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第四話:武器、それは大切なもの

はい、河異零次です。

今回は休み期間に書いていた続きがあったので早いです。

本編です。どうぞ

俺は今、イソラにもう一度基礎から剣術を教えてもらっている。・・・森で。

いや、そんな近くに次の町なんてないよな。近くにちょうどいい洞窟があって助かったぜ。

こういう時カラスのミーさんは飛べるからいいよな。今はイソラの肩の上に乗ってるし。

まぁ、あえて動かせる必要もないけどな。

幸いケイナの村で貰った食料があるので、野宿には困らない程度の装備がある。

「もっと脇を締めろ。もっとだもっと」

「こうか?」

「そんで足はもうちっと開いて、左手はフリーなんだから、もうちょっとバランスを意識して」

「ふむふむ」

そこでイソラは少し何かを考える。そんなに酷いのかな?俺。

「お前魔法使えるんだよな?」

「ああ、少しだけなら」

「じゃあ、右で剣を持ちながら、左手で魔法を使ってみろ」

「魔法を使ってみろって言ってもなぁ・・・」

俺が使える魔法なんて単調なものだしな、それこそ火を出すだけで、相手に向けられないし、打ち出すこともできない。

「今は剣を使いながら、魔法を使う感覚に慣れるんだ。成功か失敗かは関係ない」

「そうは言ってもなぁ」

「じゃあ、この棒に火をつけることを心掛けてみろ」

「わかった」

剣を振りながら左手に火をつくる。

「剣はそのまま振り続けろ。そしたらその火を球体、火の玉にするんだ」

しかし、火は球体にならず、そのまま消えてしまった。

「あ、意外でもないけど難しい」

「意識せずに剣を振れるようになったら、結構簡単になる。それまでは慣れろ」

「おう」

「しかし、結構呑み込みが早いな。これなら一ヶ月はかからないぞ」

「普通ならどのくらいかかるんだ?」

「普通なら早くても二、三ヶ月かかるな。遅い奴は一年かかった、とか聞いたこともある」

結構覚えいいな俺。

「俺は少し洞窟を見てくるから、自分でやっておけ」

イソラはそう言い残して、洞窟の方へ向かっていった。

しかし、さすが魔力の少ないことに定評のある俺。五、六回練習しただけで魔力が切れたのか、火が出なくなってしまった。

「仕方ない。この練習は毎日少しずつやっていこう」

そこにイソラが戻ってきた。

「おい、やっておけって言っただろ」

「もう魔力がすっからかんなんだよ」

「早いな!まだ数分しか経ってないよな?」

「俺は異世界から来たから魔法使ってこなかったの!だから魔力の量も少ないの!」

ちなみに異世界から来たことはもうイソラ達には言ってある。

「そ、そんなに少ないとは思わなかったよ」

「しかも魔法もよくわかってないまま使ってるし」

数学でいう定理をそのまま使ってるだけで、定義をまるで理解してない感じ。

しかも、なんと魔法にも構成要素があって、自分で公式を編み出せるんだとか。

なので、魔法にも自分だけが使えるオリジナル魔法が作れるらしい。

俺も一つくらいほしいので、毎日暇なときにいろいろ組み合わせているが、理解してないせいか、どうも失敗ばかりだ。

またまた数学に例えるが、虫食い算をしているみたいな感じ。うまくいってない感じだけはする。

「そうだ。洞窟の奥でミーたちが何か見つけたらしい」

「何かってなんだよ」

「扉があるらしいんだが、魔法で開かないらしい。結構複雑な魔法陣らしくてな」

「とりあえず見に行ってみるか」

それで俺達は洞窟の奥へと向かうのだった。


「これまたデカいな・・・」

「洞窟にこんなのあったのか」

俺とイソラが驚いていると、

「凄いでしょ~」

「イソラ、褒めてください!」

と、二人がやってきた。

「でも、この魔方陣が複雑で、扉が開かないんだよね」

「そうなんですよ。どうにも何か凄いものが封印されてる級の魔法陣で、まったく解読できないんですよ」

いやミーさん、頭を撫でられながらそんな真剣な顔をしないでくださいよ。物凄いシュールじゃないですか。

しかし、撫でているイソラは真剣な表情で魔法陣を見つめている。

「なぁミー。この魔方陣、どこかで見たことないか?」

「えっと・・・そうだ!あの、古代都市トレスの遺跡で」

トレス?古代都市?何故だろう。ものすごい好奇心がくすぐられる。

「あの時のか。じゃあここにあるのは・・・」

「多分伝説の武器のどれかが入ってるんだと思う」

「伝説の武器だと!それはとるしかねーな!」

「テンション上がりすぎだろ!?」

「タカ君は基本的に少年のままなので」

だって俺はまだ十七歳だもん!厨二病を引きずっている十七歳だもん!

