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第二話:給料?貰ってませんけどなにか?

こんにちは、河異です。

もう少しで入学式になる学生の皆さん!新入社員になる皆さん!

慣れない環境にも挫けず頑張ってください。

それでは本編です。どうぞ

朝起きたらメチャクチャ胸の辺りが痛かったので、村の医者に診てもらった結果が、肋骨の骨折だった帰り。

「おふぅ。胸のあたりが痛いぜ」

「ごめんね。まさか肋骨がへし折れてるなんて思わなくて」

「まさか肋骨が折れてるとは思わないわ」

あの寝顔の対価ならばまだまだいけるけど。

「でも良かったね?」

「何が?」

俺の肋骨が折れてたことが?まさか、そんなドSだったんですかマドカさん。

「神様が肉体強化を一通りしておいてくれたおかげですぐに治るなんて」

「まぁ、丈夫になったのには感謝するけど、なんで俺には言ってくれないのかねぇ」

俺のこと嫌いなのかな神様。俺ってほぼ初対面だよね?初めの印象が悪かったのかな?どうでもいいけど。

一通り治癒魔法を使ったらしいけど、実際まだ痛む。もう治ったらしいけど。魔法って便利。

「魔法もあんまり使えないし、どうするんだよ・・・」

「まぁ、これから鍛えていけばいいよ」

「この先やっていけるのか不安だよ・・・」

武器ないし、お金ないし。魔法ほとんど使えないし。向こうは使えるのにこっちは使えないとか、どこの兄妹のシュチュエーションだよ。俺そんな公式チートに燃えないから。

「まずは簡単な魔法を使ってみようよ」

マドカが提案してくる。まぁ、やらないよりはいいか。

「何をすればいいんだ?」

「タカ君は普段から魔法を使ってないから、回路がまだ繋がってないと思うんだ」

「ほうほう、・・・わからん」

「え!?十分わかりやすく説明したつもりなんだけど・・・」

「回路とかよくわからん」

「えっとね、魔法を使うにも、筋肉を使う神経と同じで魔法用の回路があるの」

「へ~」

魔法回路か。ちゃんとあるんだ。俺の世界の保健体育は間違っていたのか。

「だいたい、血管のことなんだけどね。」

「そうなの!?」

マジで!?そうだったのか。知らなかった。

「血管は血の他にも水とか栄養素とか色々流れてるでしょ?」

「うん」

「その中に魔素とかも含まれてるの」

「へ~」

驚きだぜ、まさか人体がそんなことになっていたとは。

「てか、魔素って何?」

MP的なやつなのか?

「魔法を使うのに必要な、言うなれば魔法の元になるものかな」

「使うと減るのか?」

「そうだね、使うと減るよ。それこそ栄養素とかと一緒だね」

「にゃるへそ。つまり俺はそれが現状少ないと」

「そうそう、しかも回路も開いてないから、魔法はまだ使えないの」

え?使えないの?

「うわ~、透視魔法とか使いたかった~」

「え?何か言った?」

しまった、心の声と口から出る言葉が逆転してた。危ね~。

「・・・なんでもないですとよ?」

「そう?」

「そうそう」

誤魔化しきれるか?

「う~ん、まぁなんでもないならいいや」

よし!誤魔化しきったぜ!

じゃなくて、

「回路?を開くにはどうすればいいの?」

「簡単なのは魔法を吸収して、魔素を体に注入すれば開くよ」

片方から開けないのなら反対から開けってことか。

そんなことを話している間に、ケイナが用意してくれた部屋に着く。いや~さすが村長。家がデカい。

「じゃあ注入してくれ」

「あ、でもさっき治癒魔法を受けたから大丈夫じゃない?」

「あっ、そっか」

もう回路開いてましたよ。あまりにも自然にされてたから忘れてた。

「じゃあ始めは簡単な魔法から」

「おう!」

それから数時間に及ぶ魔法の勉強が始まったのだった。


「うげ~。よくわかんね~」

この世界にきて、勉強から逃れたと思っていたが、そんなことは無かった。ちくせう。俺の理想を返せ。

魔法ってよくわからん。ぶっちゃけ感覚で頑張ってる。

「なんか勉強してるときを思い出すぜ」

あんまりしてなかったけど。

「タカ君は勉強できたの?」

「いんにゃ。全く。マドカは・・・そういや主席だったな」

勉強できるやつは羨ましい。そういう奴は大体何でも頑張れるからだ。俺みたいに努力しない奴は、何の取り柄もないからな。

「マドカが羨ましいよ」

「なんで?」

「何にでも真剣に取り組めるからさ」

「そんなことないよ。・・・できることを少しずつ頑張ろうとする君よりはね・・・」

「何か言ったか?」

「なーんにも!」

なんだか、今の笑顔はものすごく可愛かった。ほんと、永久保存版。

「お勉強は一旦休憩にして、お茶にしませんか?」

ケイナが緑茶を淹れてきてくれたようだ。うん、俺の脳が限界突破する前に来てくれて助かった。

あと、その後ろにある布で覆われたものは何だろう?

