勝手にしまっちゃったんだ』

そうだったのか。ちなみに、いつでも出せるんだよな?

『当然。君の意志で出せるから、必要なときはそうしなよ。在庫とかの管理は僕がするから、必要なときは聞いてね』

・・・便利だなぁ、格納空間。

そんなことを駄弁りながら、情報収取も兼ね、町をブラブラしていたら、

「お兄ちゃん、いい剣持ってんな」

なんか絡まれた。

「おぉう!?」

ビックリした!何この人!?どっちかっていえばあなたの方がお兄さんでしょうが。

「見たところあんた、金に困っててるだろ?」

ふざけているような表情だが、声のトーンはふざけてはいなかった。

「困ってますけど、それがどうかしました?」

「俺はこれから闘技場で一儲けを考えてるんだが、一人じゃ不安でな。チームで出場も出来るから誰か都合のいい人を探しててな、あんた、どうだい?」

エレンどう思う?

『なんだか怪しいけど、お金が必要な今、そんなことは言ってられないんじゃないかな?』

そうだな。なんか忘れてるけど、お金が必要なんだからしょうがないよね。

「お金に困ってるのはお互い様ですか。・・・よしっ!一儲けしましょう!」

「おお、やってくれるかい!」

そうして俺とエレンは、闘技場で一儲けすることになりました。

・・・なんか忘れてる気がするんだよな。


その頃集合場所では・・・

「「遅いっ!」」

はい、改めましてこんにちは、河異零次です。

授業中にチマチマ書いていたのが功を奏したのか早く投稿することができました。

皆さんは授業をしっかり受けましょうね。

担任が変わり、クラスメイトも変わり、私を取り巻く環境は随分と変わりましたが、それでも変わらないものがあると思います。

大切な人、大切なもの、趣味、習慣。

さて、皆さんにはあるでしょうかね?

今回のラジオトークはこの二人に任せましょうか。

イ「皆さんゆうばる~、イソラです」

ア「ゆうばる~、アリシャです」

イ「今回は俺達でトークしていこうと思う」

ア「本編では私たちの絡みが少ないですからね」

イ「そうだな。二人で会話ってのも描写されてないよな」

ア「まぁ私たちの会話は雑談なので、本編では描写されないんでしょうね」

イ「まったく、いつになったら日常編が出るのやら」

ア「私の話が終わるまでは少なくともないみたいですけどね」

イ「結局アリシャは主要メンバーになるのか?」

ア「今はまだ未定みたいですね。どうせその時の流れと作者のノリで決まりますよ」

イ「しかし、いつまで作者はこのタイトル形式でいこうとしてるんだ」

ア「一応十話までは考えてるみたいですけどね。もしかしたらずっとこのままかも・・・」

イ「今回はタカとエレンの会話がメインだったな」

ア「精神で会話ができるのが原因の一つですね。これからもそうなる予想がされますね」

イ「お前も神と会話できるんだっけ」

ア「私の方は無視されてるので、二人が羨ましいですよ」

イ「いつか話せるようになるといいな」

ア「はい」

イ「今回はこんなところで締めさせてもらうぜ」

ア「次回は、私たちを置いて闘技場で一儲けしようとするタカさんを襲う甘い罠!」

イ「次回も」

ア「お楽しみに!」

作「ブックマークやお気に入りにしてくれてもいいんだぜ?」

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