考えろ!考えるんだ!この魔方陣とやらをなんとかする方法を!

「とりあえず魔法陣にアクセスしてみるか」

俺だって一応魔法の基礎は教えてもらったので、基本的なことはできる。

「うむ、わからん」

まったくわかりません。ものすごくたくさんの構成要素があるけど、これだけたくさんの構成要素があったら普通、魔法自体が発動しないだろうに。

言ってなかったけど、魔法の構成要素にはある程度限界があって、微妙な違いで大きく異なった性質を持つものになることがある。これだけの構成要素を詰め込めるのは多分・・・黄金比・・・

絶妙なバランスで構築される黄金比は不可能とされる魔法すらも可能にしたとか。

俺も一回だけ奇跡的に黄金比を発見したんだけど、魔力消費がデカすぎて発動できないから、まだまだ使えないんだよね。

・・・待てよ。黄金比で奇跡的に構成されてるなら、その黄金比を壊せばいいんじゃねーか?

作るのは難しくても壊すのは簡単だ。この魔方陣に、俺が構築要素を少し加える。

それだけで魔法陣が崩れる。

ほらな。簡単だ。

「おい、タカ。お前これどうやって解いたんだ?」

「ちょっと構成要素を加えて、黄金比を壊してやった」

「なんて荒業・・・」

「よくそんなこと思いつきましたね・・・」

「魔法は難しいからな。むしゃくしゃしてやっちゃう時があるんだよ」

「封印した奴も、むしゃくしゃしてやられるとは思ってなかっただろうな」

「まぁ、扉は開いたし、何が入ってるんだろうな」

サクッ

・・・え?

何かが俺の胸の中心を貫いている。出血は無いが、物凄く痛い。

「タカ君!」

「おいタカ!大丈夫か!?」

「早く治癒魔法を!」

皆が慌てている。

俺はそのまま意識を手放した。


『そう慌てないでよ。これは契約なんだから』

どこからか声が聞こえる。誰だ?

『僕はね、今君に刺さっている剣だよ』

そうか、ならさっさと抜けてくれ。

『さっきも言っただろう。これは契約なんだよ。僕と君の、ね』

契約すると何があるんだ?

『僕の力が使えるようになる』

お前はどんな力をもっているんだ?

『それは、追々ね。それに、君はなかなか面白いものを持っているしね』

面白いものってなんだよ?

『その背中の剣さ。今は沈黙しているようだけど、いつかは話してみたいものだね』

話す?意志があるのか?

『刀は斬る相手を選ばない。しかし、持ち主は選ぶ。ってね』

お前は剣だろうが。

『まあまあ、細かいことは気にしない。君は僕に選ばれたのさ』

選ばれたって、俺は異世界から来たんだが。もしかしてそれが条件か?

『多分関係ないと思うよ?君の魔力に引き寄せられたんじゃないかな?』

俺の魔力?

『魔力にも波長があってね。君の魔力はいろんな人に当てはまる波長なんだ』

俺の魔法適性値が高いのもそれか。

『多分そうじゃないかな?なかなかに興味深いね』

その言葉に、俺の背中に刺さってる剣がカタッと動いた気がした。・・・気のせいか?

『ふぅん。そうかい、そうかい。本当に興味深いね』

何がだよ。

『なんでもないよ。さて、これで契約は完了だよ。思う存分僕を振るといい』

そして、その剣は最後にこう付け加えた。

『僕は炎煉エレン。擬人化できる・・・女の子だよっ』


「う、うぅ」

「あ、起きた」

目を覚ますと、マドカが見えた。

「おう、炎煉は?」

「炎煉?誰?」

「俺に刺さってた剣なんだけど」

「それならタカ君の中に入っちゃったよ?大丈夫なの?」

「ああ、別に何ともないけど・・・」

『胸に手を当てて』

その声は、炎煉か?