「しかし、この世界に緑茶があってよかった」

「私は初めての体験だよ」

「え?お二人はこの世界の出身ではないのですか?」

・・・え?

「お、俺言わなかったっけ?」

「いえ、お聞きしたのですが、ちょっと痛い方たちなのかな~って思ってました」

まさかの伝達ミス!いや、しっかり説明してなかった俺達のミスだよね。

「いや、悪い。俺の言葉が足りなかったな」


 ・・・少年説明中・・・


「なるほど。それでお二人はこの世界に来たという事なんですか」

「そういう事なんです」

「村を出るのはいつになりますか?」

「う~ん。たぶんしばらくはお世話になりそうかな?いろいろ準備しなくちゃいけないし」

神様が何もしてくれなかったから。

「そうですか」

「いや、迷惑ならすぐに出るけど」

「いえ、迷惑だなんて。ただ、」

「ただ?」

「この先もずっとここに・・・いや、やっぱりなんでもないです!」

うん?この先も~の辺りから聞き取れなかったけど、まぁなんでもないならいいか。

「このたらし」

「どうしたマドカ?俺を視線で殺そうとするな~。マジで人とか殺せそうだから」

いや、本当にその辺の小動物なら仮死状態になるかもしれない。

「何か怒ってるなら言ってくれ」

「つーん」

おお、口で「つーん」って言う奴初めて見た。

「あ、あの!」

会話について行けなくなったのか、ケイナが少し大きな声で言う。

「ん?どうしたケイナ?」

「あの、言うのが遅れたんですが、これを渡されてまして」

そういって布で覆われた物を俺に渡す。ああ、これ俺宛になんだ。

「あ、これは」

「はい、何でも動きやすくかつ使いやすいように改良した物らしいですよ」

昨日おじさんからもらった剣だ。なんか小さくなって片手用直剣くらいになって、しかも軽くなっているのは改良されたからだろう。確かにあれは重すぎて、まともに動けなかったからな。

まぁ、これでも普段から動いてなかった俺からしたら重い方なんだけど。

慣れだ慣れ。慣れれば基本なんとかなる。

「しかし、一晩でよくできたな」

あのおじさんがやったのか、はたまた別の誰かがやったのか。どっちでもいいが、武器が手に入ったのはうれしい。これでモンスター相手に素手で戦うという、武闘家みたいなことにならずに済んだ。

「溶かして打ち直したらしいですけど、龍のキバを使ってるみたいです」

「なんだか切れ味が凄そうだね!」

「そうだな。なんだか鋭そうだが、・・・鞘は?」

「・・・貰ってないですよ?」

「・・・剣だけでも貰えたことに感謝しよう!」

「そうだな!それ以上求めるなんて我がままだもんな!」

貰ったものにケチをつけるなんて、なんて失礼な奴だ!まったく、何処のどいつだ!お父さんは許しませんよ!

「鞘は自分で作るか」

「それが一番いいかな?」

「そうだ、お金とか持って無いけどどうしよう?」

「お代はいらねぇ。って言ってましたけど」

「う~ん。それだとなんだか申し訳ない気持ちになるな・・・」

俺がウンウン唸っていると、マドカが、

「じゃあ、何か村の人の役に立つことをしよう!」

と提案したので、とりあえず何かしようと外に出る。

「・・・いや、部屋借りてるんだからまず一番にケイナに何かしようぜ」

「そうだね。そうしよっか」

俺の外出時間・・・約四秒   俺の引きこもり時代に比べたら良くなってるな。確かあのときは一ヶ月の外出時間が一秒未満だったからな。

・・・夏休みの話だよ?

「お~い、ケイナ~、なんか俺らに頼みたいことあるか?」

「いえ、大丈夫ですよ。ゆっくりしていて・・・って、何かさせてくれオーラが物凄いんですけどっ!」

「そんなことないぞ~。お兄さんが何かしてあげよう」

「何か強制している気が・・・」

そんなことはない。ただ行き場のないやる気が俺を突き動かしているだけだ。

「では、そうですね・・・」

う~ん、と考えている。あれ?本当に何もないの?

「では、村の外の獣のお肉を採ってきて貰えますか?」

「OK!了解だぜ!」

その程度か。楽勝だぜ。


そんなことはなかった。

「つ、疲れた。」

少し動き回っただけなのに、ものっそい疲れた。

「獣・・・、地味に強いし、速いし、集団でいるし」

ちなみに、俺達が追いかけているのはイノシシみたいな奴らで、この辺りではよく食べられているらしい。この後に食ったけど、見た目通り豚肉の味がした。

以外にこの世界には俺のいた世界に似た食い物がある。主に米があって良かった。

「・・・罠使えばよくね?」

「・・・そうだね」

逆になんで追い回してたんだろう?普通罠使うよね。多分皆そう思ってたよね。お前罠使えよ、って。

・・・皆って誰だよ。

「無難に落とし穴とかかな?」

「それが一番楽か」

いや、実際楽なのかは知らないけど。今思いついたものでできるのはそれくらいだろう。

「じゃあ穴掘るか」

なにで?

「そうだね」

まてまてまて!!!その手に持っているものはなんだ!

俺にはドリルにしか見えない。超デカいの。

ギュィィィィンっていってる。このドリルは、天を貫くドリルだ!

掘るのは穴だけど。

「じゃあ掘るよ」

「おう」

ギュィィィィン

ドリルの素早さでどんどん穴が大きくなっていく。これならよっぽどの大きさがないと落ちるだろう。

あと、飛べない限り上がってこれないだろう。

そう、飛べないのなら抜け出せないのである。

「うわ~ん。出られなくなっちゃったよ~」

「うん。なんとなくわかってた」

マドカが穴に落ちた。(徐々に降下した)

普通に考えたらある程度の高さでやめるのに、(推定)六メートル前後掘ってから気づくマドカは天然なのかな?

ギュィィィィン、ってまだ掘るの!?上がれないからって降りるなよ!

どっちかっていうと高すぎて落ちたら死んじゃうから。落下死するから。

「お~い。なんか便利な魔法とかないのか~」

空飛ぶとか、転移とか。

「う~ん、魔法を使いすぎると、魔力探知に引っかかっちゃうかもしれないんだよね~」

「今回はしょうがなくね?」

ドジっちゃったんだし。

「そうだね。使っちゃおっか」

マドカが穴から消え、俺の隣にいた。

これは多分・・・転移魔法かな?