『いいから早く。そしたらそのまま胸に手を入れて、僕を引き抜いて』

「こうかな?」

そうすると、胸から一振りの剣が出てきた。おお、なんかすごい。

「・・・タカ君。何これ」

「コイツに聞いてくれ」

炎煉が完全に抜けると、剣から人型になった。マジで擬人化するんだ・・・。

「どもども~。初めまして。伝説の魔剣、炎煉です」

「・・・またタカ君は勝手に仲間を・・・しかもまた女の子・・・」

ちょっ、久しぶりにマドカが炎を纏ってる姿を見たんだけど。じゃなくて、熱い熱い熱い!

「ここで僕の力を使うといいよ」

「炎煉の力?」

「いいから早く僕を持って」

そういうと炎煉は一瞬で剣になり、地面に刺さった。

「これを持って?」

『炎を操作するイメージで吸収するんだ』

イメージ。炎が剣に吸収されるイメージ。

どんどんマドカが纏っていた炎が炎煉に吸収されてしまった。

『どう?これが僕の力の一つ。炎を自在に操る力』

「なかなか使えそうだな」

『吸収した炎は僕のエネルギーとなって』

そこで炎煉はまた人型になる。忙しいやっちゃなお前は。

「自在に操れるようになる」

そういうと炎煉はその手に炎を出して見せる。

「あ、あれ?私の炎が消えちゃった?あれれ?」

マドカはまだ自分の炎が炎煉に吸収されたことに気付いてないみたいだ。

「スゲー力を持ってんな。それ」

「まったくですよ炎を吸収させるなんて」

そこにイソラとミーさんがやってくる。

「それと、僕の魔力は契約によってペアリングされているタカ君とも共有されるからね」

「コイツに炎を吸収させれば、自動的にタカの魔力が回復するのか。場合によっては活用する場面があるかもな」

「コイツじゃなくて炎煉だよ~」

イソラのコイツ呼ばわりに炎煉が反論する。

「いつかコイツの声も聴きたいな」

俺は背中の剣を抜いて話しかける。今度は動かなかったが、いつかは会話ができるといいな。

「いつかはできると思うよ?」

「うぉい!心を読むな心を」

「ペアリングされてる以上これはしょうがないと思うよ?」

僕の心の声も聴けるから、以心伝心だよっ!

と、言われたが、確かに言葉を交わす必要がないのは便利だな。と思った俺であった。

改めましてこんにちは。河異零次です。

新学期が始まりましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

私は明日から学校が始まります。おそらく更新が早いのも今日まででしょう。

頑張って早く更新できるように努力しますが。

まあ、去年の二の舞にならないように頑張ります。

イ「今回の後書きラジオは、タカの師であり、前回からメンバーに加わったイソラと」

ミ「同じく前回から加わったミースです」

イ「今回から作者は後書きラジオには参加しないようにするそうだ」

ミ「どうしたんでしょう?」

イ「どうせ気まぐれだろ?収録現場には居るし」

ミ「一応監督ですからね」

イ「さて、今回は新メンバーの炎煉が加わった回だったな」

ミ「タカ君の剣も何かありそうな雰囲気でしたね」

イ「これはタカがパワーアップする日も近いかな?」

ミ「今回、作者はいろいろ技を考えていたらしいですよ」

イ「そうなのか?」

ミ「でも、うまく名前が出ないみたいですね。技の詳細は簡単に出てくるのにっ、てぼやいてました」

イ「作者も苦労してるんだな」

ミ「そこは厨二センスで乗り越えてほしいですね」

ガタッ!ドン!ドン!

イ「お~い、作者~。壁を叩くな~。音入ってるぞ~」

ミ「しかし、タカ君も凄いですね。魔法陣を解読ではなく、破壊するなんて」

イ「あの攻略法は見たことなかったからな」

ミ「しかも剣が喋るとは・・・」

イ「しかし、作者は擬人化が好きだな」

ミ「擬人化させないとキャラが増えないんでしょう」

イ「おお、メタいメタい」

ミ「次回も新しいキャラが出るみたいですけど」

イ「主要メンバーになりうるのかね?」

ミ「では次回も」

イ「お楽しみに!」

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