「この穴は動物が落ちて死なないようにもう少し小さくしような」

掘るときはドリルで一瞬だったのに、埋めるのは手動というアナログ方式。

果たして動物は落ちるのだろうか・・・。


「だせー!ここからだせー!」

「・・・なんてこったい」

まさか、動物を落とすためにつくった落とし穴が、まさか魔物を落とすことになるとは。

大体五、六体位か。皆ゴブリンだが、昨日のゴブリンとは何か違う気がする。

「まぁ出してやるか」

「え!?出しちゃうの!?」

「こいつらは何もしてないだろ?」

「そ、そうだけど・・・」

「だったら出してやろうぜ」

俺は魔物とかが全員悪いとは思ってない。

確かに悪いことをしてる奴もいるだろう。昨日のようにゴブリン達のような奴らがいるだろう。

でも、それでも全員が悪いとは断言できないだろ?オタクと言われる奴だって、オタクだからって軽蔑したりするのはよくないと思う。先入観、ダメ、絶対。

「おお旦那!ここから出してくれるのかい?」

ゴブリンのリーダーっぽい奴が代表して言う。

「ああ。だがここから出す為の物がない。それを取ってくるまで待っててくれ」

「旦那!それならここにロープがありますぜ」

そう言ってロープを上に投げる。

おっと、危ない危ない。落とすところだった。

「大きな木はどこにあるかな」

見渡すと、細い木々の中に一本だけ大きな木を見つけた。これでいいか。

「お~い、ロープ結んだから登って来てくれ」

「わかりやした」

ゴブリン達がロープを使って登って来る。

「旦那、ありがとうございやした」

「いやいや、当然のことをしたまでだ」

俺達がつくった穴だからな。当然だろう。

「この恩はいつか必ず」

「そん時はよろしく頼むぜ」

また会う時があるだろうか。何かの縁があれば会う時があるだろう。

「本当に良かったの?」

「良かったさ」

話せばわかる奴だっている。心から許し合える奴だっている。いろんな奴がいるんだ。当然、魔物にだって。

「・・・帰るか」

「うん」

何かを忘れている気がするが、忘れているってことはあんまり重要な事じゃないんだろう。


「私はお肉を頼みましたよね、タカさん?」

「ハイ、ソウデス」

「なのに何故手ぶらでいい顔をして帰って来てるんですか?いえ、手ぶらが悪い事とは言いません。しかし、あの爽やかな笑顔はなんですか?」

「イエ、アノ、モウシワケアリマセン」

「まぁいいです。残っている食材があるので料理、手伝ってください」

「オオセノママニ」

忘れていた。とても重要な事を忘れていた。

俺の記憶力は相当低いらしい。ちくせう、暗記のタカと呼ばれていた頃が懐かしい。

「マドカさんはゆっくりしててくださいね」

「はい、・・・わかりました」

「今は私だけのものにしますけど、かまいませんよね?」

「・・・大丈夫です」

おい、今俺の人権が否定されてなかったか?なぁ?俺、今物扱いされてませんでしたか?

「さぁ、料理をしましょう、タカさん」

「あ、ああ」

俺は今日、ケイナが怒るとものすごく怖いことを知った。


◆ケイナside

まったく。何故かあの二人が、いえ、タカさんがマドカさんと仲良さそうにしているのを見ると、少しムカッとします。何故でしょうか?

「なぁ、レタスはこれでいいのか?」

「はい、それで大丈夫です」

「なぁ、これは」

「それはもう少し薄めに切ってください」

「わかった」

うん。なんだろう、この気持ちは。よくわからないけど、いつかわかる時がくるのかな?

二人きりになったらわかると思ったけど、やっぱりわかんないや。

「もう少し、ここにいてくださいね」

「ん?どうした、なんか違ったか?」

「いえ、なんでも」


◆タカside

今俺は風呂に入りながら考え事をしている。

今日も疲れたなぁ。いつも家に引きこもっていたのが嘘みたいだ。

ここで準備をして行くにしても、あんまり長居はできないよなぁ。

「さて、どうしよっかな」

結局しばらくはここにいるだろうし、今日もこの村になんにもしてやれてないしな。

「皆いい人たちだよな」

なんだか田舎のじーちゃん達のことを思い出す。

魔法も覚えなきゃいけないし、剣だって上手く扱えない。

「まだまだ問題は山積みか」

そうして俺は、のぼせるギリギリまで考え事をしていた。

改めまして、こんにちは河異零次です。

春休みも、もうそろそろ終わりを迎え、宿題が終わっていない私の叫びなど露知らず、中学最高学年になる自覚を持たずに新学期を迎える今日この頃。

皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

タ「とりあえずお前は宿題をしろ」

作「だが断る!」

マ「この人はどうして宿題を早めに終わらせないんだろう」

作「俺は部活を休んでいる奴をみて思うんだ」

タ「ほう、なんと?」

作「宿題が終わらないから部活を休む?バカ野郎!俺は違うぞ!」

マ「おお、かっこいい」

作「宿題が終わらないからじゃねぇ、めんどくさいから行かないんだ!」

マ「おお、かっこ悪い」

作「俺はM!しかしMはめんどくさいのMだ!」

タ「そんなこと考えてたのか」

作「宿題なんて最終日の俺がなんとかしてやる!」

タ「結局あとの自分に任せんのかよ・・・」

作「しかし鋼錬はいい話だ」

マ「なんで今更・・・」

作「古本屋で立ち読みして、その後アニメ見直してた」

タ「何故にお前は自分を追い込むんだ」

作「言っただろう?テスト期間しかり、長期休みしかり、俺は追い込まれた時がはかどると!宿題をいかに早く終わらせるかで、物凄い負担がかかるが」

タ「基本二徹だろ?ほぼ午前中は部活とかでなくなるから、ほぼ丸一日で終わらせる計算なんだが」

作「おかげで新学期初日は立ったまま寝てるぜ」

マ「そこまで極めちゃったんだ」

作「君の、休みが、終わるまで、俺は、だらけるのを、やめない!」

タ「最低だ!」

作「そんなこんなで新キャラを出すタイミングを失い、予定が根底から覆されたところで今回はここまで!」

マ「次回もお楽しみに!」

作「ブックマークに登録、感想、評価。いろいろしちゃってもいいんだぜ?」

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